From 満田正
日付 2011年9月8日14:32
件名 Re: [tamakannet:90] 福島包囲網日誌(9/8)
たまかんねっとの皆様
たまかんねっと外の皆様には、BCCでお送りしています。
なお、このメール配信、私の判断で、勝手に送らせて頂いています。
配信不要であれば、連絡くださるようにお願いします。
同志Hから、地球上の空気拡散シミュレーション情報、
http://cerea.enpc.fr/en/fukushima.html
と(独)日本原子力研究開発機構の情報
http://www.aec.go.jp:80/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2011/ siryo34/index.htm
が寄せられました。両方とも嫌に難しいのですが、とにかく、重要な観点が含まれて居ますので、コメントします。
平成23年9月6日に(独)日本原子力研究開発機構が福島第一原子力発電所事故に伴うCs137の大気降下状況の試算 - 世界版SPEEDI(WSPEEDI)を用いたシミュレーション -について、発表した。
とは言え、このシミュレーションは「今後の原子力防災対策立案に必要な知見を蓄積することにあると考える」と締め括るように、極めて重要な見解を提供している。
1)最大の関心事は、もっとも大切なシミュレーションの根拠なる核種放出率が4月6日以降推定を行っていないことである。私は、福島原子炉が安定期に入ったとは思っていない。むしろ、まだ暴発の可能性すらあると思っている。ましてや、常時、原子炉からは、どの程度の核種放出があるのかも知りたいところである。そうした基本情報がシャットアウトされたことは、益々不安ならざるを得ない。
2)また、このシュミレーションが、世界地図上でなく日本列島の東北、関東、及び中部地方を含む極限られた領域で行われていることである。勿論、計算システム:世界版SPEEDI (WSPEEDI)では、地球上大気拡散のシミュレーションが行われているものであり、チェルノブイリ原発事故を引き合いに出すまでも無く、ターゲットは地球放射線汚染でなくてはならない。計算期間も2011年3月12日9時~5月1日0時と限られることも必須である。福島原子炉事故が世界中にばら撒いた、不安に対する謝罪のひとかけらも無い。
3)最後に、本推定に基づく考察で「これらのことは、地域ごとの気象上の特徴を考慮した原子力防災計画の立案や、SPEEDI等での降雨分布予測や降雨沈着モデルの精度向上の重要性を示している」と締めくくっている。原子力安全防災計画の重要性は言うまでも無いことであるが、むしろ地域ごとの気象上の特徴を考慮した、シミュレーションこそが重要である。そのために、文部科学省の都道府県別環境放射能水準調査を参考にするとはもってのほかである。何故ならば、このデータが地域性、気象状況を配慮していないからである。
4)最後に、世界版SPEEDI(WSPEEDI)を用いたシミュレーション は地球空気拡散をターゲットしたもので、個別福島原子炉を中心とした、放射線汚染状況は、肌理の細かい市民データ、食品検査、人体への内部被爆、そして、大気、水、土、動植物の放射線状況の把握が必要である。それを誰が行うか。私とて、その行方を見極めることが出来ない。そのためには、誤解を恐れずに言えば、放射線汚染に恐れることなく、人々一人一人が立ち向かう姿勢が必要である。そのためには、身近な放射線量測定、内部被曝検査でさえ、放射性汚染との対決にもなる。
満田
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