<話題>水銀の国際的規制に向けて政府間交渉がスタート、日本企業には商機
2011/01/24 12:20 モーニングスター提供
http://www.morningstar.co.jp/portal/RncNewsDetailAction.do?rncNo=408344
水銀の工業利用や大気への排出を規制する「水銀条約」の策定に向け、国連の政府間交渉委員会が24日、千葉市で始まる。
水銀は電池への使用のほか、途上国では金の採掘に使われている。毎日新聞(電子版)が1月7日報じた「水銀条約」原案によれば、電池、計測器、照明(蛍光灯など)、スイッチ、虫歯治療材の主要5製品の規制や、金採掘への利用の禁止、石炭火力発電では最新技術による削減を行うことなどが話し合われる見込みだ。
日本では水俣病の経験を踏まえ、政府が1973年、企業に水銀利用からの転換を通達した。企業が代替技術の開発を進めた結果、64年に約2500トンあった国内の水銀需要は05年には約10トンに減少した。一方で、石炭や亜鉛の生産過程で年間数十トンの余剰水銀が発生しており、年間約100トンを途上国などに輸出している。このため、日本に対しては水銀の再循環に一役買っているとの批判もあり、新条約を「水俣条約」と名づけたいとする政府の意気込みが実現するかについては疑問の声も出ている。
それはともかく、株価的にみれば、代替技術や測定機器といった分野で先行する日本企業には業績拡大要因になる。
関連銘柄としては、ごみ焼却時の排ガス用水銀濃度測定装置「ENDA-Hg5200」の堀場製作所 <6856> 、工場排水などを対象とする「平沼水銀測定装置HG-400/500シリーズ」の日立ハイテクノロジーズ <8036> 、発光分光分析装置「PDAシリーズ」の島津製作所 <7701> などが挙がる。
蛍光灯リサイクル水銀回収装置をグループ会社が扱っている日揮 <1963> 、グループのバブコック日立(非上場)が排煙中の水銀を除去する装置の技術を持つ日立製作所 <6501> も注目。このほか、水銀が不要な照明である白色LED(発光ダイオード)関連銘柄も面白い。三菱ケミカルホールディングス <4188> 、豊田合成 <7282> 、ローム <6963> 、昭和電工 <4004> 、スタンレー電気 <6923> などをマークしたい。(由谷 順)
提供:モーニングスター社
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