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2011年11月30日水曜日

わたしがごみ問題に首を突っ込むようになったのは

 ジェリコ 吉田紀子 
なつかしの「つなみさん」が知り合ってすぐにまとめてくれたもの。
わたしがごみ問題に首を突っ込むようになった理由。当事も今も気持ちは同じ。
⇨原発震災廃棄物・広域処理問題: 震災以前からゴミ問題に取り組んでいる人に話を聞いた 

資料:震災がれきの可燃、不燃割合(発生量、性状)

1。
出典:
[PDF] 
東日本大震災からの復興に係る 公園緑地整備の基本的考え方 中間 ...
ファイルタイプ: PDF/Adobe Acrobat - クイック ビュー
2011年10月6日 – 5. Ⅱ 東日本大震災における災害廃棄物の概要. 1 災害廃棄物の発生量及び搬入状況. (1)「沿岸市町村の災害廃棄物処理の進捗状況」(平成 23 年 10 月 4 日現在 環境省) による. と、岩手、宮城、福島 3 県の災害廃棄物推計量は合計約 ...

7P 
宮城県:可燃ごみ29.4% 不燃ごみ70.6%
粗大・混合ごみ46%、木くず28%、コンクリートがら20%、その他
8P
岩手県:不燃系混合物26%、可燃系混合物24%、コンクリートがら21%、金属くず15%、柱材・角材12%

2。出典:
[PDF] 
今後における海岸防災林の再生について 中間報告骨子案 参考資料
ファイルタイプ: PDF/Adobe Acrobat - クイック ビュー
2011年5月10日 – ため、アスベスト、PCB等各種有害物質の. 発生が懸念. 岩手県. 宮城県. 福島県. 3県合計. 災害廃棄物の量. 600万トン 1600万トン ... 被災 県 がれき発生量. 全. 般廃棄物. 木片については、他の廃棄物との化学反応. 等によりメタンや硫化水素が発生する恐れ. (結果として、黒色の水が ... 廃棄物に該当するか否か(=有価物)は、その物の性状、 通常の取扱い形態、取引価値の有無及び占有者の. 意志等を総合的に ...

29P 岩手、宮城、福島
岩手県  宮城県   福島県   3県合計 
災害廃棄物の量    600万トン 1600万トン 290万トン 2490万トン 
うちコンクリートくず 320万トン 890万トン 160万トン 1370万トン 
130万㎥  360万㎥   60万㎥   550万㎥

31p ○ 今回の震災で発生したガレキのうち約6割を占めるコンクリートくずをはじめ、 

3。
出典:シンポジウム「東日本大震災の災害廃棄物の処理処分」
廃棄物資源循環学会埋立処理処分研究部会
東日本大震災で発生した廃棄物
北海道大学大学院高額研究員

16p 岩手県の災害廃棄物発生量と性状(円グラフ)

「福本さんとは?」の知人からの問合せに返事

知人から福本勤さんとはどういう方ですか?教えてくださいとメールが来ました。以下は、その返事です:
ーーーーーーーーーーー
件名: 福本さんとは
差出人: 吉田紀子
日時: 20111126 15:06:57:JST

お返事ありがとうございます。

福本勤先生(環境保全工学研究所代表。京都大学 工学博士、中国・清華大学 客員教授)は、青木泰さんを通して知りました。たしか、2010年3月頃、青木さんが廃棄物資源循環学会の会合で福本先生の質問を聞かれ、自己紹介をされたと。そのことを当日の池袋の勉強会で聞きました。その後、青木さんに頼まれ、福本さんにメールで問合せをしたことがあり、先生のホームページを知りました。お願いして「ごみ探偵団」で紹介させて頂きました。福本さんがダイオキシン問題後の法改正を含む学者と国のずさんさ、酷さについて具体的に書かれ、声を上げて来た人だと感じたのです。

20111125 福本勤先生へのお願いメール:「震災がれき広域処理はばかげてる」「先生、そのこと書いて下さい」

件名: 震災がれき東京含む広域処理反対についてのお願い
差出人: 吉田紀子
日時: 20111125 12:22:45:JST
宛先: 福本勤

福本先生

昨日はありがとうございました。先生のお考えを電話で直接お聞ききすることができてありがたかたったです。

私は、岩手県と宮城県の震災がれきの広域処理に反対しています。

福本先生も、「震災がれきをわざわざ遠くに運んで処理する必要はない。東京に運んだり、神戸に運んで処理する必要はない。現地で処理する方がよい」とおもってらっしゃるとわかり、ぜひそのご意見を書いて頂きたく、何卒よろしくお願いいたします。

東京都は、国の意向の旗ふり役となり、既に10月下旬に岩手県宮古と引受協定を結び、11月初めに1000トンを運んで来て焼却含み処理して埋め立てを開始してしまいました。昨日は宮城県女川のがれきを引き受ける協定にも合意しことが報道され、女川からのがれきは東京23区と26市の地方自治体の焼却炉で処理される予定です。

東京都、23区、一組関係者の引受の口実は被災地のためにです。でも実態は異なるようで、金のためだと考えられます。震災がれきの処理費用は国が賄うのでとりっぱぐれがない。また国の事業なので利益率が高い。

さらに問題なのは、岩手と宮城のがれきの放射能汚染レベルは東京に比べて低いので、運んで来て処理しても全く問題ないとの国や行政の説明及び資料が、広域処理の根拠として使われています。

国は、震災後、4月頃に全国の地方自治体に震災瓦礫の受け入れを打診、引受可能な処理能力を聞きました。その後放射能汚染問題が明らかになり、引受を断る自治体が多数になリ、広域処理の動きが止まっていました。それが8月頃から国の要請が復活し、再度の引受依頼活動を行ってきました。そのために、岩手と宮城のがれきの放射能汚染レベルを調べ、資料を作成しましたが、わずか2回、2日だけの恣意的なデータのまとめ方です。にもかかわらず、この2件の放射能汚染は問題にする必要はないの説明を意図的に使い、広めています。細野環境大臣、野田首相みずから全国での引受を訴え、それに関係者がのれるような図になっています。すでに東京は見事なモデル役を演じています。

放射能汚染レベルの低い2県のがれきは、汚染度が低いのであればなおさら現地処理が最善であると思われます。東京は既に高汚染地帯です。日々大量のセシウム焼却灰が下水汚泥とごみ処理焼却から産まれ、埋立てられています。震災がれきを東京で処理すればさらに汚染焼却灰の嵩を増やすだけであり、移動に伴う汚染の拡散、処理施設近辺の汚染も増し、労働環境も悪化します。搬送費用、放射能測定等の費用により岩手県の瓦礫処理のコストは阪神淡路の時の3倍と言われています。現地処理により、被災地にお金と人と技術が集まるような仕組みを作れば、放射能汚染の拡散は防げ、現地は潤い、いいこと尽くめと思われるのですが。

また、震災がれきを未だ放射能汚染に曝されていない西日本や北海道に運んで処理することは、放射能汚染の拡散を拡大に努めるのと同じで、ナンセンスとしか言いようがありません。今全国で震災がれきの広域処理反対を訴えている一般の人々がいます。今迄ごみ問題とは無縁だった人たちが、放射能汚染の拡大を止めないと日本には住める所がなくなると感じてそれぞれの場所でできる形で反対の声を上げています。

以下が、関係情報です。何卒よろしくお願い申し上げます。

感謝 吉田紀子
ーーーーーーーーーーー

がれき処理受け入れ、全国知事に要請 野田首相
朝日新聞 - ‎Nov 21, 2011‎
野田佳彦首相は21日、首相官邸で全国都道府県知事会議に出席し、東日本大震災の被災地のがれき処理について「広域処理について一部の自治体からご協力いただいているが、安全性の確保に万全を期すので、さらなるご協力をお願いしたい」と述べ、全国の知事に受け入れを ...
http://www.asahi.com/politics/update/1121/TKY201111210684.html

災害ごみ受け入れ、府市長会に協力要請 山田知事 京都
MSN産経ニュース - ‎9 hours ago‎
東日本大震災で発生したがれきなどの災害ごみの処理問題で、山田啓二知事は24日、府市長会(会長、小田豊長岡京市長)に対し、安全基準確保などを条件とした受け入れへの協力を求めた。 10月に実施した環境省の調査で、府内の複数の自治体や事務組合が、国の安全基準 ...

"23 宮城県女川町の災害廃棄物の受入処理について" 20111124 164057 | 東京23区のごみhttp://blog.goo.ne.jp/wa8823/e/fd79ff55f6ece178a653b7523ad6d7bb 千代田区広報/都環境局HP/23区一組HP/各区HP

"宮城・女川のがれき10万トン受け入れへ 東京都 《12月上旬から都内で住民説明会を実施し~》"  20111124 130126 | 東京23区のごみhttp://blog.goo.ne.jp/wa8823/e/5c52d3dbacd09f521ffc7494ccbce418 テレビ朝日/MSN産経ニュース/47NEWS/朝日/FNN/日刊スポーツ

女川町の災害廃棄物の処理、東京23区と多摩地区の焼却炉で受け入れの見通し
(2011-11-19 08:27:51 | 東京23区のごみ)
女川町の災害廃棄物の処理、東京23区と多...

【震災】岩手のがれき焼却灰 都内で埋め立て開始
(2011-11-08 17:10:45 | 東京23区のごみ)
写真はテレビ朝日「震災】岩手のがれき焼...

震災瓦礫の処理費用膨張 阪神大幅に上回る http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201111170069.html 阪神大震災の瓦礫処理費用総額約3246億円、処理単価約2万2千円/t。岩手県の場合、当初見通し総額3千億円、1t当たり阪神の3倍弱6万3千円。宮城県は総額7700億円、阪神の2倍超の約5万円/t

東京都と東電子会社が被災地がれきビジネスで焼け太り 税金から都1億円、東電140億円 /朝倉創 02:08 11/15 2011

メモ 震災瓦礫広域処理の別の事情:元産廃Gメン石渡正佳氏ブログ ① 20111108 震災ガレキ処理の行方http://i-method.info/details1056.html ② 20111115 Facebookコメント更新 http://i-method.info/index.html#label2

原理的に間違っている国の汚染瓦礫処理と私たちの提案  http://www.eritokyo.jp/independent/aoyama-fnp10177...html 

廃棄物資源循環学会 災害廃棄物対策・復興タスクチー  http://eprc.kyoto-u.ac.jp/saigai/report/files/IncinerationTestingReport%20of%20DisasterWaste110802.pdf 岩手のがれきの焼却試験レポート。47ページもある立派な報告書だが、試験回数は2日、排ガス採集は4時間だけ。どなたか専門家にこの資料の有効性についてお聞きしたいです。

【事務連絡】東日本大震災により生じた災害廃棄物の広域処理の促進について/環境省 
(2011-11-04 20:20:37 | 放射能・災害廃棄物)
写真は「東日本大震災により生じた災害廃棄...

環境省の再調査 岩手・宮城の災害廃棄物、受入撤回、受入ゼロ、受入拒否の市町村続出か?!
20111025 204001 | 放射能・災害廃棄物

2011年11月25日金曜日

11/18、11/25に福本勤先生からメールを受け取りました。

11/18、11/25に福本勤先生からメールを受け取りました。
放射能汚染がれき処理に関して、環境省有識者会議の委員や関係者宛に福本さんが書かれ、送ったものです。許可を得て「ごみ探偵団」に掲載しました。ご参考にして頂ければ幸いです。

20111124 福本勤先生からのメール、シリーズ報告 Cs等の放射性物質汚染可燃性廃棄物焼却排ガス...

20111118 福本勤先生からのメール、シリーズ報告(12) Cs化合物等はガス状では存在しない。...

内容は:
1。セシウム化合物等はガス状では存在しないとの仮説とその説明
2。焼却炉の運営の実態。
3。環境省資料批判
等です。

福本先生は焼却派です。が、焼却処理の運営実態を批判し、学会とメーカーと国の癒着による弊害を指摘してきています。私は、今のごみ処理の実態を聞きかじってしまったので、焼却反対派です。福本さんと昨日電話で話しました。「私は焼却反対派ですが、ごみ探偵団への掲載許可頂けますか?」と尋ねたら、「焼却反対でもいいのです。いろんな意見があることが大事なのです」、と。

以上、よろしくお願いいたします。
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関係記事:

20111124 福本勤先生からのメール、シリーズ報告 Cs等の放射性物質汚染可燃性廃棄物焼却排ガスの処理(13)、同(12)への質問への返事


福本勤先生からの11/24付けメールを先生の許可を得て掲載します。
福本先生に感謝。
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差出人: 福本勤
件名:  Cs等の放射性物質汚染可燃性廃棄物焼却排ガスの処理(13)、
同(12)への質問への返事

日時: 2011年11月24日 9:17:35:JST


テキスト形式で受信の方へ:以下の拙文をコピーしたWord(太字、大小字記載)を添付しています。前回送信のセシウム137Cs 。。。。12)」も、未受診の方用に、添付しています。

セシウム 137Cs等の放射性物質で汚染された可燃性廃棄物の焼却排ガスの処理について13

先便のセシウム 137Cs等の放射性物質で汚染された可燃性廃棄物の焼却排ガスの処理について12)― 137Cs化合物の凝縮、微粒子化等の基礎理論・原理・メカニズム・現実/ 汚染可燃性焼却排ガス中に137Cs化合物等はガス状では存在しない/しかし、年1日以外の毎日は焼却施設の所定運転不履行の為137Cs化合物含む微粒子含有排ガス排出➡連続記録監視装置の焼却施設付設不可欠―
に対する各位からのご質問への返事

 先便の拙文シリーズ(12)をお読み戴いた方々から電話やE-mailで、「基礎的なことから専門的、先端的なことまで素人にも分り易く 平易に書いていただき有り難う・・・・」、「いきなり専門家になったような気持ち・・・・」、「お陰様で、有識者(?)と 議論できるようになり 打ち勝つことができた(?)・・・・」等々の趣旨の些か予期していなかったお話しと共に、色々の質問を戴きました。 その中の、皆様に共通した質問や 微に入り細を穿った質問に対して 以下で お答えさせて戴きます。 先便で記載したことと重複せざるを得なかった点もありますが、悪しからず願い上げます。

1.この拙文シリーズ(2)(6)で、半極性結合semipolar bondや 半極性二重結合 semipolar double  bond (例えば Cl3Al←ClHAlの上、下にを挟んでCl、左にを挟んでCl。右のClの上下に、左右に)の結合論があることから、排ガス中のセシウム Cs が、 H ― O―H  半極性結合状態(137Cs134Csが水蒸気とが半極性結合して)、ガス状で、存在する可能性があるのではないかの旨を説明しました(これについては、どなたからも反論はありませんでした)。 
しかし、半極性結合論は有機化合物については適用できるもの、無機化合物については適用困難と思うに至りました。【この点 拙文シリーズ(12)の中で書こうと思いながら書き忘れました。
そこで、137Cs137Cs化合物はガス状で存在し得るのかについて、基礎から考え直すことにしした次第です。
2. 汚染可燃性廃棄物は、リサイクルしようとしますと、セシウム137Cs134Cs等が 行く先々、どこまでも付き纏う以上、リサイクルするのは望ましくなく、焼却して高効率発電( Thermal Recycle.  Heat  Recovery )するのが最も望ましいのですが、焼却反対。セシウム137Cs134Cs等放射性物質が焼却施設の煙突からガス状で放出されると主張する焼却反対の方々が相当数おられます(例えば、「プラスチックごみは燃やしてよいのか」の著者:青木 泰先生。反焼却市民の会代表 山本節子先生ら。日経BPECO JAPAN リポート(2011.7.11)の著者:井部正之ジャーナリスト。先便に添付した意見交換書の意見交換相手の満田正先生)。 そんなら、どうするか、という案は余り出てきません。       
果たしてガス状で放出されるのか について、実験による確認を環境省に3.11後の5月頃から提案してきていますが、環境省は未だに信頼性のあるチャンとした真面な実験に着手していません。後記のような、不備というか unsystematicというか チャンとしていないというか 信頼性に乏しいというか のような実験の結果に基づいて、後記の環境省有識者委員会で、長時間討議の末 国の方針が決められているでようすが、これで 果たして よいのか と思ったりしています。      致し方なく、先便の拙文シリーズ(12)項のような理論的、経験的考察を行なった次第です。 考察結果は、137Cs等や137Cs等の放射性化合物は燃焼排ガス中にガス状では存在しない、殆ど存在しない。念の為実験的確認は必要でした。 ガス状では存在しなければ、平成9~14年に全国的に改造されたままのダイオキシン類(DXNs)濃度が基準値未満になる一応完備した焼却施設で、 137Cs等汚染廃棄物を 適正に運転して焼却すれば、137Cs等やその化合物(放射性)が大気中に排出することは先ずは ありません。 
しかし、焼却施設使用者は 毎年1回1日のDXNs濃度測定日に限って、DXNsが出来るだけ生成しないように、補助燃料の灯油・A重油等を十分供給して完全燃焼(DXNs生成しない)を目指したり、燃やすとHClDXNsが生成し易い塩ビ等の供給・投入は極力回避するようにしたり、します。 毎年1回1日のDXNs濃度測定日以外の毎日は、運転経費節減等々の為に、活性炭、消石灰等薬品や灯油・A重油等の供給量を大なり小なり削減したり、破損フィルターの交換をしなかったり、廃棄物焼却排ガスを、バグフィルターを通さずにバイパスを通して煙突から放出していたり、等々の不適正/不法運転をしている場合が往々にしてあります(煙突出口の煙を見るだけではDXNs排出の有無は分らないので、斯かる不心得者が 相当数存在することになります)。 
しかし、環境省は そんな不心得者はいないとの性善説に立っている観があります。 89年前に開発実用化済みの「DXNs濃度簡易連続測定記録監視装置の焼却施設への設置」を環境省が義務付ければ、DXNs濃度が基準値未満になるように毎日運転される筈であることから、筆者は、その頃から、同義務付けを環境省に提言してきていますが、未だ義務付けられていません。筆者は、学会、雑誌、著書でも、また同装置を用いて実証試験をしたNEDO等の協力も得て、環境省に 同義務付けを再三提言しましたが、同省はDXNs問題は鎮静化している。寝た子を起こすようなことはしたくないと言って義務付けを未だにしていません。 
 毎年1回1日の全国測定結果(知事への報告結果)を環境省が集計した「全国廃棄物焼却施設からのダイオキシン類(DXNs)排出量」は大いに減っていると環境省は功績ありげに毎年発表しているものの、その毎年1回1日以外の毎日のDXNs排出量は、全国焼却施設の何割かの不適正運転の為に 日本全国の大気環境中のDXNs濃度は それほど減っていないという現実があります。              
即ち、環境省が、全国廃棄物焼却施設からの知事への報告結果を集計して、DXNs 排出量は 03 (09)年には97年の1/45(1/94)に減ったと発表しているものの、実際は1/8(1/17)程度か、それより少し小さい目にしか減っていません。 これは、環境省の全国調査地点755の大気中のDXNs平均濃度が03(09)年には97年の1/8(1/17)にしか減っていないことから明らかです。   【環境省(厚生省)によると 平成9年 全国DXNs排出総量の94%は 国廃棄物焼却施設から排出されています。】
1/45(1/94)1/8(1/17)の減少には、全国廃棄物焼却施設の数が、平成9年当時の数よりも 現在は大幅に減っていることも、貢献しています。 換言すれば、1/45(1/94)1/8(1/17)の減少には、 DXNs 削減技術の進歩と共に 焼却施設数の減少も貢献していることになります。
繰り返しになりますが、年1日以外の毎日は所定の運転を履行していない焼却施設の多くでは、排出濃度基準値以上のダイオキシン類(DXNs)検出下限値濃度以上の137Cs等の放射性化合物、を含む排ガスが煙突から放出されている恐れがあります。 そこで、四六時中適正に運転されているのかどうかを連続的に即時記録する監視装置(市販)の設置を、各焼却施設に義務付ければ、137Cs等化合物もDXNsも、現在のように、煙突から排出されることはなくなります※1)DXNs濃度が排出基準値未満であれば、除去がDXNsよりも容易な137Cs等化合物濃度も検出下限値未満になります(137Cs等については 排出基準値は法令で設けられていません) ※1)
※1)  137Cs等化合物はDXNsよりも除去が容易です。DXNs除去の場合は、DXNs吸着吸収微粒子とDXNsガスとを除去しなければなりませんが、137Cs等化合物除去の場合は、137Cs等化合物を含む微粒子だけを除去すればよいからです。しかし 若しも、137Cs等化合物がガス状で無視少以上に含まれていることが実験で確認されれば、Zeoliteなどによる その吸着除去も検討しなければならなくなります。DXNs濃度が基準値を超えれば焼却施設運手停止命令が下りますので、基準値を超えないように所定の運転が履行されます。DXNs濃度簡易連続監視測定記録装置」が焼却施設に設置さればDXNsは基準値未満に、 セシウム137Cs等放射性物質濃度は、検出濃度下限値以下になるのは間違いないと思います。
3. 3a.廃棄物焼却排ガス中に、ガス状のセシウムCsやセシウム化合物CsCl Cs2CsO2CsH CsOH Cs2SOCs2CO3等が、もしも無視できない程度以上に含まれていれば、バグフィルターだけでは、セシウムCsやセシウム化合物を十分除去出来ないことになります。従って、以前から、環境省災害廃棄物安全評価検討会委員ら、大地震災害・原発事故対応担当馬淵澄夫 首相補佐官、南川秀樹 環境事務次官らに、これを実験で確かめるように、助言,提言してきましたが、未だに真面なチャンとした実験が行われていません。
但し、環境省災害廃棄物安全評価検討会配布資料として「資料4、「資料6-3」、「資料9」があります。しかし、3者とも本来目的に合致した真面なチャンとした実験の結果報告書とは言い難い報告書になっています。 
3b.  資料6-3の報告書「一廃焼却施設の排ガス処理装置におけるCsSrの除去挙動」【報告書作成年月日不明。京大高岡昌輝教授。「採取日:2009年秋。採取場所:A自治体、 300t /day のストーカ炉」との不備記載あり。この報告書提出年(2011)2年前のCsSrに関するデータ採取の目的・理由不記載】に記載の1 Cs濃度結果によるとどうもスッキリしないのですが、0.014μg/Nm3のガス(筆者の計算によるとCs化合物固形微粒子を含む全 Cs& Cs化合物の0.13%。粒子状のCsの含有率は99.87%)が廃棄物焼却排ガス中に含まれていたようになっていますが、0.13%のガスの組成の記載がなく(Cs100%で間違いない?)、再現性、信頼性のあるデータなのかどうかは不明です。この点について、2011114日の廃棄物資源循環学会の意見交換会で高岡教授に質問したところ、後で調べて返事するとのことでした。未だ返事はありません。
資料9」の2の引用文献(廃棄物資源循環学会研究発表会議論文集(今井、塩田、高岡ら。 2010) )によると、焼却施設A、B、C、Dの場合、集塵効率は次のようになっています。【焼却施設使用者は、自治体でも、前述のような心疾しい施設使用をしているからでしょうか、焼却施設名をA、B、C、Dなどとすることを大学等外部実験者に求め、焼却施設名の公表を屡厳禁しています。】
A 200/24h2  バグフィルター+スクラバー+活性炭吸着塔+触媒脱硝塔 99.999%
  300/24h2(正しくは200/24h3?※2))  バグフィルター+スクラバー+触媒脱硝塔 99.977%
  350/24h2  バグフィルター+スクラバー+活性炭吸着塔+触媒脱硝塔 99.995%
  300/24h2 バグフィルター+スクラバー+触媒脱硝塔  99.981% ※2) 論文集の誤記か?。
先便に添付のWordの拙文のp.4/6p.5/6に添付の1において、バグフィルターの不織布(2)だけで、粒径が10nm(0.01ηm) 100nm(0.1ηm)の微粒子の集塵効率は99~99.99%程度になっており、この不織布に煤塵が堆積した堆積層と不織布を通る排ガス中の煤塵の集塵効率が99.981%99.999%になるのは、先便に添付のWordに記載の拙文3項のp.4/6p.5/6で説明したことからご理解いただけると思います。
排ガス中にガス状の137Cs等放射性物質・化合物が含まれていなければ、それ自体微粒子になっている(或いは他の微粒子に含まれている) 137Cs等放射性物質・化合物は、99.981% 99.999%程度 捕集されることになります。 排ガス中にガス状の137Cs等放射性物質・化合物が理論的には含まれないことを先便で説明しましたが、実験して確認することが望まれます。
また、「資料9」の2の引用文献(廃棄物資源循環学会研究発表会議論文集(今井、塩田、高岡ら。2010) )によると、0.42μm以下の微粒子が20%程度含まれており、このうち 0.1μm ~ 0.3μm 100nm300nm程度の微粒子にはブラウン拡散捕集機構も さえぎり・慣性捕集機構も 働きにくく、拙文シリーズ(12)1を用いて述べたように、バグフィルタ―織布・不織布だけであれば、捕集効率は50%程度になるのですが、堆積煤塵層での捕集によって 捕集効率は、大幅に上がって、全体で99.99%程度になるものと思われます。
更にまた、環境省災害廃棄物安全評価検討会配布資料としての「資料6-3」によると、排ガス中にCsのガスが0.13%(筆者計算値)含まれていたことになっていますが、このガスの組成はCsが果たして100%であったのかどうか、他のどんな場合も(何時も)0.13%になるのかどうか、0.13%よりもズーット大きくなるのか、小さくなるのか、無視小になるのか、case by case で大幅/小幅に異なるのか 等々については、第3回災害廃棄物安全評価検討会 (平成 23619では問題にされず、評価検討、討議の対象になっていません。     
しかし、これは重要な問題であるだけに、上記「ガス状Cs0.13%存在」に再現性があるのかどうか等々を、実験で確かめる必要があります。
3c. 環境省災害廃棄物安全評価検討会配布資料「資料4(2011810日。真面な報告書になっていない)によると、環境省は、次の焼却試験を実施しました。          
即ち、福島市のあらかわクリーンセンターの焼却施設(110t/d 2炉。バグフィルター。発電能力5,100kW。発電効率 16%。年間総発電量 1,321kWh[13,206MWh] )に、
(1)収集生活ごみ(10)を投入の焼却試験、
(2)収集生活ごみ8割と災害可燃性廃棄物2割との混合物を投入の焼却試験を行い、主灰中、飛灰中、バグフィルター通過排ガス中 の 134Cs137Cs等の測定を行いました。  その結果、主灰中の134Cs については、(1)の場合8500Bq/kg (2)の場合9800Bq/kg
主灰中の 137Cs については、(1)の場合 9400Bq/kg(2)の場合11000Bq/kg  
    飛灰中の 134Cs については、(1)の場合 37000Bq/kg(2)の場合 35000Bq/kg 
    飛灰中の 137Cs については、(1)の場合 41000Bq/kg(2)の場合 38000Bq/kg
    排ガス中の 134Cs137Csについては、(1)の場合も (2)の場合も 検出下限値未満でした。                                  
しかし、
  災害可燃性廃棄物だけについての焼却試験、
  災害可燃性廃棄物自体が含む134Cs137Cs 等の濃度の測定、
   バグフィルターに入る前の排ガス中の134Cs137Cs等の濃度の測定
等々の測定が行われていません。
従ってバグフィルター(あらかわクリーンセンターではバグフィルターのみ設置の 134Cs137Cs 等の捕集(除去)効率が分らず(環境省資料9によると京都市焼却施設のバグフィ ルター+スクラバー+活性炭吸着塔+触媒脱硝塔の場合で99.9%以上)、 134Cs、 137Cs 等の濃度が相当大きい災害可燃性廃棄物を専焼する場合、排ガス中の134Cs137Cs等の濃度が 検出下限値(0.025Bq/m30.045 Bq/m3)以下になるのかどうかを示す試験結果、 134Cs、 137Cs 等が生活環境中に排出されないことを示す試験結果になっていません。 
環境省は7.13  7.14に、上記焼却試験をしたのですが、折角試験をするのであれば、最重要の捕集効率のデータ(環境省主張の99.9%以上になるかどうかの確認データ)を採れるようにすればよいのに、採れる態勢作りさえしていません。あらかわクリーンセンターの焼却施設をそのまま使用してデータ採取をしようとする限り、態勢作りは無理です。昔から何時もの事ながら、環境省災害廃棄物安全評価検討会出席者名簿から伺える錚錚(そうそう)たる検討会委員がついていながら、どうしてこんな中途半端な試験をするのでしょう? 災害可燃性廃棄物の専焼炉、望ましくは高効率発電機付焼却施設を早急に設置して、チャンとした焼却試験を行うことが望まれます。
                                         
 9月29日の国会答弁で、細野豪志環境相が「福島県の焼却施設で、放射性物質を99.9%以上除去できる。実験でも確かめられている」と答弁していましたが、この答弁は事実に反しています。
 京都市の焼却施設A()の「バグフィルター+スクラバー+活性炭吸着塔+触媒脱硝塔」を備えた過剰重装備の焼却施設で、99.9以上とのデータ(環境省災害廃棄物安全評価検討会配布資料「資料9(201165)が得られているのであって、 福島県の焼却施設(その殆どがバグフィルターのみ付設)で 99.9%以上も除去できるかどうかは、不明です。 真面な実験の結果ではありません。                               
 しかし、汚染廃棄物の場合、汚染廃棄物中のセシウム137Cs等放射性物質濃度が 概して それほど高くありませんので(福島第一原発原子炉近傍でもない限り、余り高くならない)99.9%以上も除去されなくても、排ガス中のセシウム137Cs等放射性物質濃度は、検出濃度下限値以下になります。
     以 上
2011年11月24日      福 本  

()環境技術実践機構 理事                            
日本サステナ㈱取締役 環境保全工学研究所 代表          
   中国 清華大学  客員教授          
京大工博  福 本      
環境保全工学研究所 658-0001神戸市東灘区
森北町4-15-16 TEL078-411-9606                               
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