2010年2月24日水曜日

傍聴報告、サーマルリサイクル実証確認等検討委員会第7回(10年2月22日・区政会館) 


青木泰氏から届いた「傍聴報告」以下の通りです:


サーマルリサイクル実証確認等検討委員会第7回
(10年2月22日・区政会館)


傍聴報告

<行政側委員(23区・都)全員欠席>
予定の2時半から始まった検討委員会は、出席者は、16名の委員の内9名。区民委員は会議が重なっていると遅れた野呂委員の他、石毛、植田、尾崎、野島、渡辺委員らが全員出席したが、学識経験者の川本座長、高岡委員の他、行政側は清掃一組から出ている柳井委員のほか23区から出ている23区委員4名と東京都の東京都委員2名の6名は、全員が欠席していた。関係する自治体の委員は、なぜ欠席したのか?
最後の会議であるのに、行政から出ていた委員が当事者である清掃一組の委員を除き全員欠席とは、余り例の無い委員会である。委員会は、配布された資料に基づき進められた。
<不可解な最終検討委員会>
委員に配布された資料は、傍聴者にも配られたが配布資料には、この委員会が実証確認の結果、何を結論とするのかの提案文の配布は無かった。
設置要綱には、「・・・・実証確認の結果について改めて学識経験者、幅広い層の区民、行政の立場で確認を行なうと共に、行政の立場で、確認を行うと共に、意見を得る事により、サーマルリサイクル本格実施以降のより安全で、安定的な可燃ごみの焼却処理を図るため・・・・委員会を設置する」とある。
昨年11月18日に提出された数百ページにも上るデータ。そのデータを解析して、実証確認の結果がどうであったのか。当然その結果について「確認」を行なうのが、この委員会の役割である。通常ならば、以下のような論議経過をたどる。
A)    数百ページに上るデータへの清掃一組の考え方の提案。
B)    学識経験者側の考え方の提案、
C)    それらに対して、区民委員や行政側委員らの質疑や話し合いがなされ、
D)    結論とする提案文が出される。
これは通常のこうした委員会のもち方である。
ところが、清掃一組の考えは、第7回目の検討委員会の検討事項として、提案されていなかった。(*1)
しかも学識経験者として出席していた京都大学の高岡準教授には、文書提出が通知されていなかったのか文書での提出は無く、川本座長の見解もA4の1ページ余で、専門家の見解とは程遠く、走り書き程度であった。
そして高岡委員の口頭での報告があった後、区民委員があらかじめ提出していた「A4」1枚から4枚の意見書について口頭で説明した。その後川本座長が報告したが、走り書きを読む事すらしなかった。
区民委員の多くは、このまま廃プラ焼却がなされてゆく事は、大きなリスクがある事を訴え、清掃一組の考えとの違いを強調したが、傍聴席で聞いていて、そうした区民委員の見解がこの検討委員会の結論としてどのように反映されるのかが心配になった。最後は、川本座長と清掃一組の事務局でまとめを作るという話が行なわれていたが、座長はそれでよいかを委員に諮り、了解すら取ることをしなかった。
数百ページのデータが、初めて各委員に渡された後の委員会としては、そのデータについての肝心な討論が準備されず、拍子ぬけのする委員会であった。
<残された課題>
傍聴者としては、6人の区民委員の各5〜15分ぐらいの時間を使った真剣で、本音の話が聞けて充実した時間を持つことができたが、やはり気がかりなのは、この委員会の結論が、清掃一組からどのように都合よく23区や東京都、さらにマスメディアに話されてゆくかにある。
私自身は、様々な審議会や検討委員会などの傍聴をしてきたが、結論を出す委員会で結論案が出されないのは始めてである。また今回のように学識経験者が入っていて、学識経験者としての専門的な見解が要請されているときに、その見解をたたき台としない検討案の作成は、例外中の例外であろう。
また傍聴者の意見も参考にするといいながら、あらかじめ川本委員長宛に送った専門家の意見書は、委員に配布さえされていなかった。
いずれにせよこのままでは、委員会の結論としてどのような結論が出されてくるか大変心配になる。
結論の出され方によっては、廃プラ焼却が、安全でこれまでの焼却と変わることが無かったとされかねない。
したがって、私としては、
*委員会の結論を出すに当たっては、意見書を提出した区民委員の意見を斟酌した内容とすること
*委員会の結論を発表する前に、委員に結論案を見せて意見を求めること
*そして提出されていた専門家の意見やできるならば、その他の専門家から寄せられる意見も平等に斟酌した内容にすること
以上について
この検討委員会委員長に求めてゆこうと考えている。

*1)配布資料の中に示されていたものの、第7回目の検討委員会での提案として示されず、
「2 検討委員会での検討経過の中に、(1)実証確認における清掃一組の考え方」として示され、すぐ
「(2)検討委員会で寄せられた意見・質問」へと続けていた。

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