2011年9月16日金曜日

20110913 「坊岡住民のくらしと命を守る会」豊岡市監査委員宛、平成21年度北但行政事務組合の分担金の返還を求める住民監査請求

「坊岡住民のくらしと命を守る会」お世話役の方からメールが届きました。
許可を得て、添付の報道発表と豊岡市と北但行政に宛てた「住民監査請求」を以下に掲載します。
感謝。
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件名: 0913豊岡市宛住民監査請求
日時: 2011913 20:53:32:JST

報道各位
大変おせわになっております。
このたび、坊岡住民のくらしと命を守る会は豊岡市監査委員会と北但行政事務組合に対し、9月13日に「平成21年度事業費の使途不明部分に関する住民監査請求」を提出する予定です。
北但行政の平成21年度会計報告、決算書を精査したところ、不正な会計処理が見つかりました。
・第一に会計報告で「支払済み事業費」は「14,500万余円」となっていますが、出金証明がされたのは5,024万円だけでした。残り9,480万円は使途が不明のままです。支払先がわからない9千万円はどこに消えたのか。決算したお金が不明というのは犯罪行為です。
・第二に国からの交付金30,648,000円をもらったことになっているが、繰越明許の14,119,000円(事業ベースで42,357,000円)の事業が不明です。よく分らない事業で国から交付金を得たとしたら、詐取になります。
・第三に「不用額14,729,000円」を北但行政は731日の回答文書で「設計、入札減によるもの」と説明してきましたが、入札などは21年度初期に行われたものなのに会計報告に報告されてきませんでした。2341日の実績報告で初めて報告されたのは極めて不自然です。
・第四に平成2210月に会計決算をやり、7か月後に「実績報告」の書面で総事業費や交付金額を変えたのですから、決算報告と合わないのは当然のことです。デタラメ決算報告をしたのは北但行政自身です。環境省が定めた「循環型社会形成推進交付金交付要領」に違反していることは環境省も兵庫県も認めました(平成2399日)。

以上のことから当会は北但行政事務組合に対しては「違法を正す住民監査請求」を出し、豊岡市に対しては、「平成21年度の分担金の返還を求める住民監査請求」を出すことにいたしました。
提出後、午前11時から記者クラブにて記者会見を行います。ご多忙中とは存じますがどうぞよろしくお願い申し上げます。
平成23912
坊岡住民のくらしと命を守る会
津禰鹿 知己 090-1599-7179
松原朋惠(共有地権者)090-5896-7294

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豊岡市監査委員 殿
                   
平成239月 13
       平成21年度北但行政事務組合の分担金の返還を求める住民監査請求
.請求の主旨       豊岡市長 中貝 宗治殿に関する措置請求
豊岡市が構成自治体を成す北但行政事務組合の平成21年度事業費及び国からの交付金を精査したところ、数々の会計上の不明朗な点が見つかった。
ⅰ)北但行政事務組合の平成21年度決算報告書では、「広域ごみ・汚泥処理施設整備事業費」の「支払済み事業費」は14506562円とされているが、支払先が明確でなく、一部不明金があることが分かった。環境省の資料によれば、そのうち支払先がはっきりしているのは、5,0247,100円でしかなかった。
ⅱ)21年度についての環境省からの交付金は、交付金関連事業費1億3,6139,000円に対し、4,537万円の交付金が決定していた(平成21101)が、その後、関連事業費の縮小に伴い、3,0648,000円と変更されていた。しかし、議会には報告されず、地方自治法第96条第1項の二、三「議会は予算を定め、決算を認める」に違反している。
ⅲ)また環境省から交付される分は、21年度の事業費分(1,6529,000)21年度の繰越明許分(1,4119,000)であるが、繰越明許分の事業内容は、明らかではなく、裏づけのない事業費に環境省から交付金が支給された不法行為の疑いがある。
ⅳ)交付金関連事業の内、21年度中に使用されず、不用となったものは、事業費ベースで4,4187,000円、交付金ベースで1,4729,000円であるが、これらは、21年度決算報告では、支出済み事業費として計上されていた。したがってこの決算報告書は、虚偽の事実を記載していた怖れがある。
この点について北但行政事務組合は、競争入札の中で予定価格より低く落札されたので、不用額が捻出されたと請求者らに答弁しているが、ならばなぜ決算書にそのように報告しなかったのか?決算書提出の段階で支出済み事業費として記載された金額と実際の支出金額との差額は、会計担当者が不法に流用していたことになる。
以上、地方自治法では、第2条16項に法令に違反してその事務処理をしてはならないとあり、上述したⅰ~ⅳの北但行政事務組合の事務は、この法令に違反する。
豊岡市は、北但行政事務組合の構成自治体として、北但行政事務組合に分担金を支払っているが、以上の北但行政事務組合の違法な会計処理を明らかにせず、分担金を支払い続けることは、豊岡市も地方自治法の第2条16項に違反することになる。
したがって豊岡市は、北但行政事務組合から平成21年度の分担金の返還を求めることを、地方自治法242条に基づき別途資料を添付し、住民監査請求する。

Ⅱ.事実経過及び資料
    平成21年度交付金申請書(平成21811日)(北行組第18号)  *資料1
 当該年度総事業費:136,139,000
   交付金申請額: 45,377,000
      平成21年度交付金決定額通知(平成21101日)(環整第1369号) *資料2
   平成2110月1日付環廃対発091001002号  *申請取り下げ期限は平成211014
     当該年度総事業費:136,139,000
       国の交付金額: 45,377,000

    平成21年度交付対象事業の完了予定期日変更報告書(平成22331)43(北但→環境省)
交付対象事業:施設整備に関する計画支援事業             *資料3
交付決定額:環廃対発第091001002 平成21101日 45,377,000
完了予定期日:変更前 平成22331日、変更後 平成22831
予算の繰越額:14,119,000
    平成21年度交付対象事業の完了予定期日変更報告書について(平成2245日) *資料4
                    (環整第1024号)(兵庫県→環境省)
    平成21年度一般会計歳入・歳出決算書(平成221012日提出)     *資料5
歳入(国庫支出金)
 当初予算:45,719,000
 補正▽ : 9,234,000
 計   :36,485,000
 収入済 :22,366,000
 収入未済:14,119,000
    歳出(広域ごみ・汚泥処理施設整備事業費)
     当初予算:256,414,000
     補正  : 41,272,000
     計   :297,686,000
     支出済 :145,060,562
    「ほくたん便り」No.10号(平成23年1月号)で上記決算書の要約した内容を掲載。  *資料6
歳入に国庫支出金(交付金)22,366,000円、歳出済に施設整備事業費:145,061,000円が明記してある。
主な実施事業(9項目)
 生活環境影響調査、敷地造成実施設計業務、進入道路詳細設計に伴う測量業務、埋蔵文化財調査業務、土地鑑定立木調査および補償積算業務、施設基本設計業務、地元検討委員会等、施設整備検討委員会、組合広報紙・ホームページ業務

    平成21年度循環型社会形成推進交付金事業実績報告書(北行組第1号)(平成2341日)
                              (北但→兵庫県) 資料7―A
・様式7-2 当該年度交付決定額:45,377,000 7-B
       交付基本額実績額 :92,608,000
       交付金額     :30,648,000
       交付実績額    :30,648,000
       交付金受入済額  :16,529,000
       差し引き額    :14,729,000円(不用額)
・様式7-3 当該年度事業の完了予定年月日を平成23年3月31日に変更。
    ・様式7-4 市町村分担金額  :61,960,000
           総事業費     :92,608,000

    平成21年度交付金確定通知書(環整第1039号)(平成2348日)(兵庫県→北但) 資料8
「平成21年度交付金は北行組第1号の事業実績報告に基づき、交付金を金14,119,000円に確定」      
   9/10兵庫県情報公開文書送付 交付金「30,648,000円」が記載。
    当会より環境省に質問書(平成235月7日付)(平成23510日環境省の担当係長に面談)
                                       *資料9                                                                         

    環境省廃棄物対策課、志田健一前係長からの回答文書(平成23519日)(請求書、支出伝票付き)            「情報開示された交付金申請文書についての質問にかかる回答」          *資料10
平成21年度交付金支出内訳
業 務 名
事業費
交付金額
生活環境影響調査業務
28,500,000
9,500,000
敷地造成実施設計業務
7,940,000
2,429,000
施設基本設計業務
6,024,900
2,008,000
進入道路詳細設計に伴う測量業務
4,025,700
1,341,000
敷地造成に伴う河川設計業務
2,614,500
871,000
埋蔵文化財第2次試掘調査業務
1,142,000
380,000
合 計
50,247,100
16,529,000
  志田健一前係長の注釈文
※なお、交付申請書における交付金額と上記支出内訳における交付金額との差額は、不用額と
して国庫に戻ったもの(交付金額 14,729,000円)及び翌年度への繰越をしたもの(交付金額
14,119,000円)となります。
    北但行政からの回答書(平成23831日)(北行組第40-1)    資料11         
     当会から北但行政への質問書(平成2381日)への回答

Ⅲ 事実経過と資料の説明
    平成21年度交付金申請書(平成21811日)(北行組第18号) 資料1
この時点では北但行政は環境省に対し、当該年度総事業費136,139,000円として、3分の1の45,377,000円を申請。
    平成21年度交付金決定額通知書(平成21101日)(環整第1369号) 資料2
申請に基づき、環境省は県を通して北但に45,377,000円を決定通知してきた。(環廃対発第091001002
    平成21年度交付対象事業の完了予定期日変更報告書(平成22331日) 資料3
完了予定期日変更報告書でありながら、「予算の繰越額:14,119,000円」が書き込まれている。交付金45,377,000円から14,119,000円が次の年度に持ち越されたことを意味している。この時点で繰越額が分かっているのならば、事業報告変更書でなければならない。
この報告書では国の交付金額は変わっていないことになっている。14,119,000円は21年度に事業がひっかかり、翌年に繰越明許された金額のように見えるが、⑤で分かるように不用額として収入未済額14,119,000円となっている。まぎらわしい表記である。
交付金額は45,377,000円と当初どおりになっているが、21年度に⑤と⑩で分かるように、使われなかった不用額14,729,000円があるので、この時点で交付決定自体を45,377,000円-14,729,000円=
    30,648,000円に変更報告しておかなければならなかった。それをしていない。一年後の平成234
    1日に実績報告書で変更しているのはおかしい。だから、前年10月の会計報告との齟齬が生じている。
                                         資料4
    平成21年度交付金対象事業の完了予定期日変更報告書について(環整第1024号)(平成2245日)
わざわざ③と④で期日の変更報告書を北但行政、兵庫県、環境省がやりとりしている。ところが、ここで確定通知した「平成22831日」が⑦の交付金実績報告書では、期日変更報告もないまま、いつのまにか「平成23331日」に変更になっている。
 本来なら、自分たちが変更届けをした平成22年8月31日の後、1ヶ月以内に実績報告書を出さなければならなかったのに、それをしないまま、決算報告をした。
 
    平成21年度一般会計歳入・歳出決算書(平成221012日)   *資料5
 国庫歳入金の当初予算は45,719,000円、補正減額が9,234,000円、合計36,485,000円となっている。
しかし、⑩の回答文書で明らかなように、14,729,000円の不用額だったので、36,485,000円-14,729,000円=21,756,000円のはずである。決算書の数字はデタラメである。
 また、歳出では145,060,562円が支出済になっているが、出金証明があるのは50,247,100円だけである。残りの9,480万円余の使途が不明である。
 
    「ほくたん便りNo.10」(平成23年1月)               資料6
 歳入に国の交付金22,366,000円、歳出済の施設整備事業費145,061,000円を記載して市民に周知。
支払い証明⑩のある6事業で主な事業をほとんどカバーしている。残りの94,813,000円の使途が不明
である。 
    平成21年度循環型社会形成推進事業交付金実績報告書(平成2341日)資料7
当該年度総事業費(交付基本額実績額)を136,139,000円から92,608,000円に変更している。著しい変更であり、決算書と事実が違うことが明らかである。交付金実績額は3分の1の30,648,000円としているので、⑤決算書では国庫支出金の36,485,000円は事実に合わない。また、⑤の会計報告、会計監査をしたものが、後から、このように変えられるのであれば、会計報告、監査の用をなさない。資料7-B「循環型社会形成推進交付金交付要領」の-4の(3)に規定されているように「交付決定の変更申請」が必要であった。当然、30,648,000円-16,529,000円=14,729,000円(差引額)は不用額として受けとっていない。
交付金繰越額14,119,000円が明記されないのは不自然な実績報告書。全て完了したとしているが、
   どのような事業だったのか。
       工事完了予定期日が③で「平成22831日」に変更されたが、⑦では変更報告書もないまま「平成
      23331日」に変更されている。これは資料7-B―4-(1)「循環型社会形成推進交付金交付取扱
      要領」に照らし、違反している。理由は交付金の繰越を伴い、6ヶ月を過ぎているからである。環境省も
      兵庫県も違反を認め、環境省は北但が指導に従わないと発言している(9/9松原朋惠の電話問合せに対し)
  
    平成21年度交付金確定通知書(環整第1039号)(平成2348日)環境省情報公開文書(7/28
     資料8                                                     
・現時点でも繰越交付金対象事業内容は不明のままである。交付決定額「14,119,000円」が表記。
9/5兵庫県廃棄物指導係の藤岡氏談「自分が書き間違い、環境省の指摘で4月中に訂正したのに、環境省が訂正前の文書を情報公開した。正しくは30,648,000円。交付要領に違反した北但行政は調査してから返答する」
9/8環境省情報公開室畑中氏談「松原氏の公開請求を受け取った6/20時点の資料を公開した。それ以後に訂正されたものについては新たに公開請求が必要」。つまり兵庫県の書き換えが6/20以後を示唆。
9/9環境省廃棄物対策課杉山係長談:「私の手元資料は14,119,000円です。県が書き換えたと言っているなら探してみます。後日返答する」。
9/10兵庫県より情報公開文書到着。交付決定額は「30,648,000円」と記載。
資料7と8は環境省からの情報公開で7/28に当会は入手した。これで初めて期日変更、交付額の変更を知った。交付金事業に関わるこれらの重要事実がなぜ、5/30の北但議会で報告されなかったのか疑問。議会軽視が問題。

    当会が環境省に出した質問書(平成235月7日)            資料9
北但行政事務組合(4/13)と環境省(3/23)から情報公開された交付金申請の同じ文書に金額の違いがあったので、環境省に質問書を出し、松原朋惠が担当官に面談した(5/10)。「当該年度総事業費」が北但は0円、環境省は136,139,000円としていたので、疑問を持った。「もし、環境省の136,139,000円が正しいなら」その支出証明を求めた。
    環境省廃棄物対策課 志太健一前係長の回答文書(平成23519日)   資料10
 「北但が情報公開文書を間違えた」という回答書。当該年度総事業費(交付基本額実績額)にはふれていない。実は48日に金額も期日も変更になっていたはずだが、申請時の金額「136,139,000円」が書かれた文書のみを公開。交付金支出の内訳表と支出伝票が同封されていた。表の6事業費50,247,100円に対する交付金額は16,529,000円。繰越とされた14,119,000円を足すと⑦の交付実績額30,648,000円となる。決算書の数字が事実と違うことが分かる。
     この回答文書で分かることは交付金額が③の段階で、3つに分けられて算定されていたこと。
    A.事業費50,247,100円に対する交付金 16,529,000円×350,247,100
    B.繰越明許の交付金         :14,119,000円×342,357,000
    C.不用額(事業をしなかった分)   :14,729,000円×344,187,000
     AとBとCは交付金なので、その3倍が事業費となる。
       50,247,100円+42,357,000円+44,187,000円=136,791,100円で当初の当該年度総事業費に限りなく
       近い事が分かる。6事業費50,247,100+繰越分42,357,000円=92,608,000円で41日に変更された
              当該年度総事業費(交付基本額実績額)に一致する。     
     決算報告の中では交付金の支給が36,485,000円あることになっていたが、当初の交付金確定額の
    45,377,000円はこのようにABCの3つに分けられていた。すでに使った6事業の内訳を見ると「ほく
    たん便り」で書かれた主な事業はほとんどカバーしている。決算で支払い済みになっていた事業費が
       3分割される交付金の仕組みが問題である。「支払い済み」に繰越などありえない。これで21年度の
       交付金30,648,000(16,529,000円+14,119,000)を得ているとしたら、国を騙して交付金を得たこ
       とになり、問題である。
Bの繰越明許した事業とは何だったのか。14,119,000円の3倍で42,357,000円の繰越事業とは何か。
                      Cの不用となった事業44,187,000円の交付対象事業はどんな事業だったのか。
    北但行政からの回答書(平成23831日)        *資料11
 「不用額14,729,000円(実質事業費44,187,000円)は設計及び入札減によるもの」と回答
設計や入札は21年度の当初に行われたはずである。決算報告で当然報告されるべき不用額が出ていない。
2年後の実績報告で「入札減」によるという言い訳は不自然。また、4千万円以上も過大に見積もっていたことは税金の使用から見て、問題である。
                       坊岡住民のくらしと命を守る会

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