みなさんはすでによくご存知のことと思いますが、わたしが初めて「一組」を知ったのは八丈島「水海山」にごみ処分場を作る計画があると聞いた時です。その時は、わたしも「一組」って何？でした。今から７ヶ月ちょっと前、昨年の６月のことです。それが、わたしにとってごみ問題に関心をもつきっかけになりました。
以下が、友人に宛てた「一組」についての返事です。
＞Mさま、
「一組」は、特別地方自治体であり行政の組織です。今回の話の「一組」は「東京２３区清掃一部事務組合」の略称。ごみに処理に特化した役人の組織です。
「東京２３区清掃一部組合の概要」
八丈島「水海山」問題でこの「一組」という組織の巧妙な仕組みを知りました。（以下参照）。
以下の文章中の「島しょ９町村」を「東京２３区」に置き換え可能で、東京２３区も同じ構図です。ただし、一組同士の中で「２３区清掃一組」は予算規模に関して全国一のはずだと思います。
（東京２３区清掃一組、平成２０年度決算見込額： 歳入約781.5億円、 歳出約739.1億円）
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昨年、「国立公園内にある八丈島「水海山」のごみ最終処分場建設計画に対して島民の約半数が反対署名を提出しているにもかかわらず計画が中止にならないのはなぜなのかを調べました。
経緯と事業主体：1999年に旧厚生省の通達が出て、遮蔽シートや処理施設に焼却灰を捨ててはいけないことになり、八丈島はじめ伊豆諸島各町村は困った。その結果、島しょ９町村（大島町・利島村・新島村・神津島村・三宅村・御蔵島村・八丈町・青ヶ島村・小笠原村）は、2001年、「一組」と呼ばれる「東京都島嶼町村一部事務組合」を事業主体にして、「管理型最終処分場を共同の事業として行うことを決定。当面は北域の大島と南域の八丈島に処分場を整備し、中域の三宅島については噴火災害復旧の進捗状況をふまえながら検討を進めることとなる」。だから、ごみ処分場の計画や建築に各地域の町議会は直接の決定権を持ってないし、一組に委託するという形になっている。
＊島嶼地域のごみ処理のあり方を問う
http://aoyamateiichi.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/post-4503.html
この「一組」の仕組みを調べると、八丈島ごみ処理場建設の事業主体である「東京都島嶼町村一部事務組合」＝「一組」、がいかに各地域（地方自治体）の独立を阻む住民の利益とは対立する矛盾した巧妙な顔のない仕組みの一部であるかわかりました。国の政策方針に、この場合はごみ処理ですが、地方自治体の行政が統合されるように仕組まれています。
「一組」を組織しているのは伊豆諸島の９町村ですが東京都知事の管轄下にある許認可団体です。一組という組合には議会がありその議会の議員は組織成員である９町村の議長または町長または村長が自動的になるのです。ですから本「一組」の議員の一人は八丈島町長であり、彼を含む他の「一組」の議員たちがすべて決定するわけです。八丈島住民は、今回「水海山」ごみ処分場建設計画に反対する陳情書を八丈島町長に提出していますが、「町長」の立場は「一組」の決定に関与していると同時に、八丈島住民の要望にも応えなければならないという"Conflicts of interest"（利害関係の対立）を抱えているわけです。
＊東京都島嶼町村一部事務組合規約
http://www.it-ogasawara.com/reiki_int/reiki_honbun/ag16402431.html
＊一組に関する中止になった中之郷処分場のときの八丈島町議会での質疑応答
http://www7.ocn.ne.jp/~sachiko8/okuyama/news9b.html
国の方針が変更される時に必ずこうした（名称は変われど）組合が作られ、同じ規約が適応され、全国同じ方向に向けられる仕組みになっています。
＊東京都ごみ処理広域化計画 平成１１年３月ーーごみ処理の広域化計画について （ 厚生省生活衛生局 H 9 . 5 . 2 8 ）に基づく
http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/resource/attachement/kouikika.pdf
＊ありとあらゆる「組合」の一覧
http://www.soumu.metro.tokyo.jp/05gyousei/annual_report/2002/1-4.pdf
＊＊規約、仕組みは皆同じ。
http://www.google.co.jp/search?source=ig&hl=ja&rlz=&q=東京都島嶼町村一部事務組合&btnG=Google+検索&meta=lr%3D&aq=f&oq=
ご参考にして頂ければ幸いです。
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