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2012年1月11日水曜日

20111216 満田正さんの「福島原子炉包囲網日誌」12/16〜99歳肥田医師の話

From  満田正
日付  2011年12月16日
Re: [tamakannet:113] 99歳 肥田医師の話

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別途メーリングリストで提供された肥田舜太郎さんの話し、面白そうですので、見ました。
放射線は小さな粒子と言うのは少し間違い。
本当はどうでもどうでよいのですが、光ぐらい小さな粒子とか、光と同じような性質のものとか、表現は難しい。
実は光だって、何かに当てないと見えないですね。
放射線、X線だって同じです。
放射性物質はセシュームのように放射線を出す原子であったり、その化合物であったり、明らかに、放射線とは区別されますが、時々、放射線はアルファー、ベーター、ガンマーを指す場合があり、アルファー、ベーターは、明らかに陽子とか電子とかの粒子ですので、強力で怖いやつです。
ただ、幸いにアルファー、ベーターは小さな粒子ですので、透過力が弱い。放射性物質から放射されても、遠い距離には飛べないし、紙とかの遮蔽でも充分止めれる。
セシュームは核分裂を起していても、原子として安定化するために、少しずつ質量を減らしながら、ガンマー線を放射し続ける。完全安定には時間がかかるけれども、半分程度を目安として半減期として1つの評価の基準とする。
従って、放射線の粒と言うのは間違いですね。
内部被爆というのは、放射性物質が塵となって飛散したときに、空気中に浮遊したり、動物の肌や、植物の葉っぱについたり、水に溶けたりして、放射性物質が食物や動物の体内に入り込み、放射線を出し続けることを指すわけです。人間の場合には、これらの動物や食物を食べることは勿論、呼吸もしますので、動物や植物と同じように、これら放射性物質を体内に取り込むことになります。
植物、動物、人間は皆同じように内部被爆するわけで、それぞれ放射線による障害を受けるわけです。
現在、遺伝子操作による新たな動植物の生成は、この放射線利用による場合もかなりあります。
勿論、ここで言う放射線とは現在問題にしているアルファー、ガンマー、ベーター以外のあらゆる放射線を含んでいます。
放射線による障害によっては死ほどの痛手を受けることもありますし、例えば、人間の鼻のように突然変異として出来たその突起物が自然に順応出来る手段であったりもします。
そのことが、植物や、動物、人間を現在の姿に変えてきたといっても過言ではありません。
ここで、広島の原爆とと福島の原発との比較において、放射線の強さが強いとか弱いとかの比較は間違いです。原爆の場合には、一挙に核分裂を起させるので、アルファー、ベーター、ガンマー以外にも中性子とかの放射線を放出します。ガンマー以外は、粒子と存在するもので大きな破壊力を持ちます。特に中性子線は粒子が小さいことでもあり、少々の障壁では止めれません。人間の体のように軟いものはスカスカに突き抜けます。ということは、辺りかまわず、破戒しまくるので、大変です。勿論、熱風と言われる光線の放出は、一挙に人間の身体をを含め全てを焼き尽くします。
逆に福島の原発はどうでしょう。原発も原爆の一種で核分裂には違いないので、原爆と同じような放射線が飛び交います。ただ、その量は制御されているので、飛び交う量は少ないです。勿論、原発は短くても40年は稼動しますので、その量は広島の原爆の数千倍(?)の放射能放出量になります。原爆で放射される中性子の量は強力制限されています。熱風は水を蒸気にするために利用されます。核分裂による生成物である放射性物質は放射性廃棄物として貯蔵され、廃棄されます。実はこの貯蔵も廃棄も難しいと言うのが現状です。
今回の水素爆発事故で、この放射性残渣(廃棄物)が吹っ飛んだのですから、福島原子炉では40年以上も貯めてきた放射性物質の一部が吹っ飛んだのですから、中途半端な量ではない。ただ、肥田さんが言うように中性子も熱線も制御されてきたわけで、それが大きく飛び散ったわけではない。確かに、放射性廃棄物から放出される放射線だけが気になる存在で、その主成分はヨウ素とセシューム、しかもヨウ素は8日間の半減期ですので、長くは存在できない。所謂、セシュームだけが問題になっているわけです。セシュームの核分裂反応はガンマー線の放出、弱い放射線の放出です。
ただ、福島原子炉はメルトダウン、核分裂反応が今も続いている。それを冷却装置でようやく反応を抑えている状態ですので、中性子、アルファー、ベーターの強力な放射線の発生を完全に封じ込めているわけではない。広島原爆並の核爆発が起こらない保証はない。
以上は、肥田さんの言葉尻を捉えているようで心苦しいのですが、私は気にするところです。
私は、外部被爆、内部被爆を問題にする前に、福島原発の持っている怖さを訴えたい。
そこで、おそらく、肥田さんはおそらく内部被爆の恐ろしさを強調されたいのだろう。
内部被爆による、人間の身体への影響。
私は、内部被爆は自然界全体において起きていること、霊長類の覇者として全ての動植物を摂取する人間への影響は限りない。そして、この問題を何処から解いていくのかが課題だと考えています。
肥田さんが、先ず仰る内部被爆はゼロでないと駄目だという通説は正しくない。
例えば、人間は無菌でないと駄目だと言うに等しい。
人間は大腸菌を含め、あらゆる菌によって支えられていて、それを害だから全部放逐したら良いと言う訳にはならない。自然界も同じで、害虫だから駆除せよと言うのでは自然界の摂理は成り立たない。
先ずは、自然放射能てやつはゼロから外さねばならない。
自然放射能は地質にも依るし、宇宙からの放射線量にも依るので、地域、季節によっても異なる。でも放射能だからこれを消せと言うのは無理な話である。現在の自然界の秩序はこの自然放射線量も1つの平衡要素として維持されているので、これ以上のものが加わるとこの平衡が崩れる。もっとも、敏感なと言うか細胞分裂の激しい人類には大きな影響を与えると言うのは正しい言い方のような気がする。人類以外の動植物だって、人間と同じく胚芽期が存在し、その時には放射線は自然放射線と言えども大きな影響を与える。突然変異の1つの要素でもある。人類はこの突然変異を利用しながら、現在の食文化を築いてきたことも事実である。
明らかに、肥田さんが言うように悩んでいるのは福島の原発であり、広島・長崎の原爆であり、今世紀になって異常に放出を繰り返すようになった、原爆・原発その他核分裂反応による放射線放出問題である。
我々は、必要以上の放射線負荷を背負うようになった。
この負荷はゼロであった方が良い。
でも、実は自然放射の負荷にも地域や季節変動があるようにどこまでのファジーな領域があるのかも知っておかねばならない。
このファジーな部分だから良いというのではない。
現在、残酷にも放射線負荷を撒き散らしてきた人類は、その負荷に耐えねばならない。これを最後として、。この負荷をゼロににしなければならない。そのスケジュール、タイムリミット、それは人類に課せられた大きな課題である。
これは緊急課題である。
そこで、少なくとも広島・長崎、チェルノブイリ・スリーマイルなど過去の経験はその限界地として繰り返すことの無いように換気しなければならない。それは肥田さんが言うように広島・長崎の悲劇は福島でも起きることだという認識と、それを防ぐにはどうしたら良いのか言うことである。
肥田さんは仰るように、被爆障害は一生のことだ。
そして、福島の現実は、ばら撒かれた放射性物質の存在する地域ならば、何処でも起きることである。
ここまで書いて、肥田さんの話しを最後まで読んだ。
すると、私の小難しい結論と肥田さんの結論が同じことが分った。
要するに、現在、世界中に核分裂が持ち込まれている。
これを廃棄しなければならないが、既に我々は全部放射線を浴びていることを覚悟しなければならない。
この状況から逃げては何も出来ない。
先ずは、この状況に勝ち抜くことだ。
勝ち抜くとは自分の中に放射線に耐える免疫力を高めることだ。
免疫力は、人間が自然界から得てきた力でもあるし、親子代々継承されてきたことだ。
それを放棄するような生活はいけない。
それを維持するための生活習慣は必要である。
そして、放射線に打ち勝つ力を維持した上で、放射線を振りまく原爆・原発と闘う英気を養わなければならない。
原爆・原発が人類を戦争を上回る死傷者を作り出し、作ってきた。
原爆・原発阻止は人類の彼岸である。
私もそう思う。
ただ1つ、原爆・原発・戦争は人類が作り出した貨幣社会・資本主義の申し子であることだ。
原爆・原発・戦争阻止は、必ず、この問題に突き当たる。
それでも、原爆・原発・戦争阻止が緊急の課題であることは迷うこともない。
満田
> 肥田舜太郎先生の講演。
>  http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-1234.html
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