追記 20110921:20110831 メモ:日の出町最終処分場とエコセメント関係情報
追記 20110830: エコセメント製造工程での高温熱処理におけセシウムの挙動について満田さんに再度質問、返事を頂きました。
ご回答の中、5−7)に関係するのですが、一点、確認させて下さい。製造後のセメント製品からは大気に容易には放出されないと7)の説明は理解しました。但し、日の出町エコセメント工場ではごみ焼却灰をセメント原料に使っています。その製造工程では、大気に放射能が放出されると理解していいでしょうか?即ち、一旦ごみ焼却で焼却灰(主灰と飛灰)に閉じ込められた放射性物質(セシウム)が、セメント原料製造工程の高温下で再度気化し大気に放出されると?
From 満田正
追記 20110830: エコセメント製造工程での高温熱処理におけセシウムの挙動について満田さんに再度質問、返事を頂きました。
From 満田正
日付 2011年8月29日11:44
件名 Re: [tamakannet:83] Re: 日の出エコセメント工場
ジェリコさん
確かに、燐酸、炭酸セシュームが安定と言えども、セメント製造工程では、1500℃の熱処理が施されるので、果たして安定を保てるのかどうか。
燐酸カルシュームさえ沸点データが見つかりませんでした。ましてやセシュームなどはもっと難しい。最も安定な化学構造なので、1500℃では沸騰しないと思うのですが、一寸分りません。1500℃で沸騰するようでは、もともとセメントなどには出来ないと思うのですが。とにかく、調べないと。
満田
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From ジェリコ
日付 2011年8月29日11:28
件名 Re: [tamakannet:81] Re: 日の出エコセメント工場
満田正様
満田さん、お返事ありがとうございます。2007年の夏頃だったと思いますが、小菅村から源流きらりを発信された満田さんをSwimyを通して知り、その満田さんに放射能問題について今こうしていろいろ教えて頂くことになろうとは夢にも思っていませんでした。先行きの見えない自国日本の311以後、放射能問題に関する難問の数々について道標となる知識と智慧を惜しげもなく伝えて下さる満田さんの存在は大きく、今回の回答を読みながら、地獄に仏と我が幸運をかみしめています。
ご回答の中、5−7)に関係するのですが、一点、確認させて下さい。製造後のセメント製品からは大気に容易には放出されないと7)の説明は理解しました。但し、日の出町エコセメント工場ではごみ焼却灰をセメント原料に使っています。その製造工程では、大気に放射能が放出されると理解していいでしょうか?即ち、一旦ごみ焼却で焼却灰(主灰と飛灰)に閉じ込められた放射性物質(セシウム)が、セメント原料製造工程の高温下で再度気化し大気に放出されると?
日の出町エコセメント工場:
製造工程
エコセメントの原料=焼却灰44%!
「廃棄物はどこまでセメント原料になりえるのか?」セメントとごみ焼却灰の化学組成、セメントの品質に影響する塩素、ゴミ焼却灰の残留塩素5%前後、原料としては全体の0.4%
最後に、8/25日院内集会で偶然お会いしましたが、途中迄一緒の帰り道に「カリスマを作ってはいけない」と満田さんは仰った。「なんでですか?」と私。「カリスマを作ると、自分で考えなくなるから」と。この言葉覚えておきます。草刈りで痛められた腰の具合が回復されていることを祈って、、、。
感謝
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From 満田正
日付 2011年8月28日23:07
件名 Re: [tamakannet:81] Re: 日の出エコセメント工場
たまかんねっとの皆様
たまかんねっと外の皆様には、BCCでお送りしています。
なお、このメール配信、私の判断で、勝手に送らせて頂いています。
配信不要であれば、連絡くださるようにお願いします。
ジェリコ様
8/25災害廃棄物等の処理問題を考える院内集会&政府交渉は、それなりに参考になりました。感想文については、後半に載せておきます。
膨大な資料については、機会あればコメントします。
今日お尋ねの問題の主旨は同じものと理解します。
ただ、院内集会でも8000ベクレル/kg、1mSv/年ありきの議論が先行していて極めて危険な兆候であると感じます。
1)まず、放射性測定と言えども、あくまでもサンプル調査です。果たして、全量測定は可能でしょうか。現状測定はバッチ式なもので、その可能性はゼロです。サンプル調査の危険性は指摘するまでもありません。ホットスポットの例に見られるように、混合は平均化されたものではなく、濃淡が激しいものです。放射性廃棄物と一般廃棄物を混合するところにそもそもの間違いがあります。
2)確かに1mSv/年の閾値が1人歩きしています。それで安全なのではなくて、被爆によるがんの死者増加数が10万人に対して、100人~3333人増えるということです。これは、自然からの放射の被爆と同じですが、基本的には、新たに人工放射線被爆でこの種の現象が現れると言うことで、だから良いとの話にはならない。院内集会で、この点を安全率の問題として議論していたのですが、回答は得られていない。
3)焼却炉の作業者には、特別の閾値を設けるという考え方は危険です。一挙に10万ベクレルという途方も無い数字を出してきたことは、焼却炉を原子炉並の作業現場に変えようとしているという危険性です。もともと、放射性物質の分散自体が間違っているものですから、これを非常事態だというドサクサに紛れて強行していることが問題です。としても、残念ですが、政府・地方自治体のこの動きを誰も止めることが出来ない。
4)現在、政府・東電戦略は問題を拡散させて、自らの責任を回避しようとしていることは明らかです。分散集中は、権力の常套手段であるのですが、我々個人個人はこの権力の常套手段に立ち向かえないというジレンマがあります。原子炉事故という前代未聞の状況が作り出されても、人々は自らの存在に右往左往するばかりです。それならば、第2.、第3の福島原子炉事故が起きればとの考えもありますが、勿論、この可能性は高いですが、その前に何とか、この傍若無人の権力行動を阻止しなければなりません。それは、まずは福島原子炉を政府・東電だけのものにしない、地域住民、日本列島。地球上の全ての人々の管理下に置くことが必要です。
以上は一般論ですが、ジェリコさんの質問の件について、私なりの考えを述べます。
5)「問題なのは放射能汚染焼却灰をセメントに入れても放射能はほとんど大気に放出されてしまうみたいです!」という言葉について、まずはセシューム蒸発温度が、600℃(環境省)~700℃(内閣府)と役員側は答えていましたが、勿論、環境省と内閣府の数値の違いはどうでもよいことです。この数値は、焼却炉の温度が1000℃以上であることを考えれば、果たして、この種の蒸気はバグフィルターで捕獲できるのであろうかが第1の問題点です。排ガス温度も、排ガスの上昇を維持するためには、数百度の高温を維持しないといけないのですが。こうした高温排ガスが冷たい空気に接して、焼却炉の煙突から白い煙となって出ていくものです。この場合に排ガス中ミストには、高濃度のセシューム等放射性物質が存在するはずですが、勿論、これは高いところでの観測ですので、気球とか飛ばさないと測定できないはずです。
6)バグフィルターで捕獲された飛灰、焼却炉の蓄積された焼却灰について、院内集会で誰かが言っていましたが、リンとか炭酸ガスとで化学変化を起して大きな分子になって、飛灰や焼却灰の一部になったと考えられます。逆に言えば、化学変化を起さないで蒸気となった放射性物資は捕獲できてないと考えるのが普通です。逆に誰かの質問にあったように、飛灰、焼却灰を測っても何の意味も無い。焼却施設に入ってくる放射性物質の総量と焼却施設から出て行く放射性物質の総量を量らないと意味無いことです。
7)従って、8000ベクレル/kg以下の飛灰・焼却灰であれば安全だというそもそもの論理が間違っている。そして、それを使っての埋立てやエコセメントそのものは、たとえ、小さなベクレル数であっても放射性物質を絶対に拡散させないという原則から見ても間違いである。いったんエコセメントや埋立てに利用された場合には、一種の閉じ込めではあるのですが、所謂、水銀、カドミュームなどと同じように100%閉じ込めるとか、1万年以上閉じ込めるとかは不可能であるので、何時か漏れ出す危険性はあると見るべきです。その漏れ出す中に大気中への放出ががあるかというと、無いとは言えませんが、余程高温施設での使用で無い限り、この放出は考えられないのではないでしょうか。しかも放射性物質は化学変化を起して、飛灰とか焼却灰に変化したもので、比較的安定です。セメントでの大気への放出は極めて小さいと見るべきです。
以上です。
以下は、災害廃棄物等の処理問題を考える院内集会&政府交渉の感想文で、「青梅の水とごみを考える会」の有志に送ったものです。
AB様
丁重なご返事ありがとうございます。
どちらかというと、アナーキーと見られる私でして、政治や組織の流れに反対していないと、自分の存在が見えなくなるという可笑しな立場です。
従って、一度組織に入ったり、しますと、その縛りと自分自身との板ばさみが生じます。
「青梅の水とごみを考える会」のような、古い伝統のある、組織だとその軋轢は大きいです。
その変化は、期待したり、挑戦して出来るものでなく、時代の流れを待つしかないと思っています。
福島原子炉事故が起きて環境が一変しました。
若者は、この環境を鋭く捉えて、青梅ぶんぶんの会を立ち上げました。
私は、その流れを予想せず、「青梅100年ビジョンを考える会」「たまかんねっと」を以前に立ち上げたのですが、まだ、その整理を終えているわけではありません。
「たまかんねっと」は福島原子炉包囲網として、変化を遂げていますが、これからです。
「青梅100年ビジョンを考える会」については、まだ、整理は終わっていません。
そんな中で、福島原子炉事故は多大な負荷を我々に与え続けているので、それだけで、私はパンク状態です。
「たまかんねっと」ではそれなりの整理はしているのですが、弱体かつ不十分です。
特に、二ツ塚処分場に到る放射性ごみ処理・廃棄物問題はまだ、見当も付いていません。
そんな中での院内集会が開かれて、私は無視しようと思っていたのですが、誘われて気が変りました。
逆に「青梅の水とごみを考える会」との関係をすっきりさせないと、私の身が持たないことも事実です。
私にとっては良いタイミングでしたが、ABさんには迷惑を掛けたものと反省しています。
ただ、昨日の院内集会に参加したお陰で、大分整理が出来てきたことは明らかです。
院内集会の主旨は、政府が出してくる法案・制度が、今後の放射性ごみ・廃棄物の指針となり、新たなごみ・廃棄物問題の秩序が作られることに反対するものです。何でも反対の社民党(服部良一衆議院議員)中心の集会だったのですが、余りにその勢いが無いことに驚きました。これで、法案は阻止できるのだろうかというと無理だということがはっきりしています。もし必要ならば、党を挙げての国民運動も必要と思うのですが、その雰囲気も無しです。
確かに議論はそれなりの盲点を突いているようです。
1)安全率については検討していない。
2)ダブルスタンダードになることも考慮していない。
3)何でも政府からの指示を適当に解釈してしまう、地方自治体のあり方を考慮していない。地方自治体はごみ・廃棄物については法律の施工者ですので、もっと詰めた議論が必要です。
4)省庁間の調整も取れていない。確かにまだ、準備段階とは言え、骨子は作られているので、安全率、ごみ・廃棄物の安全基準を8千ベクレル/kgから10万ベクレル/kgに引き上げるなどは省庁間で拡大解釈すれば、大きな影響が出るものと思われます。
こうしたことが、小難しい法律問題として議論しなければならないことに問題があります。
すなわち、本来行政改革は安全サイドへシフトするべきです。
であれば、関西ダイオキシンを考える会の人が質問していたように、この法律・制度は今までの1mSv/年基準を当てはめると、今後放射性ごみ・廃棄物の焼却は何処でも無理になることを示しているのか、それとも放射性ごみ・廃棄物の焼却を許可するための法律・制度作りなのかが明確でない。
私は、この院内集会が、反対のための意思表示だけの集会に見えました。
ならば、私が参加することの意味が薄れることはし方ありません。
出来ることならば、放射性ごみ・廃棄物の規制緩和ともいうべき法案・制度阻止はどうすれば可能であるのかを議論して欲しかった。
以上、あつかましくも私の立場です。
満田
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From ジェリコ
日付 2011年8月28日12:05
件名 Re: 日の出エコセメント工場
満田様
ジェリコです。8/25日はありがとうございました。
以下、お尋ねしたく、よろしくお願いいたします。
三多摩の清掃工場からの焼却灰の放射能(セシウム)汚染濃度が先日公表されましたが、日の出のエコセメント工場での再利用についても以下の協定が結ばれ、8000ベクレル/kg以下であれば従来通り利用されるということを今朝知人から教えられました。
日の出町と循環組合/セシウム焼却灰で協定/8千ベクレル以下は再利用
都政新報 20110823
http://www.toseishimpo.co.jp/modules/news_detail/index.php? id=657
多摩地域のごみ焼却施設17カ所と都環境局は、17日までに主灰や飛灰などに含まれる放射性セシウムの濃度測定結果を公表した。これを受け、日の出町と東京たま広域資源循環組合は19日、エコセメント化施設で受け入れる焼却灰の放射性セシウム濃度を1キログラム当たり8千ベクレル以下にするなどの特別協定を締結した。循環組合は、「8千ベクレル以下であれば、製品段階で問題はない」としている。
知人から「問題なのは放射能汚染焼却灰をセメントに入れても放射能はほとんど大気に放出されてしまうみたいです!」という言葉を聞いたのですが、満田さんはどう思われますか?
以下は日の出エコセメント工場の放射能関係測定数値です。表の最後に出て来ます。http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/resource/general_waste/ attachement/houshanou- sokuteikekka_20110817.pdf
なお、三多摩地域の下水汚泥放射能汚染焼却灰は、民間セメント会社に311以前は全量引き取られていたのですが、8000ベクレル/kg以下であっても今は製品に責任が持てないということで、引き取りを拒否されています。以下もご参考にして頂ければ幸いです。
7/29日付け東京新聞の朝刊24面に昭島市の多摩川上流水再生センターに保管されている焼却灰の写真が載っています。その日電話で念のため確かめましたがーー東京都下水道局 問い合わせ先 総務部広報サービス課 03(5320)6515ーー多摩地区の下水汚泥の焼却灰は8千ベクレル以下のものもこうした形で保管されているとのこと。(昭島のは、セシウム濃度は8000ベクレル/kg以下で3,400ベクレル位とか)。311以前は、焼却灰はセメントの材料等に使用されていたと。従って、日の出の最終処分場への埋立てはされたことがないし、今もされていない。放射能が焼却灰から検出後、セメント用途に出すことができなくなり、今は一時保管して、国の方針待ち状態。東京23区の場合は、8千ベクレル以下のものは、飛散しないように混練して、中防埋立て所に(汚泥焼却灰の埋立て場所が区分けされてあるそうです)置いていると。
7/29東京新聞こちら特報部-1 再処理前提に処分場を 保管の限界 放射能焼却灰 環境省は基準緩和へ 汚染がれきで混乱も
http://heiheihei.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/729-1- f3ca.html
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