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2010年9月24日金曜日

日程が変更になりました。100%資源化P 次回講演会10月30日ー久喜宮代のHDM方式ー






10月30日(土)13時30分~講演・学習会 資料代: 500円
「生ごみ堆肥化“失敗”の中からHDMで再挑戦」
―見逃せない久喜・宮代の足跡―

<講演内容>
*    「堆肥化導入に当たってのキーポイントーHDM導入に至る経過から見えてきたもの」堆肥生産専門委員会委員 前宮代町議 加納好子氏
*    「HDM方式の特徴―これまでの堆肥化との違いー」熊谷清掃社・技術担当
場所: 西東京市市民会館大会議室  電話:042-463-5381
(西武新宿線田無駅北口、線路沿い所沢方面へ徒歩数分シチズン向かい)
主催 生ごみ100%資源化をめざすプロジェクト
(連絡先:042-467-0061)

以下、本件日程変更に関する、青木さんからのメールです:

2010923 14:47:37:JST

皆様へ

先日お知らせした「生ごみ100%資源化をめざすプロジェクト」の次回講演会(添付参照)日程が当初の1023日から1030日に変更されました。


皆さんにお知らせいたします。

1023日(土)の同時刻には、日の出の森・支える会の総会&講演会がすでに設定されていたため、プロジェクトのほうで急遽日程変更したものです。

なお日の出の総会と講演会は、立川市柴崎学習館(旧中央公民館)第2教室であります。

講演会の講師は、坂巻幸雄(元日本環境学会副会長)氏です。


2010年9月2日木曜日

生ごみ100%資源化をめざすプロジェクトからのお知らせ&「韓国でなぜ生ごみ資源化90%が可能だったか」講演報告 by 青木泰氏


以下、青木泰さんから届いたお知らせ講演会の報告です。
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2010年9月2日 11:42:26:JST

生ごみ100%資源化を目指すプロジェクトからのお知らせ

7月17日の「韓国でなぜ生ごみ資源化90%が可能だったか?」の講演会、暑い中ご参加御苦労様でした。

この講演会は、参加された方々が、ご自分のブログ(大塚恵美子東村山市議、脇晴代所沢市議)に報告され発表されています。(ブログでの発表ありがとうございます)。また小平氏の入江篤子氏も報告を寄せて下さり、「ごみ探偵団」に報告が載っていますhttp://gomitanteidan.blogspot.com/2010/07/717100.html
。あわせてご覧ください。・・・参加された皆様でご報告や感想を書かれた方は、当方か「ごみ探偵団」にお知らせください・・・

この集会報告は、大変な反響で参加された方が発表されたブログの検索数は、万を超えての検索数になっています。若干数字的な訂正箇所もあり、講演集会の内容は、下記のようにまとめました。

本プロジェクトは、第1回「生ごみで花一杯の街づくり」(戸田市吉田義枝環境室副主幹)第2回「日本における生ごみ資源化の状況」(NPO法人堆肥化協会会田節子事務局長)を開催し、「韓国でなぜ生ごみ資源化90%が可能だったか?」(鄭智允自治総合研究所)は、第3回目でした。この間以下の催しがあり、
8月6日  東京23区とことん討論会
8月23日 生ごみ全国交流会(NPO堆肥化協会主催)、生ごみ乾燥機実演展示(NPO環境保全協会主催)
8月26日 久喜・宮代衛生組合HDM見学交流会

これらのご報告と今後秋の予定―
* 食品リサイクル法についての学習会
* 戸田市と久喜・宮代への見学会
の進め方やスケジュールを下記のようにご相談したいと思います。

日時:8月6日(月) 18時30分~
場所:西東京市公民館(田無駅南口―西東京市役所隣―図書館と併設)2階集会室
内容:生ごみ100%資源化を進めるプロジェクトの打ち合わせ

以上
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 2010.7.17 鄭智允氏講演会報告
― 生ごみ100%資源化をめざすプロジェクト主催 ―
「韓国でなぜ生ごみ資源化90%が可能だったか?」
               
20100725 まとめ 青木泰(&鄭智允)

梅雨明けが宣言され、うだるような暑さの17日、西東京市市民会館で地方自治総合研究所の鄭智允氏の講演学習会が行われた。暑さをものともせず駆けつけて下さった50余人の参加者の熱いまなざしに、鄭氏は、姿勢を崩すことなく、1時間15分の講演を水も飲まずに一気に行い、続いて参加者からの要点をつく質問に、一つ一つ丁寧に答え、講演会が終わった時には、韓国でなぜ90%資源化が行われたかの実態が、参加者に確実に伝わったのではと思わせる充実した講演会になりました。

1 講演の要約
1)韓国では、生ごみ92%再活用(資源化)が進み、ソウルでは2006年から3年連続100%再活用が進んでいる。
2)ソウルでの再活用は、2008年ベースで飼料化が約57%、堆肥化が42%となっている。
3)その他の家庭から出るごみも再活用率約6割である。
4)1990年代初期まで韓国における廃棄物処理は、8割以上を埋め立てていたが、1999年埋め立て禁止法が制定(2005年施行)される事によって、ごみの再活用率が上がるようになった。
5)さらに遡って1995年に従量制(有料化)を実施し、各自治体で分別収集を行うと共に、罰則制度(条例通りに分別しない時に、課徴金。違反を繰り返すと罰則金が倍々に増えるようにしているところもある。)も導入してきた。
6)民主化運動による政権交代で、環境問題への取り組みが強化し、環境団体も力を増してきて、子供への環境教育も増える等々,環境へのさまざまな取り組みが可能となった。
7)ソウルは東京都と人口が変わらず、1000万人を越す人口が在り、人口密度は東京より高い大都市でそこで生ごみ資源化ができていると言うのは、注目に値する。

2 韓国―そしてソウルの概要
韓国は日本の隣国であり、2002年には、日韓共催のワールドカップも行われているが、韓国の人口が約5000万人、首都ソウルには、約1000万人強の人が住み、ソウル市を含む、首都地域には、約2000万人以上、韓国の約半数が生活している。

つまり日本の首都圏と同じような地域に於いて、生ごみの資源化が行われている事が、報告された。人口密度を見た時、ソウルは、東京やニューヨークよりも高いことが、報告されたが、これは少し驚きだった。

私たちの認識の中にはいつの間にか東京中心の考えがあり、アジアでは、東京から離れるほど、田舎になる。という考えがあったようだ。最近でこそ中国の台頭があり、北京オリンピック、上海万博と続く世界的なイベント誘致によって、中国への注目は、高まっているが、中国の進んできた道は、東京オリンピック、大阪万博とかって日本が進んできた道を踏襲した範囲であり、今回の韓国の生ごみ資源化は、日本ができなかったことを実現した事例である。

ではなぜ国家レベルで生ごみ資源化90%という偉業が、実現できたのだろうか?日本でも生ごみ資源化は、地方の自治体を中心に進んできている。韓国は、たぶん田舎で、空き地も畑地も存分にあるから生ごみ資源化が可能だったのでは? なんとなくそのように考えていた事が、鄭智允さんの説明でのっけから打ち砕かれた。

世界の主要都市の中でもソウルは、パリについで、人口密度が、高い都市だったのだ。

3 韓国での生ごみ資源化の実態
<生ごみは、家庭系の1/3を占める>

ごみの発生量は、人口と経済活動の両方に関わり、規制される。韓国は、2000年以降順調にGDPを増加させ、2001年も600兆ウオンから2008年までに1000兆ウオンまで増加させ、経済成長率は、2%~7%の推移してきた事が、図表で示された。

日本の廃棄物の分類方法と略(ほぼ)同一で、
家庭系・・・・生活系
事業系・・・・事業場系
産廃・・・・・建設系(!?)

発生状況を見ると、それぞれの割合は、日本と結構類似していた。

生活廃棄物全体の約28.7%、3割が、生ごみで、この点も余り変わりが無い。

OECD主要国の一人当たりの発生量(2004年)は、一人一日当たりの重量(kg)
米国   2.00
ドイツ  1.62
イギリス 1.59
フランス 1.45
日本   1.12
韓国   1.02
となっていて、生活スタイルは、韓国は日本とよくにている。

<国の政策によって、再活用率を92%に>

都市部は韓国全体の人口の約半分を占め、廃棄物の処理は、大きな課題となっている。その点では日本と同様であるが、再活用率(=資源化)と言う面で見ると、日本との大きな違いが目立ってくる。

家庭系のごみ全体で見て、6割は再活用し、生ごみに至っては、92.2%の再活用率である。2005年度の生ごみ埋め立て禁止法によって、それまでの67.7%から一気に93.2%に増えている。

鄭智允氏の話では、6年前の1999年には、埋め立て禁止になることが、事前通知されていたと言う。ごみの処理は、TVや洗濯機のスイッチを入れるように、国や行政が決めたからといって、すぐに切り替える事ができるわけではない。だからといって、自治体任せでは、何時までたっても方向は見えてこない。日本の場合、政治や官僚機構に働きかけをできる業界や事業者が、バックアップして世界に冠たる焼却大国を作ってきたことは、周知の通りである。

韓国の場合、元々(1999年ごろには、)埋め立てが、過半を占め、再活用は、3割位だったと言う。埋め立て禁止法によって、生ごみも乾燥・減容化しないと埋め立てできなくなり、一気に再活用が進む、経過が説明された。

日本の場合法律は作っても、目標値を決め、いつまでどのように実行して行くかの面で、おざなりである事と比較して、韓国では、7~8年かけて準備し、実行に移して来たことが分かった。

<ソウル市は生ごみ100%資源化>

ソウル市でも、1999年ごろは、生ごみ再活用―資源化は、30%位だった。それが、生ごみ資源化は、2005年には、100%に到達する。

ごみの資源化は、行政がどのように旗を振っても住民の協力が無ければ進まない。

その点どのように市民の協力を得たのかが、気になったが、鄭智允講師の説明では、分別収集の方法を守らなかった時には、徹底して調査し、罰金を科すと言う方法を取ったり、ごみ減量化のために従量制―日本で言う有料化の方法を取り、徹底している事が、報告された。

たとえば、1回目の違反の時には、1000ウオンの罰金
2回目の違反の時には、2000ウオンの罰金
3回目の違反の時には、4000ウオンの罰金
と言うように倍々に罰則が科せられた自治体もある。

一方でごみ焼却は、全体では、15%くらいだが、エネルギー回収と言う言い方で、増えているのが、少々心配事項である。

<ソウルのごみは、半分以上は飼料化>

日量3400トン出る生ごみは、
500トンが直営
2900トンが民間
で処理し、その内
半分以上の1950トンが、飼料に
1450トンが堆肥に利用されている。

4 質疑

質問1:松本(逗子市)「市民による分別の様子、排出容器は?飼料化の実態について」
鄭: ① 水を切って袋に入れて出す。その際入れていいものなどの細かい指示は、自治体のホームページでパソコンから見ることができる。(韓国はパソコン教育が普及している)また環境美化委員が収集の手助けをしたり、重要な役割を、担っている。② 団地など集合住宅は、設置している容器に出す。臭いはないとは言えないが、許容範囲。収集回数は、自治体によってまちまち。週1回~3回の間。

質問2: 裏木(志木市)「どのようなものを飼料に?飼料と堆肥化の区別は?資源化したものの利用状況は?農家は使ってくれるのか?塩分については問題がないのか?剪定枝はどのようにしているか?」
鄭: ① 飼料化ー餌化は、学校やレストランなど出所がはっきりしているところ。家庭から出されるものは、大体が堆肥化。農家は信頼関係があれば使ってくれる。② 塩分については、堆肥にして問題ないという大学の先生の話もあるが、異なる意見もあり、化学的な検証が必要である。(注: 生ごみを堆肥化したときの塩分問題は、日本でも元東京農工大学教授の瀬戸昌之教授が、研究され、彼は問題がないとの発表を行っている。)③ 剪定枝は、自治体によってやっているところとそうでない所がある。

質問3: 浜田(青梅市)「司法と行政との関係は?韓国での行政訴訟の住民側の勝訴例は?」
鄭: ① 昔軍事政権の時には、行政に対しての意見は、抑えられた。② 住民運動は、やがて力を持ち、首長を代えるところまで力を持ってきた。③ 中央、地方共に、行政事案の処理システムが働き、裁判になるー司法案件になる前に、そのシステムで処理される。

質問4: 佐藤(目黒区)「民営化が多いのは?コストはあっているのか?」
鄭: ソウル市内におけるごみ処理関連の公共施設の建設は、住民反対運動が激しいため難しい、民営化が進んでいるのが現状である。また資源化は、焼却施設への持込が、建設時の協定によって、難しく、埋立てもできないため、(コストを度外視しても)進められている。また焼却よりは、値段が高くないと言う点もある。

質問5: 裏木(志木市)「生ごみ処理をなぜ選択?値段の点では合うのか?」
鄭: 韓国では、*自国の資源が少ない、*できるだけ再利用したい *燃やせば環境負荷が深まるなどの観点からと長期的に20~50年先を考えて、生ごみ資源化を選択した。値段については、正確な検証が必要。

質問6: 萩原(東村山市)「エネルギー回収(ごみ発電による)が広まってゆくと言う怖れは?それへの住民の反対は?」
鄭: ソウル市内には、4箇所の焼却施設があるが、住民反対運動が激しかったため、400回に及ぶ話し合いを行ったと言われ、近隣住民からもさまざまな条件が付加されました。そのため、今在る焼却施設も100%の稼働率ではありません。そのため、広まってゆくのは簡単ではない話だと思います。

質問7: 脇(所沢市)① 韓国の市民活動団体への窓口は? ② 法律の特徴は?③ 生ごみは、水にぬらさないように処理する方法もありますが、その点について」
鄭:① たとえば『ごみ問題解決のための市民協議会』という団体があります。韓国では~3万人の会員の団体と言うのが、多いです。② 法律については一言で説明できません。③ 生ごみについては、先に説明したように水を切って出しています。

質問8: 金成(西東京市)「生ごみは、行政が決めたからといって、きちっと分けて出しているのか?また罰則制度で分別の徹底化を図っているようだが、日本でそのような罰則規定が可能か?」
鄭: ① 市民の多くは分けて出したいますが、もちろん一部には分けて出さない人もいます。② 罰金だけが、市民への誘導策ではなく、何といっても大きいのは、学校での教育が大切。小学校では社会の中で、中学に行くと『環境』と言う科目が週に1回あり、夏休みには海辺のごみ拾いを実践させたりしている。分別の徹底化は子供に教えるのが一番早い。

質問9: 佐藤(豊島区)「韓国やカナダの話を聞いて、やればできると言う確信を持った。5年前に行ったカナダの堆肥化の機械は日本製品だった。結局このような資源化ができるかどうかは、国や行政のやる気と言う事か?」
鄭: 人によって異なる意見を持っているでしょうが、私は、民主化を成し遂げたと言う自信が、市民にはありそれが、環境問題への取り組みに大きな力になっていると思います。

質問10: 佐倉(日野市)「日本の場合正論を言う少数は、行政との話し合いができず、正論がなかなか大きな動きになってゆかない。結局政治的な民主化が必要と言う事か?」
鄭: 韓国では政治的な民主化によって政権交代し、その象徴的なものとして、『金大中』が大統領になった。そしてそれを受け継いだのが、盧武鉉大統領である。そのような政権交代の中で、法律的には、政策立案に当たり、住民の意見を取り入れる「協議会」を設置する事が義務付けれるようになってきた。日本の環境団体は、ネットワークを生かして、活動する必要があり、それが意見の異なる団体(たとえば経団連)なども説得する時に役立ちます。韓国でも集まって対立する事があるが、人をどう集め、その上で意見調整するかが大切と考える。また韓国の場合、地域・住民団体が、国に対して意見を言ってゆく、国のレベルの方針を考えてゆくと言う事をやっている。日本と大きく違っているように思う。

質問11 飼料化が多いのはなぜか?
鄭: この部分は専門家に聞いて欲しい。

5 まとめ
梅雨明けの猛暑に負けない熱い講演会だった。

韓国での生ごみ資源化が、全体で90%、ソウルでは100%進んでいたことは、本当に私たち日本の市民活動を行なってきたものにとって、大変勇気付けられる事実で、その点を確認できた事が大きかった。

日本の行政機関や市民活動の場合でも、先進自治体の事例を聞いたり、自分の目で確かめた場合でも、多くの場合、その自治体と自分の住む自治体との線引きを行う。その際その違いを、自分たちができなかったことの言い訳に使う人たちと、違いを克服する努力目標にする人たちがいる。

実はこれまで、前者の人たちが多かったと言える。

幸いにして今回の講演会の中では、後者の人たちが多く、韓国でできた秘密は何かを探ろうと言う積極的な姿勢が目立った。

私(青木)は、鄭智允氏の講演を聞いて、
* 韓国で資源化が実現した直接的な要因は、国家レベルで生ごみ埋立て禁止法成立させた事。
* 7~8年前に国として告知し、10年近くかけてその実現を準備した事。
* しかも従量制や罰金性に踏み込み、国の法律で決めたことを現場で着実に進めることができる準備を図ってきていたことが上げられる、
と考える。

丁度日本でも、同時期に3Rを基調とした循環型社会形成推進基本法が成立し、個別リサイクル法も成立させ,ごみを燃やしたり埋め立てたりする社会からの決別を謳っていた。ところが、循環型社会推進基本法の下に、国が政策の第1番目に掲げたのは、ごみ発電による熱回収策であり、基本法の理念の欠けらもない、ごみ焼却を進めるという姿勢だった。

建前と本音が余りにも違う日本。

韓国では、民主化運動を行ってきた人たちが、政府や行政の要職につき、環境政策や、環境教育も進めてきた。また住民活動を続けてきた人たちも、国や行政の環境政策の行方を監視し続けてきた。

今回の韓国での実践を、他人事にせず、日本で取り入れてゆくための出発とできるようにしてゆきたい。

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2010年7月26日月曜日

7/17鄭智允さん講演・学習会〜「韓国でなぜ生ごみ資源化100%が可能だったのか」参加報告 by 入江篤子氏

7月17日鄭智允さん講演・学習会に参加された入江篤子さんから貴重な報告が入りました。ご本人の許可を得て、以下に掲載させて頂きます。感謝。
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717日「韓国でなぜ生ごみ資源化100%が可能だったのか」学習会に参加して

by 入江篤子

韓国のごみ事情について大変興味深い報告だった。

1986年軍事独裁政権から民主化され、法律を作るにあたって住民の意見を入れなければならないというシステム法ができたので、住民運動が一緒に民主化を実現したという一体感をもって、長期展望のある環境政策を進めることが出来たとのこと。

韓国ではごみは殆ど埋め立て処理されているが、2005年に「生ごみの直接埋め立て禁止法」ができ、急速に生ごみの資源化が進んだ。現在ソウル市では100%資源化されている。環境市民団体と行政の協力、決まったことは従う国民性(軍事政権時より)、インターネットの普及、学校での環境教育、ごみの有料化、そして厳しい罰則があることが成功の秘訣であろう。

回収方法は、よく水気を切って専用の容器あるいは袋(5Lくらいの容量)に入れ、自宅前に出しておくと、環境美化員が週1~3回、回収する。分別が悪いものは赤い紙が貼られて残されるので恥ずかしい。生ごみ回収専用車が飼料工場や堆肥化工場に運ぶ。工場はソウル市内にはなく、郊外にある。

出来た飼料・堆肥は農場、農家が利用するが、一部の志の高い農家以外は使いたがらない(日本と同じようで)ので、多くは無償。ここに課題がある。

日本では都市部での生ごみ資源化は「くさい、きたない」と敬遠され、焼却した方がコストがかからないかのように思われている。しかし、焼却炉は作るだけでなく、その維持管理に金がかかり、30年すればまた建て替えが必要になる。地元の理解を得るのに時間がかかり、移転は困難というのが現状。長期展望すると、資源化するほうがコストがかからないことに気づいていないと言える。

日本では焼却されるごみの60%が生ごみでうち80%が水分である。資源化して活かせば生き物を育て、また食べ物になるものを、莫大な税金をかけて水蒸気にし、プラスチックと化学反応を起こさせ、汚染物質を拡散させる焼却行政は終わりにして欲しいと切に願う。
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その他関係記事:


また、鄭智允(ジョン・ジエン)さんは、2010/4/10「生ごみ100%資源化プロジェクト発足会」第1回講演会で、「韓国での生ごみ資源化の状況」について話をされています。その時の様子は、池田こみちさん・鷹取敦さんが以下参加記①にまとめられています。
生ごみで花いっぱいのまちづくり・生ごみ100%資源化プロジェクト発足会

2010年7月19日月曜日

7/17鄭智允氏講演・学習会〜「韓国でなぜ生ごみ90%資源化が可能だったのか」報告記 by 青木泰氏

7月17日午後、「生ごみ100%資源化を目指すプロジェクト」主催第3回目講演・学習会があり、「韓国における生ごみ資源化の状況―韓国でなぜ生ごみ資源化90%が可能だったのか」について鄭智允さん(地方自治総合研究所)が話をされました。

講演内容について、青木泰さんから報告が届きましたので、以下掲載させて頂きます。鄭智允さん、青木さん、関係者みなさまに、感謝。
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皆様へ

ー生ごみ100%資源化を目指すプロジェクト主催 
「韓国における生ごみ資源化の状況―
韓国でなぜ生ごみ資源化90%が可能だったのか」
講演学習会報告

梅雨明けが宣言され、うだるような暑さの17日、地方自治総合研究所の鄭智允氏の講演学習会が行われました。暑さをものともせず駆けつけて下さった50余人の参加者の熱いまなざしに、鄭氏は、姿勢を崩すことなく、1時間15分の講演を水も飲まずに一気に行い、続いて参加者からの要点をつく質問に、一つ一つ丁寧に答え、講演会が終わった時には、韓国でなぜ90%資源化が行われたかの実態が、参加者に伝わると言う充実した講演会になりました。
講演会の詳細な報告は、別途行いますが、
当日鄭智允氏がお話された内容を要約すると、
1)韓国では、生ごみ92%再活用(資源化)が進み、ソウルでは2006年から3年連続100%再活用が進んでいる。
2)ソウルでの再活用は、2008年ベースで飼料化が約57%、堆肥化が42%となっている。
3)その他の家庭から出るごみも再活用率約6割である。
4) 再活用率が上がった大きな要因は、韓国では廃棄物の処理の8割以上を占めていた埋め立てを2005年に禁止した事(生ごみ埋立て禁止法)が上げられる。そしてその禁止法施行に当たって、1987年の時点から法施行の8年前に通知・準備を行っていた。
5)さらに遡って1995年に従量制(有料化)を実施し、各自治体で分別収集を行うと共に、罰則制度(条例通りに分別しない時に、課徴金。違反を繰り返すと罰則金が倍々に増える)も導入してきた。
6)民主化運動による政権交代が、環境問題への取り組みを強化し、環境団体が生まれたことや子供の教育でも例えば、中学校で週1回環境の科目があると言うように徹底している。
7)ソウルは東京都と人口が変わらず、1000万人を越す人口が在り、人口密度は東京より高い大都市でそこで生ごみ資源化ができていると言うのは、注目に値す
る。

なお今後の流れとして以下の日程を紹介いたしました。
今後の予定:
1)生ごみ100%資源化をめざすプロジェクト 主催見学会
見学先: 戸田市フラワーセンター&久喜・宮代衛生組合生ごみ堆肥化
HDMシステム 10月~11月予定
2)学習会 食品リサイクル法 農水省担当者他
9月~10月予定                 
文責 青木泰
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2010年5月30日日曜日

5/29、会田節子さん講演会(追記)


私は、2月末に参加した瀬戸昌之さんの講演会http://gomitanteidan.blogspot.com/2010/03/2010220.html後、瀬戸さんが理事、会田さんが事務局長をされているNPOたい肥化協会のHPを知り、昨日話にでた山形県長井市レインボープランや栃木県芳賀町の事例は読んでいました。こうした活動を活字では読み齧っていましたが、会田さんの生の言葉を聞いて、資料中の登場人物がさらに動き始めました。会田さんの話はすべて具体的でした。

「このNPOのたい肥化製造ははとても良心的で、彼らには頭が下がります。この地域では、この人たちが集めて作っているものなら喜んで使うと農家の人が言うのです。生ごみの収集運搬にはシルバーの人たちが多く関わっています。彼らが回収バケツをトラックに運び上げるのですが、腰を痛めないようにバケツを一杯にしないようにしています。機械を作ってかき回せばたい肥になるそんなものではありません。お腹がすいている時に買い物に行かないように。たい肥化の前に作り過ぎ、買い過ぎの無駄をなくすこと。生ごみは調理くずと食べ残しですから、調理くずは仕方がないとして、食べ残しがなくなれば、生ごみは減ります」などなど。生ごみを出す住民、集める人たち、たい肥にする人たち、たい肥を使う農家、作った野菜を販売すること、それを買う消費者、それをまとめる行政、首長と担当者、すべての輪がつながって初めて、信頼できる生ごみ堆肥化が可能になるのだと気づかされました。

「人口が多い少ない、農地のあるない、都会か地方かなどは生ごみ堆肥化を進める上で関係ないと思うようになりました。生ごみは宝だを理解している人たちが動くところでは可能になるということです」。

ただし、さまざまな課題も示されました。「現在発酵がわかっている農産学者が少なすぎる。法の整備がない。生ごみ資源化と言いながら焼却は規制されていない。韓国は生ごみ埋め立て禁止法を作った。畑にどうやって(生ごみから作った)堆肥を入れるかの技術も必要。堆肥製造技術もまだまだ(機械でかき回せば良質な堆肥ができるわけではない)、材料の成分の組み合わせ方など各地域に即した工夫が必要。作った堆肥の使い方を指導する人がいない。今全国にいる農業改良普及委員は化学肥料に関する知識、その施行法しか知らない」「生ごみに含まれる塩分、添加物、異物の不安。異物に関しては既にお話ししましたが、塩分添加物に関しては、さまざまな関係者専門家に聞き、調べ、発酵過程を経ることで浄化されると考えられることから、心配ないとの立場をとっています。ただし、完全堆肥になっていることが条件です」。

会田節子さんの事例についての話はこんな感じでした。

事例1、山形県長井市:
生ごみ堆肥化に関わっていて、長井市のレインボープランを知らない人はもぐりです。全国に先駆けて成功させた事例です。これは農業者である菅野さんの危機感がきっかけでした。菅野さんは畑の「土のへたり」に気がつき、化学肥料による農業を続けてきて、「堆肥が土に入っていない。先祖から受け継いできた土地がやせてきている」と。1990年に地域での話し合いが始り、7年間喧々囂々、関係者全員で議論を尽くし、1996年計画が実行に移されました。長井市の目的は、ごみ減量や資源再利用ではなかった。何が違うかというと、ここの計画には理念がある。その理念とは、1)土は命の源、2)共に(誰かだけでなく)、3)循環。農業県なので堆肥の材料として籾殻や家畜糞がある。人糞も考えたが排出工程で工業系のものと混じり、有害金属の問題があり使えない。そこで生ごみを利用しようと決めた。「土づくりから」始めること、レインボープランのレインボーは虹、台所と農業をつなぐということです。長井市の堆肥製造工場はくさいです。でも地域の人たちがそれでよしとしているからいいのです。普通堆肥製造工場はくさいから人里離れた山の中に作ったりするのですが、長井市のコンポストセンターは周りを田んぼに囲まれたところにあり、誰でも見学できます。80日間かけて完熟堆肥を作っています。(パワーポイントスライドで生ごみに混じる異物を見せて)異物は農家が最も嫌がるものです。堆肥ではなくこれではごみじゃないか、と。その通りですよね。ですから堆肥化のために生ごみを出すときは、みなさんが徹底的に異物を除去してください。長井では異物は少ないです。40kg/年/5000世帯、1日あたり8g/世帯です。1日8gがどれほどの量かというと、ミカンの皮のそれもほんの一部、ほんのひとかけなんです。生ごみを出す長井市の人たちの話を聞いたのですが、「これは子や孫のためにいいことじゃあ」「いいことだから協力する」と言う。みんながわかってるんです。レインボープランが本格実施されて13年、菅野さんの今の気持ちは「やっと離陸してようやく水平飛行に入ったとこかな」です。(堆肥は販売され、この堆肥で作られた野菜は市民と農家の協同経営による「虹の駅」や市内のスーパーで買える。野菜は学校給食でも使われている)。

長井市レインボープラン
http://www.city.nagai.yamagata.jp/rainbow/




菅野芳秀さん
菅野芳秀さんのブログ(←すごくすてきな人って感じます。ハンサム!!)

事例2:(有)ドンカメ(栃木県芳賀町)
ここもごみの減量が目的ではない。栃木県芳賀町の小久保さんという梨農家の人が、梨の木が立ち枯れになり、「梨がまずくなってきた」と気づきます。「土が壊れてきた」。それで彼は生ごみを発酵させたものを梨の木の根元に入れてみた。農家の人ですから堆肥になるように発酵させる方法を知っていたわけです。そしたら、梨の木が元気になり、梨も美味しくなった。これはいいと近隣の農家41軒にこれをやらないかと声をかけたのです。ところが小久保さんの呼びかけに応える農家は殆どいなかった。みなさんご存知だと思うのですが、日本の農家は自分の経験や知識をぎゅっと握って他には伝えない。小久保さんは違っていた。一人一人を説得して歩いたのです。それが始まりです。(小久保さんが後に有限会社にしたドンカメの堆肥センターのスライドを見せて)小久保さんの活動が町の委託も受けるようになり、(回収された生ごみが)堆肥にされる新しく建てられた工場です。1億5千万円の費用は消費税も入りますからこの金額は大金をかけずに作ったということです。芳賀町は本田王国で6,000-8,000人の従業員の社員食堂があり、その調理くずが出ます。それや町の飲食店などの生ごみを無料で収集運搬しています。彼はほんとうに良心的な人です。(「給食で使用の野菜を紹介」のスライドを見せて)この教室の壁には農家の人たちの写真と作っている野菜の説明が張られています。(給食の時子供たちは今日の献立の野菜と生産者を紹介)。今の子供たちはわかるのは大根と人参の違いまで。ほうれん草と小松菜の違いはもうわからない。これは農業県の子供たちもそうなのです。それほど、生産者と口に入れる食べ物が切り離されてしまっている。芳賀町では「食育」、子供たちにちゃんと教えるということを始めました。今給食をどの位残しているかご存知ですか?山形県鶴岡市が給食を始めたところなのですが、そこが食べ残しは一人あたり30g、全国平均だと70gです。芳賀町の子供たちは10g。これは非常に少ない。ということは子供たちは残していない。休んだ子供たちの量なんですね。「給食はとても美味しい」そうです。(地産地消)ドンカメが作った仕組み「食育推薦センター」の建物に入るとテーブルがあり、市内の小学校、中学校毎の名前が別々に書かれてそれぞれの場所ができています。そこに農家は給食で使われる野菜を運んで来て、並べていきます。町の商工会は野菜を(コンテナに詰めて)学校に運びます。商工会は学校と清算し、農家に払います。これは非常に大事で、農業県ですから給食に使ってもらわないと、地元で作った野菜を買う消費者は少く、商店からは買わない。この形を取ることで商工会にもお金が落ちる仕組みになっている。また学校給食で地元の野菜を使うと決めてもわからないことがいっぱいあった。たとえば、大根1000本が必要なのに500本しか地元ではとれない。さあどうする。そのため栄養士さん、調理員さん、農家、教育委員会など関係者全員が集まって、いつ何がどの位できるかを見極めて行った。不足している分は外部から調達する仕組みを作った。今も会議が学期毎に2回開かれています。
(有)ドンカメ
(有)ドンカメ小久保行雄氏

事例3:鹿児島県志布志市
市長が10,000円を燃やすのに使うか、10,000円を教育や孫のために使うかどちらがよいか?と住民に問いかけ、そりゃあ子や孫のために使う方がいい、と後者が選ばれた。そこで広域清掃組合から離脱。(埋め立てごみを減らすために、2004年より生ごみ堆肥化)。現在リサイクルできていないのは紙オムツだけ。各種薬剤が入っていて非常に難しかったが、最近やっと処理法がわかってきたのでどうにかできそうとのこと。ここでは地域通貨が発行されている。ごみステーションは住民が自分たちで管理しており、そのための「衛生自治会」が作られ、全員強制入会。だってみんなごみを出すから。この「衛生自治会」を市は強力にサポート、育成している。ごみステーションの掃除などに参加した人には地域通貨「ひまわり券」を渡す。1枚でトイレットペーパー、石けん、20枚でヒマワリ油と交換できる。ここでは、ちゃんとした堆肥業者が収集運搬も担っていて、やっつけ仕事をしていない。
鹿児島県志布志市 サンサンひまわりプラン
サンサンひまわりプラン...循環型社会形成めざして

2010年5月25日火曜日

5月29日(土)13時30分〜講演・学習会「日本における生ごみ堆肥化の進ちょく状況」by 会田節子氏

「生ごみ100%資源化をめざすプロジェクト」からのお知らせです:

5月29日(土)13時30分~講演・学習会  資料代: 500

「日本における生ごみ堆肥化の進ちょく状況」

 生ごみ100%資源化を考えて行く時、日本における資源化の進捗状況を知ることが、第1歩となります。
 NPO法人有機農産物普及・堆肥化推進協会(略称:NPOたい肥化協会、瀬戸昌之理事長)は、日本全国で生ごみの資源化を図る自治体や市民団体の交流を進め、先進事例の普及に努めてきたNPOです。毎年行われる早稲田大学の国際会議場を使用した生ごみリサイクル交流会は、すでに17回を重ね、毎年約500名の参加者が集い、発表される取り組みを参考にして来ました。
 今回の学習会の講師の会田節子氏は、特筆される取り組みを全国から情報収集し、交流会で紹介したこのNPOの事務局長です。その意味で、現在の日本における生ごみ堆肥化の進行状況を最もよく把握しているお一人といえます。都市部における生ごみ資源化の沢山のヒントをお聞きしたいと思います。

<講演内容>
      日本における生ごみ資源化の進捗概要
      地方における代表事例
イ)  生ごみ100%堆肥化の取り組みーcf 野木町、大木町、上勝町
ロ)   特筆される取り組み例—cf 芳賀町、久喜宮代町、狭山市
ハ)  ゼロ・ウエスト宣言した街での取り組み
      地方で進んでいる理由は?大都市部で進まない理由は?
      全国交流集会を通してみる最近の特徴
      今後の課題

講演学習会

日時:5月29日(土)13時30分~
講師:NPO法人有機農産物普及・堆肥化推進協会(略称:NPOたい肥化協会)事務局長 会田節子氏
場所:西東京市市民会館第1&第2会議室 
西東京市田無町41511 電話:042-463-5381
(西武新宿線田無駅北口、線路沿い所沢方面へ徒歩5~7分シチズン向かい)
地図↓↓↓↓
資料代:500
主催:生ごみ100%資源化をめざすプロジェクト
0424670061(村瀬)0424624177(伊藤)

NPO堆肥化協会とは. 協会の概要◆どなたでも参加できます!会員はこんな事をします!会費について 入会申込書. 協会発行の書籍・堆肥化資材. 書籍、ビデオ、ぼかし肥、 密閉容器のご案内と申込書. 18 生ごみリサイクル交流会2010 生ごみは宝だ! ...
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2010年5月5日水曜日

生ごみ100%資源化をめざすプロジェクトからのお知らせ:次回5/17会合、議事予定

生ごみ100%資源化をめざすプロジェクトからのお知らせ:

1)    次回会合 第2回
日時:5月17日(月)14時0分~16時30分
場所:西東京市田無公民館
(西東京市南町5ー611)TEL0424611170
西武新宿線田無駅南口を出て、そのまま南に向かい市役所前通りにぶつかり右折。西東京市役所の隣。中央図書館と併設。駅から歩いて3~5分。

2)議事予定
      報告
    4月10日集会とその後の報告
    会の規約
    戸田市への見学会の件

      議事
) 賛同人・賛同団体集約
) 独自学習会
        5月29日 『日本における生ごみ堆肥化の進捗状況』
NPO堆肥化推進協会 会田節子事務局長 資料代500円
        7月17日 『韓国における生ごみ資源化状況』
地方自治総合研究所 鄭 智允特別研究員 同上
) その他の活動との連携記録
        8月23日 生ごみ交流会(NPO堆肥化推進協会 於いて 早稲田大学)
        6月ごろ  ごみ環境ビジョン

) 年次計画(準備)
    今後の学習会
    見学・視察予定
    エコタウン作り
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