○事務局 引き続きまして、資料6-2をご説明させていただきます。
こちらはA焼却施設周辺及び煙道排ガス調査結果ということでございまして、汚泥処理施設 からご提供いただいたものをご紹介させていただきます。
調査時期は、汚泥等に関しましては平成23年5月16日、煙道排ガスにつきましては5月25日 となっております。
まず、汚泥等につきましては、表の中の汚泥を見ていただきますと、セシウム134では4,700Bq/kg、セシウム137では5,140Bq/kgとなっております。
こちらの施設の煙道の排ガス調査でございますが、どこでとったのかというのは裏面のほうにございまして、煙道のほうからガスを引っ張って、冷却管を通しましてろ紙を通して、それで凝縮した捕集水①②をとりまして、その後に活性炭①②を通しまして、最後にろ紙を通すというようなものでございますが、今も申し上げましたろ紙から捕集水①②、活性炭①②、ろ紙②に関しまして、いずれもセシウム134、137、ヨウ素131を含めまして不検出となっております。検出下限値につきましては、右側の備考に書いてあるとおりでございます。大体セシウム134で0.21から0.23Bq/㎥、セシウム137で0.15から0.20Bq/㎥、となっております。
なお、排ガス処理装置につきましては、当該施設ではバグフィルターの後、脱硫、減湿等の排煙処理を行っているということでございます。
○大垣座長 処理の実態の一例ですね、調査結果です。
それでは、続いて大迫委員から資料6-3について説明をお願いいたします。
○大迫委員 それでは資料の6-3、ご覧いただきたいと思います。
これは京都大学の高岡先生からご提供いただいたデータでございます。
前回、前々回、一般廃棄物の焼却施設においての排ガスの除塵効率、バグフィルター、あるいはその後の湿式スクラバーを含めた形での除塵効率でありますとか、その際のセシウムと同じアルカリ金属であるナトリウム、カリウムの除去効率ということに関して資料を提出させていただきました。
さらに、その際に、セシウムそのものでどのような状況になっているのか。あるいは、ガスとして抜けている部分はないのかというところの疑問があったわけでございまして、そういったところに答えていただけるようなデータということで、高岡先生からご提供いただいております。
これは2009年に測ったデータでございますが、A自治体の300t/dayのストーカ炉ということで、そこに図の1にサンプリングセットがございますが、先ほどのご説明と同様でございますが、煙道から等速吸引でサンプリングしているということで、ここの図にありますように、縦の煙道の壁の内側のところにカスケードインパクターという装置をつけておりまして、ここで粒径別の粒子が捕集されるということになっております。そのあとのガスは、空の瓶で、ここで水分等もトラップし、また、後ろのほうでガス態として抜けてくるようなものも含めて吸収させるというようなやり方になっています。
結果でございますが、その次を開いていただいて、サンプルの一例としてろ紙上にこういうカスケードインパクターで集められたろ紙上の様子がかいてございます。
それから、図の3に、ここでは、ろ紙上に集められた煤塵について、それを超音波抽出という形で、水に溶けるものと溶けないものということで、非水溶性と水溶性という形で分けて分 析しておるということであります。
その次のページ、結果ですが、表の1、表の2があります。表の1がセシウム、表の2がストロンチウムということです。誤解のないようにお願いしたいのは、これは安定セシウムと安定ストロンチウムということで、放射性物質ではありません。通常の一般廃棄物の中に含まれているものの挙動でありまして、放射性であってもなくても基本的には挙動は変わらないという理解であります。
それで、表の1の見方でありますが、一番左のほうにStage1から、ずっとバックアップフィルター、それからガスという形にありまして、Stage1が一番粒径が大きなところで、次第に粒径が小さくなっていくということでありまして、通常、煤塵は平均粒径と、重量から言いますと、数十ミクロンというふうにも言うわけですが、それよりもさらに小さいところのサブミクロンのところまで粒径別にとっているということであります。その粒径別にバグフィルターの前と煙突ということで、この表を縦に半分に割っていただいて、左側がバグフィルター前、それから右側が煙突出口というところで、煙道からとっているということで、このバグフィル ター+後段の湿式洗煙とも含めた形での総合的な除去を見るような形になっているということでございます。
そこの粒子というところに非水溶性と水溶性というのがあって、縦にいろいろとデータが粒径別に見てとれるかと思います。例えば水溶性のところで見ると、粒径の小さいところのほうがむしろセシウムが含まれている量が多いということが見てとれるかと思います。それは多分塩化セシウムのような溶けやすい塩の形で捕集されているのではないかというふうに思われます。
それから、一番下にガスというところがありまして、これは気体ですが、ガス態として捕集された部分が0.014μg/㎥という形で捕集されているということであります。
煙突側のほうはすべてNDでございまして、今回、このデータを解析するに当たっては、定量下限値の2分の1存在していたと仮定して、数値を整理していただいているという状況であります。
そのページの一番下のところを見ていだければ、分かるわけですが、排ガス処理装置全体で総合除去効率は99.99%というふうに計算をされるということであります。これであればバグフィルターだけじゃなくて、湿式スクラバー等を含んだ形の総合除去効率ということになる
わけですが、じゃあバグフィルターの部分だけということで、どう考えるかということで、例えば、バグフィルターの前のガス態としてとらえられていた0.014という部分が、仮にこれがバグフィルターを抜けていったと仮定すると、バグフィルターの部分の除去効率というのは、上の行にありますが、99.87%というような除去率になるのではないかと推測をされているということです。バグフィルターの出口ではとらえておりませんので、ガス態としてとらえていただいているということで、このガス態が抜けるのではないかという仮定のもとにバグフィルターの除去効率もある程度推測できるということで、その場合でもあっても、99%以上を確保 しているというようなことが、ここで理解できるかと思います。
また、ストロンチウムも同様に見ていただければ、総合除去効率が99.98%、それから、99.88%というのがバグフィルターでの除去率になるのではないかというような推測をしておられます。
それでは、事務局から、今日、ご欠席の大塚委員からコメントが寄せられているということで、ご紹介をお願いいたします。
○適正処理・不法投棄対策室長 大塚委員からのコメントでございます。大塚委員から、これを読み上げていただきたいということでございますので、読み上げさせていただきます。
焼却による放散が懸念されるため、処分後の長期的な目標である10μSv/年を用い、また、バグフィルターに限定することが望ましいと思われます。
二つ目として、技術的なことに関して、恐れ入りますが、除去効率を99.9%という報告については、PM2.5に関するものであり、放射性物質に関するものではないですが大丈夫かという点はいかがでしょうか。90%の除去効率については、想定外のことが起きる可能性はないでしょうか。
もう1点ございます。リサイクルという語は、前回の会議で座長もやめたほうがいいと言われましたが、風評被害防止のため、基本的に使わない方向にしていただけると、ありがたく存じます。
それでは、今、幾つかの資料をご説明いただきましたが、先ほど、企画課長からお話がありましたように、焼却できる集塵機の種類について、まず議論をしたいと思います。焼却できる
集塵機の種類、先ほど電気集塵機等を含めて、ご意見、ご質問ございましたらお願いいたします。
先に今の大塚委員からのコメントの回答をしていただけますか。三つあって、最初はよろしいですね。99%の確実さというか、それはPM2.5ベースじゃないのかというご質問がありましたが、いかがですか。
○大迫委員 前回、ナトリウム、カリウムに関しては99.5でしたか、そういう数字、若干煤塵とは違って、落ちるのではないかという話をさせていただきましたが、今日、高岡先生のデータで、ガス態という形で測定されていたので、その分が抜けるということを仮定した場合の99.8ということですから、99.9ということをいえば、少しそれは過大かなというような感じがしますので、99%という除去率という点では、今のデータを見ますと、確保できているということになります。
これはシナリオ評価のところで出している、これも99%という数字だったかと思いますが、それとは現時点では一致しているということかと思います。
それでは、特に集塵機の種類についてご意見はございますでしょうか。
○酒井委員 今日、ご紹介いただいた下水汚泥の例、それから、高岡先生の例、拝見いたしますと、いずれもバグフィルター設置ですが、あとに、いわゆる排煙処理として湿式洗煙を組み合わせた排ガスの処理システムになっているようです。加わて、高岡先生の実験では、触媒脱硝ということで脱硝装置の段階での一定の吸着除去というのもあり得るかもわかりません。そういうことを考えると、この議論を集塵機単独で機能性を議論するというのは、やはり基本的にはよくないのではないかというのが意見です。 そういった意味では、2ページ目の可燃物の焼却の1行目というところは、「十分な能力を有する集塵機が設置」という、そういう限定的なものではなくて、集塵機や付加的な排ガス処理装置が設置されているということに少し拡大解釈をしていくことはあったほうがいいのではないかと思います。
何より重要なことは、非常に限定的な情報の中で、大迫委員とかほかの先生方からも貴重なデータの提供が始まっておりますけれども、基本的には廃棄物の処理過程における、こういう放射性物質の挙動に関する知見は極めて限定的だという認識をまず持たなければならないのではないかというふうに、一委員としては思います。
今日、お示しをいただいたいろんなシナリオに基づく評価計算のところの設定パラメータ
にいたしましても、机上の仮定の数字がやはり多いわけで、これをいかに現実の事象との間を埋めていくかということが、今の時点としては一番重要なことではないかなと思っております。
今、ご指摘の点は、最後のコメントはコメントとしてですが、資料5-1の2ページの2の可燃物の焼却についてのところの表現の仕方でありますが、ほかの方、ご意見いかがでしょうか。
○酒井委員 「集塵機や付加的な排ガス処理装置」という発言をさせていただきましたが、活性炭吸着機能を持っている施設も相当多いと思いますし、また、湿式洗煙を持っているところも一定割合であるようでございますが、そこは総合的に考えるべきだという意味であります。
○大垣座長 この文章のところは、集塵機が必ずあるべきであるということで書いてあると理解していますが、どうぞ。
○企画課長 確かに集塵機というのは、ちょっと狭い意味になってしまいますので、十分な能力を有する排ガス処理装置というような書き方には、少なくともそうする必要があるかなと思っております。排ガス処理装置の中に集塵機が含まれていると、こういうことだろうと思っています。その上で、では、十分な能力を有する排ガス処理装置というのは一体何なのかというところでご議論いただければと思います。
○大垣座長 ということですが、そうすると、第1パラグラフのところは、今のような表現にして、第2パラグラフは、今度は一つの具体的な表現になりますが、集塵機としてバグフィルターを設置しているのは焼却可であると書いてありますが、これでよろしいですか。他のシステムはモニタリングしながらという感じの表現にまとめてあるわけですが、よろしいですか。
特になければ、集塵機に関する議論は、ここまででよろしいでしょうか。後ほどもしお気づきなら、またどうぞ。
それでは、集塵機の種類についての議論以外の部分、資料5-1でありますが、ご意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。