2011年12月14日水曜日

20111210 満田正さんの「福島原子炉包囲網日誌」12/10〜放射性物質粉塵、焼却炉によるがれき焼却..

From  満田正
日付  201112102:40
件名  Re: [tamakannet:110] 放射性物質粉塵

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焼却炉による瓦礫焼却で、果たして、放射性物質が処理できるのかという疑問がある。 
高温での焼却は、極度に微細粒子を生成させるので、果たして、たとえ高性能なバグフィルターであっても、そうした微細粒子や気化状態での物質を完全除去できるのか、私は疑問を持つものである。
勿論、焼却処理では、その瓦礫の多くは気化状態で、炭酸ガスとして空気中に放出される。放出されるガス(気化状態)の中には、果たして、炭酸ガスだけなのかも疑問がある。排ガス成分の徹底した分析は未だに無いのではないだろうか。例えば、瓦礫に混在した水銀などは焼却で気化状態で大気中に放出されるというデータが存在するではないか。焼却炉高温ガスでのガスクロマトグラフィーについてその分析結果を私は知らない。
現在、問題になっているのは、そうした高度な分析の問題ではなくて、所謂、焼却残渣としての主灰、排気中のガスからバグフィルターで捕獲される飛灰(フライアッシュ)についてである。主灰については、もともと燃えないものだから、焼却炉の底部に溜まる。燃えないものには金属など鉱物性物質が多く、水銀もそうであるが、放射性物質であるセシュームも主灰に含まれる。
ここで、水銀もセシュームも沸点が低く、焼却炉の高温状態では当然気化状態にあると想像される。もし、そうだとすれば、水銀もセシュームも全部が排ガスとして、空気中に放出されると思われるのだが、ここで厄介なことに、水銀もセシュームも化学反応に飛んでいて、他の分子との化合物として存在することである。これらの化合物は比較的沸点が高く、焼却炉の温度が高温であると言っても、その程度では気化しない。
だから、水銀やセシュームは猛毒と言ってもは、固形物として存在し、その多くは主灰に、飛灰であっても、バグフィルターをかければ、完全除去できるという主張がある。
私は、高温排ガスの成分分析は必要と思うのであるが、結構難しいと思っている。
特に大容量の排ガスの分析は難しい。
そこで、一歩譲って、排ガス中の固形物(粉塵いわゆる飛灰)がバグフィルターを通してどの程度除去できるかの議論をしてみたいと思う。
もともと、排ガス中の固形物とガスとを分離する役割が、バグフィルターであるのだから、固形物であっても粒子径が限りなく小さいものについては除去できない(捕獲できない)のは当然である。
続いて、どの程度の粒子ならば、トラップ(捕獲)出来るのかについては、バグフィルターの性能に関係する。ここで性能が良いというのは、限りなく小さな粒子を捕獲できるというもので、それはバグフィルターの密度(木目の細かさ)に関係する。当然、木目が細かいと限りなく小さな粒子をも捕獲できるが、それは排ガスそのものを通り難くするわけで、限りなく、バグフィルターを通過させるための強力な送風機を必要とする。
大容量の排ガスを処理するためのバグフィルターの性能がどこまでのものが良いかは、このバグフィルターの木目の細かさと送風機の能力とに関係するわけで、果たして、どの程度の高性能のバグフィルターが焼却炉に使われているかははなはだ疑問である。そもそも、それだけの高性能フィルターを使うのであれば、コストパフォーマンス(費用対効果)が合わないのではないかと考える。
従って、バグフィルターは、気化状態のものはそのまま通過するし、たとえ固形物粒子であっても粒子系の小さいものは通過させざるを得ないというのが、私の考えである。そして、その証左としても、精緻な排ガス分析が必要であると思うのであるが、実際のところ、この種の分析が見当たらなかった。
ところが、最近騒ぎとなっている大気中の粉塵についての分析が示されている。
http://savechild.net/archives/13267.html
すなわち、大気中には粉塵が漂っているのであり、その発生原因は色々だが、焼却炉といえども、その発生源に一役も二役も買っていると見なすことが出来る。
すなわち、粉塵はそう簡単には除去できない、出来ると思う方が間違いである。
そこで、また、新しい資料であるが、東大のアイソトープ総合研究所から出されているのであるが、マスクで粉塵が充分防げるというものである。
http://www.asahi.com/science/update/1201/TKY201111300873.html
これも、普通のマスクでもマスクをすると息苦しいし、その程度に決めの細かいフィルター効果があると思うのだが、すると、更に苦しくなる。原子炉周辺で使われている、ガスマスクなどというものは、苦しくて、数10分とも持たない。これとバグフィルターの性能を比べることもどうかと思うが、とにかく、粉塵除去は難しいの一言である。
確かに、マスクをすれば、大まかの粉塵は防げる。
果たして、微細粉塵まで防げるのであろうか。
ましてや、マスクには、その粉塵がわんさと集積する。
果たして、そのマスクは1日に何度取り替えればよいのだろうか。
今後、冬の季節、乾燥空気が粉塵を運んでくる。
最近のヨーロッパでは、空気に放射線塵が浮遊していることが常識とも言われている。 
日本でも放射能塵が出回って、初めての空っ風。
結構厳しい冬を迎えるのではないか。
それに、除洗なんて作業は半端な作業量ではない。とてもとてもこの冬に間に合うものではない。
それでも、花粉症の人は息苦しくもマスクに慣れている。
慣れない人はどうするのであろう。
満田
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たまかんねっと:

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