2011年6月3日金曜日

(追記有り)放射能汚泥、瓦礫関係情報〜焼却処理「セシウムの除去に沸石Zeoliteを使うがよいのでは?」by 福本勤氏







2011.6.5.追記:ちょっとわかりにくいので追記します。

2011.6.3.付け福本先生のメールは、放射能汚染瓦礫の焼却処理の問題に関するもので、以下の3者に別々に宛てた内容を1本にまとめたものを、私宛にも送って下さったものです。ややこしいので1)−4)をメール中に赤字で入れます。
1)東大教授(都市工学科) 森口裕一先生( 1箇月前まで国立環境研究所循環型社会・廃棄物研究センター長) 
2)国立環境研究所 循環型社会・廃棄物研究センター長 大迫政浩先生: 
3)吉田 紀子 様:
4)そして最後に、森口裕一氏から福本先生・関係各位宛の文書が参考のため添付されています。
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2011.6.3.追記: 放射性物質が付着した瓦礫や汚泥の焼却処理に関して、本日福本勤先生から追加情報が入りましたので先生の許可を得て、以下にメールを掲載させて頂きます。福本先生に深く感謝。:
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差出人: 福本勤
件名: 焼却排ガス中のセシウムの除去
日時: 2011年6月3日 9:23:14:JST

1)東大教授(都市工学科) 森口裕一先生( 1箇月前まで国立環境研究所循環型社会・廃棄物研究センター長) 
環境省が考えているように、莫大な量の放射能汚染可燃性廃棄物は、(熱回収しつつ)焼却せざるを得ないと 愚考するのですが、その際 排出する放射性物質セシウム137Cs などは ゼロにしなければなりません。  仰せのように、「福島原発から放出された放射性物質は、地球を1周して再び日本に到達 していると考えられ、微量とはいえ既に「日本中に拡散」していると考えられる」のかもしれませんが、これは想定外(その是非・可否は兎も角)の大津波に起因しており、これまでの拡散は不可抗力的でした(東電~政府の対応に問題があったとは言え)。今後は 我々の力で、放射性物質については 放出ゼロ、大気(~海水、地下水)中の濃度増加ゼロ にしなければなりません。     

にも拘わらず、国立環境研究所から、環境省に、137Csでなく、極低濃度でもないCsについて、バグフィルターによって「セシウムをほぼ100% 捕捉で きる」とする資料が 提出されているとのこと、0.01~1μ程度の極微粒子(fume)状態で存在しているかもしれない137Csを バグフィルターによって果たして本当に「ほぼ100% 捕捉で きるのかな」と思わざるを得なくなり、余計な口出しを 先般来しています。 取り越し苦労でなければ幸いです。 放射能汚染に関しては、疑い深い、取り越し苦労的 発言をしても よいのではないかとも思っています。

2)国立環境研究所 循環型社会・廃棄物研究センター長 大迫政浩先生: 
排ガス中に極低濃度で存在する137Csを バグフィルターによって 果たしてほぼ100% 捕捉で きるのかどうか、実験で確かめるのが一番良い、一番速いと愚考しています。 バグフィルターによる除去効率がほぼ100%でなければ、湿式洗浄せざるを得ないように思います。 原子力安全保安院や環境省に、実験費用を用意して貰えるのであれば、焼却炉メーカーの協力のもと、私が実験で確かめさせて戴くことはできます。 基礎実験も 出来ればと思っています。 如何でしょうか?  次の吉田さん宛拙文メールご参照。

3)吉田 紀子 様:
去る31日、1日に 廃棄物資源循環学会に参加し、幾つかの場(討論会、会合、意見交換会、昼食会、専門家との議論)で、  セシウム137Cs を含む排ガスの処理についての下記の愚案を説明しました。 専門家の考えは「福本案がベスト」でした。 反論も内心期待していましたが、皆無でした。下記には、先便に記載の愚案に僅かながら加筆しています。

1.国立環境研究所から、環境省の「第一回災害廃棄物安全評価検討会」に、焼却炉からの排ガスの処理装置 であるバグフィルターによって「セシウムをほぼ100% 捕捉で きる」とする資料 提出されている、とのことです。                                
因みに、仰せの排ガス中のダイオキシン類の場合は、①排 ガス中の飛灰の中に存在するダイオキシン類と ②排 ガス中にガス(蒸気)状で存在するダイオキシン類とがあり、①は  バグフィルターによって ほぼ100%(100%近く)捕捉できますが、  ②はアンモニア吹き込み後の触媒塔(接触分解)や活性炭吸着塔によって除去されます。                                    
セシウムの場合は、 極微量、極低濃度でなければ、排ガス中にガス(蒸気)状でない状態で存在するセシウム の量は比較的に少なくなく、バグフィルターの みによってほぼ100%捕捉できるのでないかと愚考されます。しかし、今問題のセシウムにつきましては、極微量、極低濃度と思われるだけに(セシウ ム137Csは、極微量、極低 濃度でも大変問題になります)、 存在状態を知る為のデータが乏しく、「ほぼ100%捕捉」と断言できるのかどう か よくは分りません。                             
セシウム137Csは、(1) ガス状では全く存在しないのかどうか、或いは (2)バグフィルター を通り抜けるような固体微粒子(ヒュームFume。0.01~1μ)状で存在しないのかどうか につきましては、 今のところ自信をもって言うことができません。

極微量、極低濃度の 場合、セシウム137Csに ついては、極微量でも大変問題になるだけに懸念される訳です。    

国立環境研究所から、環境省への提出資料が 極微量、極低濃度の場合も含む実験のデータに基づいているのであれば、問題ないと思います。

2.僕 は大学院生の時に、分子ふるい (Molecular Sieve)【沸石(Zeolite)を加熱すると分子サイズ の大きさの均一な細孔のMolecular Sieveができる】を使って、NaやKの 吸着実験をしたことがあるのですが、このZeoliteを、 NaやKと 同じアルカリ金属のセシウム137Cs の吸着・除去に使うのが よ いのではないかと思っています。                                                  
これには、① 排ガス中にゼオライト吸着塔を設置する方法と ②水中にゼオライト吸着塔を設置して、排ガスをゼオライト吸着塔を通して湿式洗浄する方法が考えられます。 137Csはガス(蒸気)状で存在する可能性は低いこともあり、 ②の方が 吸着効率は高く実際的であるように思われますが、どの程度の吸着効率が得られるかを把握する為に 実験してデータを採る必要があります。 セ シウム137Csが、 ガス状では全く存在しないのが明らかであれば、バグフィルターの後に吸着塔などを設ける必要はありません。  これを水に溶かして湿式洗浄、吸着除去する②の方法が よいように思われます。

福島県に設置、使用されている日造、川重、タクマ、MHI、荏原などの全連続式焼却の何れかから連続的に抜き取った排ガスの一部を、湿式洗浄、吸着除去する実験をするのがよいと思っています。上記焼却炉メーカーさんのうち、ご協力戴けるメーカーさんの協力を得たいと思っています。タダでご協力戴く訳にもいきませんので、原子力安全保安院や環境省から、幾らかお金が出ないものかと思い、折衝しようとしています。

3. 焼却主灰中に移行したセ シウム137Csに ついては、セシウム137Csを 含む焼却主灰全体を放射性廃棄物(一 定のレベル以上の放射性廃棄物)と して、放射線遮蔽効果の大きい代替コンクリート(一 般に利用されているセメントコ ンクリートよりも、強度、硬 さ、放射線遮蔽効果等々が大き く、製造時CO2排 出量も大幅に少ない。詳細遠からず公表)で 作った貯蔵箱、例えば 2×2×2m3の 貯蔵箱に入れて、長期間保管すればよいと思っています(先便 ご参照)。

取りあえ ず 取り急ぎ以上お知らせ致し ます。 僕の考えと異なる考え をする方がおられましたら、そ の方のお考えをお知らせ下さ い。どんな ご意見 でも歓迎しますので、お知らせ 戴ければ幸甚です。

2011.6.3 朝     福 本  勤

(財)環境技術実践機構 理事                            
環境保全工学研究所 代表          
中国 清華大学  客員教授          
京大工博  福  本     勤                         
環境保全工学研究所 〒658-0001神戸市東灘区
森北町4-15-16 TEL:078-411-9606                                                    

4)福本先生・関係各位

「放射能汚染された瓦礫や下水汚泥が燃やされると日本中に放射能汚染が拡散されるのではないか」 というご懸念があることは、行政側でも十分に意識されていると思います。「日本中に」とされているのは、被災地支援のために、福島県外の自治体が 焼却処理に協力される場合を想定されているのではないかと思いますが、現時点では放射能汚染レベルの高い地域からの廃棄物の広域的な移動は行わな い措置がとられていると認識しています。誤解を恐れずにあえて申し上げれば、福島原発から放出された放射性物質は、地球を1周して再び日本に到達 していると考えられ、微量とはいえ既に「日本中に拡散」していると考えられます。論点は、廃棄物の焼却によって、それを大幅に上回る拡散があるか どうか、ですが、大気中への放出は内部被曝につながる恐れがあるため、慎重に考えるべきことはいうまでもありません。

森口祐一@東大都市工(前国環研循環型社会・廃棄物研究センター)

(2011/05/30 8:49), 福 本  勤 wrote:
 Subject: セシウムの除去に沸石Zeoliteを使うがよいのでは?Re: 放射能汚泥、瓦礫関係情報

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以下記事掲載日2011.5.30.

現在、放射能汚染されたがれきや下水汚泥が燃やされると日本中に放射能汚染が拡散されるのではないかと心配する声がインターネットやTwitterで広がっています。「燃しても大丈夫なのか?」「一般焼却炉に放射性物質を除去する装置や技術はあるのか?」「移動しても大丈夫なのか?」などなどです。

そこで、5/28日にこの問題の専門家である神戸の福本勤先生(「福島第一原発 放射性廃棄物の処理。政府の方針。問題点。解決案」by 福本勤氏に電話で聞いてみました。先生の答えは以下の通りです。福本先生に感謝。:
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差出人: 本  勤 
日時: 2011530 8:49:46:JST
Subject: セシウムの除去に沸石Zeoliteを使うがよいのでは?
Re: 放射能汚泥、瓦礫関係情報

1.国立環境研究所から、環境省の「第一回災害廃棄物安全評価検討会」に、焼却炉からの排ガスの処理装置であるバグフィルターによって「セシウムをほぼ100% 捕捉できる」とする資料 提出されている、とのことです。

因みに、仰せの排ガス中のダイオキシン類の場合は、①排ガス中の飛灰の中に存在するダイオキシン類と②排ガス中にガス(蒸気)状で存在するダイオキシン類とがあり、①は バグフィルターによって ほぼ100%捕捉できますが、②は アンモニア吹き込み後の触媒塔(接触分解)や活性炭吸着塔によって除去されます。

セシウムの場合は、極微量、極低濃度でなければ、排ガス中にガス(蒸気)状でない状態で存在するセシウムの量は比較的に少なくなく、バグフィルターのみによってほぼ100%捕捉できるのでないかと愚考されます。しかし、今問題のセシウムにつきましては、極微量、極低濃度と思われるだけに(セシウム137Csは、極微量、極低濃度でも大変問題になります)、存在状態を知る為のデータが乏しく、「ほぼ100%捕捉」と断言できるのかどうか よくは分りません。

セシウム137Csは、(1)ガス状では全く存在しないのかどうか、或いは (2)バグフィルターを通り抜けるような微粒子状で存在しないのかどうか につきましては、今のところ自信をもって言うことができません。  極微量、極低濃度の場合、セシウム137Csについては、極微量でも大変問題になるだけに懸念される訳です。

国立環境研究所から、環境省への提出資料が 極微量、極低濃度の場合も含む実験のデータに基づいているのであれば、問題ないと思います。

2.僕は大学院生の時に、分子ふるい(Molecular Sieve)【沸石(Zeolite)を加熱すると分子サイズの大きさの均一な細孔のMolecular Sieveができる】を使って、NaKの吸着実験をしたことがあるのですが、このZeoliteを、NaKと同じアルカリ金属のセシウム137Csの吸着・除去に使うのが よいのではないかと思っています。

これには、①排ガス中にゼオライト吸着塔を設置する方法と ②水中にゼオライト吸着塔を設置して、排ガスをゼオライト吸着塔を通して湿式洗浄する方法が考えられます。 ②の方が 吸着効率は高いように思われますが、どの程度の吸着効率が得られるかを把握する為に 実験してデータを採る必要があります。 セシウム137Csが、ガス状では全く存在しないのであれば、これを水に溶かして吸着除去する②の方法が よいように思われます。

 3.焼却主灰中に移行したセシウム137Csについては、セシウム137Csを含む焼却主灰全体を放射性廃棄物(一定のレベル以上の放射性廃棄物)として、放射線遮蔽効果の大きい代替コンクリート(一般に利用されているセメントコンクリートよりも、強度、硬さ、放射線遮蔽効果等々が大きく、製造時CO2排出量も大幅に少ない。詳細遠からず公表)で作った貯蔵箱、例えば2××2m3の貯蔵箱に入れて、長期間保管すればよいと思っています(先便ご参照「福島第一原発 放射性廃棄物の処理。政府の方針。問題点。解決案」by 福本勤氏)

取りあえず 取り急ぎ以上お知らせ致します。 僕の考えと異なる考えをする方がおられましたら、その方のお考えをお知らせ下さい。どんな ご意見でも歓迎しますので、お知らせ戴ければ幸甚です。
2011.5.30     福 本  勤


()環境技術実践機構 理事                            
環境保全工学研究所 代表          
中国 清華大学  客員教授          
京大工博  福      勤                                             
環境保全工学研究所 658-0001神戸市東灘区
森北町4-15-16 TEL078-411-9606                                         E-mailt2fukumoto@gaia.eonet.ne.jp  
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関連情報:


以下、原発震災廃棄物・広域処理問題まとめhttp://www47.atwiki.jp/tsunamiwaste/
から掲載させて頂きます。

1。5/27 原子力安全保安院14:00~会見「汚染された瓦礫のサンプリング結果」
http://togetter.com/li/140826

2。5/27 経産省の報道発表資料
福島県内の仮置き場における災害廃棄物の放射性物質濃度の測定結果について
http://www.meti.go.jp/press/2011/05/20110527002/20110527002.html
クリアランスレベル0.01ミリシーベルト/年→4.38ミリシーベルト年へ緩和?

3。福島のがれき、会津地方と同等線量なら処分可能

4。各地の動き~放射能汚染瓦礫の移動、焼却に反対:

5/30 北海道北見市で原発震災がれきの受け入れ報道が流れました 
この報道について、有志が問い合わせ結果を報告してくれました

5/29 京都市がれき焼却反対HPができました 

5/25 徳島県石井町で原発震災がれきの受け入れ報道が流れました
http://panda.betoku.jp/article/0402967.html 


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関係ブログ記事:







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