2011年6月25日土曜日

20110625 青木泰さんメール「環境省、がれき処理を自治体(市町村)に丸投げー2次被害の責任は自治体の首長!?」


福島県の放射能汚染瓦礫処理に関する環境省の方針について、青木さんから続報が入りました。

ー 放射能汚染瓦礫は、既存の関係法では除外事項で、法の枠組みを整備しないまま、国は市町村に処理を押しつけようとしている。「責任をあちこちにづらしていくやりかたをとろうとしている」。あいまいな処理方針が3回にわたる「災害廃棄物安全評価検討会」で示されたが、「何を共通項として確認されたのかが不明である」。「大前提としては、東電と国が責任のとり方を今後明らかにする」ということだが、市町村が法制度のないまま、放射能汚染された瓦礫の焼却処理や埋立てを行って、問題が生じれば、責任を問われるのは処理を実施した当該市町村である。(現行廃棄法ではそうなっている)。

ー 国はどうしようとしているのか?市町村の立場は、国との関係でどんな問題が生じるのか?県の立場は?など、法律面からこの放射能汚染瓦礫処理の問題を整理して、追加記事を至急まとめているところ。


こうした考えに基づき、国の動きについて経過報告として書かれたものです。以下、掲載させて頂きます。青木さんに、感謝:
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差出人: 青木泰
件名:  見解のブログ掲載に当たっての見解
日時: 2011625 9:31:03:JST


ごみ探偵団様、原発震災廃棄物・広域処理まとめ管理者様


御世話様です。

環境省は、福島県の放射能汚染されたがれきを焼却(&除染処理することなく埋め立てる)処理する方針を決め、自治体に提案し始めました。しかしこれは日本の環境行政が、どんなに非常識かを世界に示すとともに、生活する人や働く人、そして未来を担う子供たちのことを考えていないことを示しています。

2011年3月11日、私たちは決して忘れることの出来ない大災害に見舞われました。3.11以降「専門家」に「安全性の評価」や「予測」を任せてはいけない。その点が身にしみたはずです。ところが今回福島県のがれき処理に当たっては、環境省は、有識者検討会(「災害廃棄物安全評価検討委員会」)を立ち上げ、非公開で行い、そこでは、福島県の136箇所のがれきを焼却しても・埋め立て処分しても問題がないとの結論を得たと発表しています。ここでは3・11以前の体質で、事を処理してゆこうという色合いが濃厚です。

先日私は「放射能廃棄物の焼却処理ー放射性物質を拡散する世界の非常識」の一文を書きました。

当初環境省は福島県の136箇所の仮設置き場のうち10町村の低汚染分のみ処理すると説明していました。ところが今回の有識者検討会(6月19日)の結果では、汚染度が高いところでも、年間シーベルトで言うと20mSVを越えたところもあります。一緒くたに燃やしたり、埋め立て処理したりしようとしています。

なぜそのようなことが可能なのか?今調査しています。

まとまりましたらまたご報告いたします。

概要は以下の通りです。


1)国&環境省が、放射能汚染災害廃棄物の焼却・埋めての通常処理にゴーサインを出す。これは汚泥処理のあり方を含めた一般廃棄物に共通する問題です。

2)そこで保安院・安全委員会だけでなく廃棄物関連の有識者検討委員会=「災害廃棄物安全検討委員会」を立ち上げた。つまり経産省、文部科学省がらみだけでなく、環境省も絡ませる。

3)廃棄物処理法第6条のニでは、一般廃棄物はそれを出した自治体の責務であり、自治体に処理をおこなわせるためには、環境省も絡ませ、放射能汚染廃棄物は燃やしても埋め立てても安全と発表させる必要があった。

4)もちろん有識者検討会に名を連ねた有識者も放射能汚染廃棄物の焼却にゴーサインをすれば、非難は自分たちに集まることになる。原発事故の尻拭いだけを負わされたのではたまったものではない。そこで役人は有識者から了解を得るためにいくつかの仕掛けを行った。

① 当初汚染度の低い10町村の検討として出発させた。
<出席委員の中には第2回が終わった後でも提案が今でもそうなっていると考えている人がいた。>

②がれきの汚染度は、可能性や怖れの範囲でデータを示し、福島県内のものは処理してもOKとした。全部で200~300pになる膨大な資料を提出。<1回たった2.5時間の会議、しかも出席者約10名でそれらの資料の討議は十分に出来るはずはない。あうんの呼吸で進めるしかない>

③ その際活用した理屈は、多少汚染度が高くともバグフィルター等で99・99%除去できる。埋め立ては、土でサンドイッチにするのでOKとした。

<福島第1原発では、商業サイドに載っていた汚染水の処理機でさえ、悪戦苦闘している。工業技術や工学技術は机上の予測どうりに進めることはできない。企業体であれば研究開発の後に量産試作や製品検査などを行うというのは常識であり、放射性廃棄物について実証実験をせずOKした専門家のセンスは疑う。>

④さらに了解を出した有識者検討委員会の責任の軽減を図るための極め付けが、「大前提」を設けたことである。

保安院の見解を基本とし、そこで「大前提」=住民へ影響を与えないことをおき、自治体がその大前提のもとに進めるとした。<つまり放射能被害が実際に問題となり、住民や作業員の危険リスクを犯してまでなぜ焼却や埋め立てを行ったのかと問題になれば、「危険性」を無視してまで焼却や埋め立てを行えと言っていないと逃げるつもりである。>

5)会議の非公開は、結局メディア対策。
新聞はこうした事情は感知することなく、非公開された会議の様子を役人から「また聞き」して記事を作っている。

その又聞きの範囲で「焼却」「埋め立て」それぞれに重きをおいた記事が作られ、6月19日に何が決まったのかさえ、焼却、埋め立て等見出しの論点がばらばらである。役人たちが新聞に期待したのは、環境省が通常の埋め立てや焼却を方針化した。それが問題であってもこれは決定で今後その方向で進められてゆく。それをメディア媒体を通じて報じたかったということである。

あの時点で的確な報道は、見出し的には「環境省、がれき処理を自治体(市町村)に丸投げー2次被害の責任は自治体の首長!?」ということではないかと考えています。

 今整理している問題は以上の通りです。よろしくお願いいたします。

20110625             青木泰

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国の動きに関する関係記事:
1。「放射能汚染災害廃棄物の焼却処理一放射性物賞を拡散する世界の非常識」 20110614 環境ジャーナリスト 青木泰
*青木さんは、福島の可燃瓦礫にはブルーシートをかぶせておいて、そのまま東電と国に引き取らせるべきという考え。

2-1。「放射性物質汚染の瓦礫を焼却処理する環境省の脆弱な根拠」鷹取敦 20 May 2011 独立系メディア
2-2。「放射性汚染瓦礫を既存炉で処理へ-危険な環境省の新方針-」鷹取敦 5 June 2011 独立系メディア
http://eritokyo.jp/independent/takatori-fnp0002.htm

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1 件のコメント:

  1. お願い申し上げます。
    ご存知のように環境省より以下内容にてがれきの処理の要請が各地にあります。
    がれき焼却灰の処分方法
     環境省は8月、がれきの焼却灰について、放射性セシウムの濃度が1キログラム当たり8千ベクレル以下は通常のごみ焼却灰と同様に埋め立てができるなどとする「焼却灰等の処分方法に関する方針」を出した。8千ベクレル以下ならば、作業員の被ばくが原子力安全委員会が目安にする年間1ミリシーベルト以下にとどまるため、健康に問題ないレベルとした。1キログラム当たり8千ベクレル超―10万ベクレル以下の場合は、セメントで固めて遮水シートなどで外部に放射性物質が漏れないようにすれば埋め立てが可能としている。

    この基準が決まる前に関東でも浄水場の汚泥より放射性物質が検出され処理に困っているとの事でした。
    困っていたのです。今般の決定よればこれらの汚泥も埋め立てが可能となります
    この程度の放射性物質はリサイクル可能であり通常の焼却処理、廃棄物処理が可能になります。
    いままで政府からの正確な情報開示が迅速に行われなかった為、我々はなにも見えない中でもなんとか被爆しない努力を個人レベルで続けてきました。きっとこのまま進むのだと思います。でも公務員を志した皆様にお願いしたいのです。
    この問題をもっと多きく取り上げ、掘り下げて下さい。
    8000ベクレルとはどのような意味を持つのか
    現地で廃棄物はどのように検査されているの
    今では100倍の10万bqの廃棄物も埋め立て可能です。
    いままで放射性廃棄物の検査はアルファー波、ベータ波共に計測します。我々はせめてこの瓦礫はどの程度汚染されているのか。どのように運搬されるのか。自治体や環境省の回答は基準値を守ります。でも検査はしているか分かりません。どのようにするかも知りませんと言います。とても不安です。あきらめろと言われても、自分、家族、子供達の健康をあきらめるのはそんなに簡単ではありません。
    政府が強行に進めるなら、ならなおさらどのように現在事がすすんでいるのか知る必要があります。
    セシウム137は天然ウランより放射線量の高い恐ろしい物質です。セシウム137は30年程の半減期を過ぎるとγ線を放ちます。β線より危険かもしれません。
    どの程度の質量が過去どのような病気を引き起こしたのか。
    国が決めてしまったのならば放射線への認知度また今回の意味をもっと市民が知らなくては危険です。
    輸送業者かたは子供がいるかもしれません。汚染物質を運搬する際どうすれば内部被ばくを避けられるのか。
    作業につかった服はどうするのか。
    焼却処分や埋め立てに従事する方々も同様です。
    セシウムはカリウムに似ていて土壌との親和性が良いのです。
    これをそのまま埋め立てるというのはどういう意味か。
    なぜこのような事が決まってしまったのか分かりません。
    でも変えられないのなら身近にどんな危険があるのかしならなくては対処できません。
    私達は一度ばらまいてしまった放射性物質がおいそれと回収できるとは思いません。
    起きてしまった事故の実態と我々がおかれている状況を知った上でベーターな選択する方向で
    模索して行くしか無いと思います。
    私達は既にある一定程度被爆しました。これが今後加算されていきます。
    埋め立て地では管理できるのでしょうか。私はなるべく負の遺産が子供達へ行かないようにしてあげたい。

    環境省によれば今年夏に策定した上記基準値以内であれば通常の処理およびリサイクルが可能です。
    放射線は累積です。水、食品、空気、今回リサイクルも可能というのならリサイクル用品もです。
    これは皆さんのお子さん、家族、親戚が関係する問題です。せめて知識を高めある状況に対応して行かなくては
    ならないと思います。

    http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/attachement/110928press%20.pdf

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