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2012年3月30日金曜日

20120330 満田正さんの「福島原子炉包囲網日誌」〜南相馬の現状(2)

From  満田正
日付  201120123月30日 
Re:    [tamakannet:154] 南相馬の現状(2)

たまかんねっとの皆様
たまかんねっと外の皆様には、BCCでお送りしています。
なお、このメール配信、私の判断で、勝手に送らせて頂いています。
配信不要であれば、連絡くださるようにお願いします。

今日の毎日新聞Webで以下の記事が2つある。
その1は警戒区域大熊町の記事で、「町試算によると(3)は山側の12戸23人、(2)は170戸570人しかいない。現在の人口は1万1435人(2月末)で、9割以上が(1)に入っている。渡辺町長は、ほとんどの町民が帰還できないうえ「町を分断したくない」として、全域を「帰還困難」とする対案を国に示す。「賠償も一律として扱った方がいい」と述べた。」
その2はやはり警戒区域双葉町の記事で「一方、福島県双葉町に対しては28日、政府の担当者が役場が避難中の埼玉県加須市を訪れ井戸川克隆町長と面会したが、具体的な再編案の提示はなかった。井戸川町長は再編に応じない姿勢を示している。」
まだ、政府の再編案は具体化されていないと思うのだが、その主旨は、今後賠償金支払いについて、木目の細かい詰めを行いたいということで、それに応じた賠償マニュアルを策定しようとするものである。
すなわち、今までのコミュニティを真っ向から否定するような方策が組み立てられようとしているので、地元の混乱は言葉に表わしようも無い。とにかく、最初に引かれた、20km圏内警戒区域は原発周辺の地勢すら評価しない、お粗末なものであったが、今度それに代わる、それ以上お粗末な賠償マニュアルを作成しようとするものである。
 先ず、この動きが全く不合理であることから記述する。
1)先ずは、20km圏という取ってつけたようなゾーニングを反省することが必要である。
このゾーニングは飯館村で破産しているし、それ以上に、当初の警戒というならば、何故、80km~200km圏とすべきではなかったのか。
2)機械的なゾーニングの間違いは飯館村の間違いだけではなく、政府自らが継続してきた市町村コミュニティを分断してしまったことである。3.11事故は少なくとも行政区としての福島県コミュニティの問題であるので、先ずは福島全域が警戒区域とするべきである。放射能問題ゆえに、行政区の分断はあってはならない。
3)さらに良くないのは、警戒区域としながらも、体系的な観点からの観測網が作られておらず、これでは放射能線量マッピングすらおぼつかないのであるから、ゾーニング事態が実現しない。
という疑問が一杯あるにもかかわらず、ゾーニングの再編を行うというのである。地元地域が諸手を上げて反対するべきだし、その流れが大熊長、双葉町で作られている。今後、沖縄ではないが、金さえまけば作戦で、再編計画が進められる可能性もあるが、地域住民のためにも、ここは原子炉安定・廃炉のためにも頑張らなければならない。
1)とにかく原子炉は安定していないし、安定したという状況すら分っていないのが実情である。交通事故ではないが、こんなときに賠償とか持ち出す政府・東電のやり方がまさに火事場泥棒盗人猛々しい。
2)地域住民は、原子炉がどうなるのかという不安の中に居る。この不安を取り除くことが先決である。その報告が住民に充分説明できたとき、また、その不安を暫定的にも解消できる、避難地域とかの確保が出来た時に、賠償マニュアルはあっても良い。ただ、そのマニュアルが住民とのコンセンサス無しには作ってはならない。
3)3.11を契機として事態は一変している。現在の市町村代表が代表であり続けることは出来ない。賠償マニュアルは、市町村コミュニティの再編を含む重大問題である。すなわち、コンセンサスとは住民投票もしくは市町村長の再選を問うレベルの問題である。少なくとも、青梅市では市長選挙があって、市民は3.11とは無関係に4選市長を選んだ。こうしたことはあってはならないことだ。
先日、私は南相馬ひまわりプロジェクトに参加し、その実情の一端を知った。
それは全てでないことを知りつつもその悲惨さに度肝を抜いた。
今日また、電話やメールのやり取りで、その状況の厳しさを再確認するというよりも、それ以上のことを知るようになった。
人々の構図は明らかに福島とその他域外とに区分けされつつある。
詳しく言えば、警戒区域、計画避難区域であり、指定次第によって賠償金額が違うというものである。道路敷設の前の利権争いが始まっているのである。このことは、政府が原子炉の冷却安定を宣言し、福島原子炉から人々の目を逸らし、今度は、人々に賠償金争いをさせるという魂胆が見え見えである。ここには、除染可能区域、不可能区域などの要因も含まれる。
福島原子炉から拡散される放射能物質は、境界を引けるものではないし、行政区によって隔てられるものではない。木目細かい放射能測定のみが、その危険性を予測できるものである。ましてや、除染の可能性・不可能性なども予測できるものではない。もし賠償金があるとすれば、この危険性に応じて支払うべきであり、単純には、自然放射線量に加算される単位で、賠償金は全ての人々に支払われるべきである。
とにかく、大雑把な放射能測定が参照されるタイミングは過ぎたのであるし木目細かい放射能測定が必要である。到底、公的機関だけでは実現できないことも明瞭である。それは、壮大な国民運動として提起しなければならない。
満田

避難区域再編:全域「帰還困難」指定を…大熊町長要求へ

毎日新聞 - ‎Mar 28, 2012‎
東京電力福島第1原発事故に伴う避難区域の再編計画で、福島県大熊町の渡辺利綱町長は28日、町全域を長期にわたって立ち入りできない「帰還困難区域」に指定するよう国に求めていく考えを町議会に示した。町議会や町民の意向を聞いて4月中に町の案としてまとめ、国と ...

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