2010年4月7日水曜日

ごみ環境通信11号 by NPO法人ごみ問題5市連絡会

ごみ環境通信(NPO法人ごみ問題5市連絡会の最新号が届きました。
内容は以下の通りです。

地球にやさしいリサイクル 時代に逆行焼却炉!    
発行:2010年4月1日
ごみゼロ・環境通信 No.11
 ( 旧 柳 泉 園 情 報 )

目次

p 1 住民・市民団体が行政の環境調査をチェック
p2 廃プラの今後-講演会報告
p3 焼却炉談合事件-最高裁で談合確定
p4 行き詰まるごみ焼却と資源化への動き
p5 生ごみ100%資源化-準備会立ち上げ
p6 西東京市、容器包装プラの有料袋半額に
p7 プラスチック焼却の動きとごみ発電
p8 イベント紹介

発行:NPO法人 ごみ問題5市連絡会(発行責任者 坪井 照子)<通刊51号>
連絡先:〒188-0002西東京市緑町1-8-3-508 
Tel/Fax 042-467-0061 (村瀬)
ホームページ:http://www.interq.or.jp/tokyo/gomigosi/ 
メール:gomigosi@tokyo.interq.or.jp
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住民・市民団体が行政の環境調査をチェック
 環境調査に新たな動き 
プラスチックごみ(廃プラ)は、燃やせば有毒物が排出され地球の温暖化を促進させます。
国では、廃プラすべてをリサイクルと言う検討が始まっている中、幾つかの自治体では、廃プラを焼却する時代に逆行した動きがあります。(表1)
燃やす廃プラは、それぞれ違っていますが、おもちゃや、バケツなどの製品プラスチック(製品プラ)、廃プラすべを燃やすというところもあります。
表向きの理由は、埋め立て処分場の逼迫やコストがかかるなどですが、燃やすごみ量が減る中で、焼却ごみを増やし、過大な焼却施設を維持していきたいという驚くような本音が垣間見えます。
廃プラ焼却に当たって、最近共通して持ち出しているのが、住民や議会を納得させるための実証実験という名の環境調査です。
廃プラは、燃やせば有害物を発生させると説明してきたため、行政は、実証実験という環境調査で安全を確認するから大丈夫だと説明しています。(関連P7)
これに対して市民団体が、専門機関に依頼し、行政の環境調査をチェックする動きが出始めました。 
行政の環境調査というと、調査会社の調査結果を「科学的に評価するための」学識経験者による検討機関を行政内につくるとこ
ろがあります。
しかし行政が選任した学識経験者は、廃プラ焼却の結果、環境に影響を与えることになったという評価を行うことはまずありません。
そこで客観的で且つ科学的に評価する専門機関に、市民が依頼し、環境調査を検証する試みが始まったのです。
 所沢市の市議が、政務調査費を使って依頼し、23区でも、23区廃プラ焼却検証市民実行委員会が作られ、区議がお金を出して、報告書の作成にこぎつけました。
                      
      表1
燃やそうと提案している廃プラの種類
自治体        
東村山市   容器プラのボトルとチューブ
所沢市    製品プラ
23区(豊島など11区) 廃プラすべて
23区(杉並など11区) 製品プラ
<港区は、廃プラ総てリサイクル>

2ページ
廃プラの今後~講演シンポジウム報告 
 3月6日に「23区廃プラ焼却と廃プラの今後」の講演シンポジウムが行われました。前半の23区の廃プラ焼却の実証確認試験については、評価報告書が作成され(P8参照)ています。ここでは、国立環境研究所森口祐一廃棄物資源循環センター長の「廃プラの今後」についてご報告します。
 森口氏は、朝日新聞紙上でも「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」の著者、武田邦彦氏とリサイクルの是非について“闘論”した人として知られています。武田氏は、リサイクルはお金がかかるし、ダイオキシンは安全無害だという焼却論者で、森口氏は、「目の前にあるプラスチックをどうするかだけを考えるなら、サーマルリサイクルは合理的な選択である。しかしせっかくその先を考える機会を与えられているのである。それを放棄して安直な解を求めることは、『もったいない』のではないか」(循環社会から廃プラスチック問題を考える<廃棄物学会誌VOL,16.NO5>)という主張の持ち主です。
 リサイクルが基本 
 講演では、廃プラは、国の法律では、リデュース、リユース、リサイクルそれができなければ燃やしてエネルギーリカバリー(回収)となっていて、これが基本であると話し、燃やす事が優先されている現状は、循環型社会作りの経過矛盾であると語りました。 しかし廃プラの焼却には、問題があるとしながら、埋め立てても、メタン発酵による温室効果問題があり、当面プラスチックの使用量を減らすことができない現状の中で、バランスをとるしかないと言う悩ましい見解を示しつつ、CO2削減効果から見た時、高効率のごみ発電ですらリサイクルに及ばないと燃やす事に向かう動きに釘を刺しました。
 廃プラのリサイクルについて
(ⅰ) 現状捨てられている多くが、リサイクルにまわされないのは、容リ法対象のプラスチックのみ集める難しさの問題がある (ⅱ) 分別収集にお金がかかるという前に、焼却コストなども考え、実際にコストを正しく計算する必要がある。(ⅲ) 廃プラの処理方法として、高炉還元など容リ法のケミカルリサイクルについても考える等現状の転換を勧めれば、リサイクルを進めることが可能という考えを示された。
 リサイクルだけでなく
 今後の課題として①廃棄するしかないプラスチックを使用した時、負担が増える課税方式②塩素系プラの削減策③廃プラの分別が楽になるような仕組み(製品プラを含めての分別)を示された。
 森口講師のお話と住民・市民活動を行なってきた私たちとの考え方は、①廃プラの焼却による環境への影響や生命・健康への考え方②ごみ発電を優先して交付金支給され、リサイクルは、後回しになっている現状への考え方について立場の違いが感じられましたが、プラスチックの生産そして廃プラの処理をどうするかについては、かなり同じ考え方であることが分かりました。
 容器包装プラスチックだけでなく、製品プラも含めて港区や志木市のようにリサイクルの対象にしてリサイクルすれば、家庭から出す時に面倒な分別は、必要なくなり、きれいに洗って出す事に集中できます。また後の処理が困難な塩ビ系のプラスチックの生産制限や禁止は、市民団体も前から提案してきたことです。(文責 青木)

3ページ                   
日本最大の焼却炉談合事件ー最高裁で違反決定
 なぜか新聞報道されず?
 日本最大の焼却炉談合事件に最高裁が「黒」の判断を示しました。この事件は、産経を除く大手新聞社は報道せず、談合5社(日立造船・三菱重工業・タクマ・川崎重工業・JFEエンジニアリング)は、謝罪会見すら行なっていません。
1999年8月公正取引委員会(以下公取委)は、巨大焼却炉メーカ5社に対して、談合があったと断じ、排除勧告を出しました。5社は、東京都の指名業者としてスタートし、全国の焼却炉建設の大半の指名競争入札に参加したのです。公取委が調査対象にした5年間だけで、地方自治体での60件の焼却炉建設において、5社間で談合を行ない建設工事を独占し、独占禁止法に違反したと勧告されたのです。
 5社は、落札率が、予定価格の96,6%にも上り、打ち合わせメモや当事者の証言などから、談合があったと勧告されましたが、受注の機会均等化の相談は行なったが、工事費の値段を吊り上げる事はしていないという驚くべき理由で、勧告の受け入れを拒絶しました。公取委の不服審判に訴え、7年後に談合を認める審決が出された後も、5社は反省した様子もなく、高裁、最高裁へと訴えを続け、その間全国の自治体での焼却炉建設を行なってきました。
 全国の自治体で返還訴訟の勝訴に続く本丸訴訟の最高裁確定
 公取委の審決は地裁判決に相当し、審決後、5社が焼却炉建設した自治体では、住民訴訟や自治体訴訟が起こり、談合によって自治体が余計に支払った建設費を、5社から取り戻す裁判が全国各地で行なわれ、28件の訴えの内現在まで16件で勝利し、工事費の約250億円を取り戻してきました。
 しかし過半の自治体では、談合5社が、上級審に訴えていた事を理由に、自治体での返還訴訟を行なっていなかったのです。昨年10月8日最高裁で公取委の談合勧告が、確定され5社による談合が、最終確定しました。5社には今後、公取委から請求されている269億9789万円の課徴金の支払い、過払い金の返還請求を行っていない自治体からの返還請求や、補助金を出した国や都道府県から割合に応じた返還請求や、入札禁止などの処分が出されることになります。巨大焼却炉メーカ5社は、自らの談合の付けをこの不況下で支払わなければならなくなるのです。
 日本最大の談合事件を報道しない新聞
 しかし最高裁の確定まで、実に10年もの歳月がかかり、その間全国の自治体では、ダイオキシン問題もあって、焼却炉建設が最盛期を迎え、多いときには、年間7千~8千億円に上る建設が行なわれ適増した。
 5社は、審判や裁判への訴えによって、この時期もやり過ごし、ちゃっかりと工事建設を受け続けたのです。5社への懲罰が、課徴金や損害賠償金だけなら、その分を見込んでこの10年で儲けさせてもらったと高笑いしているかもしれません。

4ページ
<行き詰まる焼却炉建設と資源化の動き>
 大都市部のごみ焼却が、あちこちで破綻しつつある。政権交代を挟んで、道路、ダム、飛行場、港湾など公共事業の無駄遣いの実態が明らかになりつつある。ごみ焼却炉建設は、これら巨大公共事業の陰に隠れ、一見必要不可欠な事業として進められてきたが、過大なごみ量の予測の下に、過剰な施設建設をおこなってきた財政面と、人口集中する中での環境面が問題となり、行き詰まりを見せている。       
 杜撰な予測による過剰施設の建設。
 東京23区の廃プラ焼却は、ごみ量が減るなかで、過剰となった焼却施設があるにもかかわらず、焼却施設を建設するために、燃やすごみを増やす試みだった。そのことが、だんだん明らかになり、 10年間で日量3,300トン規模の清掃工場(6箇所)の建設は、見直しに入った。
 無駄な焼却炉建設計画は、東京だけでなく、越谷市、草加市など5市1町のごみを燃やすために作られた東埼玉資源環境組合でも行われていた。
 この組合は、越谷市に日量800トン処理できる全国でも処理量の大きい清掃工場(第1工場)を持っていた。ところが、組合では、平成26年には、燃やすごみの量が869トンに増え、現在ある第1工場の処理量を超えるとし、草加市に第2工場(日量297トン)を、162億円の建設費を掛けてつくる計画を進めていた。
 しかし環境意識が高まり、多くの自治体では、ごみの分別資源化-ごみの減量策を進めてきている。ここでも構成5市1町がそれぞれ作った基本計画のごみ量(予測値)を調べてみると、総て足し合わせても、740トンを切り、実際に燃やしている量は、700トンを切って、年々減っていることが分かった。何のことはない、構成各市町村は、ごみを減らしているのに、東埼玉資源環境組合は、構成自治体に関係なく、ごみ量が増えるという予測を行ない、全く無駄になる第2工場を建設しようとしていたのである。
 行政の無駄遣いへの市民の目が厳しくなる中で、23区清掃一組や東埼玉資源環境組合による焼却炉建設は、今チェックを受けつつある。
 立川市では、資源化方式の実証試験に入る
 立川市は多くの自治体がそうであるように、立川市の最北端、小平市と東大和市の市境にごみの焼却施設がある。この焼却施設は、建設時に周辺自治体との協定で、建設後15年で他に移すと言う約束をしていた。ところが1昨年末その約束の期限が来た後も、他への移設場所が見つからないと、協定違反のまま現在の清掃工 場で、ごみの焼却を行っている。
 行き所のなくなったごみの焼却施設。そこで立川市が選択しようとしているのが、焼却以外のごみの処理方式として注目を浴びている炭素化方式である。ごみの水分を取った上で空気中から採取した窒素雰囲気中でごみを400~500度で加熱し、燃やさないようにして炭素化するという方法である。入間市にある民間会社の実験プラントで実証実験に入り、導入するかを検討するという。生ごみは堆肥に、プラスチックはリサイクルし、その上でなお残る汚物の付着した紙おむつ(プラスチック)などをこの方法で安全に処理できれば、自治体としての注目すべき試みになる。

5ページ

西東京市「容器包装類プラスチック収集袋」半額に
 西東京市のごみ減量策は、2008年後半から開始されました。2009年度
一気にごみ量を減らし、家庭系のごみの収集量(原単位)が、三多摩の中で一番
少なくなったことは、前号で報告いたしました。
 戸別回収、有料化、容リ法のプラスチックリサイクルの三事業の実施が、大きく
寄与したことは、間違いありません。実際に可燃ごみは、7割に減り、不燃ごみは5割に減っています。
 しかしこの成果とは別に市民や議会から有料袋の値段が高いと言う声が寄せられ、廃棄物減量審議会は、三事業の経過を評価し、容器包装用有料袋の減額を答申しました。容器包装プラスチックは、市民が、①ごみから分別し、②洗う等の手間がかかっていること、③かさばること等を考え、半額にと言う声が多く、減額をという答申になったと言います。同額で出発した有料袋の値段を資源袋は、半額にというのは、画期的な答申です。

現行の指定有料袋の価格 (10枚セット)
可燃・不燃(黄色い袋)      容器包装類プラスチック(ピンクの袋)
5ℓ〈ミニ袋〉    100円   5ℓ(嵩が多いプラにはミニ袋はない)
10ℓ        200円   10ℓ       200円
20ℓ        400円   20ℓ       400円
40ℓ        800円   40ℓ       800円
回収方法
可燃ごみ…週1の月4回、容器包装類プラ・・週1の月4回にあわせて古布・古紙も回収、その他の資源物びん・かん・ペットボトル・・週1
不燃ごみ隔週で月2回、残りの月2回を1回は廃食油、あと1回を金属類
その他に古紙・古布・ダンボール・雑紙等の登録グループによる集団回収

 この答申を受けて、市では、市報西東京(3月15日号)で、10月より容器包装類
の収集手数料を1/2減額を実施することを公表しました。
 一方議会でも、常任委員会「建設環境委員会」が開催され、可燃・不燃の黄色い
袋は、1/2にし、ピンクの袋をその半額の1/4にするという提案が採択されまし
た。これは、減量審議会の答申は、尊重した上で、ごみ袋の値段全体を半額にとい
う提案ですが、西東京市のごみ問題、しばらく目が離せません。
<本の紹介>
 瀬戸昌之著「持続社会への環境論― 『入会地の悲劇を超えて』」有斐閣発行(定価1995円)
 入会地は、入会地(権)一定地域の住民が特定の権利を持って一定範囲の協同用益(木材、薪炭の材、馬草など)をルールを持って共有する場所のことです。大きな視野で見ると、大気や大地、水などの自然は万民共有のものであり、この入会地のイメージと重なります。本書は「入会地の悲劇」を念頭に環境問題を語り、この悲劇を回避・超えるための環境学者からのメッセージとなっています。山の斜面を開墾し、畑仕事をしながら、手作りの丸太小屋で週末を送る筆者のゆたかな感性がちりばめられたコラムが満載されています。私のエコ講座の折には活用させて頂いていますが、皆様にも目を通していただきたい本です。著者:NPO法人堆肥化推進協会理事長、東京農工大学名誉教授。(解説 坪井照子)

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生ごみ100%資源化をめざすプロジェクト(準備会)からのお知らせ。
4月10日に発足集会―賛同をお願いいたします。
 これまで3回の準備会を重ね、概略以下のような方向を確認してきました。
*           都市部における生ごみ100%資源化の方向を探る。
*           約1年~1年半かけて、学習会や見学会を行い報告書を作成。
*           同趣旨のNPOや市民団体の活動と連携する。
*           発足集会を4月10日に持つ。
*           賛同会費は、団体1000円、個人500円

 <賛同呼びかけ文から・概略>
 地球温暖化やヒートアイランドによる気候変動・・・・環境問題は、私たちの日常生活と切り離せなくなっています。世界のごみの焼却施設の2/3を持つ日本でも見直しが始まりつつあります。ごみをゼロにする、ゼロ・ウェイスト宣言をした町は、上勝町、大木町、水俣市そして葉山町と続き、私たちの身近では町田市でも「生ごみ100%資源化」を宣言しました。
 過大な費用負担のかかる焼却施設の建設・管理を避け、生ごみの資源化は、地方の多くの自治体で始まりつつあります。
 都市部においても、人口密集地に焼却施設を建設することが行き詰まり、生ごみの100%資源化をどのように進めてゆくのかは、大きな課題になっています。
 画期的な戸田市の取り組み
 しかしごみを燃やさず、資源利用してゆく試みは、誰もが推奨しても最初の一歩を踏み出す事は、これまで困難でした。ところが埼玉県戸田市では、生ごみを回収して堆肥化センターに持ってゆけば、花の苗と交換できるという、生ごみ資源化で街を花一杯にする活動が、一人の職員の熱心な取り組みによって実現し、今春、その取り組みは、お隣の蕨市と共同で巨大なフラワーセンターを作るところまで、発展してきました。
 今回戸田市のその職員吉田義枝環境クリーン室副主幹のお話を聞く講演会を企画しました。(P8)
 講演会を出発に、都市部での生ごみ100%資源化をめざす(研究)プロジェクトを立ち上げ、地方・国を貫く、生ごみは燃やさず資源化する動きを作って行きたいと考えます。 貴団体及び貴方様のこの講演会への賛同をお願いいたします。

生ごみ100%資源化をめざすプロジェクト準備会
連絡先:042‐467‐0061
賛同団体:NPO法人ごみ問題5市連絡会、ごみゼロを目指す市民の会、
     NPO法人環境保全協会

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ー仕訳け事業は地方自治体でも必要ー
 廃プラ焼却の動きの裏にあるごみ発電
 地球温暖化の抑制が、これだけ叫ばれている時にプラスチックごみ(廃プラ)を燃やそうという自治体が、23区だけでなく、私たちのそばにもあります。東村山市と所沢市です。理由は、ごみ処理費に掛かる費用を削減するためという。
 しかしよくよく調べてみると両自治体とも、ごみ処理経費の抑制を全体として考えている様子はありません。焼却炉の建設に当たって、国から交付金をもらうためには、高効率(*1)のごみ発電が条件となり、効率を良くする為には、廃プラの焼却が不可欠になります。ごみ発電への道筋を付ける為に廃プラ焼却を始めると見て良いよいようです。
 減らせる燃やすごみを維持し続ける東村山
 東村山市は、P1で報告したように、容器包装プラの内、汚れたボトルやチューブ類を燃やす提案が出されています。容器包装プラとして回収され圧縮・梱包施設に運びこまれた内、汚れて戻されるものを秋水園で燃やせば、年間で数百万円の経費が削減できるという提案です。
 しかしごみを燃やすのは、ただではできません。また東村山市では、もう少しごみの減量化を図れば、今2炉稼動している焼却炉を1炉稼動にする事ができ、大幅に経費削減を図ることができます。この数年は燃やすごみ量は、75トン前後ですが、75トン以下になるようにごみを減らせれば、常時稼動の焼却炉は、1炉で済むからです。例えば家庭から出る剪定枝は、可燃ごみとは別個に集め、有料代金を取っていませんが焼却施設の秋水園に運んで一緒に燃やしています。これをチップにして堆肥などに利用すれば、焼却炉は、1炉稼動で済むことに成り、30億円もかける延命化工事や年間1億3千万円も掛けている運転管理費も半額になります。
 持ち込みごみを安くし、ごみを増やす所沢
 所沢市では、埋め立て処分している廃プラの量が年間7500トン(H18)もあり、その処分費が、3億2千万円もかかるといいます。この費用を減らすために燃やしたいというのが今回の廃プラ焼却提案です。しかし焼却炉の運転管理の委託費は、随意契約で行い、東西の2つの工場で合計5億7千万円ものお金を使っています。他の自治体での3~4倍もの委託費です。しかも市民の努力で家庭から出るごみ量(の原単位)は減っているのに、事業系の持ち込みごみは、増えています。処理費が、1kg15円で周辺自治体にない安さで、焼却処理に約45円かかる差額の30円は、市の負担になっています。持ち込みごみの総量から計算すると、年間市の負担分は11億円となっています。工夫をすれば、減らせるところを減らしていません。
 CO2抑制にならないごみ発電
 国では、21年度の仕訳け事業で、ごみ発電が約30%削減されました。10~20%の発電効率ではCO2抑制にならず、逆に温暖化促進になっていることや、経費が余分に掛かることも要因です。また国では、プラスチックは、容器包装プラだけでなく、おもちゃなどの製品プラもリサイクルする検討を開始しました。両自治体ともプラスチックの焼却に走り、燃やすごみ量を増やし、焼却炉の建設を進めようとしています。仕訳け事業は、地方自治体にも必要といえます。(青木)

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《イベントその他のお知らせ》

NPO法人ごみ問題5市連絡会
第11回総会
日時:4月10日(土)
10時30分~12時
場所:西東京市民会館(第4会議室)
(042‐463-5381)

 ~生ごみで花いっぱいの街づくり~
生ごみ100%資源化をめざすプロジェクト発足
<講演集会>   
講演者:戸田市 吉田義枝環境クリーン室副主幹
その他報告:韓国の生ごみ資源化の状況他
日時: 4月10日(土)14時~16時30分 
場所: 西東京市民会館大会議室 
西東京市田無町4-15-11
(042‐463-5381)西武新宿線田無駅徒歩7分シチズン時計(株)向かい側

各地の連絡先
西東京市 :村瀬敬子 042-467-0061
清瀬市:佐藤道子 042-491-5157
東久留米市 :川井 満 042-465-1175
東村山市:青木 泰 0423-96-5923
活動資金募金にご協力を!
ニュース発行・郵送、調査活動等に費用がかかります。カンパをよろしくお願いします。
郵便振替口座00190-8-108762
ごみ問題5市連絡会

23区の廃プラ焼却に市民団体が、
環境調査をチェック!
 複数の区議が政務調査費を捻出し、専門機関に依頼して実現。電子データは「ごみ探偵団」http://gomitanteidan.blogspot.com/のブログから区議のホームページで見ることができます。
 小冊子は、「東京二十三区清掃1部事務組合が実施した『廃プラスチック混合可燃ごみの焼却実証実験』についての評価報告書」編集 環境総合研究所
 問い合わせ:23区廃プラ焼却検証市民実行委員会
(03-5938-2720<T>、2721<F>)

【編集後記】
*月刊誌「世界」の編集後記にNYMBYについて書かれていた。「俺の裏庭に(それは)作るな」という意味で、たとえ公共的な施設であっても自分の近くには作るなという「地域エゴ」非難の意味を含むが、同時に民主主義の原点であると書かれていた。確かに受け入れたくない施設に対して、住民の声が上がることがなければ、何もかも現状維持で終わってしまう。その意味で、住民活動の原点でもある。
*福本勤清華大学客員教授は、環境省の発表では、焼却施設からのDXNS(ダイオキシン)が、1997年に比べ、2003年は、2%減ったと発表しているが、大気中のDXNSは13%にしかなっていない。施設数が減っていることを計算に入れると、各施設からの排出量は、35%にしか減っていないと指摘している。発生源のダイオキシン調査を検証確認の必要がありそうである。
*東京23区の廃プラ焼却の実証確認試験を検証した評価書が、住民の意向を受けて作成された。膨大なデータと事実の分析から見えてきたものは、廃プラ焼却による環境や健康への影響を科学的に調べるという姿勢のあるなしによる評価の大きな違い。廃プラ焼却を抱える自治体では、住民・行政を問わず評価書は、要必見。(Y.A) 
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この機関誌をオリジナル形状でご覧になりたい方は、以下googleドキュメントサイトにアクセスして閲覧できるようにしました。以下サイトをコピー&ペーストして閲覧ください。
http://docs.google.com/fileview?id=0BzopYmjFsal1NWVmYTQyNWEtZDM4MS00Y2E2LTg3MGMtOTIxNTQwYjViNThl&hl=en

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西東京市市長候補へのごみ環境問題アンケート結果発表掲載; 2008/06/11. HP リニューアル. 旧ページへ. ごみ5市ブログ. ごみ問題5市連絡会ブログ. 注目の書籍; プラスチックごみは 燃やしてよいのか; 著者:青木 ; ごみ問題5市連絡 事務局長 ...
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