2010年8月9日月曜日

映画「オーケストラ」を今日こそは見るぞ!(追記あり)

(追記 2010.8.17)

「ラブリー脳でハッピーライフ:映画オーケストラ!」

みかんさんブログの映画オーケストラ!記事、完全バージョンです。
主演アレクセイ・グシュコブとミエレアニュ監督のインタビュー、coucouさん仏語和訳が追加されています。
語られている内容は深く濃く、素晴らしいです。
みかんさん、coucouさんに感謝。
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2010.8.9

先週末から「オーケストラ」を見に行こうとすると、ハプニングが起きて、未だ行けず。土曜日は、いさんで朝一番で駆けつけたら、その日から上映スケジュールが変更。午後4:20まで見れないことが判明。とほほ。がっくり。なぜかむしょうにチョコレートパフェが食べたくなって、小田急デパートの11階にある喫茶店で食べた。かなり満足。そんなんで、今日こそぜったいに見てくる。見れますように!!!

友人みかんさんのブログで、この映画のことを詳しく紹介しています。この映画のことが好きで好きでたまらないということがびしびし伝わってきて、そこがすっごくいいんです。それから、みかんさんのこの記事を読んだ、coucouさんという方が、映画関係者の仏語インタビューを和訳してコメント欄に寄せられた。それがまた大作で、突然コメント数が急増。その内容がまたすごくいいのです。

映画 オーケストラ!

映画『オーケストラ!』視聴できます

『オーケストラ!』監督 インタビュー集

映画『オーケストラ!』が素敵な理由 1

映画『オーケストラ!』が素敵な理由 2

映画『オーケストラ!』が素敵な理由 3

番外編 タラフ・ドゥ・ハイドゥークス

映画『オーケストラ!』が素敵な理由 4

映画『オーケストラ!』が素敵な理由 最終回

『オーケストラ!』出演者インタヴュー集1 サーシャ編

『オーケストラ!』出演者インタヴュー集2 イワン編

『オーケストラ!』出演者インタヴュー集3 シャトレ座支配人編

『オーケストラ!』出演者インタヴュー集4 ギレーヌ編

『オーケストラ!』出演者インタヴュー集5

映画に関連して、ロマの演奏家のことが出てきます。


2年前に生で聴いたジプシーバイオリンの演奏を思い出しました。演奏したのは「ハンガリーの国宝級」名門ラカトッシュ親子。すごかった。当日演奏家や演目の予備知識ゼロで行って、演奏が始まるや否やぶっとびました。ロマの血を引く末裔の人たちの出す音色に勝手に体が反応した感じでした。官能的でデカダン、演奏する姿はセクシー、音楽が異界に連れて行ってくれた。ラカトシュ家父と息子の脅威の笑顔は、見ようによっては泣き顔にも見えて。チゴイネルワイゼンが「ロマのメロディー」という意味だということも後で知ったのです。


2010年8月8日日曜日

「基準値320倍ダイオキシン、東大阪、ごみ施設跡地」〜2010/8/8 Googleニュース


朝日新聞 - ‎2 時間前
東大阪市と大東市でつくる「東大阪都市清掃施設組合」は7日、東大阪市水走(みずはい)4丁目のごみ焼却施設跡地の地下水から環境基準値の320倍のダイオキシン類が検出された、と発表した。跡地はグラウンドとして市民に開放されており、組合は2月に周辺土壌から基準 ...

MSN産経ニュース - ‎14 時間前
大阪府東大阪市と大東市で運営する一部事務組合「東大阪都市清掃施設組合」(東大阪市水走)は7日、市民に開放しているグラウンドの土壌や地下水から、基準値を上回るダイオキシンなどの有害物質が検出され、使用禁止にしたと発表した。組合は2月に土壌の汚染を確認し ...

47NEWS - ‎18 時間前
大阪府東大阪、大東両市でつくる「東大阪都市清掃施設組合」は7日、同組合が計画するごみ焼却施設の建設予定地(東大阪市水走)の地下水から基準の320倍のダイオキシン類が検出されたと発表した。「敷地外への影響はない」と説明している。 予定地は1981年以前に ...

毎日放送 - ‎16 時間前
東大阪市にあるごみ焼却場の敷地内の地下水から基準値を大幅に超えるダイオキシンが検出されていた問題で、敷地内の土壌にも基準値を超えるダイオキシンが含まれていたことがわかりました。 東大阪都市清掃施設組合によりますと、今年6月、東大阪市水走にあるごみ焼却場 ...

中日新聞 - ‎201085
名古屋市は5日、緑区清水山2の菓子製造「大須ういろ大高工場」の廃棄物焼却炉から排出基準の4倍近いダイオキシン類を検出したと発表した。人体に影響を与える量ではないという。市は基準以下に抑える対策を取るまで使用を停止するよう指導した。 ...

毎日放送 - ‎201086
東大阪市の関係者によりますと今年6月、水走のごみ焼却場の敷地内にあるグラウンドの地下水を調査したところ、基準値の320倍にのぼるダイオキシンが検出されたということです。 焼却場は東大阪市と大東市が共同で設立した施設組合が運営していて、建て替えのための ...

2010年8月6日金曜日

青木泰さんから緊急のお知らせ〜朝日オピニオン 田中勝氏「プラスチックごみはもっと燃やせ」批判(追記)

☆朝日新聞オピニオンー 天下の暴論「プラスチックごみはもっと燃やせ」ー批判 by 環境ジャーナリスト 青木泰氏

上記批判記事を書いた青木泰さんから緊急のお知らせが入りましたので、以下に掲載します:
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2010年8月6日 10:50:24:JST


皆様へ、緊急のお知らせです。

朝日新聞のオピニオンで中央環境審議会のリサイクル対策部会長の田中勝氏が、「プラスチックをもっと燃やせ」というとんでもない主張を行いました。詳細批判は、以下記事をご覧ください。

☆朝日新聞オピニオンー 天下の暴論「プラスチックごみはもっと燃やせ」ー批判 by 環境ジャーナリスト 青木泰氏

田中氏は廃棄物学会の元会長であり、国や東京都などの審議会の代表を務め、
その発言は、環境省や地方行政などに大きな影響を持っています。

今回は朝日新聞の主張ということではなく、1個人の意見ということですが、普通の「私の視点」の4倍近いA3全面を割いた。

記事構成で私のほうに連絡いただいた方も、朝日が「プラスチックをもっと燃やせ」と言い出したと解釈した人もいます。

このままほっておくとこの暴論が一人歩きしてゆきます。

そこで次の点を呼びかけます。

1)朝日新聞社に対し、「私の視点」「読者の声」等にご意見をお出しください。

2)朝日が取り上げるものはわずかだと思いますので、同じご意見をブログ「ごみ探偵団」の以下記事「コメント」欄に投稿してください。「ごみ探偵団」には皆さんのご意見をそのまま掲載いたします。

3)朝日新聞に要望書を提出に行きます。日時が決まりましたら改めてお知らせいたします。(準備に少し時間がかかります。)ご意見お寄せください。

要望(案):

(1)朝日新聞は、社説で横浜市のG30、ごみ分別ーリサイクルの取り組みとそのごみ減量によってごみ焼却炉を2つ減らした取り組みを評価してきた。今回の主張は180度それと転換しているが、社として考え方を変えたのか?
(2)田中氏の発言で、事実として間違っていることの訂正。
(2-1)ごみ発電を実施している大半は小規模
(2-2)ごみ発電は、再生可能エネルギー
(3)田中氏の意見は、リサイクルを止め、すべて燃やしてしまえということだが、これまで全国で分別リサイクルーごみの減量化を行ってきた活動について、どう考えるか?その意見はどのように紙面上保障するのか?
(4)田中氏は中央環境審議会の部会長であり、環境審議会で現在討議中のプラスチックごみ全量リサイクルに影響を与えるが、その点をどう考えるか?

以上よろしくお願いいたします。

当日のオピニオンの記事は、「ごみ探偵団」のブログ(http://gomitanteidan.blogspot.com/2010/08/by.html)から見ることができます。

青木泰
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参考資料:

朝日新聞平成22年7月24日付け15面【オピニオン 異議あり】
「プラスチックごみは、もっと燃やせ」リサイクルするより燃料として発電に利用する方が効果的(サステイナビリティ研究所長 田中勝)
田中勝氏プロフィール:

中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会「委員名簿」
http://www.env.go.jp/council/03haiki/meibo03.html
中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会:議事要旨資料・議事録一覧、小委員会
http://www.env.go.jp/council/03haiki/yoshi03.html
「ごみ排出量減少→ごみ発電も減少 景気低迷と分別徹底が要因」産経ニュース 2010.5.3
http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/100503/sty1005032259007-n1.htm


    2010年8月5日木曜日

    朝日新聞オピニオンー 天下の暴論「プラスチックごみはもっと燃やせ」ー批判 by 環境ジャーナリスト 青木泰氏


    7月24日付け朝日新聞【オピニオン 異議あり】に田中勝氏へのインタビュー記事「プラスチックごみは、もっと燃やせ」が出ました。

    この記事に対する批判文書が、青木泰さんから先程届きましたので、以下に掲載します。青木さんに、感謝。
    ーーーーーー
    2010年7月24日 朝日新聞オピニオンー
    天下の暴論「プラスチックごみはもっと燃やせ」ー批判
    環境ジャーナリスト 青木泰
    1)はじめに

    表題の「プラスチックごみはもっと燃やせ」と題するインタビュー記事が、朝日新聞の2010年7月24日()のオピニオンー異議ありーに掲載され、中央環境審議会の田中勝廃棄物・リサイクル部会長の主張が紹介されている。

    ブラックユーモア的な斜めに構えた内容かと思ったが、冗談の欠片も無い間違った「正論」だった。通常オピニオンの一つである「私の視点」の4~5倍の紙面を提供した破格の取り扱いを考えた時、朝日新聞社自身が、自らの主張を田中氏のインタビューと言う体裁をとって掲載したと言えるのではないか。田中勝氏は、業界や行政とともに、日本の焼却主義を学界から強力に推進してきた中心人物であり、メディアの側からそれをチェックする側に立っていた杉本裕明記者が、インタビュアーとして登城し、後押しする形を取っている。

    朝日新聞は、数年前、ごみ減量化に取り組み、焼却炉を7つから5つに減らした横浜市の取り組みを社説で評価した唯一の新聞社である。いつからごみ焼却ごみ発電を評価することを新聞社として決めたのであろう?

    内容は、地球温暖化の時代に、世界の多くの民と一緒に進む夢を示すのでなく、日本が世界の孤児となってしまった焼却主義をごみ発電と形を変えて、主張している。

    この数日前、水銀事故で東京23区の焼却炉が5基も止まった事故が報道された。朝日新聞は、これを他に先駆けて入手しながら、7月21日べた記事で報道した。東京新聞は、その翌日22日、1面トップ記事で報道した。水俣を持ち出すまでもなく、水銀問題は、日本の公害の原点ともいえる問題であり、一周遅れでも東京新聞がトップ記事で取り扱った編集センスは、特筆される。

    時あたかも日本中が龍馬ブームで沸き立っている。環境問題にとって、地球温暖化問題は、黒船の来襲と同じであり、ほぼ鎖国状態でごみ焼却主義を謳歌してきた日本の現状に時代のメスが入ろうとしている。ごみ焼却を今後も維持せんとする体制維持派が推進してきたごみ発電は、温暖化促進策でしかなく、今年の仕分け事業で仕分けされるのは、必死である。
    田中勝氏は、ごみ焼却の幕藩体制を進めてきた当事者として、必死にそれを守る主張をピエロのごとく行っている。それにしてもなぜ朝日新聞がそれに付き合うのか?

    7月26日()、朝日新聞に電話して、朝日がごみ焼却とごみ発電を社是としないのなら、同量の反論を掲載させるのは筋である。そのように要望を出した。この小論をお読みになった皆様も朝日に要望を出していただきたい。(朝日新聞0335450131)
    2)「プラスチックごみは、もっと燃やせ」と言う田中勝氏の主張内容

    このインタビュー記事の概略をたどると以下のようになる。

    Q(杉本記者):リサイクルが進んでいるのに燃やすのか?
    A(田中勝氏):燃やせと言うのは「燃料、エネルギーとして利用しろ」と言う意味。燃やして得られる蒸気でタービンを回して発電し、エネルギー回収する。
    Q:燃やせばCO2がでる温暖化の取り組みに逆行しないか?
    A:プラスチックは、一度商品として利用した後に、廃棄されたものであり、もう一度燃料として利用すると考え、・・・これからは発電でエネルギー回収する(のが良い)
    またごみ焼却による2酸化炭素の排出量は、全体で2%でしかない。
    Q:燃やすと有害なダイオキシンも発生する?
    A:心配ない。基準は、妊娠している女性に配慮し、次世代へ、影響が無いように定めた。
    Q:リサイクルすれば資源の節約にならないか?
    A:(リサイクルして)エネルギーや資源の保全に役立っているかは疑問。
    Q:リサイクルと焼却発電のどちらが良いか調べる方法は?
    A:私が、岡山県の自治体のデータで比較したら、焼却のほうが2割高かった。プラスチックリサイクル協会の計算では、リサイクルのほうが2割安い。
    Q:欧米でもプラスチックは、燃やしている?
    A:プラスチックも含め、ごみは有力な再生可能エネルギー。
    Q:日本のごみ発電の現状は?
    A:欧米に比べ日本は焼却施設が多く、自治体の施設は約1200。発電している施設は、約300。大半が小さな規模なので、発電して電気として利用できるエネルギーの比率は、11%に過ぎない。・・・
    A:新しく焼却施設を作る時には出来る限り集約し,超広域的な廃棄物処理を基本として、施設を大きくして、家庭ごみと一緒にプラスチックごみを集めればいい。ごみ発電を再生可能エネルギーの有力な担い手と位置づけるべきです。

    3)杉本裕明記者のまとめと感想
    <プラごみと焼却>
    従来埋め立てられていたプラごみが、埋め立て処分場の容量の限界、高温で燃やせる焼却炉への切り替えの中で、「可燃ごみ」への転換が進んできた。一方容器包装リサイクルによって年間80万トンがリサイクルされている。同じプラスチックごみなのに、燃やしたり、埋め立てたり、リサイクルしたりと自治体で判断がまちまちで、国も判断基準を示さない事から、市民の誤解や混乱を生じている。 
    <取材を終えて>
    環境省は高効率の発電の焼却施設の整備を自治体に推奨する一方で、バケツなど容器包装以外のプラスチック製品にまで、広げた世界に例の無いリサイクルをしようともしている。つまり可燃ごみからプラスチックごみを無くしてゆくことになり、ごみは燃えにくくなり、発電どころではなくなる。効率とコストにこだわった田中さんの指摘は、一貫性の無い環境省の姿勢より、よほど明快に感じられる。

    4)  田中勝氏の主張と杉本裕明記者のまとめーその問題

    ここでの田中勝氏の結論は、要約的にまとめると、
    (1)プラスチックごみは、リサイクルせず市町村(や県レベルで作る産廃施設と併設した)のごみの焼却施設で、発電使用して燃やすのが良い。プラスチックは可燃ごみに混入させ、(生ごみ等と一緒に)燃やすのが良い。()内は筆者が補填。
    (2) 焼却施設が小規模で効率が悪ければ、超広域的な廃棄物処理を行う大きなごみ発電施設を作って処理すればよい。
    (3)ごみ発電は再生可能エネルギーとして、位置づけて進めるのが良い、
    と言うものです。
    <欠落している住民・市民サイドの視点>
    この見解は、プラスチックごみまで燃やされるごみ焼却施設の周辺の住民のことが、すっぽり抜け落ちている。 またこの数十年日本全国で行政と市民の協力の下に進められてきた分別・リサイクルによるごみの減量化の取り組み実績を踏まえ、それを発展させるという視点も欠落し、超広域的な超巨大な焼却施設を建設して、ごみ処理は進めろという主張になっている。

    田中勝氏は、プラスチックを燃やしてもダイオキシン規制で、厳しい基準を設けていると言っているが、先日東京で問題になった水銀などの重金属は、排ガス規制がなく、ダイオキシンも規制はしたものの、基準を超えるデータが出ると隠したり、実際の運用面での問題が絶えない。実態は安全に燃やされているとはほど遠い。
    <国の法や基本方針も無視>
    国では、循環型社会推進基本法で、3RーーREDUCE(排出抑制)、REUSE(再使用)、RECYCLE(再生利用)ーーを基本に進めることを定め、なおかつ環境大臣の基本方針では、廃プラスチックの取り扱いについては、「まず発生抑制を、次に容器包装リサイクル法等により広がりつつある再生利用を推進し・・・それでもなお残った物については、一定以上の熱回収率を確保しつつ熱回収(ごみ発電)を行う」ことが謳われている。

    つまり国の法令や基本方針では、まずリサイクルを優先して進めることになっているのに、その点を飛び越した今回の田中勝氏のプラスチック焼却を優先する主張である。

    ちなみに環境大臣の基本方針を作成するに当たって、環境大臣の答申を受けて中央環境審議会が開催され、長い答申論議の上に廃プラの処理については、まず排出抑制、次に再生利用を行い「それでもなお残ったものについては熱回収(ごみ発電)」と言う順序立てが示され、「一定以上の熱回収率」と言う点も言葉にして、安易に燃やす方向に行かないように歯止めが掛けられた。その点は、審議会の中でも確認された。

    その結果容器包装リサイクルへの自治体の取り組みが、停滞から脱却し、大きく広まった経過がある。

    今回の田中勝氏の主張は、法や基本方針を無視する暴論である。

    ちなみに環境大臣の基本方針を定めるに当たって、その基本方針の原案(意見具申)を提出した際中央環境審議会の部会長は、田中氏であった自分が責任者となって提出した意見具申すら無視しろと言うのが今回の田中氏の主張である
    また地球環境問題を考えても、CO2を増大させる廃プラ焼却を薦め、「コンクリートから人」の時代に、超広域のごみ処理施設建設を主張するのは、たとえて言うと石炭から石油時代に転換する時に、安価で効率よく出来る石炭の採掘法を提案し、石炭社会の復興を主張するようなアナクロニズム的暴論である。

    5)ごみ発電は、地球温暖化を促進させる。

    ごみ発電は、最高発電効率の「25%でも地球温暖化を促進させる」月刊廃棄物の編集委員を務める循環資源研究所の村田徳治所長の見解である。

    焼却炉でプラスチックごみを燃やすと、その燃やした重量の2.68倍のCO2が排出される。一方市町村のごみ発電の効率は、全国平均でも11%くらいである。

    火力発電所での平均発電効率は、約40%と言われており、なぜごみ発電が低い効率なのかは、生ごみ等と混在させて燃やすからである。

    ごみの資源化率が進んだ市町村の可燃ごみの中の生ごみは、混入比60%にもなる。生ごみは約90%が水であり、ごみ焼却炉は、可燃ごみの約半分近い燃やしている事になる。100で蒸発する。常温から100までは、1℃温度が上がるのに1キロカロリーしか使わないが、1リットル当たり)蒸発する時には、539キロカロリーもの奪う

    このような市町村のごみの焼却炉に熱カロリーの高いプラスチックを投入しても、約半分ある蒸発エネルギーを奪われ非効率極まりなくなる

    したがって全国平均でも11%の熱効率である。25%の最高効率を達成してもCO2を促進させるのに、10%そこそこでは、CO2の増大装置でしかない。
    <「大半が小さい」は間違い> 
    田中氏は、「自治体の施設は約1200、発電している施設は、約300。大半が小さな規模なので、発電して電気として利用できるエネルギーの比率は、11%に過ぎない。」と述べている。

    「大半が小さい規模」と言うのは事実として間違っている。

    廃棄物学会の学術研究委員会がまとめた資料(注1)では、2006年度のデータとして日本には、自治体に1374箇所の焼却施設があり、ごみ発電を行っているところは、その内数は20%の281箇所でしかないが、焼却量の割合では、約60%が設置している。また田中勝氏責任編集した「ごみハンドブック」(注2)では、「最近設置している一日300トン以上の施設には、・・・・発電を設置している」と記載している。
     つまりごみ発電を設置している焼却施設は、巨大規模のところが多いのである。巨大規模のところでは、すでにごみ発電実施されているのに、発電効率11%ぐらいでしかないごみ発電はそれだけ見込みがないのである。田中氏は「大半が小さい規模」と言う事で、その事実隠している

    また「大半が小さい」と言う事で、まだ大規模の焼却施設が手付かずで残っていたり、小規模の施設の大規模への統合が可能なような発言となっているが、それらも事実ではない


    設置してない焼却施設は、1093箇所あり、焼却量で言うと約40%でしかない。こうした現状で、日本のごみ焼却施設にごみ発電を設置してゆくとなれば、これまで設置していない小規模千以上のごみ焼却施設に発電施設を設けてゆく事になる。

    小規模の焼却施設では、発電効率を高めたごみ発電を行うためには、巨額の投資が必要になり、コスト対効率を考えた時、考えられるCO2抑制策は、ごみ発電とはならない。また最高効率のごみ発電でも、CO2促進にしかならないのに、何のために超巨大施設への統合を図る必要があるのか。
     
    環境省のごみ発電への交付金支給は、仕分け対象に>
    環境省は、ごみ発電を設置するごみ焼却施設には、08年度まで交付金を建設費の1/3支給するとしていたが(補助金支給の時代には1/4支給)、09年度にはそれを23%以上高効率のごみ発電と条件をつけ/まで交付金やした。

    ところが「高効率」の中味は適当で、処理施設の規模に応じて効率を求めると言うものであり、23%高効率求められるのは、日量1000(千)トン規模であり、日量100(百)トン規模のものでは、12%でもよいと言う事だった。


    つまりごみ発電は、地方自治体にとって、お金が掛かるだけで、しかもCO2減らす事出来ないため、魅力がないのだ。

    ごみ発電を実施して発電効率を上げようとすれば、カロリーの高いプラスチックごみをどんどん燃やす事になり、CO2の排出量が多くなる。温暖化対策法でCO2の抑制は、自治体にとっても遵守義務があり、環境省の話に乗って、ごみ発電を進めることは出来ない。

    環境省が交付金を嵩上げし、地方の小規模な焼却施設にまで、ごみ発電を誘導しようとするのはなぜなのか?環境省が本来考えるべきなのは、循環型社会推進形成法に基づく3R基本方向である。

    いい加減ごみの焼却主義から離れた発想とその実現化を考えるべきであろう。CO2を促進させるごみ発電への交付金は、今年度も一部仕分け対象となったが、来年度予算では、全面削除すべきであろう。


    日本のごみ行政に公平で客観的な見解を審議する事が求められえる中央環境審議会中心部会であるリサイクル対策部会の会長田中勝氏の発言は、事実違え、法基本方針無視した大胆発言である。審議会会長の席をかけての信念の発言だったのかそれとも環境省官僚たちの意を組んだ御用発言だったのか。はっきりさせるべきだ。

    社会の公器新聞のオピニオンに、この暴論への反論の掲載を願いしたい。

    6)杉本記者の現状分析の間違い

    杉本裕明記者は、ごみ環境問題を継続して取材し、いくつかの関連著作も著している新聞界の中では、ごみ問題に最も通じている記者の一人である。もちろん数々の現場も踏み、市民集会などでも見かける事が多い。

    焼却炉談合問題に絡んで、東京都の局長クラスの幹部職員(18名)東京二十三区清掃組合幹部職員(11名)が、巨大焼却炉メーカ天下っていたことを報道したことでも有名である。

    ところが今回杉本記者が示した現状分析は、評論家的見方でしかなく、結果的に田中勝氏の指摘プラスチックは、市町村の焼却炉で、生ごみなどと一緒に燃やしてしまえーを「明快」と評価する間違いを犯している。

    以下2点に絞って問題指摘する。

    <行政の焼却主義を押し戻してきたのは、市民と世界の世論の力>
    杉本氏は、「環境省は高効率の発電の焼却施設の整備を自治体に推奨する一方で、バケツなど容器包装以外のプラスチック製品にまで、広げた世界に例の無いリサイクルをしようともしている。」

    環境省は、ごみ発電にかこつけて燃やそうとしているのか?それともプラスチックの全量リサイクルを選択しようとしているのか?曖昧である。田中氏の方は、すべて燃やせと言っているのだから明快だという。

    しかし環境省が、相反する2つの方針を現在進めようとしている背景、理由への基本考察が抜けている。

    環境省の今回の推奨方針の一つであるごみ発電は、これまで環境省が補助金や交付金で後押ししてきたごみ焼却炉の建設を今後も維持したいと言う考えがあり、ごみ発電を効率よく行うためには、プラスチックごみは燃やせとなる。

    一方プラスチックを全量リサイクルしようと言う動きの背景には、これまでのごみ焼却主義に対して、分別リサイクルによってごみの資源化を増やし、ごみを減らし、ごみの処理による環境や健康への影響を排除したいと言う多くの住民や市民が取り組んできた活動がある。

    その住民・市民側の活動に、地球温暖化問題は大きな後押しとなり、循環型社会推進基本法や個別リサイクル法やそして基本方針が作られ、ごみ焼却炉の建設推進を図ってきた環境省の方針を押し戻してきた経過がある。

    環境省が、プラスチックごみについて、相矛盾する2つの方針を並列に力を入れて進めざるを得なくなったのは、この10年くらいの住民・市民サイドの力があったからである。

    プラスチックごみを燃やす(その上でごみ発電でエネルギー回収する)と言う環境省がこれまで力を入れてきた方針が、以下の点で行き詰まり、

    * ごみ発電は、CO2抑制にはならないという事実と、再生可能エネルギーでもなんでもないという事実。
    * 昨年の政権交代により、仕分け事業が始まり、ごみ発電が仕分け対象になり外される事が見えてきたいま、プラスチックの全量リサイクルの検討が中央環境審議会でも始まったのである。

    したがって環境省が2つの相反する方針を持っていると言うのは、住民・市民サイドから言うと傍観者的な言い方でしかないごみ焼却ごみ発電を軸として進めてきた環境省の方針を、プラスチックの全量リサイクルに変えつつあるというのが、事実である。

    <可燃ごみが燃えなければ、燃えない理由を除去すればよい>
    2つの相反する環境省の方針に対して、杉本記者は全量リサイクルに回り、市町村のごみ焼却炉の可燃ごみの中からプラスチックごみが取り除かれれば、ごみは燃えにくくなり発電どころではないと書いている。環境省が発電を薦めながら、全量リサイクルする事の矛盾を指摘したものだが、プラスチックのリサイクルが徹底して進んだ自治体では、生ごみや剪定枝の量が可燃ごみの60%以上となり、水分量が増えてくる。


    そうなれば当然、生ごみを燃やす事を見直す事が必要となる水分が多く燃えにくい可燃ごみを燃やすためにプラスチックごみを燃やす事が必要と言うのは、まったく本末転倒した考えである。

    ちなみの私が所属しているNPO法人ごみ問題5市連絡会では、約10年前に、次の市民戦略を立てた。
    * まず市町村のごみの焼却炉でプラスチックごみを燃やす事に反対し
    * 容器包装リサイクル法に基づくリサイクルに取り組む事を議会決定し、
    * ごみの減量化に取り組み、
    * その結果、可燃ごみ中の生ごみの混入割合が増え、焼却炉で水を燃やしているような無駄な事態をはっきりさせ、
    * 生ごみの全量資源化えさ化や堆肥化に取り組む

    今、最終段階の生ごみの資源化の段階にある。

    注1)「地球温暖化防止における都市ごみサーマルリサイクルの役割の現状と報告」
    注2)「ごみハンドブック」丸善株式会社

    ーーーーーーーー
    参考資料:

    朝日新聞平成22年7月24日付け15面【オピニオン 異議あり】
    「プラスチックごみは、もっと燃やせ」リサイクルするより燃料として発電に利用する方が効果的(サステイナビリティ研究所長 田中勝)
    田中勝氏プロフィール:

    中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会「委員名簿」
    http://www.env.go.jp/council/03haiki/meibo03.html
    中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会:議事要旨資料・議事録一覧、小委員会
    http://www.env.go.jp/council/03haiki/yoshi03.html

    「ごみ排出量減少→ごみ発電も減少 景気低迷と分別徹底が要因」産経ニュース 2010.5.3




    2010年8月2日月曜日

    7/28「水銀汚染ー清掃工場問題第1弾」(追記)by 青木泰氏〜読者とのQ&A



    7/28「水銀汚染ー清掃工場問題第1弾」に関して、本日青木泰さんから、以下追記、読者とのQ&A、が入りましたので掲載します:

    ーーーーーーーーーー

    皆様へ

    東京23区の水銀問題について、私の報告「水銀汚染ー清掃工場問題第1弾」をご覧になった方から3点の質問をもらいました。

    以下のように答えました。参考にしていただければと考えます。

    お世話様です。
    下記ご質問にお答えいたします。

    いろいろ情報ありがとうございます。
    この問題についておしえてほしいことがあります。
    1)東京23区が自主基準値を決めた理由
    2)23区の焼却炉すべてに自動測定の装置がついているか
    3)焼却ストップした炉の性能 

    1)東京23区が自主基準値を決めた理由
    灰溶融を専門に行う中防施設で、高濃度の水銀が4~5年前、キャッチされ、自主基準値を決め、それを全清掃工場に適用したと聞いています。
    重金属の排ガス規制は、国で行っていないため、私たちも何度か環境省に要請してきましたが、これまで重金属の排ガス規制を行わない理由として以下の説明をしてきました。
    (1)もともとごみ焼却施設では、重金属の元になるものを燃やしていない
    (2)たとえ混入していてもバグフィルター等で除去できる
    というものでした。
    これに対して、
    焼却灰、排水には重金属規制を行っているのに(1)の説明はおかしい
    ダイオキシンはバグフィルター等で取れるという建前を持ちながら、本当に取れているかを調べるために、排ガスの調査を義務付けている。重金属は、建前論で調査しないというのはおかしいというやり取りをしてきました。
    そして環境省が排ガス規制を行わないとする根拠文献を示せと求めてきましたが、4~5年かかっって出してきたのが、4文献で、その中心をなす文献が、「一般廃棄物焼却炉のダイオキシン類対策に伴う重金属の排出抑制効果に関する研究」(国立環境研究所 貴田晶子、酒井伸一ほか)の論文です。
    しかしこれは、2施設で、ダイオキシン対策での改造が、重金属類での除去率を向上させたというもので、結論はこの実験からすると日本のごみ焼却による重金属の排出量は、ごみ発生量5000万トン/75%が焼却され、良好な排ガス処理を経た場合Hg,Sn,Zn,Pb,Crが、1トン~6トンその他の金属は1トン/見積もられた」としています。
    「良好な排ガス規制を経た場合」というのが、曲者です。
    ダイオキシンは「良好な排ガス規制」が行われているかの調査を毎年1度以上行っているのに、環境省は、この論文(他3ーしかし他の文献は、当て馬的なもの)で重金属の排ガス規制は行わなくてよいという根拠にしていたのです。まったくひどい話です。たった1件の実験。そこから日本全国の焼却施設で「良好な排ガス規制」が行われているという調査や研究は何も行われていないのに、貴田さんや酒井さんは、自分たちの論文がこのように使われていると知ったらきっと後悔に駆られていたに違いありません。ちなみにこの研究は、厚生科学研究費補助による財団法人廃棄物研究財団の研究の1部として行われたものです。
    上述した環境省一般廃棄物の中には、重金属の元になる物は燃やされていない、という建前上今回も「事業系の不法な投入によるものと」発表したのでしょう
    環境省の見解からすると一般廃棄物の焼却施設には、重金属の元になるものは燃やされていないのだから、水銀の高濃度の排ガスが出てくれば、「不法投棄」にするしかないのです。
    事実から出発させて、原因を突き止めてゆくのでなく、自分たちが勝手に作った規範を守るために原因追求を遅らせるというのは、水俣やエイズで繰り返された行政対応出なかったでしょうか?

    2)23区の焼却炉すべてに自動測定の装置がついているか。
    上述したようにすべて設置していると聞いています。裏は取っていません。

    3)焼却ストップした炉の性能  
    光が丘清掃工場....三菱重工マルチン式 150トン×/
    板橋清掃工場....住友重機(WE式)300トン×/日 交流アーク式灰溶融炉
    足立清掃工場....荏原HPPC型 350トン×/日 プラズマ式トーチ灰溶融炉
    千歳清掃工場....川崎重工流動庄式 150トン×/日 プラズマ式トーチ灰溶融炉

    東京23区の焼却施設には、現在21の清掃工場がありますが、灰溶融炉を併設しているところが、6箇所ありますが、(上述のほか、多摩川、品川、葛飾)6っ箇所のうち3箇所が今回該当しています。灰溶融を行っているところでは、千数百度での溶融を行っているため、重金属の気化が、考えられるため、ある意味では予測の事態です。

    よろしくお願いします。

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