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2011年8月30日火曜日

20110830 福本勤先生からのメール、森口祐一氏の8/27 メールに8/29、8/30 回答(2)

福本勤先生からのメールを先生の許可を得て掲載します。
内容は、(1)の森口祐一氏との質疑応答の続きです。福本氏に森口氏が8/27 回答を送り、それに対して福本氏が返事をしています。

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東京大学大学院工学系研究科
都市工学専攻都市資源管理研究室 教授
森口 祐一 先生       関係各位
 (先便の青字文 一寸修正)
森口先生のE-mailを拝受致しました。ご多忙のところ、誠に有り難うございます。返事を、先生の下のE-mailの各文の後に、ご指示通り 頭に●を付けて 青字で、記入させて戴いています。他の山積仕事処理に時間を取られて、パソコントラブルもあり、返事が少し遅くなりました。

福本先生 (以下黒字は森口先生の文章、青字は、●付き青字文は福本の文章)
メールソフトの相性が悪いためか青字にはなりません。また、他の部分も崩れがちですので、htmlメールではなく普通のテキストとし、引用部分は先頭に>などを挿入する、一般的な方法でお書きいただけると助かります。 

●「細字、太字、大きい字、小さい字、カラー字を加えた文章は、読みやすく、急ぐ時、パッと見るのに 好都合」と言って下さる方が多いので、そのようにさせていただいていますが、なるべくご指示に従うようにします。

全部にはお答えできませんが、是非誤解を解いておきたいところのみ今回は回答します。

「最も高いと思われる可燃性災害廃棄物」とはどの地域のどの程度の放射性物質濃度を想定されているでしょうか。

●後にお書き戴いている「NHK週刊ニュース深読み」でお話しになったというお話しの内容の一端と、国なり県なりが測定されたであろう①放射性物質汚染災害可燃性廃棄物と ②毎日出ている生活ごみとの、セシウム137Cs等の濃度の一端を、或いは 試験が行われた時に焼却施設に投入された生活ごみと災害可燃廃棄物の、セシウム137Cs等の濃度を、去る8月10日付けの報告書(資料4)に記載してほしかったし、記載されていれば、よかったと思います。

●一般に、試験・実験結果を報告する場合には、試験したものの条件(この場合濃度など)を明示しますが、これらの初期の条件~濃度が全く分らないまま(濃度を測定しないまま)試験されたのであれば、報告書には その旨を 濃度の記載なしの訳を加えて、記載して戴ければよかったと思います。

> 福島市内の 可燃性災害廃棄物 を、国なり県なりが焼却する以上、放射性物質濃度を、国なり県なりが測定しているでしょうから、その中で 最も高いと思われる可燃性災害廃棄物」を指しています。 国なり県なりが測定していないのであれば、重要な試験・実験 条件の一つである (試験に使った) 可燃性災害 廃棄物中の放射性物質濃度を、報告書な中に、明示すべきと思います。 これは、残念ながら、真面な報告書になっていません。

> この試験では、放射性物質汚染災害廃棄物中に、毎日出ている* 活ごみ8割*も混合っしているので、汚染可燃性災害廃棄物 中の 放射性物質濃度は、 1/5 に うすめられています。

災害廃棄物として何を指しておられるかに依存するのですが、がれきのことであれば、1/5にうすめられている、は誤解だと思います。

●8月10日付けの報告書(資料4)に上記のことが、記載必須の試験・実験条件として、一寸 記載して戴いていれば、「1/5 にうすめられている」などと推察するには 及びませんでした。

むしろ、生活ごみのほうが放射能濃度が高く、災害廃棄物で「うすめる」ことも起こりえます。昨日公表された福島県の一般廃棄物焼却灰のデータをもとにたった今試算していたのですが、福島市の「生活ごみ」中のセシウム134+137濃度は3500(あらかわクリーンセンター)~6500(あぶくまクリーンセンター)Bq/kg程度と思われます。
                                              ●先般、福島県の産廃課と一廃課に、全災害廃棄物量、全災害可燃性廃棄物量、後者のセシウム137Cs等の濃度を問い合わせた時には、全災害廃棄物量は340万トンとの回答しか得られませんでしたが、つい最近同様の質問をしたところ、全災害廃棄物量400余万トン、全災害可燃性廃棄物量65万トン、ということでした。 「それなら一度 災害可燃性廃棄物を焼却して、主灰や飛灰中のセシウム137Cs等の濃度を測定すれば、災害可燃性廃棄物中のセシウム137Cs等の濃度は、逆算して求められますね」とお話ししたことがあります。「毎日忙しくて・・・・」ということでした。

これは岩手県で類似の実験を行った際にも生じました。混ぜてみたところ、まぜる相手の、がれき以外の廃棄物もかなり高かった、ということです。

むろん、普通にイメージされる生活ごみ、すなわち厨芥や容器包装や紙がそんなに汚染されているわけではありません。原因は、土のついた雑草の刈り取りなどと考えています。同様の事象は千葉県柏市はじめとする首都圏のホットスポットでも生じています。「フライデー」誌の最新号で柏市の厳しい現状についての記事が掲載されています。  ●一寸読んでみたいですね。

申し上げたいことは、三陸沿岸の仮置き場に積まれた災害廃棄物(がれき)だけが問題なのではなく、放射能で汚染された地域におけるあらゆる廃棄物が問題、ということです。これらも含めて「災害廃棄物」と呼んでおられるのであれば、問題ありませんが、がれき以外の廃棄物は放射能フリーで、がれきが汚染されている、というのは誤解だと思います。

このことは本日出演した「NHK週刊ニュース深読み」でも是非お伝えしたかった点でした。

むろん、福島県内であれば、上記の数千Bq/kgを超えるがれきも発生しうると考えています。

がれき、現在発生している一般廃棄物、さらに今後飛躍的に増えるであろう除染廃棄物の全体を見据えた議論が必要であり、そのために専用の、十分な排ガス処理性能を持つ焼却炉の新設が必要ということであれば、ほぼ同感です。

拙文シリーズ(8)にも書きましたように、宮城県や仙台市では新焼却施設を、確か7カ所に 遠からず新設することになっています(宮城県が 企画提案を受けて一括発注するプロポーザル方式による公募。事業費は2400億円の見込み)。(福島県での新焼却施設を僕は提言し続けてきていますが、福島県では何故新設しようとしないのでしょうか。国がOKしない?)

福島県でも、国の費用負担で、セシウム137Cs等をキチンと除去できる高発電効率 発電装置付の大型新焼却施設を、早急に新設するのがよいと思って、その旨提言してきました。但し、新設の場合、 全災害可燃性廃棄物、或いは放射性物質汚染の恐れのある生活ごみの運搬等々で消費されるエネルギー量を可能な限り少なく出来る設置場所を、選定するのが望ましいと思っています。

山本節子女史を よく 御存じようですね。 僕は前にお会いしたことがあるのかもしれないのですが、僕は田舎者で 初めての方とばかり思っていましたところ、同女史からの3回目のE-mailに初めて明示されていた、反焼却市民の会・日本・代表 から、お偉い方であることが分り、ビックリしました。 そうとは全く知らずに、 同女史宛の最初の返事の中で、一般論として「焼却にアレルギー反応を示し、焼却反対 反対に方が世の中にはおられるらしい」というような趣旨のことを書きました。

それは兎も角、僕への第3便で、同女史は「このバグフィルターへの妄信が、各地の焼却炉でおきているダイオキシン値の超過につながっていると考えます」とお書きになっており、ダイオキシン類(DXNs)削減にも大きい関心をお持ちのようです。                                           
本当に、DXNsを削減したいとお思いなのであれば、拙文シリーズ(6)などで 言及しましたDXNs削減に現実的に最も効果的な「環境省のDXNs濃度簡易連続監視測定記録装置の公認と焼却施設への設置の義務付け」に協力して貰えるのではないかと期待しています。【詳細は(http://iepe.wook.jp/クリック)ご参照】             

●僕などは、資源・エネルギー、環境保護、コストの上で優れ、資源・エネルギー回収効率が高ければ、(熱回収)焼却であろうが (物質回収)リサイクルであろうが、回収効率=リサイクル効率が高い方がよいと思いますし、多くの方々もそう お思いと思うのですが、 資源・エネルギー、環境保護の上で優れていても(例えばDXNs排出量が非常に少なくても、基準値よりも大幅に少なくても)、回収効率=リサイクル効率の如何を問わず、 焼却は反対の方が おられるのでしょうか? おられれば残念ですね。
●山本節子女史が、もしこの拙文に お目が留まりになりましたら お聞きしたいところです。 同女史宛先便で、これを書くのを忘れました。
113-8656 東京都文京区本郷7-3-1東京大学大学院工学系研究科
都市工学専攻都市資源管理研究室 教授(本郷キャンパス工学部14号館805号室 森口 祐一
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(2011/08/27 13:39), 本  勤 wrote:

2011年8月29日 (修正文 30日朝)    福 本  勤 
日本サステナ㈱取締役
  福      勤                                                             環境保全工学研究所 658-0001神戸市東灘区
森北町4-15-16 TEL078-411-9606                                                    
E-mailt2fukumoto@gaia.eonet.ne.jp 
URL: http://www.eonet.ne.jp/~fukumoto/                       ●日本サステナ㈱は、硫黄コンクリートメーカーです。
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(森口祐一氏から福本勤氏宛メール)

差出人: Yuichi Moriguchi
件名: Re: 放射性物質汚染可燃性廃棄物の焼却排ガスの処理(8)等への読者各位のご質問の一部 と回答
日時: 2011年8月27日 14:44:27:JST

福本先生

メールソフトの相性が悪いためか青字にはなりません。
また、他の部分も崩れがちですので、htmlメールではなく
普通のテキストとし、引用部分は先頭に>などを挿入する、
一般的な方法でお書きいただけると助かります。

全部にはお答えできませんが、是非誤解を解いておき
たいところのみ今回は回答します。


(2011/08/27 13:39), 福 本  勤 wrote:

「最も高いと思われる可燃性災害廃棄物」とはどの地域のどの程度の放射性物 質濃度を想定されているでしょうか。  
福島市内の 可燃性災害廃棄物 を、国なり県なりが焼却する以上、放射性物質 濃度を、国なり県なりが測定しているでしょうから、その中で
「 最も高いと思われる可燃性災害廃棄物」を指しています。 国なり県なりが 測定していないのであれば、重要な試験・実験 条件の一つである (試験に 使った) 可燃性災害 廃棄物中の放射性物質濃度を、報告書な中に、明示すべ きと思います。 これは、残念ながら、真面な報告書になっていません。
この試験では、放射性物質汚染災害廃棄物中に、毎日出ている*生 活ごみ8 割*も混合っしているので、汚染可燃性災害廃棄物 中の 放射性物質濃度は、 1/5 に うすめられています。

災害廃棄物として何を指しておられるかに依存するのですが、がれきの
ことであれば、1/5にうすめられている、は誤解だと思います。むしろ、
生活ごみのほうが放射能濃度が高く、災害廃棄物で「うすめる」ことも
起こりえます。昨日公表された福島県の一般廃棄物焼却灰のデータを
もとにたった今試算していたのですが、福島市の「生活ごみ」中の
セシウム134+137濃度は3500(あらかわクリーンセンター)~6500
(あぶくまクリーンセンター)Bq/kg程度と思われます。

これは岩手県で類似の実験を行った際にも生じました。混ぜてみたとこ
ろ、まぜる相手の、がれき以外の廃棄物もかなり高かった、ということ
です。

むろん、普通にイメージされる生活ごみ、すなわち厨芥や容器包装や
紙がそんなに汚染されているわけではありません。原因は、土のつい
た雑草の刈り取りなどと考えています。同様の事象は千葉県柏市はじ
めとする首都圏のホットスポットでも生じています。「フライデー」
誌の最新号で柏市の厳しい現状についての記事が掲載されています。

申し上げたいことは、三陸沿岸の仮置き場に積まれた災害廃棄物
(がれき)だけが問題なのではなく、放射能で汚染された地域におけ
るあらゆる廃棄物が問題、ということです。これらも含めて「災害廃
棄物」と呼んでおられるのであれば、問題ありませんが、がれき以外
の廃棄物は放射能フリーで、がれきが汚染されている、というのは誤
解だと思います。

このことは本日出演した「NHK週刊ニュース深読み」でも是非お伝え
したかった点でした。

むろん、福島県内であれば、上記の数千Bq/kgを超えるがれきも発生
しうると考えています。

がれき、現在発生している一般廃棄物、さらに今後飛躍的に増えるで
あろう除染廃棄物の全体を見据えた議論が必要であり、そのために
専用の、十分な排ガス処理性能を持つ焼却炉の新設が必要ということ
であれば、ほぼ同感です。

-- 
〒113-8656
東京都文京区本郷7-3-1
東京大学大学院工学系研究科
都市工学専攻都市資源管理研究室 教授
(本郷キャンパス工学部14号館805号室)
森口 祐一
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