2012年6月1日金曜日

20120531 満田正さん「福島原子炉包囲網日誌」〜福島4号炉、ワイデン議員福島視察、原発再稼働と廃炉問題


From: 満田正 
日付: 2012年5月31日 

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なお、このメール配信、私(満田)の判断で、勝手に送らせて頂いています。
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福島4号炉の問題は私にとっての最大の関心事である。
今回東電が打ち出した、収拾策で4号炉の使用済み燃料棒の取り出しを1年早めるという方針が報道されました。
これは、3年以内に使用済み燃料棒の取り出しという前提を前倒ししたもので、一安心というところである。
ただ、この作業中に大きな地震が起きたらどうするのだと不安もあるのですが、この不安は避けて通れない。
リスクは大きいが、必要な作業です。
4号炉の水素爆発以後の醜い姿が、日ごとに綺麗になっていく。爆発によるがれきを撤去する作業が進んでいるためだが、これも使用済み燃料取出しには必要な作業である。
最大の関心は、4号炉の傾きというか、地震による4号炉の崩壊の危険性である。東電は、コンクリートや鉄骨での補強が終わっていると説明している。この補強が強度20%アップというのだが、それがどのような効果を生むのかについて、建築構造屋に聞いてみたが答えは無い。メールでのこの補強の杜撰さを強調する人も居るが、実際には分らない。
最近ワイデンというアメリカの上院議員が福島視察を行い、その危険性を帰国後強調している。客観的に見れば、4号炉の危険性は当然であるし、少なくとも福島県民は全員避難すべきところである。この方針を出すことで、日本の国家総動員体制が出来上がり、再生日本が蘇ると私は見ているが、その気配は一向に無い。
ワイデンが、米国民を同じく、総動員させるパフォーマンスを演じていることは彼の立場から当然であるが、このパフォーマンスを日本では利用できないもどかしさはある。聞くところによると、ワイデンは東電との会談で、この危険性を訴えたようである。東電は、自ら行った補強工事を前提にその訴えを退けた。当然、ワイデンの面子も無いわけで、帰国しての彼のパフォーマンスは勢いを増したとも言われる。
そうもあろうか、東電の福島原発4号炉使用済み燃料棒の取り出しが7月から始まる方針転換がなされたのである。
ただ、我々は、福島原発を管理出来ていない立場から、常に最大リスクを考えておくべきである。
すなわち、今でも福島原子炉200km圏内住民は、避難すべきであるという主張に変りは無い。
この見解は4号炉の使用済み燃料が全部取り出されて解除されるべきものであるし、安全を考えれば、1~3号炉の安全廃炉が済むまでは、解除するべきではないと考える。
逆にこうした、大規模避難方針は、福島原発管理に向けての行動が前提であり、勇気ある人が、その管理任務につくべき準備も必要である。
この二つの大規模行動が、日本の将来を安全な方向に促すだろうと考えている。
こういうことで無いならば、現在の福島原子炉管理という特権を使っての権力(一部の人間、原子力村)による様々な工作を許すことにもなりかねない。
特に、原子力村は原発再稼動には必死の努力を重ねている。再稼動は決して予断を許すものでないが故に彼らは必死である。原子力村の意を受けて政府も必死である。本来は、その仕掛けを作った自民党などが賛成しそうなものだが、ここは野党の気安さ、達観している。というよりも原発再稼動は、現政府の長期政権に繋がりかねないと姑息に考えていることだ。
原発再稼動を強引に展開すれば、反原発・脱原発にとって極めて有利な状況を生み出すようにも思える。しかし、そのように甘くないというのが実情である。確かに原発再稼動強行突破は、一時的な国民運動を巻き起こすに違いない。それが、どの程度の地力を得ているかは、予測できないのである。
ここは、段々と、原発推進派と脱原発派との決戦が近づいているようでもある。
先日には、原発稼動ゼロデーがあって、祝福ムードであった。今度、大飯原発再開への決定が、正念場を迎えつつある。原発問題から国民関心を瓦礫処理へとシフトさせる策略は見事成功したように見えても、実は、政府はまだ心配なのである。いわゆる、一応民衆派を名乗ってきた、現政権にとっては非常に辛い。大飯原発再稼動ですら危ういところにいる。
こうした政治力学では政治判断の引き伸ばしは究極の決戦を生み出して、事態を混迷させる。私は、このカオス状況、このカタストロフィー到来こそ、次なる時代への幕開けであると思うのであるが、次なる幕開けは、現在では、東北中心型か、大阪中心型の選択が迫られている。
ということはさて置いて、決戦とは別に福島原子炉管理問題は、避けて通れない。
私は、福島原子炉を管理することが、日本の政治の行く末を決めると考えている。
そこには国家の根本についてのいろはが含まれている。
明らかに、世界は原爆を制することで覇権が決まったように、現在は原発を制することで、覇権が決まる。
世界に冠たる日本経済界がそのことに気がつか無いはずが無い。
それが廃止に向かうかどうかではなくて、その決定権を誰が有するかである。
世界的な視野からすれば、原発は再稼動の方向に向いている。
ドイツの脱原発方針を我が意を得たように話す人も多いが、ドイツは果たして、フランスを押さえてEUすら覇権を維持できるかの瀬戸際である。
しかし、廃炉問題を解決することなく、地球は破滅の道に向かうしかない。
キリギリスで、夏の祭典を謳歌するのか、人類のためにこの魔物の扱いを速やかに廃炉するかである。
日本がその決定権を持っているように思えるのであるが、我田引水であろうか。
  1. 上院エネルギー委員会のロン・ワイデン議員「福島第一原子力発電所の ...

    jishin.b5note.com/xn-cesq99l/4504/ - キャッシュ
    上院エネルギー委員会のロン・ワイデン議員が、藤崎一郎駐米大使にあてた4/16付けの書簡によると「福島第一原子力発電所の原子炉建屋が再び地震や津波に見舞われれば、崩壊し、当初事故よりも大規模な放射性物質放出が起こる恐れがある」とのこと。
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