水銀問題が世界の注目を浴び、「国連環境計画」は、2013年を目途に水銀条約の制定を決め、水俣を繰り返してはいけないと政府間での検討が開始されました。
その折も折り、今年6月から7月にかけて、東京23区の4つの清掃工場、5つの焼却炉で、水銀が自主規制値(=EUの規制値)を越えて高濃度に大気中に排出されるという事故が起きました。
電池等も含め水銀フリーであるはずの日本社会で、なぜ水銀が焼却炉から高濃度に排出されたのでしょう?
原因を調査し、対策対処を考える水銀汚染検証市民委員会を過日1月25日に結成しました。同委員会による取り組みへの賛同のお願いです。
<事故調査の不可思議な幕引き>
当初23区の清掃工場を運営する「東京23区清掃一部事務組合」は、事業系の不適正な大量の水銀廃棄が原因と片付けようとしましたが、事業者犯人捜しは頓挫し、原因に繋がる有力な情報も得られなかったと9月12日に発表しました。清掃エリアの異なる区域で同時に不心得な事業者が、4事業者もいたということ事態が無理な想定だったといえます。
23区では、2008年度から廃プラの可燃ごみへの混合収集・焼却が始まり、分別の規律が大きく崩れました。そのため今回の事故の原因は、不燃物として捨てられていた電池等の水銀混入製品が、可燃ごみに混入したことが原因ではないかと想定できました。実際今も23区では、有害物の分別が行われていません。区によっては、電池は水銀フリー(水銀は使われていない)とし、「可燃ごみとして出してもかまわない」と区民に説明していました。 !?
<国内で使用されている電池は本当に水銀フリーか?>
調査の結果見えてきたのは、水銀フリー社会とは、とてもいえない日本における水銀混入製品の野放し流通状態でした。
国産の電池は、ほぼ水銀フリーになったといわれていましたが、水銀混入を規制する製品規制がないため、輸入される水銀混入製品は、日本国内にフリーパスで入っていることが分かりました。しかも世界の実情から見ると水銀を産業上最も使用しているのは電池であり、総生産量の1/3、年間1100トンも使っていることが分かりました。(京都大学高岡昌輝准教授)
日本の場合、入り口規制の製品規制だけでなく、出口の規制にあたる排ガス規制(廃棄物)もないため、焼却場でどのように燃やしてもチェックされないというのが、これまででした。
<水銀輸出禁止の動きに背く水銀を燃やすという動き>
国際的に2013年に向けて、水銀輸出禁止の動きがあり、水銀を回収処理してきた業者は、これまでのように水銀を売却することができず、保管処理することが求められます。これは、水銀の流通を防ぎ環境中への排出を未然に防ごうという動きです。
ところが、輸出禁止ー保管によって処理費の高騰が予想されるため、収集した水銀等の有害物を焼却する動きが東京三多摩の多摩川衛生組合や柳泉園組合に出てきています。大気を捨て場として燃やすという禁止の趣旨を考えない動きです。
今回の事故を分析・調査し、現状の水銀混入製品の日本国内での流通の様子と廃棄の状況からどのような危険性があり、どう対処すべきか。東京での事故をきっかけに、水銀汚染検証市民委員会を立ち上げました。ぜひご賛同をお願いします。
賛同される方は下記にお書き下さい。
お名前:
住所:〒
連絡先:TEL FAX
メールアドレス
あて先: 03-3915-1688(F) 042-467-0061(T&F)
yaguchi@mbn.nifty.com
1)水銀汚染検証市民委員会の目的
① 水銀汚染事故の原因の解明と対策の提言(再発防止に向けて)
② 要望事項(要望書記載事項)
i)第三者的な水銀事故調査委員会を設置し検証すること。
そこに、市民代表も参加すること。
ii)水銀混入ごみ(有害ごみ)の分別の徹底
iii) 水銀等の金属類の排ガス規制の条例化→法制度化へ
③ 調査報告書作成―提出2011年6~7月ごろ予定
2)賛同に当たってお願いすること
① 団体:賛同金 1口2、000円 1口以上
② 個人:同上 1口1,000円 1口以上
使い道:情報開示請求。報告学習会。講演集会等。
3) 調査研究とその報告書の作成(別予算)
各級議員(区市町村議員、都道府県議員、国会議員)の政務調査費で予算化
4) 今後の日程
<講演シンポジウム>日時:2月26日(土)13時30分~17時
場所 豊島区勤労福祉会館 大会議室
<事前学習会>日時:1月末
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