2010年7月19日月曜日

7/17鄭智允氏講演・学習会〜「韓国でなぜ生ごみ90%資源化が可能だったのか」報告記 by 青木泰氏

7月17日午後、「生ごみ100%資源化を目指すプロジェクト」主催第3回目講演・学習会があり、「韓国における生ごみ資源化の状況―韓国でなぜ生ごみ資源化90%が可能だったのか」について鄭智允さん(地方自治総合研究所)が話をされました。

講演内容について、青木泰さんから報告が届きましたので、以下掲載させて頂きます。鄭智允さん、青木さん、関係者みなさまに、感謝。
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皆様へ

ー生ごみ100%資源化を目指すプロジェクト主催 
「韓国における生ごみ資源化の状況―
韓国でなぜ生ごみ資源化90%が可能だったのか」
講演学習会報告

梅雨明けが宣言され、うだるような暑さの17日、地方自治総合研究所の鄭智允氏の講演学習会が行われました。暑さをものともせず駆けつけて下さった50余人の参加者の熱いまなざしに、鄭氏は、姿勢を崩すことなく、1時間15分の講演を水も飲まずに一気に行い、続いて参加者からの要点をつく質問に、一つ一つ丁寧に答え、講演会が終わった時には、韓国でなぜ90%資源化が行われたかの実態が、参加者に伝わると言う充実した講演会になりました。
講演会の詳細な報告は、別途行いますが、
当日鄭智允氏がお話された内容を要約すると、
1)韓国では、生ごみ92%再活用(資源化)が進み、ソウルでは2006年から3年連続100%再活用が進んでいる。
2)ソウルでの再活用は、2008年ベースで飼料化が約57%、堆肥化が42%となっている。
3)その他の家庭から出るごみも再活用率約6割である。
4) 再活用率が上がった大きな要因は、韓国では廃棄物の処理の8割以上を占めていた埋め立てを2005年に禁止した事(生ごみ埋立て禁止法)が上げられる。そしてその禁止法施行に当たって、1987年の時点から法施行の8年前に通知・準備を行っていた。
5)さらに遡って1995年に従量制(有料化)を実施し、各自治体で分別収集を行うと共に、罰則制度(条例通りに分別しない時に、課徴金。違反を繰り返すと罰則金が倍々に増える)も導入してきた。
6)民主化運動による政権交代が、環境問題への取り組みを強化し、環境団体が生まれたことや子供の教育でも例えば、中学校で週1回環境の科目があると言うように徹底している。
7)ソウルは東京都と人口が変わらず、1000万人を越す人口が在り、人口密度は東京より高い大都市でそこで生ごみ資源化ができていると言うのは、注目に値す
る。

なお今後の流れとして以下の日程を紹介いたしました。
今後の予定:
1)生ごみ100%資源化をめざすプロジェクト 主催見学会
見学先: 戸田市フラワーセンター&久喜・宮代衛生組合生ごみ堆肥化
HDMシステム 10月~11月予定
2)学習会 食品リサイクル法 農水省担当者他
9月~10月予定                 
文責 青木泰
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2 件のコメント:

  1. こんにちは。
    名古屋市にある名城大学の岡山朋子と申します。
    廃棄物政策、循環型社会政策を専門としております。

    現在、日中韓の廃棄物管理比較研究をしており、韓国の生ごみ処理の状況を中国にも伝えているところです。

    ご存じないかもしれませんが、名古屋市は10年前にごみ非常事態に陥り、市民総出でごみの減量努力を行った過去を持ちます。その後、名古屋市の一般廃棄物処理基本計画は、市民や事業者などあらゆる関係者の参加をもって策定されました。(なごや循環型社会・しみん提案会議)
    私はこの一連の会議でファシリテーターを努めました。

    また私自身も、研究者としてその知見を海外に伝える一方で、名古屋市において食品廃棄物の循環利用を促進する「おかえりやさいプロジェクト」と主宰しております。

    http://okaeri.n-kd.jp/

    都市部でも生ごみ資源化は可能であることを実践・証明中です。
    まあ、ぼちぼち、ですが。

    生ごみ資源化100%プロジェクトにも興味を持っております。
    今年の資源化協会の交流会(早稲田大学で毎年8月23日に行われる)には、私は残念ながら出席できなかったのですが、そこにも皆さまきっとご出席されたのでしょう。

    またどうぞ意見交換等させてください。
    まずはご挨拶まで。

    岡山朋子

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  2. 岡山朋子様

    当ブログへのご訪問、ありがとうございます。

    貴重なご挨拶分、プロフィール、「おかえりやさいプロジェクト」HPを拝読、ご活動中の分野は、いずれも現在こちらの関係者の間でも話題になっているものばかりで、興味が尽きません。岡山さんは専門的な知見をフルに活かされて、名古屋市のごみ処理政策立案(減量化)に関わられたこと、生ごみ資源化(循環)の輪を実現されていること、感動感嘆です!また、日本だけでなく韓国、中国、フィリピンの実情にも精通されているご様子、岡山さんが発信される研究成果や情報に私のアンテナを向けさせて頂きます。

    岡山さんの言葉「都市部でも生ごみ資源化は可能であることを実践・証明中です」は、心強いです。「生ごみ資源化100%プロジェクト」関係者に伝えます。昨日の「資源化交流会」、私も出席できませんでした。8月26日に参加した関係者に会う予定なので、話を聞いてきます。

    「おかえりやさいプロジェクト」HP、非常に参考になりました!生ごみ運搬手数料とか「堆肥を作る人」熊本清掃社、堆肥化施設や堆肥の価格、販売先などについても更に知りたくなり、ネットで以下記事も読んでみました。

    ☆「おかえりやさい・食物循環ル-プ実践の試み」2008/12/02
    http://www.news.janjan.jp/area/0812/0811292519/1.php
    ☆熊本清掃社が紹介された記事
    http://www.kumasei.com/press.htm

    最後に、名古屋市のプラスチックゴミのリサイクルに関して、昨年末の新聞に「名古屋市プラごみ資源化断念11年度から『可燃』」というニュースが流れました。
    http://blog.goo.ne.jp/wa8823/e/a1ea3602ea6a909082761300c89d18ba名古屋市がプラスチック製品をプラスチック容器と同じようにリサイクルできないかと国や容リ協会に相談したがどちらからもダメだと言われ、新型焼却施設も出来たので燃やすことになったという内容でした。この出来事を岡山さんはどのように受けとめられたか、また名古屋市の人たちの反応はどうだったのか、もし可能ならばお聞かせ頂ければ幸いです。

    今後ともなにとぞよろしくお願いいたします。感謝

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