福島の放射性物質の付着した瓦礫の焼却処理に関して、福本勤先生のご提言を掲載しています。
今日午前中この件で新たに福本勤先生から次の書き出しのメールが届きました。
「このE-mailの最後に記載のような次第で(訳から)、本件に関する提言、情報交換は中断しようとしていた矢先、昨日 政府○○担当首相補佐官から(補佐官名は 都合により省略)、「セシウ ム 137Cs等の放射性物質で汚染された可燃性廃棄物の焼却排ガスの処理について(1)」に続く「同(2)」があれば 至急送ってほしいとの依頼がありました。取り急ぎ記しましたので送信致します」福本先生は、6/5の環境省の非公開会議後に政府関係者から問合せを受け、回答を送られました。その内容が記されています。福本先生の許可を得て以下掲載します。感謝。
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差出人: 福本勤
件名: セシウ ム 137Cs等の放射性物質で汚染された可燃性廃棄物の焼却排ガスの処理について(2)
日時: 2011年6月8日 10:08:06:JSTこのE-mailの最後に記載のような次第で(訳から)、本件に関する提言、情報交換は中断しようとしていた矢先、昨日 政府○○担当首相補佐官から(補佐官名は 都合により省略)、「セシウ ム 137Cs等の放射性物質で汚染された可燃性廃棄物の焼却排ガスの処理について(1)」に続く「同(2)」があれば 至急送ってほしいとの依頼がありました。取り急ぎ記しましたので送信致します。
セシウム 137Cs等の放射性物質で汚染された可燃性廃棄物の焼却排ガスの処理について(2)
① 燃焼排ガスの中のCsの大部分は 飛灰の中に含まれて、
② Csの極一部分は ガス(蒸気)状※1)で燃焼排ガス中に含まれて、或いは
③ Csの極一部分は超微粒子状で燃焼排ガス中に含まれて、存在している可能性があります。 0.0 01~0.1μm程度の超微粒子(fume)はバグフィルターでの拡散捕集機構によって殆ど捕集江見 準)されそうです。 ※1)H― O-―H と Cs+ とが半極性結合状態にある可能性。 O‐ の点で「く」の字型に曲がっていて、O- と Cs+ とが引き合って結合。←昔の勉強結果からの推察。
しかし、①a 飛灰中のCs+の濃度(全Cs+の何%が飛灰中に存在するか)、
②a 飛灰のCs+含有率、燃焼排ガスの中のガス(蒸気)状Cs+ の濃度(ppm,ppb)、
③a 燃焼排ガスの中の0.01~0.1μm程度のCs+超微粒子(fume)の濃度(ppm,ppb) については、確かなデータがありません。 先ずは、これの実験データを採る必要があります。
例えば、福島県で現在使用されているバグフィルター付き全連続式焼却炉の何れかで、先ずは試験的にCs+で汚染された可燃性廃棄物を焼却して、①a、②a、③aの実験データを採る必要があります。処理が必要なレベル以上のCs+汚染可燃性廃棄物の確かな量も早く知る必要があります。
②a、③aが ゼロ 乃至 無視小であれば、福島県で現在使用中のバグフィルター付き全連続式焼却炉で焼却処理すればよいと思います(同焼却炉に能力的に余裕があれば)。 余裕がなければ、新たに建設する必要性が 出てきます。
②a、③aが共に無視できないほど大きければ、全連続式焼却炉のバグフィルターの後にゼオライト吸着塔を設置して、ガス(蒸気)状Cs+ を吸着除去する必要があります。但し、Csの吸着効果が 乾式(ガス中)でも 湿式(水中)と同様の、或いは湿式(水中)以上の、或いは以下の効果があるのかどうかは、実験データで判断せざるを得ません。 バグフィルター付近の煙道の後方部煙道部から 細い煙道バイパスを設けて、その中に小規模ゼオライト吸着塔を設置して、実験データを採ればよいと思います。
若しも、Cs+超微粒子(fume)のバグフィルター除去効率が低ければ、更には 乾式ゼオライト吸着塔のCsの吸着効率が低ければ 燃焼排ガス全部を、湿式洗浄しなければなりません。
Csは、融点28.5℃(金属単体の中では水銀に次いで低い)、沸点705℃(蒸発熱67kJ・mol-1)で、気化し易いNa、Kなどのアルカリ金属の中で反応性に 最も富んでいます。 水とも爆発的に反応して、Cs+ になります。従って、上記のように、Cs(Cs+)は、水(H― O-―H )と半極性結合状態になって燃焼ガス中に存在する可能性があります。平たく言えば、 Cs(Cs+)は、水蒸気に溶けた状態になっています。
ガス(蒸気)状のCsは、後置のゼオライト吸着塔で除去するのが良いように愚考し、その旨を 先便(前回の拙文「セシウ ム 137Cs等の放射性物質で汚染された可燃性廃棄物の焼却排ガスの処理について(1)」)に書きました。
しかし、現在使用中の全連続式焼却炉では処理能力(t/d)不足で、新たに全連続式焼却炉を設置するような場合には、新たにバグフィルターを設置し、極低濃度のCs(大量の排ガス中の極低濃度のCs)を除去する為にゼオライト吸着塔を後置しますと、フィルターを時々交換しなければならないバグフィルターとゼオライト吸着塔との両者を設置しなければならず、両者の設置・運転には相当な費用が掛かる恐れがあります。乾式ゼオライト吸着塔でのCs吸着除去効率が低いかもしれません。
従って、むしろ燃焼排ガスは全部、湿式洗浄するほうが、費用が少なくなる可能性があります。 塔の中に充填物(ラシヒリング、ポールリング、テラレット、石ころなど何でもよい)を充填し、燃焼排ガスと水を 向流又は 並流で流して、Csなどを濃縮し、濃縮されて濃度が高くなった水をゼオライト吸着層(ゼオライト吸着塔)に通して、Csなどを吸着除去します。 そうすれば、小さいゼオライト吸着塔で済み、費用は少なくて済む可能性があります。但し、この湿式の場合、発生するミストのセパレーター(ミストセパレーター)が必要になります。これがないと、Csが水蒸気やミストと共に外気へ放出される恐れがあります。
何れにしろ、バグフィルターのCs捕集効率、吸着材・吸収液のCs除去効率等を、小規模試験設備を設けて(これには大した費用と時間はかからない)実験的に調べ(若しも長期間を要する実験が必要な場合は、経験的、理論的に推算して)、実験データ(推算)に基づいて、建設費、運転費を試算して、どの方法がCs除去に確実で経済的かを早急に選定、決定する必要があります。 このような前準備、データ採取をやらずに、Cs等で汚染された廃棄物の焼却処理を闇雲に始めれば、無駄な時間と費用を浪費することになりかねない、Cs等で汚染廃棄物の全量の処理完了時期を、遅らせることになりかねない、Cs等による汚染が広がりかねない と思われます。
最初に原状を急いでキチンと調べ、如何なる手を打つか、どんな実験を行うか、を最初に決めなければなりません。決める為の手を打たなければなりません。こういうこと抜きで、どうやるかを話し合っても煮詰まらないし、煮詰めた結果が当たる確率は小さくなります。分っていること、分っていないことをハッキリさせ、分らなければならないのは何なのか、何が分れば計画が立てられるのか、こういうことについての議論が最初に行わなければなりません。これがクリアーでないと、意見が煮詰まりません。(蛇足:焼却炉の能力、バグフィルターはすぐに詰まること、バグフィルターの必要本数 圧損 ゼオライト吸着塔の吸着効率)
今後の指針、 何を 抑えるべきか、明らかにすべきか を最初に議論し、決めなければなりません。その為に、現在使用中の焼却施設や(バイパスを設けての)小規模設備(街工場で直ぐに製作可能)でどういう実験を急いで行うか(実験は短期間で可能)、福本提案が有効かどうか、どういうふうにやるか を詰める作業を最初に、早く議論し始めなければならないと思います(思いつくままくどくど書いて失礼)。
セシウ ム 137Cs等の放射性物質で汚染された可燃性廃棄物焼却主灰のセメントコンクリート固化 或いは 硫黄コンクリート固化、137Cs等の放射性物質で汚染された不燃性廃棄物・瓦礫の硫黄コンクリート製容器中での長期保管についての愚見は、「セシウ ム 137Cs等の放射性物質で汚染された可燃性廃棄物の焼却排ガスの処理について(1)」に記載の愚見と同じです。
環境省は6月5日、先般来のこの一連のメール宛先になっている廃棄物資源循環学会長の酒井伸一教授と国立環境研究所 循環型社会・廃棄物研究センター長の大迫政浩先生らの所謂 有識者が出席の「第二回災害廃棄物安全評価検討会」(座長 大垣 眞一郎 国立環境研究所理事長)で、福島県内の放射性物質に汚染された可燃性廃棄物について、排ガス処理用のバグフィルターが付設されている既存施設での焼却処理を認める方針を固めました。これまで有識者は、例えば、資源・エネルギーの大浪費に繋がる焼却施設(大変高価)構造基準政省令の制定【平成8、9年当時筆者はこれに猛反対】等において、往々にして 隠れ蓑に使われてきました。 【不都合な真実等に言及している小著電子書籍「サステナ処理&生物多様性』(2010年9月。http://iepe.wook.jp/ )をご参照。】
何をか言わんや で、先般来の筆者らの提言は 「お仕舞い、ヤーメタ」と思っていました。 そこへ、政府○○担当首相補佐官から(補佐官名 都合により省略)、「セシウ ム 137Cs等の放射性物質で汚染された可燃性廃棄物の焼却排ガスの処理について(1)」に続く「同(2)」があれば至急送ってほしいとの依頼がありました(現政権らしくない依頼。それとも現政権らしい依頼かな?)。 (上記のような隠れ蓑になっていないのを祈るばかりです。)
取り急ぎ更なる検討結果を纏めて送信する次第です(終りのほうで余計なことまで書いて失礼しました)。 以上何卒宜しくお願い申し上げます。
2011年6月8日 福 本 勤
(財)環境技術実践機構 理事
環境保全工学研究所 代表
中国 清華大学 客員教授
京大工博 福 本 勤
環境保全工学研究所
〒658-0001神戸市東灘区森北町4-15-16 TEL:078-411-9606
E-mail:t2fukumoto@gaia.eonet.ne.jp
URL: http://www.eonet.ne.jp/~fukumoto/
(財)環境技術実践機構 理事
環境保全工学研究所 代表
中国 清華大学 客員教授
京大工博 福 本 勤
環境保全工学研究所
〒658-0001神戸市東灘区森北町4-15-16 TEL:078-411-9606
E-mail:t2fukumoto@gaia.eonet.ne.jp
URL: http://www.eonet.ne.jp/~fukumoto/
ご参考:先便の「セシウ ム 137Cs等の放射性物質で汚染された可燃性廃棄物の焼却排ガスの処理について(1)」は次の通りです。東大 森口裕一教授の返事も載せておきます。
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セシウ ム 137Cs等の放射性物質で汚染された可燃性廃棄物の焼却排ガスの処理について(1)
1. 国立環境研究所から、環境省の「第一回災害廃棄物安全評価検討会」に、焼却炉からの排ガスの処理装置 である バグフィルターによって「セシウムをほぼ100% 捕捉で きる」 とする資料 提出されている、とのことです。
【因みに、仰せの排ガス中のダイオキシン類の場合は、 ①排 ガス中の飛灰の中 に存在するダイオキシン類と ②排 ガス中にガス (蒸気) 状で存在するダイオキシン類とがあり、① は バグフィルターによって ほぼ100%(100%近く)捕捉できますが、 ② はアンモニア吹き込み位置直後の触媒塔( 接触分解) や活性炭吸着塔によって除去されます。】
2. 筆者は先般来、「セシウ ム 137Cs等の放射性物質で汚染された可燃性廃棄物の莫大な量を、大幅に(5%以下に)減らす為の焼却処理を行う場合、 137Cs等の放射性物質の大部分は焼却主灰に含まれることになるが、放射性物質の残部の大部分は排ガス中の飛灰に含まれ、残部の残りである一部の放射性物質が ガス(蒸気) &/or 極微粒子のヒューム(フューム。Fume。0,01~1μ)として 排ガス中に存在する可能性に言及し、ガス(蒸気)として存在する場合は、排ガス中設置のゼオライト吸着塔で除去できるが、ヒュームとして存在する場合は、ヒュームはバグフィルターでは捕集出来ないことから、排ガスを湿式洗浄して 水に溶けた137Csなどを、ゼオライト吸着塔で除去する という方法を採らざるを得ない」と言ってきました。
去る31日、1日に 廃棄物資源循環学会に参加し、幾つかの場(討論会、会合、意見交換会、昼食会、専門家との議論)で、 セシウム137 Cs を含む排ガスの処理についての下記の愚案 を説明しました。 専門家の考えは「福本案がベスト」でした。
こうした折、拙文(情報交換文)をお読み下さった京大名誉教授の松井三郎先生が、「皆さんの重要な情報交換に加わります。いままでの 福本様の セシウムを中心とする対策の考え方に賛成です。」との仰せのもと、この情報交換に加わって戴くことになりました。
同先生のお考えを参考にさせて戴いて、拙文に以下のように 修正を加えておきます。
3. セシウ ム 137Csで汚染された可燃性廃棄物を焼却しますと、排ガス中の137Csの大部分は飛灰の中に含まれることになりますが、残りの微量の137Csは、排ガス中の水蒸気に含まれる(水蒸気に溶ける)ことになります松井三郎)。 水蒸気に含まれる137Csは、バグフィルターによって捕捉されずに、水蒸気に含まれたまま (燃焼)ガスと共に、バグフィルターを容易に通り抜けてしまいます。 しかし、この微量の137Csは、排ガス(煙)道にゼオライト吸着塔を設置すれば、これによって吸着除去されます。137Csが排ガス中の水蒸気に含まれるのであれば、 排ガスの湿式洗浄の必要はなくなります。 【ただし、137CsがFume(粒径0.01~1μ)状で存在すると 排ガスの湿式洗浄が必要になり厄介になります。安全の観点から、その可能性に先便で(その一部を上記2項で)触れましたが、その可能性は小さいのではないかと思われます。 これについては 今 微粒子の道の専門家と話をしているところです。実験で要確認かも】。
以上は、放射能汚染した可燃性廃棄物を 焼却処理して大幅に(5%以下に)減容し、焼却主灰に放射性物質を濃縮し、これを長期間保存して放射線量を時間的に低下させるという合理的な方法が前提になっています。
3a 説明の仕方を変えますと、焼却処理中の137Cs等の放射性物質は 灰中とガス中に分離しますが、ガス中の放射性物質の量は僅かであり、灰中の放射性物質はバグフィルターによって100%近く捕集されます。ガス中の水蒸気に含まれる137Csは バグフィルターを通過します。 バグフィルター通過した排ガス~水蒸気中の137Csは、ゼオライト吸着塔を通すことによって吸着除去されます。極微粒子ヒュームの137Cs等の放射性物質は、 バグフィルターでは捕集出来ないので、排ガスを湿式洗浄して137Csなどを、ゼオライト吸着塔で除去する という方法を採らざるを得ません。
3b バググフイルターを通過した水蒸気中には、陰イオンの塩素、硝酸が残存していますから、それと電気的中性を保存する陽イオンに Na,K,Csが 存在することになります。 ただし、燃焼ガス中のCs量は大変微量ですから、捕捉されるCsも大変微量です。
4. 放射能汚染した可燃性廃棄物は、現在の進んだ焼却処理方法に対策強化して 処理かできます。 問題は 放射能が濃縮する焼却主灰の処分方法です。 原子炉作業で発生する放散線汚染物は、原子力基本法に基づく 最終処分方法が決められていますが、この方法の実行場所は六箇所村になります。しかし 長期保管容積に限界があります松井三郎)。
そこで、 廃棄物埋め立て用の「管理型処分場」を使わざるを得なくなります。 現在の管理型処分場に、焼却灰をゼオライト処理して吸着封じ込め、セメント固化すれば、十分に安全に長期保管最終処分ができます。
日本サステな㈱—(財)環境技術実践機構では、セメントの代わりに 殆ど無料の硫黄を使って硫黄コンクリートを造ることが出来るのですが 、硫黄、( 137Csを含む)焼却灰 、スラグ等から硫黄コンクリートを造って、焼却灰を 硫黄コンクリート固化をすれば、十分に安全に長期保管最終処分ができます。 硫黄コンクリートは、硬さ、圧縮、曲げ、引っ張りなどの強度等々の特性、放射線遮断効果、有害物質溶出等々の点で、セメントコンクリートよりも優れています。廉価です。 因みに、セメント製造時生成のCO2の生成もありません。
4. 放射能汚染した可燃性廃棄物は、現在の進んだ焼却処理方法に対策強化して 処理かできます。 問題は 放射能が濃縮する焼却主灰の処分方法です。 原子炉作業で発生する放散線汚染物は、原子力基本法に基づく 最終処分方法が決められていますが、この方法の実行場所は六箇所村になります。しかし 長期保管容積に限界があります松井三郎)。
そこで、 廃棄物埋め立て用の「管理型処分場」を使わざるを得なくなります。 現在の管理型処分場に、焼却灰をゼオライト処理して吸着封じ込め、セメント固化すれば、十分に安全に長期保管最終処分ができます。
日本サステな㈱—(財)環境技術実践機構では、セメントの代わりに 殆ど無料の硫黄を使って硫黄コンクリートを造ることが出来るのですが 、硫黄、( 137Csを含む)焼却灰 、スラグ等から硫黄コンクリートを造って、焼却灰を 硫黄コンクリート固化をすれば、十分に安全に長期保管最終処分ができます。 硫黄コンクリートは、硬さ、圧縮、曲げ、引っ張りなどの強度等々の特性、放射線遮断効果、有害物質溶出等々の点で、セメントコンクリートよりも優れています。廉価です。 因みに、セメント製造時生成のCO2の生成もありません。
そして、例えば、厚さ20mm、2×2×2m3の容器に放射能汚染無機性瓦礫類を入れて長期保管することを提案しています。 これは、焼却灰中の重金属を封じ込めるセメント固化(硫黄コンクリート固化)と同じ方法です。
今後、放射能汚染物の核種は、Cs,Sr,その他が増えますが、 ゼオライトの選択吸着能力が高く、CsとSrに対する吸着(実は収着)は確実です。
【ただし Pu汚染がある場合は、焼却する前に、Pu除染の前処理が必要です。これは慎重にやる必要があります。今後必ずこの問題が発生すると思います。 Pu汚染は 大変頭の痛い問題です。 Cs,Srについては、処理方法があると言うことで、一概に 喜べないのが 残念です。 Pu除染の前処理は、極めて難しい問題です。廃棄物の形状と材質で、Puが 化学除染しやすいか、そうでないかになります。酸性水による洗浄で、洗浄水中のPuをイオン交換樹脂捕捉になります。 放射線レベルが低ければ、作業はやりやすいですが、線量が高いと極めてやりにくいです。 さらに重要なことは、 焼却灰中の 放射線レベルが低い場合は、 ゼオライト処理封じ込めの後、セメント固化せず、脱水汚泥で、「一般廃棄物処分場」に埋め立てることです。 浸出水にCsが溶出しなければ問題がありません。どのレベルの放射線量で セメネント固化で管理型埋め立てか、 ゼオライト脱水処理で一般埋めたてか? これは実験をして確認が必要のようです松井三郎)。】
今後、放射能汚染物の核種は、Cs,Sr,その他が増えますが、 ゼオライトの選択吸着能力が高く、CsとSrに対する吸着(実は収着)は確実です。
【ただし Pu汚染がある場合は、焼却する前に、Pu除染の前処理が必要です。これは慎重にやる必要があります。今後必ずこの問題が発生すると思います。 Pu汚染は 大変頭の痛い問題です。 Cs,Srについては、処理方法があると言うことで、一概に 喜べないのが 残念です。 Pu除染の前処理は、極めて難しい問題です。廃棄物の形状と材質で、Puが 化学除染しやすいか、そうでないかになります。酸性水による洗浄で、洗浄水中のPuをイオン交換樹脂捕捉になります。 放射線レベルが低ければ、作業はやりやすいですが、線量が高いと極めてやりにくいです。 さらに重要なことは、 焼却灰中の 放射線レベルが低い場合は、 ゼオライト処理封じ込めの後、セメント固化せず、脱水汚泥で、「一般廃棄物処分場」に埋め立てることです。 浸出水にCsが溶出しなければ問題がありません。どのレベルの放射線量で セメネント固化で管理型埋め立てか、 ゼオライト脱水処理で一般埋めたてか? これは実験をして確認が必要のようです松井三郎)。】
以上、取り急ぎ認め 送信致します。 ご高説、ご意見を 賜ることが出来れば幸甚です。
2011年6月5日 福 本 勤
福 本 勤
(財)環境技術実践機構
環境保全工学研究所
〒658-0001神戸市東灘区森北町4-15-16
TEL:078-411-9606
E-mail:t2fukumoto@gaia.eonet.ne.jp
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福本先生・関係各位森口裕一@東大都市工(前国環研循環C)です。
貴重なご意見、有難うございます。
放射性物質で汚染された可燃性廃棄物の焼却処理については、
原子力分野の廃棄物処理の専門家や関係行政機関とも情報交換
しながら、検討を進めています。100%近く捕捉できるから安全、
とみなすのではなく、フィルターでの捕捉率が想定よりも低か
った場合や排出後の拡散に対する気象条件がワーストケースで
あった場合なども想定した検討が必要と私自身は考えています。
廃棄物処理に携わる立場からは、廃棄物処理由来の新たな被曝
をゼロにしたいとの思いはむろん共有しております。一方、想
定しうるあらゆる被曝経路について、新たな被曝をゼロにする
ことは現実的には不可能であり、対策を講じることによって回
避できる被曝量(回避できるリスク)と、対策のコストとの比
から、どの対策を優先するか、という議論も行政的には避けら
れないと考えています。実際、福島県外においても、東日本の
広い範囲にわたって放射性物質が一定量地表に降下しており、
刈り取られて家庭ごみとして出される雑草等にも付着している
ため、これらの地域も含めて放射性物質の焼却炉煙突からの再
拡散をゼロにすることはできず、どこかで線引きをせざるを得
ません。「ゼロとみなすレベル」と「絶対的なゼロ」との違い
を専門家はきちんと説明しなければならないと考えます。
いずれにしましても、廃棄物処理に由来する放射性物質の無用
な再拡散を防止するうえで、実効ある対策のメニューを揃えて
おくことは重要ですし、汚染度の相対的に高い地域の廃棄物の
焼却においては、バグフィルタだけでなく、さらに高次の処理
や排ガスの連続モニタリング等もできる限り適用すべきと考え
ています。
焼却灰については、従来の放射性廃棄物の処分の基準に照らせ
ば、数百年の管理を要する「ピット処分」以上のレベルに相当
する可能性があるため、廃棄物処理法の下での処分場で処分す
るのか、従来の放射性廃棄物側で考えるのか、第三の道として、
新たな専用の処分場を整備するのか、議論を尽くさねばなりま
せん。
本日、環境省の検討会が開かれており、何らかの方針が示され
るのではないかと思います。
(2011/06/05 12:44), 福 本 勤 wrote:
>
>>
> *セシウ * ***ム * *^137 Cs * *等の放射性物質で汚染された可燃
> 性廃棄物の焼却排ガスの処理について ***
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