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2011年8月1日月曜日

20110801 福本勤先生からのメール「セシウム137Cs等の放射性物質で汚染された可燃性廃棄物の焼却排ガスの処理について(7)- 放射性物質濃度の確認の重要性(2)」

放射能汚染瓦礫の焼却処理に関して、福本勤先生から先程メールを受け取りました。福本先生の許可を得て、取り急ぎコピー&ペーストしたもの掲載します。福本先生に感謝。
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差出人 福本勤
件名:   セシウ 137Cs等の放射性物質で汚染された可燃性廃棄物の焼却排ガスの処理について(7)- 放射性物質濃度の確認の重要性(2)
日時: 201181 17:26:09:JST

★パソコントラブルがありました。7月31日17時過ぎに このE-mailをお受け取り戴いているかもしれません。既にお受け取り戴いている場合、重複して済みません。 
大地震災害・原発事故対応担当 馬淵澄夫 前首相補佐官様;  南川秀樹 環境事務次官 様;                吉田 一博室長様 環境省廃棄物・リサイクル対策部                   野本卓也係長様 環境省廃棄物・リサイクル対策部 岩川誠様 環境省廃棄物・リサイクル対策部
福島県 生活環境部 産廃課 柳沼様;  福島県 生活環境部一廃課御中  東大 森口裕一先生; 国立環境研究所大迫政浩博士様;    廃棄物資源循環学会会長 京大 酒井 伸一 先生;           佐藤雄一様(西堀様原子力安全保安院(規制課?);     由田秀人 JESCO取締役;        東大 山本和夫 先生;  京都大学 植田和弘先生;     京大名誉教授 松井三郎 先生;       梅沢 克洋様   星野鐘雄理事長様   吉田紀子様
             廃棄物資源循環学会リサイクル・システム部会<recycle@mlc.nifty.com>;
  
セシウ ム 137Cs等の放射性物質で汚染された可燃性廃棄物の焼却排ガスの処理について7) 
   ----完全に中立的な立場にある第3者分析・調査機関による放射性物質濃度の確認の重要性(2)


 7月27日夜半付けで 各位に 「・・・・放射性物質汚染可燃性廃棄物の焼却排ガスの処理6)」、各位の一部の方々に 28日朝11時頃・・・・6)項の最後に      これら一連の問題の想起は、去る7月23日20時半過ぎに中国浙江省温州市付近で起こった高速鉄道の追突、脱線、落下事故の原因究明高度な制御システムについての不安解消 をしないまま、事故から1日半で運行を再開した中国の対応を、それほど酷くはないものの、連想させてしまいます」を加筆した・・・・(6をお送りしました。




           
 その項中の拙文「完全に中立的な立場にある第3者測定分析機関が確認する必要あり」に対して、多くの方から 早速 賛同意見と共に 有り難くも 異論・反論・苦情を 戴きました。                                  
 ところが、7月29日朝日&毎日新聞夕刊で、経済産業省原子力安全・保安院が『やらせ』依頼、同日 日経新聞夕刊が「保安院『賛成』の質問依頼」、同日 神戸新聞夕刊が「保安院『やらせ質問』要請」記事が出るに及んで、経産省~環境省と連想されたのでしょうか、上記拙文「・・・・確認必要」への賛同者が 相当増えました。          『やらせ質問』については、去る3月11日以後の原発事故についてもさることながら嘗て高レベル放射性廃棄物の処理に関する研究をしていた筆者にとって、甚だ残念なことと思っています。
 以下では、高速鉄道の追突、脱線、落下事故の原因究明等をしないまま、運行を再開した中国の対応ほど酷くはないものの、これを連想させてしまう環境省の問題や 「完全中立的立場の第3者測定分析・調査機関の確認の必要性」を思わせるもう一つの理由・もう一例を、蛇足かもしれませんが、付記(下記)しておきます。 苦情を言って下さった方にも 少しはご理解戴けるかもしれません。

 さて、環境省(旧厚生省)は、200kg/時未満の小型焼却炉について、燃焼ガス温度が800℃以上でDXNs濃度が低くなるのであれば『800℃以上』を義務付けるの目的で、全国にわたって産業廃棄物小型炉(131)を調査(平成11年度)したところ、「DXNs濃度は、温度と相関無し、即ち 800℃以上でも800℃以下でも変わらない」との結果が得られました【小型廃棄物焼却炉(処理能力200kg/h未満の焼却炉)対策指針策定調査委員会(委員長:田中勝 元廃棄物学会長。旧厚生省。環境庁)へのJESC最終報告書】。
 ところが、この全国小型炉の調査を受託した㈶日本環境衛生センター(JESC)が、産廃小型炉(32)を調査した中間調査報告結果として「DXNs濃度は、温度と少し相関がある。」との結果を得ていました。JESCは この32炉についての中間調査報告結果を、131炉についての最終調査報告結果があるにも拘わらず、平成13年の廃棄物学会で何故か発表(普通なら無意味な発表)しました。
 上記のようにDXNs濃度は、温度と相関無し」の最終結果が得られたましたので、筆者は調査委員会委員長の田中 勝 廃棄物学会長に調査方法、温度測定方法に問題があったのではないか。調査のやり直し必要。この『温度と相関無し』の結果では法令改正不可の旨話しましたところ、「再調査したい。その節はご協力を」とのことでした。

 ところが それから2ヵ月程しか経っていない平成133月上旬に、環境省廃棄物・リサイクル対策部廃棄物対策課が、小型廃棄物焼却炉について、「燃焼ガス温度が800℃以上の状態で廃棄物を焼却できるものであること」などと、法令で定めることに対する意見募集をしてきました。
 そこで筆者は『環境省調査の結果、DXNs濃度と燃焼ガス温度とは相関関係がない』との結果が出ている以上、そのような調査結果に反する法令を定めることはできない。再調査をして、相関関係があるとの結果が出ない限りそのような法令を定めるべきでないの旨の意見書(1700)316日に提出しました。しかし、36日に制定されてしまいました。意見募集は建前・形式的なものだったようです。 
 平成12(2000)718日に「DXNs濃度と燃焼ガス温度とは相関関係がない」との最終結果が出ていましたが(環境省は当然承知)、これでは「小型廃棄物焼却炉の燃焼ガス温度は800℃以上」と義務付けることが出来ないことから、環境省は、JESCに最終結果を 環境省に報告させず、僅か32基の小型廃棄物焼却炉についての「やや相関関係があるの中間報告書をベースに義務付けて(法令化して)しまったようです。最終調査結果に反して、義務付ける(法令を定める)のであれば、国家予算(税金)を沢山使って調査などをする必要は全くなかった筈です。
 環境省の事実に反する不合理な法令改正を阻止できない御用学者の調査委員会委員長、産業廃棄物小型炉(131)についての調査結果DXNs濃度と燃焼ガス温度とは相関関係がない」があるにも拘わらず、産廃小型炉(32)についての調査結果DXNs濃度と燃焼ガス温度とは僅かながら相関関係がある」だけを学会発表し※1)、「産廃小型炉(32)の調査結果を環境省への正式調査結果報告とする」というような環境省言い成りのオカシナこと(やってはならないこと)をするJESCが 恰も 真面な財団法人として 大物顔をして存在している現今、今回の放射性セシウム等の測定において 完全中立的立場の第3者測定分析・ 調査機関の確認必要と言わざるを得ない所以です2


 ※1)JESCは平成13年の廃棄物学会でポスター発表をしたのですが、講演発表論文集の中で、偶々筆者の論文(「煙突放出後DXNsは再合成しない」)の次の頁にJESCの論文が発表されているのに筆者は気付き、筆者は何百人の聴講者の中での口頭発表で、当時最終結果報告書の存在しか知らなかったことから、JESCの発表データは捏造である旨話しましたが(後で中間報告書に記載のデータであることが判明)聴講していたJESCの発表者からは何の反論も出ませんでした。ポスター発表者は、ポスター発表会場での説明を義務付けられているにも拘らず、筆者の講演を聴いたからでしょう、JESC の発表者4名のうちの誰一人もポスター発表会場には 説明の為に 姿を現しませんでした。


 ※2)  これらの問題を含む多くの問題の詳細、小著『持続可能(サステナ)社会構築に繋がる廃棄物サステナ処理と生物多様性保存( http://iepe.wook.jp/クリック)資源・環境保護の上でベストの処理・リサイクル)環境行政・研究開発を歪める政府審査・審議会等の杜撰(ずさん)審査(利権絡みか)等々 ご参照

 話が後になりましたが、環境省の発表によりますと、1997に、全国の焼却施設からのDXNs排出量は、全国内全特定施設(焼却炉、電炉など)からのDXNs排出量(7908g –TEQ) ※394を占め、2003年2007には、1997年排出量の145(/59)程度に減少したことになっています。従って、 肝心の大気中のDXNs濃度も当然、1997の濃度の145(/59)程度に減少した筈であるにも拘わらず、18(1/13)程度にしか減少していません。


 ※3この数値や全国焼却施設からのDXNs排出量は、旧厚生省の推計年月によって異なっています。
 これは、全国の焼却施設からのDXNs排出量が環境省発表量ほど減っていないことを示しています。その理由・原因について、環境省は分らないと言っています。2003年の産業廃棄物焼却施設数が1997年の同施設数の約31%に減っていることを考慮しますと、2003年には全国施設からのDXNs排出量は、環境省発表の削減量98%(100-2[=100/45] )どころか、平均65%しか減っていないことになります。

 DXNsの削減・減少の研究等々の努力が 今も あちこちで なされていますが、筆者のみる限り大幅な削減を期待できる方法は 今のところ ないようです。 しかし、先便に書きましたDXNs濃度の簡易常時監視連続測定装置の公認・焼却施設への設置義務付けさえすれば、廃棄没焼却炉からの排ガス中のDXNs(平成9年頃全国排出量の94%)や大気中のDXNs濃度を間違いなく大幅に減らすことができるのですが、環境省は 先便で書いたようなオカシナ納得のいかないことを言って 消極的です。
                                                                 
 PCB問題も、環境省肝いりでJESCOが今のようなことをやっていたのでは、保管PCB量をゼロにする予定の平成28年までには 到底処理・解決しません(保管PCB量は到底ゼロになりません)。 この問題についての記述は別の機会に譲りたいと思います。

放射性物質で汚染された可燃性廃棄物の処理に関して現在のような方針(前回、前々回拙文ご参照)しか出せない環境省では 覚束無いですね。






●★ 「リサイクル製品への放射化物の混入が回避され、大震災・大津波による原発事故が原因で電力不足になり、なろうとしている現今を考慮しますと、放射性物質汚染可燃性廃棄物性廃棄物のサステな処理)2(=省資源・省エネ、環境保護、低コストの上でベストの廃棄物処理・リサイクル) 、リサイクル効率の高い 高発電効率焼却でないかと思っています。
              
2011年7月31日   福 本  勤

     福  本     
環境保全工学研究所 
658-0001神戸市東灘区森北町4-15-16 
TEL078-411-9606

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