福本勤先生からの12/2、12/4付けメールを先生の許可を得て掲載します。
内容は:
I.「134CS &137Csは ガス状で存在しない」の理論:実証試験で確認
京大高岡教授から新たに入手したデータ(2011年9月8日~11日に福島県郡山市富久山クリーンセンター焼却施設で、排ガス中の放射性セシウム134Csと137Csの濃度測定)を検証。結論は「..『134CS も137Csも ガス状では存在しない だろう』、『134CS & 137Cs含有微粒子の捕集効率は99.9 ~100% だろう』 と言えると思います。100%はあり得ないように思いますが、検出下限値がある以上 確認の仕様がありません..」と。(I.4、参照)。
Ⅱ.可燃性災害廃棄物は全部 被災3県内に PREC※4)の上からも大型高効率発電設備付焼却施設数基を設置して 処理発電すべき
「1.瓦礫・災害廃棄物の処理処分は被災地復興に不可欠で、被災地外の自治体の協力態勢作りが必要と言われていますが、莫大量の災害廃棄物を 資源・エネルギー大量消費、 137Cs 等拡散の恐れ、CO2大量発生のもと 全国43都道府県の遠方にまで運んで 処理処分するのが、果たして 被災地復興の大前提になるのでしょうか」と広域処理に疑問を呈され、被災地での処理を提言されています。
福本先生に感謝。
ーーーーーーーーーーーーーーーー差出人: 福本勤
件名: 「Csはガス状で存在しない」の理論 実証試験で確認。 可燃災害廃棄物は全部 被災3県内に大型発電設備付焼却施設数基を設置して処理すべき。
日時: 2011年12月2日 13:09:41:JST
福本先生追記:茶色字箇所
日時: 2011年12月4日 2:14:02:JST
セシウム 137Cs等の放射性物質で汚染された可燃性廃棄物の焼却排ガスの処理について(14)
Ⅰ.「134CS &137Csは ガス状で存在しない」の理論: 実証試験で確認
Ⅰ.「134CS &137Csは ガス状で存在しない」の理論:実証試験で確認
1.先便で「2011年11月4日の廃棄物資源循環学会の意見交換会で京大高岡教授に質問したところ、後で調べて返事するとのことでした。未だ返事はありません」などと書いておいたこともあり、高岡先生から「11/25午後1時頃にでも一度お電話させていただきたく思います」の旨のE-mailを23日に、電話を25日に戴きました。11月4日の学会意見交換会では、環境省災害廃棄物安全評価検討会配布の資料6-3の報告書「一廃焼却施設の排ガス処理装置におけるCs、Srの除去挙動」 (2009年秋。京都市焼却施設Aで採取データ)に関して質問したのですが、25日のお電話で、 2011年9月8日~11日に福島県郡山市富久山クリーンセンター焼却施設で、排ガス中の放射性セシウム134Csと137Csの濃度が測定されたデータがあることが分り、添付の図1、2、3 を送って貰いました。図1と図3は、同図中の説明文などの点で、送って貰った図そのままではありません。
2.図1、2、3 によりますと、バグフィルターに入る排ガス中の(134CS+137Cs)の濃度が770Bq/Nm3のときも 900Bq/Nm3のときも、バグフィルターから出る排ガス中の (134CS + 137Cs) の濃度は検出下限値未満 になったという結果に なっています。
即ち、バグフィルターから出る排ガス中の(134CS+137Cs)の濃度は、夫々 0~1.21Bq/Nm3、 0~1.28Bq/Nm3になる との結果です
0 Bq/Nm3であれば、134CS も137Csも ガス状では存在しない ことを示すことになります。 1.21Bq/Nm3 又は1.28Bq/Nm3であれば、バグフィルター通過中に、夫々99.84% 又は99.86% 減ったことになります。 134CS も137Csも ガス状では存在しない としますと、バグフィルターの煤塵(微粒子)捕集効率は、最小で夫々99.84% 又は99.86% ということになります。仮に 134CS も137Csも ガス状で存在したと仮定しますと、捕集効率は、 99.84%~100%であったことになります。仮に又、0.001~0.01%程度の137Cs等が煙突から放出されたとしても、それほど大きい値にはなりませんが、その値をどう評価するかについては、別の機会に譲りたいと思います。
3.一方、焼却主灰、飛灰の濃度は、夫々10,340Bq/kg 、68,900Bq/kgとの実験結果でした (68,900Bq/kgは福島県で報告されている最も大きい数値。次に大きいのは「あぶくまクリーンセンター」の飛灰の50,400 Bq/kg。最小は不検出。不検出の飛灰も多い) 。この両数値から 焼却した134CS & 137Cs汚染可燃廃棄物中の134CS & 137Csの量(濃度)を、逆算して求めますと※1)、 3,730Bq/ kg になります。
※1)富久山クリーンセンター焼却施設の年間処理量は73,610t/y、 焼却主灰の年間排出量は10,421t/y、
飛灰の年間排出量は2,419t/y。
3,730Bq/ kg との比較データ:
①牛用の牧草の放射能暫定基準値は300Bq/ kg
②岩手県による平成23年7月13日採取災害廃棄物等の放射性物質(134Cs+137Cs)の放射能測定結果によると68.6Bq/kg、 (都庁のウェブサイト)
③宮城県による平成23年8月3日採取災害廃棄物等の放射性物質(134Cs+137Cs)の放射能測定結果によると133Bq/kg、 (都庁のウェブサイト)
以上から、①の300Bq/ kgよりも12.4倍、②の68.6Bq/kgよりも54倍、③の133Bq/kgより28倍も高い3,730Bq/kgの汚染可燃廃棄物を焼却しても、煙突から排出される排ガス中の 134CS & 137Csの濃度は、検出下限値未満になった という結果になっています。従って、
4.結論 上記の結果からは、分析機器の性能に限界があって、検出下限値がありますので、一概には言えないのですが、「134CS も137Csも ガス状では存在しない だろう」、「134CS & 137Cs含有微粒子の捕集効率は99.9 ~100% だろう」 と言えると思います。100%はあり得ないように思いますが、検出下限値がある以上 確認の仕様がありません。
これを更に実験で確かめる為には(結論の確度を上げる為には)、134CS & 137Cs汚染可燃廃棄物中に134CS & 137Csを加えて、例えば10~100万Bq/kgの高レベル模擬汚染可燃廃棄物を造って(或いは①7月14日福島県浅川町の畜産農家で検出された最大22,045 Bq/kgの稲わらを使って、 或いは②7月13日福島県南相馬市の農家で検出された最高約17,000Bq/kgの稲わらを使って、或いは③Bq/kg数が余り高くないが、岩手県南部肥育牛農家で検出された8,000 Bq/kg超の稲わらロール600余個(60トン) 使って、或いは④どこかに存在するかもしれない高レベル汚染廃棄物を使って)実験せざるを得ません。焼却施設使用者、周辺住民の方々の了解が得られれば、 斯かる実験~データの採取を、 環境省は 図1、2、3 のデータを採取した京都大学 或いは 国立環境研究所に依頼して戴ければと思います。
非放射性の普通のセシウム(Cesium)の核種(同位体)である133Csの化合物を買ってきて、例えばその100万Bq/kg相当分(重量)を汚染可燃廃棄物に均一になるように加えたもの(換言すれば100万Bq/kgの137Cs化合物の重量と同じ重量の133Cs化合物を (汚染)可燃廃棄物に 均一になるように加えたもの)を焼却炉に投入するという実験をするのであれば、周辺住民の方々の了解を得なくてもよいかもしれません。平常の焼却施設の運転と殆ど変わりませんので。
参考資料:
参考資料:
図1 福島県郡山市富久山クリーンセンター焼却施設 2011年9月8日~11日に放射性セシウム134Csと137Csのサンプリング・分析
図2 排ガスサンプリングセット-1
図3バグフィルタの前(入り口)と後(出口)の排ガス中の放射性セシウム濃度
Ⅱ.可燃性災害廃棄物は全部 被災3県内に PREC※4)の上からも大型高効率発電設備付焼却施設数基を設置して 処理発電すべき
1.瓦礫・災害廃棄物の処理処分は被災地復興に不可欠で、被災地外の自治体の協力態勢作りが必要と言われていますが、莫大量の災害廃棄物を 資源・エネルギー大量消費、 137Cs 等拡散の恐れ、CO2大量発生のもと 全国43都道府県の遠方にまで運んで 処理処分するのが、果たして 被災地復興の大前提になるのでしょうか。
2.福島、岩手、宮城の3県で発生した瓦礫は2300万トン程度(2,273万トン)で、そのうち福島県内で処理される同県発生分を除く約2000万トン(岩手県約476 万トン+宮城県約1,569 万トン=2,045万トン。市町村別に見ると、最大が石巻市で約616 万トン、次いで東松島市の約166 万トン、気仙沼市約137 万トン、仙台市約135 万トン)について、環境省は3年間で処理処分する計画を立てて、協力を全国に呼び掛けています。去る4月には全国43都道府県の572市町村・一部事務組合が受け入れを表明していましたが、137Cs等放射性物質の含有、拡散の恐れ・不安、その後の首都圏のごみ焼却灰からの高濃度134Csや 137Csの検出などが原因で、現在検討中は48件、受け入れ済みは6件に過ぎません。
3.そこで、11月21日野田佳彦首相は、全国都道府県知事会議で、東日本大震災の被災地の瓦礫処理について「広域処理について一部の自治体からご協力いただいているが、安全性の確保に万全を期すので、さらなるご協力をお願いしたい」と述べ、被災3県と沖縄県を除く43都道府県知事に受け入れを求めました。
しかし、瓦礫の広域処理は、放射性物質の飛散その他上記のような不安・原因から、受け入れ先の決定が難航しています。 細野豪志環境相もこのような状況では 3年以内の処理終了は見込めないとして 安全性の確認と自治体への協力要請に 力を入れたいとしています。
大型の高効率発電設備付の焼却施設の設置、焼却・発電という望ましい方法があるにも拘わらず、資源・エネルギーの浪費・無駄使い(➡CO2増大発生量増大)になり、137Cs等拡散の恐れのある「甚だ遠方の43都道府県に態々運んでの処理」の協力要請を、野田、細野両者が何故するのか、自分の考えを持たない、何が良いかを弁(わきま)えないままの言動としか言いようがありません。 因みに、9月 29日の国会答弁で、細野環境相が「福島県の焼却施設で、放射性物質を99.9%以上除去できる。実験でも確かめられている」と答弁していましたが、この答弁は事実に些か反しています。
4.ところが、 東京都だけは、野田、細野両者の自治体への遅ればせながらの協力要請に先だって、以前の協力要請を受け入れ(9月30日 東京都と岩手県との災害廃棄物処理の基本協定締結。宮城県女川町の災害廃棄物受け入の合意を最近締結)、2013年度までに岩手、宮城両県から計50万トン(焼却灰化量4万トン程度)を受け入れる計画で、 東日本大震災の瓦礫を被災地の外で処分する広域処理の第一号としての最初の約30トンが、11月3日に東京都品川区内に到着し、大田区などの処理業者に運ばれ、細かく砕いて可燃物と不燃物に分る作業が始まりました(臨界副都心から海底トンネルを抜けた所に広がっている東京ドームの170倍の廃棄物埋立処分場に、焼却灰のBq/kg数が8,000以下になる廃棄物だけを受け入れ)。 東京都石原知事は「人(被災地)助け」のようなことを言っていますが、巷の識者の中には「金のためだ。震災がれきの処理費用は国が賄うので とりっぱぐれがない。また国の事業なので利益率が高い。」が都の本音という声が出ています。 また、東京都民の中では、汚染廃棄物が持ち込まれることによって、総放射線量を上げてしまうことにならないかと 心配されています。
因みに、東日本大震災の巨額の復旧費は、総額7379億円の災害廃棄物(瓦礫)処理費と、特別交付金で全額賄われることになりました。県が環境省に提出の災害報告書を環境省と財務省が査定し、2011年内に国から県に補助金が支給されます。災害復旧等工事については、一般の公共工事のような事業評価が行われないため、見積もり額が膨らみ、環境省のリサイクル方針の勢で兎角高額になる傾向があります。 ( 11月30日に復興財源確保法が成立し、総額10.5兆円の増税が決まりました。)
5.こうしたなか、筆者は、可燃性災害廃棄物を被災福島、岩手、宮城3県から、被災3県と沖縄県を除く43都道府県に、遥々と相当な資源・エネルギー、経費を使って運んで焼却処理するのではなく、①東電福島第一原発事故などで電力が不足している折でもあり、②リサイクルしようとすれば134Cs&137Cs汚染リサイクル品が一般市場に出回らないとも限らない以上、被災3県の中に(福島県内災害廃棄物を同県外に持ち出せないのであれば、福島県内に)、大型の高効率発電設備付の焼却施設を設置して、焼却処理し高発電効率※2)発電(高効率発電)する(Thermal Recycle/Heat Recovery)のが よいように思っています。
現に、発電効率(換言すればThermal Recycle効率)が22~23%の廃棄物焼却発電施設が 既に以前から稼働しています。 環境省推奨・推進のリサイクル(Material Recycle) ※3)と言っても、リサイクル効率が20余%を超えるとは限りません。中にはリサイクルする為に資源・エネルギー・経費を相当量 要するリサイクルがあり、リサイクル効率が0~20%(又は —X~20%)のリサイクルもあるからです。 環境省は、リサイクルを推奨・推進する以上、推奨各リサイクルのリサイクル効率は何%かを示すべきです。 リサイクル効率は何%程度かを示して推奨・推進すべきです。
※2) 発電効率(Power generation efficiency )η=[EE(kW)/ET(kcal/h)]×860.112 kcal/kWh ここで、EE(kW= kWh/h):発電機出力発電量 ET(kcal/h):焼却施設投入可燃性災害廃棄物のエネルギー量
※3) 環境省の「東日本大震災により生じた災害廃棄物の広域処理の推進に係るガイドライン」(平成23年8月11日。改定10月11日。改定11月18日)によると、環境省は、「再生利用が可能なものは極力再生利用する方針」、「再生利用が可能なものは再生利用、再生利用困難な不燃物は埋立処分、(再生利用困難な)可燃物は焼却処分の上、焼却灰を埋立処分する」となっています。
●これを素直に文字通り解釈しますと、「再生利用が可能なものは極力再生利用~リサイクル(Material/Chemical Recycle)するとの方針」又は「再生利用が可能なものは極力再生利用~リサイクル(Material/Chemical/Thermal Recycle)するとの方針」となります。環境省は又、上記と後記とも部分的に重複しますが、6、8月の災害廃棄物の処理の方針で、可能な範囲での焼却や再生利用が望ましいとし、製紙、ボード、住宅建材、チップ等々としてリサイクルする場合、「再(生)利用して生産された製品は、市場に流通する前に一定の基準値(10μSv/年)以下になるよう、放射性物質の濃度が適切に管理されていることを確認する必要がある 」としています。
【因みに、環境省環境回復検討会の一委員からの筆者宛11月15日付E-mailの中で、「可燃性の汚染廃棄物をわざわざマテリアルリサイクルするというような話は出ていない」と書かれていました。環境省は具体的にマテリアルリサイクル品を書いて、又 「マテリアルリサイクル」と書いて 再生利用に言及しているのですが。】
●再生利用~リサイクル(Material/Chemical Recycle)製品は、市場に流通する前に、クリアランスレベル(放射性物質によって汚染されたものを一般社会に還元して再生利用することの可否を判断する為に定められたもので、通常は放射性物質として扱う必要のないレベル)の設定に用いた基準(10μSv/年)以下になるように、リサイクル品の放射性物質の濃度が適切に管理されていることを確認する必要があります。環境省のいう再生利用・リサイクルを聞けば、誰の念頭にも先ず浮かぶのはMaterial Recycle ですが、このリサイクルの為には、上記のように、クリアランスレベル以下になるように、リサイクル品を適切に管理しなければなりません。これには膨大な作業量・経費が必要です。クリアランスレベル管理の網を通り抜けるリサイクル品が 相当量 一般生活市場に出回らないとも限りません。「134Cs & 137Cs汚染リサイクル品が 市場に出回っている」 との誤情報流布の風評被害に 会わないとも限りません。
6.筆者は、廃棄物は 一般に 資源・環境保護、コスト(=PREC※4))の上でベストの方法―「サステナ(Sustainable)処理」の方法―によって処理すべき と主張してきているのですが※4)、 汚染災害廃棄物の処理に関しては、この①「PRECの上でベストの方法で処理すべき」以外に、 ② 電力不足、 ③ 134Cs & 137Cs汚染リサイクル品が市場に出回る恐れ、を考慮せざるを得ず、可燃性災害廃棄物を被災福島、岩手、宮城3県(又は岩手、宮城2県)から、被災3県と沖縄県を除く43都道府県に、遥々と相当な資源・エネルギー、経費を使って運んで 可燃性災害廃棄物を選別して 焼却処理するのではなく、被災3県の中に(福島県内災害廃棄物を同県外に持ち出せないのであれば、福島県内に)、大型の高効率発電設備付の焼却施設を設置して、可燃性災害廃棄物は全て 高効率発電する(Thermal Recycle/Heat Recoveryする)のが ベストと思います。 そうすれば、他都道府県に依頼すれば支払われる筈の処理費等が被災3県に入って 同県が潤い、雇用数も増えます。
ただし、発電設備付でない焼却施設の場合、納期が7、8ヶ月のところ、発電設備付の場合 納期がその2余倍になる という問題があります。7、8ヶ月は待てても、1年半も待てないというのであれば、発電は 諦めざるを得ないかもしれません。
しかし、43都道府県に 処理を 野田、細野両者からも依頼中であるにも拘わらず、希望の3年以内に全部の処理が終わりそうにもない現状を考慮しますと、大型高効率発電設備付焼却施設複数基を直ぐに計画発注するのは 必ずしも非現実的な計画ではない と思います。
※4)月刊廃棄物2007年10月~2008年2月に連載しました「サステナの上から望ましい処理を考える」の4回目(2008年1月号)の「持続可能循環型・低炭素社会構築⇔PREC= Preservation of Resources & Environment, & Costの上でベストの処理[≡処理・リサイクル](上)」で、無公害処理【処理とリサイクルを区別せず、両者合わせて「広義の処理」、簡単に「処理」と呼称】の結果得られる資源・エネルギー量Aから 収集・輸送、処理、最終処分の際に消費する資源エネルギー量Bを差し引いた資源・エネルギー量=差引き資源・エネルギー量A-Bが最大になる処理が、「循環型・低炭素社会の構築~サステナ社会の実現に最も貢献する処理」と言うことができ、これを筆者は「サステナ(Sustainable)処理」と称しました(A-B論)。
電子書籍:福本 勤著『持続可能(サステナ)社会構築に繋がる廃棄物サステナ処理と生物多様性保存』( http://iepe.wook.jp/ ←クリック) ─ 各種廃棄物処理・リサイクル方法に定量的比較評価 ➡ 評価点数最大のサステナ処理方法での廃棄物処理・リサイクル(=資源・環境保護の上でベストの処理・リサイクル) ─
7.災害廃棄物のうち可燃性災害廃棄物の占める割合についての報告が少なく(タスクチームの同報告にもなく※5))、タスクチーム以外の幾つかの調査機関の調査結果(結果がまちまち)を総合しましたところ、35%程度でした。
※5)大々的、学術的・体系的に調査した(社)廃棄物資源循環学会「災害廃棄物対策・復興タスクチーム」(150名前後)の調査担当・代表発表、講演者3名(京都2名、仙台1名)に可燃性災害廃棄物量等に関して回答を求めましたが、回答が得られませんでした。タスクチームは焼却施設で焼却試験も実施し報告しているのですが、どうしてこのような基本的なことを、調査・報告をしなかったのでしょう? この拙文シリーズの初めの頃(数か月前)、別の質問をしましたが、矢張り調査していなかったようで 回答が得られませんでした。一連の拙文の執筆において 使い物にならない調査結果ばかりで 残念でした(廃棄物資源循環学会の一会員としても)。
①福島、岩手、宮城の3県で発生した瓦礫・災害廃棄物は2,300万トン、そのうち福島県内で処理される同県発生分を除く約2,000万トン、②災害廃棄物のうち可燃性災害廃棄物の占める割合を35%としますと、可燃性災害廃棄物の量は夫々805万トン、700万トンになります。
805万トン、700万トンを、規模が比較的に大きい600t/日[又は1,200t/日]の発電焼却施設で、年間稼働日数が大きい目の300日間 焼却処理しますと、1施設で 夫々
8,050,000t/[(600t/日)( 300日/365日)]=16,324日=44.7年 [1,200t/日の場合22.4年]
7,000,000t/[(600t/日) ( 300日/365日)] =14,194日=38.9年[1,200t/日の場合19.44年]かかることになります。44.7年/8=5.58 年 38.9年/8=4.86年 22.436年/4=5.61年 19.44年/4=4.86年
600t/日[1,200 t/日]の発電焼却施設で焼却処理するとしますと、夫々44.7年[22.4年]、38.9年[19.4年]かかることになり、8施設[4施設]設置すれば、夫々5.6年、 4.9年で全部の処理を完了出来ることになります。
災害廃棄物のうち可燃性災害廃棄物の占める割合を25%(調査地域、調査機関によって異なる) としますと、8施設[4施設]設置すれば、夫々4年、3.4年で全部の処理を完了出来ることになります。
筆者が「大型高効率発電設備付焼却施設を被災3県内に設置して、可燃性災害廃棄物を焼却処理発電すべきである」を環境省や災害廃棄物安全評価検討会委員らに提案してから、半年以上過ぎました。半年前に計画製造に着手していれば、後1年程度で焼却発電できるようになっていた筈です。 上記のように、細野環境相も「このような状況では 3年以内の災害廃棄物の処理終了は見込めない」と言っており、これまでの国のやろうとしていることが ズルズルと 大幅に遅れてきていることを考慮しますと、災害廃棄物の処理完了は何時になるか分りません。 これに対して、大型高効率発電設備付焼却施設数基を被災3県内に設置して、可燃性災害廃棄物を焼却処理発電すれば、計画通りに処理完了出来る筈です。同施設数基を被災3県内に早く設置するようにできないものでしょか。
福島、岩手、宮城の3県には、古い焼却施設が多いので、可燃性災害廃棄物の処理が完了した後には、一般廃棄物、産業廃棄物の処理に再利用出来るのではないでしょうか。 再利用出来るように計画設置すればよいと思います。
以 上
2011年12月1日 福 本 勤
(財)環境技術実践機構 理事
日本サステナ㈱取締役 環境保全工学研究所 代表
中国 清華大学 客員教授
京大工博 福 本 勤
環境保全工学研究所 〒658-0001神戸市東灘区
環境保全工学研究所 〒658-0001神戸市東灘区
森北町4-15-16 TEL:078-411-9606
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追記:
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