青木泰さんの記事が、「週刊金曜日」6/24日号5pに掲載されました。金曜アンテナというサイトに全文掲載されているので、以下転載させて頂きます。感謝。:
金曜アンテナ
微粒子の飛散で内部被曝拡大
環境省が放射性廃棄物焼却の方針(2011/6/24)
環境省は、東京電力と国による福島第一原発事故、汚染水の海洋投棄に続き、第三番目の大きな過ちとなる放射能汚染廃棄物(=がれき)の焼却処理を決める方針だ。この非常識な焼却処理は、一般廃棄物の処理権を持つ市町村が選択すれば進められてしまう。
収束できない福島第一原発から今も放出されている放射性物質は、福島県内だけでなく三〇〇キロ離れた神奈川県足柄の茶畑を汚染し、各地に高濃度放射能汚染区域=ホットスポットをもたらし、汚染が拡大している。事故の早期収束は待ったなしである。
ところが環境省は、福島県内における放射能汚染がれきを市町村の清掃工場で焼却したり、埋め立て処分したりし、放射性物質の発生源を増やそうとしている。
放射性物質も他の物質と同様、焼却して消えるわけではなく、焼却すると微粒子と排ガスになって、煙突から大気中に飛散する。焼却炉には、有害物の飛散を抑えるためにバグフィルター等の除去装置が付けられているが、すべて取りきれるわけではない。実際、東京都内の清掃工場でも除去できるはずの水銀が、自主規制値を超えて排出され工場の操業が止まった。清掃工場の煙突から吐き出された放射性物質は、大気中を広がり、体内に入ると内部被曝をもたらす。
がれきの焼却が始まれば、放射性物質は福島第一原発だけでなく、県内各地の清掃工場から多発的に放出されることになる。これを看過すれば、福島県は今以上に子どもを安心して育て、農業や畜産を営む場所ではなくなる。
なぜいま焼却か? 地震と津波によって発生したがれきは、福島県は二八八万トン。岩手県、宮城県のそれぞれ四九九万、一五九五万トンに比べると量は少ないが、原発事故の放射性物質に汚染されたため処理の方策が決まらず、避難区域や計画避難区域のものはそのままにして、それ以外のものは、県内一三六箇所の仮設置き場に分散配置してきた。しかし放射能で汚染されたがれきを住宅地や学校などのそばに積み重ねたのでは、近隣に住む人にとって大迷惑で、子どもを疎開させた人もいるという。
焼却は、仮設置き場に置いたがれきを早く片付け、かさを減らすのが目的という。しかし焼却や除染なしの埋め立ては、二次被害の要因となる。仮設置き場のがれきを撤去するのなら東電と国の責任で、原発の避難区域に移し、シート等で覆い、原発の収束を待って洗浄等によって除染の上で、安全策を考えて処理する必要がある。
がれきの汚染濃度は一メートル離れたところで、一・一~二〇・八ミリシーベルト/年もの放射線量があった。放射性物質の指標値としてきたクリアランスレベル〇・〇一ミリシーベルトの一一〇倍~二〇八〇倍である。直接測ればもっと高い。
世界のどこも行なっていない高濃度放射性廃棄物の清掃工場での焼却処理。放射性物質による汚染の拡大に歯止めが必要な時に逆に汚染源を増やす。これは犯罪行為に近い。
たとえば、各地に降り積もった放射性物質は、雨によって下水に流れ、下水処理の過程で汚泥に濃縮され、江東区では汚泥廃棄物の焼却処理によって周辺に高濃度汚染が生じている。ところが、高濃度放射性廃棄物である汚泥は、すでに燃やし始めている自治体もあるものの、焼却が罰せられることはない。現状の環境基本法や廃棄物処理法では、放射性物質とその汚染物を有害物とせず、禁止や規制対象から外しているからだ。明らかに法律上の不備である。
環境省は現行法の不備を直さないまま福島のがれき焼却を進めようとしているが、これは福島での放射能汚染の拡大のみならず、東日本各地の自治体での汚泥などの放射性廃棄物の焼却に拍車をかけ被害を広げることになる。
国と環境省に焼却撤回の声を集める必要がある。がれき焼却の詳しい情報は「ごみ探偵団」のブログ(URL http://gomitanteidan.blogspot.com/)と、環境総合研究所・鷹取敦氏の見解(URLhttp://eritokyo.jp/independent/takatoriatsushi-col1.htm)を。
青木泰・ジャーナリスト
収束できない福島第一原発から今も放出されている放射性物質は、福島県内だけでなく三〇〇キロ離れた神奈川県足柄の茶畑を汚染し、各地に高濃度放射能汚染区域=ホットスポットをもたらし、汚染が拡大している。事故の早期収束は待ったなしである。
ところが環境省は、福島県内における放射能汚染がれきを市町村の清掃工場で焼却したり、埋め立て処分したりし、放射性物質の発生源を増やそうとしている。
放射性物質も他の物質と同様、焼却して消えるわけではなく、焼却すると微粒子と排ガスになって、煙突から大気中に飛散する。焼却炉には、有害物の飛散を抑えるためにバグフィルター等の除去装置が付けられているが、すべて取りきれるわけではない。実際、東京都内の清掃工場でも除去できるはずの水銀が、自主規制値を超えて排出され工場の操業が止まった。清掃工場の煙突から吐き出された放射性物質は、大気中を広がり、体内に入ると内部被曝をもたらす。
がれきの焼却が始まれば、放射性物質は福島第一原発だけでなく、県内各地の清掃工場から多発的に放出されることになる。これを看過すれば、福島県は今以上に子どもを安心して育て、農業や畜産を営む場所ではなくなる。
なぜいま焼却か? 地震と津波によって発生したがれきは、福島県は二八八万トン。岩手県、宮城県のそれぞれ四九九万、一五九五万トンに比べると量は少ないが、原発事故の放射性物質に汚染されたため処理の方策が決まらず、避難区域や計画避難区域のものはそのままにして、それ以外のものは、県内一三六箇所の仮設置き場に分散配置してきた。しかし放射能で汚染されたがれきを住宅地や学校などのそばに積み重ねたのでは、近隣に住む人にとって大迷惑で、子どもを疎開させた人もいるという。
焼却は、仮設置き場に置いたがれきを早く片付け、かさを減らすのが目的という。しかし焼却や除染なしの埋め立ては、二次被害の要因となる。仮設置き場のがれきを撤去するのなら東電と国の責任で、原発の避難区域に移し、シート等で覆い、原発の収束を待って洗浄等によって除染の上で、安全策を考えて処理する必要がある。
がれきの汚染濃度は一メートル離れたところで、一・一~二〇・八ミリシーベルト/年もの放射線量があった。放射性物質の指標値としてきたクリアランスレベル〇・〇一ミリシーベルトの一一〇倍~二〇八〇倍である。直接測ればもっと高い。
世界のどこも行なっていない高濃度放射性廃棄物の清掃工場での焼却処理。放射性物質による汚染の拡大に歯止めが必要な時に逆に汚染源を増やす。これは犯罪行為に近い。
たとえば、各地に降り積もった放射性物質は、雨によって下水に流れ、下水処理の過程で汚泥に濃縮され、江東区では汚泥廃棄物の焼却処理によって周辺に高濃度汚染が生じている。ところが、高濃度放射性廃棄物である汚泥は、すでに燃やし始めている自治体もあるものの、焼却が罰せられることはない。現状の環境基本法や廃棄物処理法では、放射性物質とその汚染物を有害物とせず、禁止や規制対象から外しているからだ。明らかに法律上の不備である。
環境省は現行法の不備を直さないまま福島のがれき焼却を進めようとしているが、これは福島での放射能汚染の拡大のみならず、東日本各地の自治体での汚泥などの放射性廃棄物の焼却に拍車をかけ被害を広げることになる。
国と環境省に焼却撤回の声を集める必要がある。がれき焼却の詳しい情報は「ごみ探偵団」のブログ(URL http://gomitanteidan.blogspot.com/)と、環境総合研究所・鷹取敦氏の見解(URLhttp://eritokyo.jp/independent/takatoriatsushi-col1.htm)を。
青木泰・ジャーナリスト
微粒子の飛散で内部被曝拡大 環境省が放射性廃棄物焼却の方針(2011/6/24)
www.kinyobi.co.jp › バックナンバー › 金曜アンテナ(一覧) - キャッシュ
2011年6月24日 – 『週刊金曜日』の「特集記事」、「風速計」、「金曜アンテナ」、「市民運動案内板」、 「読者会から」、「こんなこと ... 鷹取敦氏の見解(URL http://eritokyo.jp/ independent/takatoriatsushi-col1.htm)を。 青木泰・ジャーナリスト ...青木泰「微粒子の飛散で内部被曝拡大 環境省が放射性廃棄物焼却の方針」週刊金曜日、5p、2011.6.24 (852号)
https://docs.google.com/viewer?a=v&pid=explorer&chrome=true&srcid=0BzopYmjFsal1MmFhNjVmYzEtNjVmZi00YTUyLWI5ODItMTc0ZjNlZmRmNWNi&hl=en_US
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青木泰さんその他週刊金曜日記事:東日本大震災の巨額な復興予算をいかに捻出するか -朝霞基地跡地 ...
blogs.yahoo.co.jp/asaka_kichimondai/63385800.html - キャッシュ
2011年5月19日 – 東北復興は今年度予算の見直しと圧縮で 大型補正で財源確保をと ジャーナリストの青木 泰氏 ... 週刊金曜日5/13号). ◇本当は消費税増税は必要ない! イメージ 2 同じ号で税理士・浦野広明氏と経済ジャーナリストの荻原博子氏が復興 ...ごみ探偵団: 「週刊金曜日」〜「ごみ焼却炉談合事件に正義のメスを」by ...
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2010年2月12日 – 「週刊金曜日」〜「ごみ焼却炉談合事件に正義のメスを」by 青木泰. 青木泰さんからのお知らせです。 ✑ ✑ ✑. 皆様へ. 今週号の「週刊金曜日」に「ごみ焼却炉談合事件に正義のメスを」を書きました。皆様ぜひご覧ください。...ーーーーーーーーーー
放射能汚染がれき、汚泥関係過去記事:
- ゴミ発電はまやかし! 青木泰さんから届いたメールと情報
- 「放射能汚泥 関東3万トン」東京新聞 20110701
- 放射能と焼却炉 「放射能はバグフィルターで除去できるか 1、2」と青木泰さんのコメント
- ▼ 6月 (43)
- メモ:放射能汚染 23区清掃工場の一般ごみ焼却灰から放射性物質検出、関連
- 20110627 メモ:下水汚泥処理施設関係 資料、追記あり
- 20110626 放射能汚泥:①−2石川さんの質問に対して@tigre_blanc さん(現場を知っ...
- 20110626 放射能汚泥:①−1南部スラッジプラントの近くに住む、江東区の石川綾子さん(@3si...
- 20110625 青木泰さんメール「環境省、がれき処理を自治体(市町村)に丸投げー2次被害の責任は自...
- 20110624「セシウ ム 137Cs等の放射性物質で汚染された可燃性廃棄物の焼却排ガスの処理につ...
- 福本勤先生の経験~ずさんな「ダイオキシン類発生防止等ガイドライン」の取り纏め、を含む~旧厚生省...
- 20110624 放射能汚染瓦礫:環境省の説明会関係ニュース、「丸投げだ」他、
- 20110623 放射能汚染瓦礫、震災瓦礫~報道記事
- メモ:資料3/6 17p 表 2-6 焼却処理シナリオにおける主な評価パラメータ一覧(4/15) ...
- 20110622 放射能汚染瓦礫:環境省発表資料「第三回災害廃棄物安全評価検討会」6/29資料につい...
- メモ:東京汚泥処理施設、ゴミ処理施設関係
- 放射能汚染瓦礫: 環境省「第三回災害廃棄物安全評価検討会」6/19 非公開会議の結果、記者会見、報道...
- 20110619 放射能汚泥~「横浜市汚泥処理プラントざっくり試算」togetter、茨城データ検証...
- 放射能汚泥・焼却灰問題:東京の下水処理施設、ごみ焼却施設、処分場
- 20110618 放射能汚泥/瓦礫処理関係情報、経産省6/16発表資料
- 「放射能汚染災害廃棄物の焼却処理一放射性物賞を拡散する世界の非常識」 20110614 環境ジャーナ...
- 20110614 福本勤先生からの回答:「原発震災廃棄物・広域処理問題」ブログ記事「既存焼却炉で焼却...
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