2010年12月8日水曜日

感想:2010.11.19一組の水銀関係区民との対話集会に参加して;追記一組資料

先月の一組の水銀関係説明会に参加した感想、遅くなりましたが以下です。というか、関係者に送ったメール3通の内容が、今読み返していたら感想文になっているので、ここに掲載します。まとまりのない文ですが、自分への覚書なのでご容赦。
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平成22年11月19日(金) 清掃一組と区民との意見交換会:テーマ「水銀混入ごみの搬入について」基調講演 (京都大学大学院工学研究科准教授 高岡昌輝 氏) /清掃一組からの説明 /意見交換
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昨日(2010.11.19)は一組の水銀関係区民との意見交換会に行ってきました。

渋谷清掃工場があんなところにあるとは。渋谷はよく行く所ですが知りませんでした。御殿のような要塞のような建物!国破れて焼却炉有りの国になっちゃう、と思いました。

高岡先生はナイスガイで明るいし説明もわかりやすい。ですが、微妙な形、非常にサトルに、聴衆をミスリーディングされる方だと、私は感じています。彼の博士論文のテーマが「都市ごみから水銀を取ること」だったと、焼却炉のバグフィルターの研究者でもある。今回も、高岡氏の統計数字の扱い方が、とても気になりました。日本の技術が優れていることが前提で、日本の水銀関係数値が小さくなる、その小さくされる手法が、私には納得いかなかった。パワポを駆使されて、世界の状況、特にアジアの2大国、中国だんとつの数値を見せられると日本の問題なんか、小さすぎて、心配するまでもないになってしまう。彼が直接そう言わなくても彼のプリゼンテーションがそう語っている。ほんとうに心配のない数値を国は、そして高岡さんを含む御用学者達はきちっと検証して出せているのか、それとも単なるお手盛り数値なのか、そこがひっかかって、素直に今の焼却炉で燃やしても安全です、この路線で行きましょうには従えないと言う気持ちに改めてなってしまいました。

交流会時の雰囲気、思い返すと、この国の国民、都民、区民はごみ行政に関してやっぱり不幸!ふんだりけったりだ!と思いました。仕組みをコントロールできる側が、一組対住民のお膳立てで個人レベルに落とした対話をさせて、「自分たちも大変だからわかってください。こうなってしまったのは23区の区の問題、皆様にも原因があるんですよ」と泣きを入れる体裁をとった、行政側の責任回避の一手段だったんだと。

行政をコントロールする側と国民一人一人との間の、情報の非対称性、金力権力の非対称性を、一組、23区、都、国はもっとちゃんと認識して、行動すべきなのに。

青木さんの質問に答えられた塚越さんは、佐藤禮子さんの3月の企画で、焼却灰(スラグ)の話を、講演をしてくれた人でした。
http://gomitanteidan.blogspot.com/2010/03/blog-post_23.html
その時の彼の説明は非常によかったです。今回の説明会でも、技術の説明担当者大塚さんの説明がわかりにくい所を代わりに塚越さんがフォローする形になりました。Q&A時だったとおもいますが、他の参加者の質問に答える途中、「水銀は燃やせない、不燃ごみになっているんですよ」「焼却炉は、水銀を燃すように設計されたものではない、ということを皆様にはっきりと申し上げておきたい」と塚越さんが憮然として、強い口調で言われたのが印象に残ってます。私はこの塚越さんという人をけっこう気に入っています。この人の提供情報、信頼できると思っているんです。(だから、塚越さんのような人に逆にごみ問題の内部告発者になってもらいたい)。

上手く言えないのですが、塚越さんの数値の説明はごまかすというより、焼却炉の仕様書(青木さんが情報開示で入手済。それと一致、入り2mgの記載があったと、「なんでもかんでも入れて燃やしたら当然規制値を超してしまうから、入り条件がつけられていることがわかった」と青木さんが以前に話してくれました)に単に即して計算したものを提示されただけ、と私は受け取りました。一組の方ではそれ以外の数値の出し様がない。

塚越さん他、一組の関係者が、「足立では、濃度計が急激に上昇し、規制値50μgを超して、振り切れてしまったわけで、どの位の(水銀の)量が入っていたのかは自分たちでもわからない。調べようがない」と繰り返してました。

燃やせない焼却炉に、水銀含め有害ごみが入ってきてしまい、(廃プラ焼却開始と分別の崩壊のため、ただし、一組の誰もそれを認めなかった)、そうしたものを燃せば当然規制値超えの数値がでてしまう。「使用中の焼却炉の設計はそれが限界で、、、東京都は連続濃度計を付けているからまだこれがわかったのであって、付けてなければたとえ濃度が上昇、自主規制値を超えても、そのままでしたよ」というのが彼らのいい分。(「東京都の状態は自分の住んでいる所よりも安全」と高岡先生まで最後の締めの言葉で補足。)その原因と量、犯人を追跡する責任を一組は負わされてしまったが、本当は、収集・運搬の認可を与える権限を持つ23区の責任ではないのか、と言いたがっていた。だから「もしこういうことがまた起きたら、次は区と一組と東京都と3者で対応する」と。「一組が前面に出て今回のように対処はしない」と。そういうニュアンスが途中から最後まで続きました。区民参加者を証人にして、一組は区と都にもの申していたのかも。

有害ごみを一般、産廃の焼却炉でわざわざ燃やす必要はない。技術力のある信頼できる専門業者に委託して安全に回収保管再生すべきだと感じました。

水銀ごみは、埋めても燃しても危険と言うことが高岡さんの資料からわかりました。そこを彼は言わない。だから、ずるい。「水銀は揮発性が高いから燃焼工程に入ると取るのやっかい」と言いながら、「焼却炉のバグフィルターと、活性炭や薬剤(液体キレート)を活用すれば、こんなに除去できるから心配ない」と伝えてた。

高岡さんの締めくくりの話で、「今回は塊が入ったのだと思います」と言った。この言葉はけっこう重いかもしれません。

とういのは、自治労の講演会資料中、多摩川衛生組合の焼却実験で、以下の量をごみホッパから投入(44p)して燃やしている。それでも、排ガス分析測定データ、水銀濃度はそれほど高くなってない(48p)。(最もこのデータは、連続測定器で得られたものではないと思いますが)。だから、今の焼却炉はかなりの量を燃やしても平気(規制値にひっかからずごまかせちゃうというより、測定器をつけてないので見つからない)ともいえるのかもしれない、と。高岡先生の「言葉」からそんなことまで想像してしまいました。

乾電池 蛍光灯 有害計
12/22 0.54 トン 0.34トン 0.88トン
12/23 1.10トン 1.28.トン 2.38トン
12/24 0.56トン 0.35トン 0.91トン
12/25 1.11トン 1.46トン 2.57トン
2/26    0トン 1.30トン 1.30トン

出典:2010/10/25「東京の有害ごみ問題(環境行政)を考える集会」配布資料44p

以上、まとまらない話、長々とすみません。なにとぞよろしくお願いいたします。
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2010.12.9.追記:一組HPにて以下の通り、当日関係資料発表:

12月6日


●資料
次第(PDFファイル80KB)
「水銀をとりまく現状及び将来の動向」(基調講演資料)(PDFファイル4,456KB)
「水銀混入ごみによる清掃工場の停止」 (清掃一組資料)(PDFファイル562KB)
「再発防止対策について」(清掃一組資料)(PDFファイル526KB)


備考:交流会配布資料は、電子データないので紹介できず。ただし、高岡氏の説明内容は、上記「水銀をとりまく現状及び将来の動向」また以下報告書の数値に基づくもの。

jerico4 
ごみ探偵団: 水銀関係〜資料「総合研究報告書」への疑問点 http://t.co/Qhaisib 高岡氏含む学者たちの報告はかなり乱暴、いい加減。焼却炉2カ所しか実験してないのにそれで一般化とか。でもこれに基づく数値がまかり通ってる。


jerico4 
日本と諸外国の水銀の大気排出インベントリーhttp://www.airies.or.jp/publication/earth/pdf/13_2-03.pdf"日本では水銀排出源の寄与は産業廃棄物焼却24%、セメント製造15%、"


水銀関係過去記事 2010年7月〜:






2010年12月6日月曜日

水銀問題〜豊島清掃工場、水銀(Hg)濃度の数値異常。

水銀問題~豊島清掃工場、水銀(Hg)濃度の数値異常。
平成21412日の21時~23日の午前11時、原因問合せ中。
維持管理重点事項記録。



環境悪化進む「電子ゴミの街」

bilderberg54 
【巨竜むさぼる 中国式「資源」獲得術】番外編 健康より…宝の山 - MSN産経ニュース: http://bit.ly/fDW7O1 via @addthis この連載はきわめて良質。産経、かねないはずなのに頑張ってる。


SankeiShimbun 
【国際】 【巨竜むさぼる 中国式「資源」獲得術】番外編 健康より…宝の山:  中国広東省の省都、広州市が広州アジア大会の余韻に浸っていたころ、数百キロ離れた同省内のある村では労働者が黙々と“電子ゴミ”と化したパソコンや携帯電...http://bit.ly/eiNZgA

2010年12月5日日曜日

「今なぜ、水銀問題か −水俣病と世界の水銀問題国際シンポジウムに参加して−」池田こみち氏ブログ

昨日12/4(土)、「NGO国際水銀シンポジウム水俣病と世界の水銀問題水俣の経験を学び、強い水銀条約とする」が開かれました。

以下は、池田こみちさん(環境総合研究所)がシンポジウム参加直後に書かれた報告記です。「今なぜ、水銀問題か?」の要点が端的に伝わってきます。世界の2/3のごみ焼却炉が集中する日本。ごみ焼却炉から水銀は排出されているが人々はそのことに「無頓着」。池田さんが質疑応答で述べられた「問題提起と質問」は秀逸です。感謝。
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今なぜ、水銀問題か
−水俣病と世界の水銀問題国際シンポジウムに参加して−
池田こみち 2010.12.4. 独立形メディア「今日のコラム」



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12/4(土)「国際水銀シンポへの賛同と当日の参加のお願い」by 化学物質問題市民研究会代表 藤原寿...

47NEWS - 3時間前
国連環境計画(UNEP)で議論が進む国際的な水銀規制条約制定に向け、水俣病と世界の水銀問題を学ぶシンポジウムが4日、東京・市谷本村町のJICA研究所であった。メチル水銀を原因物質とする水俣病被害を二度と起こさないための実効ある条約制定を ...