2010年4月30日金曜日

柳川喜郎著「襲われてー産廃の闇、自治の光」









柳川 喜郎 (2009/07) 
   (6
価格: 2,205

産廃とかごみ関係の本は読むまでは気が重い。
ごみ問題はなんだか気持ちが悪いとかこわいとか漠然と感じているからかもしれない。
数ヶ月前に買っておいて、エピローグだけ読みこの本はすごいと思ったけど、そのままにしておいた。昨日時間ができたので一気に読んだ。この本はやっぱりすごい!!

人口2万人の岐阜県御嵩町、木曽川水源地に隣接した谷に、日本一の産廃処分場の建設計画が町民の与り知らぬところで議会決定されていた。町長にぜひなって欲しいと担ぎ出されて当選してしまった著者柳川喜郎氏は元NHKの海外特派員を務めたジャーナリスト、社会部・政治部記者の経験をもつ。1995年に町長に当選後、町民の間で「ものいえば唇寒し」となっていた「寿和工業による産廃処分場建設計画」が浮上、これと正面から関わらざるを得なくなる。岐阜県に処分場計画を一時凍結するよう要望書を送り、ねじり鉢巻で過去の資料を調べ始め、対策に追われる。その一年後に暴漢に襲われ、金属棒でめった打ちにされ、命を危ぶまれたが九死に一生を得る。但し、14年経つ今も犯人はつかまっていない。この事件がきっかけとなり御嵩町の産廃処分場問題がジャーナリストで大きく取り扱われるようになるが、計画中止にはなかなか至らない。処分場を作ろうとした寿和工業とはどんな会社か、岐阜県からの処分場建設に向けて御嵩町にかけられ続けた圧力、行政の前例踏襲主義、町と県と国の主従関係(役人たちの意識)、産廃ビジネスに群がる魑魅魍魎たち、役に立たない国の関係者、10人から始った御嵩町での町民勉強会、「なにがあっても情報公開と説明責任だけは」、などなど、全ページ、一行一句中身充実、貴重情報の山。そして感動します。


柳川さんは町長就任後、処分場建設計画について「疑問点があれば、文書にして提出してもらいたい」、と岐阜県からいわれる。「1996年1月末、のちに『疑問と懸念』と呼ばれる質問状を県に提出した。多忙な中「重い資料を自宅のアパートに持ち帰り、夜更けまで書類の読みこなしと『疑問と懸念』の執筆に当たった....書きすすむうちに、数多くの不条理に気づいて、怒りと興奮で寝付きが悪い夜がしばしばあった」。「この『疑念と懸念』は産廃問題のあり方について御嵩町の立場にまったく理解を示さない岐阜県に対して論争を挑む”不逞な”挑戦状でもあった」。http://www.town.mitake.gifu.jp/sanpai/html/zenbun.htmlその後質問状は追加され、県からの回答とあわせた5回にわたる問答の全文は御嵩町のHPで公開されている。(「「襲われてー産廃の闇、自治の光」第5章から)
岐阜県知事からのコメント · 県への質問(全文 3回目) · 県への意見書 · 御嵩町 における産業廃棄物処理場、及び産業廃棄物処理場計画について(照会) · 御嵩町 における産業廃棄物処理場、及び産業廃棄物処理場計画について(回答) ...
www.town.mitake.gifu.jp/sanpai/frame.html - キャッシ

この本は柳川さんが町長を退任した2年後、2009年7月に出版された。本のあとがきを以下に引用:

「すでに老境に至ってからの町長就任であり、いわばリサイクル町長だったので、はじめからもう失うものはない、と腹をくくっていた。とくに正義感が強かったわけではない。勇気があったわけでもない。ただ、道理に反することを見て見ぬふりはできなかっただけだ。
田舎の町長の卒業論文のつもりで書いたが、卒業後二年たっての出し遅れの証文みたいになってしまった。
長い間、待ちつづけてくれた岩波書店の坂巻克巳さんの存在がなければ、この本は日の目を見なかっただろう。厚く感謝したい。町長在任中、ときに落ち込むこともあったが、町内外のとても多くの人たちから激励をいただいた。いちいちお会いして御礼をいうべきだが、ここで感謝の言葉を述べたい。
 二〇〇九年夏            柳川喜郎」
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』. 移動: ナビゲーション, 検索. 柳川 喜郎(やながわ よしろう、1933年(昭和8年)1 - )は日本の政治家。元岐阜県可児郡御嵩町長。元NHK解説委員。義父は初代御嵩町長の伊崎隆三。 ...
ja.wikipedia.org/wiki/柳川喜郎 - キャッシュ - 類似ページ
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Mary Poppins Lyrics: "Feed the Birds" Sing Along



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2010年4月28日水曜日

福本勤工学博士のホームページ〜「廃棄物処理・リサイクルでの資源・エネルギーの浪費(←偽装・ずさん審議、審査)」

福本勤工学博士(環境保全工学研究所代表。京都大学 工学博士、中国・清華大学 客員教授)のホームページを紹介します。



今回のHP紹介および本論文に関して、福本博士から追記を含め以下の説明を本日メールで受け取りましたのでそのままここに転載します。
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日本のごみ行政の問題点が、関係省庁、学会、メーカーを含め、具体的な事例を挙げて述べられています。 ダイオキシン類問題を逆手に取って旧厚生省がまとめた1997年1月のごみの焼却処理に係わるダイオキシン類発生防止等ガイドライン(ダイオキシン類削減プログラム)【≡新ガイドライン】、それに基づいて同年改正、施行された廃棄物処理法令の中の焼却施設「構造・維持管理基準」が、 如何に、省資源・省エネ、循環型・低炭素・サステイナブル社会の構築の理念【謂わばリサイクルの理念】に反したもの(資源無駄遣い・浪費的なもの)になっているか【 ※1) 】、 如何に、ダイオキシン類を出さない安くて性能の高い焼却施設の開発意欲を殺ぐものになっているか(添付「開発意欲そぐ焼却施設構造基準」ご参照)等についても、詳述されています。
同博士は、「新ガイドラインの作成中であったダイオキシン類削減対策検討会委員長の平岡正勝京大名誉教授に猛反対しましたが、焼却炉メーカーやRDF製造施設メーカーとの利権が絡んでいたようで、筆者の意見は聞き入れられませんでした。 法令改正後の5年間に亘る全国焼却施設の改造・新設で、各メーカーは大変潤いました。 爆発リスク、設備2重投資⇒資源・エネ浪費の点から同博士が猛反対していたごみのRDF化も、環境省が旗を振って推進しましたが、平成15年に三重県のRDF発電所で大爆発死傷事故が起こってしまいました。
※1)  例えば、燃焼ガスの燃焼室滞留時間を0.5秒とすると、燃焼室の大きさが1/4と小さくて済みます。燃焼室の容積を大きくすると、建設費が高くなり、資源もそれだけ多く消費することになり、燃焼室の温度が上がり難くなって、A重油などを供給、助燃して800℃以上に昇温しなければならず、無駄に化石燃料を使わざるを得なくなります。CO2もそれだけ多く生成します。
燃焼ガスの燃焼室滞留時間が0.1~0.5秒の焼却炉でも、ダイオキシン類濃度は基準値未満になっている優良焼却炉は幾つも存在しています。 ダイオキシン類などの除去装置構造も法令で規定せずに、メーカーに任せれば、安くて性能の高い除去装置を開発します(添付の筆者の朝日新聞論壇での主張「開発意欲そぐ焼却施設構造基準」ご参照)。「法令では、煙突からの排ガス中のダイオキシン類濃度等だけの基準を規定すればよい」との主張でもあります。
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下記サイトで閲覧可能です。アクセス後、"Download"をクリックしてください。
朝日新聞論壇 福本勤「開発意欲そぐ焼却施設構造基準(1)」2000.3.18.

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主な著書

2010年4月26日月曜日

2010年4月25日日曜日

(英語)多読のおすすめ〜「たねまき日記」から関連記事のご紹介

(英語)の多読というものを知ったのは「たねまき日記」というブログでです。

私はここ十数年、翻訳(技術書類や契約書の英訳、和訳)で食べてきたのですが、aとかtheの使い分けとか、前置詞の感覚とか、要するに英語というものがしっくりこなかった。なんかいつもいまいちだな~という気持ち悪さがぬぐえませんでした。(昔々の学生時代英語は嫌いだし苦手でした)。

ところが、オリヒメさんを通しての英語の多読を開始後、こうした「気持ち悪さ」がなくなり、英語がすごく気楽なものになりました。おまけに、それまで絵本とか児童書とはまったく縁がなかったので、この世界は驚きでした。なんと豊かな世界があるのだろう、と。文字数の少ない絵本や児童書が、多様な世界に連れてってくれました。

ちなみに、どんな本を読んだかというと、こんな本です。多読のおすすめ~本棚

一年間、北海道のオリヒメさんから毎月8冊づつ送っていただきました。今は近所の図書館から借りて読んでいます。

この「多読」法、英語だけでなく他のどの言語の習得にもきっと使えると思います。

それでは、以下に「たねまき日記」英語多読関連記事を紹介させていただきます。

2010-04-20

....写真は、先日の「多読説明会」を告知したフリーペーパーにのせてもらったもの。実は当日参加できなくて、昨日、教室の方にいらっしゃった方もいました。田舎にしては、びっくりの人数が集まったのだけど、その理由をいろいろ考えている最中です。ひとつには「英語へのあこがれ」の強さ。もうひとつには「そんなに簡単にできるの?」の好奇心がありそう。昨日お会いした方も、「海外ドラマの英語がわかるようになりたいのだけど、一生懸命勉強しないといけないと思っていたんです。」とのこと。これって、メインストリームの考え方かも。英語支援(指導)に関しては、日頃、BBカードや多読の世界で英語を身につけている人、広めようとしている人とばかり接しているから、うっかり「世間」のことを忘れかけていましたが、今回、「世間」に門戸を開いた(?)おかげで、いろいろ学びました~。説明の仕方もいろいろ工夫すべき点がありそうです。

とはいえ、簡単な本を楽しく、ふつうの読書のように読んでいけばいいということに変わりはないんですけど。.....
2010-04-17

....オホーツクで恐らく初めての「多読カフェ」を行いました。(おとなの方の参加者のうち3名プラス私は関係者。)

ほんとうにカンタンに「辞書はひかない」「わからない言葉はとばす」「つまらない本は後回し」の多読の説明をしたあと、簡単な絵本を回し読みしてもらいました。どこまでお伝えできたでしょうかー。回し読みの間も、質問が相次ぎ、やっぱりこの方法は、ある意味「過激」で「前衛」なのかなーと再確認。.....
2010-04-15

.....英語教室を始めた5年前ぐらいから「英語多読」というものとも出会い、「これは、大人の方によさそうでは?本の貸し出しなら教えなくていいから、楽かも(←おいおい)!」と、「実験台(?)」に知り合いを数名、ひきこみ、さらに一年後、旭川ですでに多読教室をひらいていたカフェさんの「カフェ文庫」を訪問。その後、3年前に提唱者の酒井先生が講演会にいらしたやはり旭川でお会いしてお話を伺い、「やっぱりいいかも!(「指導」ではなく「支援」というのも、楽ではなさそうだが、、、)」と、確信。ボツボツ本をそろえ、そろえた本は、全て読み、、、という形で、簡単な絵本や児童書を100万語超読んできました。

「蔵書が1000冊超えたら、もうちょっと本腰いれて、人集めをしようかな~」と漠然と思っていたところ、今年ようやく1000冊超え。折りも折り、網走の本屋で「多聴多読マガジン」を見つけて「おお!これはキてるかも!」のタイミングで、またまた酒井先生が旭川にいらしたのが先月。改めて、このやり方に魅せられました。(「支援する」ことはやっぱり「楽」ではなさそうなことは、思いしらされたけど。).....

2010-03-21
....やさしい英語をたくさん楽しみながら読む」というやり方を10年ほど前から広めていらっしゃる電通大の酒井邦秀先生を空港までお出迎え。....

日本の社会を覆っている「システム機能不全」は、英語教育界でも進行中。そのなかで、やっぱり大切なのは、システム(「期待」と、同一語かもね)に絡めとられない形を探っていくことだなあというのが、「愛」にあふれる酒井先生のお人柄と奮闘ぶりから、また、しみじみと感じた次第。だって、「ボクは、10年前にこのやり方にたどりつくまで、世の中に存在するありとあらゆる『教授法』というものを試してみました。」というのが原点のお方です。....

「多読」ってなに?とか「英語ニガテで、、、」という方もだまされたと思ってはじめてみる価値あると思いますよ。....