2012年6月13日水曜日

20120612 満田正さん「福島原子炉包囲網日誌」〜原子炉事故との対置(放射性物質サーチ)


From:  満田正 
日付:  612 (1日前)

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この福島原発に対置する方法としての問題は3つある。
1つは、現場での直接的な安定化廃炉作業である。
2つ目は、地元支援である。
3つ目は、放射能との対決である。
この情報を出すと、色々の反響がある。
それぞれが、それぞれの立場でのそれぞれのアイデアを活かすこと、想像力が問われる時代に突入している。
その中で、放射能との対決について言えば、ようやく、その道具が出揃ってきているように思える。
世間では、除染という言葉でひとくくりにされているが、実際には、除染と移染とは全然意味は異なるし、世間で、言われていることは移染のことである。
そこで、強いて言えば、除染は極めて難しく、私は有効な技術的手法を知らない。あるとすれば、核分裂を促進させることぐらいであろうと思うのであるが、これはさらに分りづらい。そこで、正確には、移染という言葉で、放射能と対決する方法しか考えられない。すなわち、放射性物質を何処かに移動させるという考えである。
ところが、この放射性物質を移動させるという作業が簡単ではない。放射線量が高いとそれだけで接近すると死をもたらす。近づくことすら出来ないというのが、現在の福島原子炉事故の実態である。それでも、何とか、この事故収束に向けての作業を行わなければならないので、放射線量の低いところから整理を行いながら、最終的に原子炉を石棺と言ってコンクリート詰めにするか、直接地下深くで爆発させるしかない。それまでは、原子炉が高熱を持たないように冷やし続けるしかない。このように、廃炉としても、その見通しは立たないというのが実情である。こんな中で、なお、政府は大飯原発を初めとした原子炉を再稼動させようとするのであるから、馬鹿につける薬は無いのである。でも、この馬鹿と付き合うことを強いられているのが現実である。
もう一つ、放射性物質の移染すらできない状況の中で、既に事故で拡散してしまった放射性物質をどうするのだという問題を抱かせる。むしろ、世間ではこれを徐染と言い、正確には移染として騒いでいる。3つ目の放射能の対置とはこれを意識したものである。
拡散してしまった、放射性物質は、ところかまわず、我々の周囲に撒き散らされている。実際に、手に負えない、原子炉は別として、そこから同心円状に地球上に撒き散らされているのである。原子炉の中では、元は、ウラニュームと言いう核分裂物質でも一旦核分裂が始まると、あらゆる物質に化けていくものであるから、一般に核分裂物質と言っても、その内容を確かめることは困難である。困難であるが、出来ないことはないが、そのような測定作業を行うことは殆んど行われない。
しかしながら、拡散してしまった、訳の分らない核物質を把握しておかないと、移染作業すら難しいことになる。ところが、撒き散らされた、放射性物質は、人間を含め生命にどんな影響を及ぼすか分らないし、チェルノブイリ原発事故ではないが、25年間に100万人も死者が出ていると言う説もある。福島原子炉事故はその10倍と言われるのであるから、今後1000万人もの死者が予測される。
とにかく、撒き散らされた、放射性物質を生命体の住むところから遠ざける作業、もしくは生命体自身を遠ざける作業が必要になる。チェルノブイリでは、事故後即座に80km圏内の人々を避難させたわけであるが、日本は、20km圏内の人々をひとまず避難させた。これ自体は全く馬鹿げた政策なのだが、何故、80km圏内とか福島全域の人々を避難させなかったのかの悔いは今でも残る。もちろん、今でも遅くはなく、人々の安全を考えれば、福島全域の人々は避難すべきであると私は思う。
それに放射性物質による被害は生命体全部に及ぼすもので、人間だけが蒙るものではない、人間だって、食物連鎖で全ての生命体にお世話になっているので、配慮すべきは、原子炉周辺全生命体の避難の問題である。人間の都合ではあるが、自分だけが避難すれば事足りるとする考えはないだろうか。この人間の浅はかな知恵は、人類の傲慢さというか、今後、人類が生き延びていく上での大きな足枷と成るであろうとことは予測しえる。
そして、全く、馬鹿げたことに原子炉周辺の殆んどの人々を避難させないで、放射線物質の移染を始めているのが現状である。今更、ビジネスではないが、この移染作業が膨大な富を得るとして色めき立っている。その中心は、メーカを含むスーパー企業であるが、もちろん、スーパー企業には、何次もの下請企業が従い、お互いにこのビジネス戦争を謳歌しようとしているのである。これ、全て、原子炉周辺で、放射性からの危害を受けながら、生活を余儀なくされている人々の犠牲の上に立ってのことである。
言っても無駄であるが、ひとまずは、全ての予算を投じて、原子炉周辺住民の避難場所を用意すべきである。そのためのビジネスならば致し方ない。中途半端に原子炉周辺(200km圏内)に仮設住宅を建てて、人々の苛立ちを倍増させるべきではない。その上で、200km圏内全ての生命体に対する処理を配慮すべきである。それこそが移染作業そのものである。
残念ながら、この移染作業の精緻な方法すらが、まだ充分検討されていない。にもかかわらず、その作業に膨大な予算が投下されて、嘘八百というか、見通しのない移染作業が開始されているのである。放射線に対置するには、第1にその敵を知らねばならない。今、放射線と言う怪物との対置を迫られているのであるから、先ずはその敵を知らねばならない。敵も知らずにいかにして戦争を挑めようか。
もちろん、放射性物質の何たるかも知らずに、放射線からの戦争を強いられていることは致し方なく、その戦略・戦術が試行錯誤であることは避けられない。それでも、なお、敵を知ることは必須である。そのためには、全面的な集中が必要である。現在、放射性物質を知るすべは観測しかない。しかも、放射性物質が放射する線量を測定するしか手段がないのである。それほどに、放射性物質は、微量であり、多種類に分かれており、それぞれの影響が多彩でもある。
チェルノブイリ原発事故の経験で、この観測手法も大きな進歩を遂げている。それは放射線を誰でもが簡易的に測れる手法である。今までに専門家に全面依存してきた測定では、専門家の偽善を見抜けないばかりか、専門家の無能力さについても見抜けない。これを市民科学の勝利とかいい加減に扱う積りは毛頭ないが、誰でもが何処でも敵に対置できることは重要である。そのための道具開発こそが急がれるべきである。
放射線測定器の進歩は今後見逃せない。人々は、この技術に集中すべきである。その1つはアルファー、ガンマー、ベーターの三種類の放射線の存在を知ることである。それぞれが生命体への影響を異なって持つので、その分別は必要である。そして、放射性物質の居場所の特定はさらに重要である。敵が何処にいるのか分からないでは戦いようがない。もちろん、何時何処に潜み隠れているかの突き止めも重要である。しかも、それなりの精度が求められる。今の医療では、放射線の影響がアバウトでしか、分かっていないことではあるが、放射線という敵に対しては、徹底して精査することなくしては、立ち向かうことすら出来ない。
このような敵を見つける(知る)ことが出来て、敵(放射性物質)の排除(移染)が可能となる。
何時何処にどの程度に分布しているかの観測こそが急がれる。
1)生命体に潜り込んだ放射性物質。
2)生命体環境に潜り込んだ放射性物質
3)そして、生命体環境から生命体に潜り込む放射性物質。
この一連の放射性物質の移動メカニズムを知ることで、放射性物質の目的移染が可能である。
放射性物質を何処から何処へ移動させるのか。拡散してしまった放射性物質をどのようにして集め、隔離するのか。
この作業で、人間を含め生命体を無闇に傷つけるべきではない。
満田正 
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