From 満田正
日付 20112012年1月25日
Re: [tamakannet:125] 政府の冷却安定宣言の影響
To tamakannet
最近、また、このメールの文字化けが多い。
とにかく、理由が分らない。
今日は、政府の冷却安定宣言がようやくボディブローのように効き始めたことを述べる。
１）とにかく、原子炉は冷却安定しているので、ここからは、政府・東電に任せよというものだ。しかも総合対策本部が解消したことで、東電が中心とした対策作業を政府が後押しするという、従来の形に戻ることだ。
２）と言うことは、原子炉内情報は、更に外に出難くなる。政府・東電発表以外は、今まで以上に原子炉内情報はリークとか不正入手、デマゴギーに依存せざるをえないということである。人々の疑心暗鬼が拡大することが目に見えている。
３）勿論、原子炉周辺作業は東電管轄下で行われるので、今まで以上に東電との利権構造を持つこと無しに、その作業は行えない。所謂東電を中心とした下請け構造が再構築される。
とにかく、福島原子炉離れが起こっている。放射線汚染の危険が無い東日本全体の復興ビジネスは起動し始めた。膨大な国家予算が注ぎ込まれる中で、土地への愛着と言うよりは、土地が金になると言う風潮が出来始めた。ボランティアも、震災地域に行けば金になると言う風潮も見られる。
震災地域が金になることで、震災地域以外での人手不足が深刻である。仮説住宅は致し方ないとしても、震災地域の将来ビジョンの無い復興計画は尊い犠牲を蔑ろにするどころか、未だに行方不明者の多い中で、遺体につばかけるようなものだ。
9.11ニューヨークマンハッタンですら、その跡地利用は延々と議論され続けた。東日本復興計画は、大阪維新、大阪都構想ではないが、東北を日本列島のどの位置に据えるの将来ビジョンがあってのことだ。なぜなら、東北は原子炉含め、東京の植民地的存在であったのか？だが、今後、この関係をどのように構築するのかが問われる。
ましてや、福島第１原子炉を控える福島地域は、その延長上に日本の原発廃棄物処理場という考えさえ出ている。福島第2原子炉の行方は不透明である。これだけ取り上げても、東日本復興将来ビジョンは何も出来ていないのである。
最も重要なことは、福島第１原子炉の安定廃炉の将来である。中長期計画が３０年単位で描かれているとは言え、当面の冷却安定の確実性は予断を許さないとも思える。この安定・廃炉の進行次第では中長期計画の見直しが当然ありえる。
私が所属する福島行動隊は、この意味で政府の冷却安定宣言で最も影響を受けた。冷却安定のため原子炉周辺作業では、若者に代わりシニアの登場が必要と提唱してきただけに、この時点で冷却安定が出来たというならば、その存在すらが無視されたことになる。ここは、矛を収めるのか政府に盾突くのかの選択が問われる。
もう１つは、反原発・脱原発の流れである。その危険性が去ってはいないのだが、政府が冷却安定を宣言したことは、原子炉の安全性を内外に宣言したようなものだ。原発推進派は一挙に勢いを得る。今までどおりに、東電・原子力村と反原発・脱原発派の独立した安定緊張が生み出されるのである。明らかに3.11福島原発事故を契機として、反原発・脱原発派の勢いは増した。果たしてこの勢いを継続することが可能であろうか。
更に、除線・放射性廃棄物処理が全国的な問題となりつつある中で、放射線線量の基準値制定が進み、比較的線量の高い範囲での閾値が設けられて、人々がそれを当然のように受けとめるようになることである。既に、大気中の被爆1ｍSv以下、廃棄物で8000BQ/ｋｇ、食品で50BQ/ｋｇ以下が安全であると当然のように宣言され始めた。
閾値が提示されることによって、ホットスポット的な、一時的な危険への注意が喚起されなくなる。これは極めて危険な兆候である。既に、計測の必要性が益々拡大しているにも関わらず、それは一時のブームのように忘れ去られようとしている。
福島原子炉包囲網は、政府が冷却安定を宣言するとも、福島原子炉を包囲し、その内部情報・行動のの公開、内部作業者への激励、出来ることなら、原子炉内部作業者の交代要員の担保と言ったことは変わりは無い。その包囲網の先頭には地元住民であることが必須であるし、その目標としての原子炉の廃炉が確認されるまでの行動である。満田
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