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2011年7月22日金曜日

20110719 「がれき問題−環境省批判−自治体から批判と抗議の声を」青木泰さんからのメール

放射能汚染されたがれきやゴミ処理の関係で環境省を含む国の関係省庁の発表及び方針は迷走を続けています。
この問題に関連して、7月17日に青木泰さんから「がれき問題−環境省批判−自治体から批判と抗議の声を」と題したメールを受け取りました。先日の環境省大批判のレポートの紹介と7月14日環境省の方針変更(埋め立て基準8千から10万ベクレルへの引き上げを含む)に関するコメントが記されています。
また、「東京都の北西端にある東久留米市と東村山市の放射線の空間線量の測定を約30箇所お手伝いし..周辺地域は0.07~0.10μSv/h、柳泉園敷地内は0.14~0.17μSv/h」との数値が出ています。
以下、掲載します。青木さんに感謝!
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差出人: 青木泰
件名:  がれき問題-環境省批判-自治体から批判と抗議の声を
日時: 2011年7月17日 19:47:17:JST

皆様へ (bccでお知らせしています。)転送歓迎します。 
御世話様です。
がれき問題についてがれきを通常処理してよいとする環境省の方針への批判を書きました。有識者検討会(災害廃棄物安全評価検討会)の第3回検討を受けて、環境省は、放射能汚染がれきについてその汚染度を特定することなく、通常処理してよいと発表しました。
放射性廃棄物として取り扱うに当たって、判断基準としてきたクリアランス制度を無視した発表です。
 この発表に批判を書いていると
第4回有識者検討会で了解されたとさらにこれを緩める方針を発表しています。(バグフィルターの付加がなくとも燃やしてよい、埋めてての基準は8000ベクレルから10万ベクレルに緩和する)
たった3週間前に決めたことを自ら改定し、恥じない国の機関。自らの方針の連続性についてすらチェックできないいわば国の機関の崩壊が始まりつつあります。
 しかも調べてゆくと環境省の有識者検討会の第2回(6月5日)の後に原子力安全委員会〈斑目春樹委員長〉が発表した見解(6月6日付け)で、このクリアランス制度を無視する見解が発表されていたことが分かりました。
原子力関係では原発事故の責任を取らず生き延びた原子力安全委員会が、自らの責任=今も福島第1原発から放射性の物質が放出し続けていることに目をつぶり、多発的に2次発生源を増やそうとしていることが明らかになりました。環境省の有識者会議はその原子力委員会の下請けのように役所から提出されたものを容認する機関となっています。(添付ー本文お読み下さい)

 環境省は今矢継ぎ早に放射能汚染がれき焼却や埋め立ての方針を示していますが、実際この処理を行うのは、市町村の焼却施設であり、埋め立て処分場です。環境省始め、中央政府は、放射性の汚染がれき問題をめぐって、安全な処理策も、具体的な処理プランも示していません。
実質は自治体への丸投げ状態です。その一方で、環境省の方針では、ちゃっかり「大前提」として住民や作業員の健康に影響を与えないことを記載し、がれきの焼却や埋め立て処理に当たって、実務を行う市町村が安全かどうかの判断を行って進めるようにと求めています。
つまり環境省は、がれきは燃やし、埋めてて良いが、2次被害をもたらすことになるかどうかは、自治体自らの判断で行えという方針なのです。もし被害が出れば、的確な判断を出来なかった自治体の責任だという方針です。
実態として中央政府と市町村ー自治体とのバトルが始まりつつあります。
 もし環境省がいうように放射性のがれきを燃やしてゆけば、5年以上の月日がかかり、放射性の廃棄物の排出は、その間続きます。2次被害をもたらすことは見えています。
今環境省や国の言う通りに放射性の廃棄物を処理してゆけば、責任は自治体が取らなくてはなりません。
したがって自治体は環境省・中央政府のかってな方針に従うことはありません。
むしろ自治体から国の無策と住民の健康を無視した方針の撤回を求めてゆく必要があります。
 最大の原因は中央政府が、当初から原発事故の実態を「直ちに健康に影響がない」「水素爆発でありメルトダウンではない」「スピーディーの予測を知らせると余計な心配を与える」等々事故の実態を知らせず、広がりつつある放射能汚染の実態を公開せず、現実に起きている問題の解決を図る。という点から方針化を測ってこなかったことにあります。
国は、自分たちが描いた収拾策に沿って事態を進めるための方針を出し続けていますが、すでに汚染は広がり、現場でチェックがなされてきました。
東京の水の汚染。神奈川の足柄の茶葉汚染。汚泥の高濃度汚染。焼却灰の汚染。そして牛肉からセシウムの検出。福島の子供の尿からセシウムの検出。
国が今急いで取らなければならないことは、
*福島第1の放射能の放出を遮断すること
*目途のつくまで学童の疎開
*がれきを集め、1時保管し、安全策を開発
ということです。そのためには、原子力安全委員会のこれまでのメンバーの責任を取らせ、総入れ替えすることが必要です。
最も責任を問われる原子力保安院が、東電の広報を行い、原子力安全委員会が、責任逃れとも言うべき放射能汚染ー発生源の多発化を図る。
このような体制は、止めさせなければなりません。
 このコメントと添付の小論を、福島のお知り合いの方にお伝え下さい。
皆さんにお知らせ下さい。関連してコメントを書きました。
よろしくお願いいたします。
 先日(7月8日)、東京都東久留米市の原発問題に係わってきた川井満氏の誘いで東京都の北西端にある東久留米市と東村山市の放射線の空間線量の測定を約30箇所お手伝いました。
周辺地域は  0.07~0.10μSv/h
柳泉園敷地内は0.14~0.17μSv/h
でした。
野田市が基準としたICRPの基準は、0.19μSv/hであり、一部では0.10μSv/hを測定尺度としているところもあります。
そうした中で柳泉園がこれだけ高い値を示したことに驚きました。
放射能汚染は、政府が火消ししても、市民でも簡単に計測することができ、隠しようがなく、広がっていることを改めて実感しました。
 調査に入った私たちの間では、多摩地域は剪定枝ごみが多く、運ばれてきた放射能の灰が、樹木に付着し、それを燃やした結果焼却場周辺の空間線量が高くなったのではと話し合いました。これ自身は今後の調査課題です。
関連し村田徳治氏のお話では、セシウムは、「Na」「K」などの強アルカリ金属であるため、塩化水素ガスが充満している焼却炉では、塩化セシウム(CsCl)なって、ガス状で排出され風に流され、NaClと同様水にすぐ溶けるため、雨に会うとそこで雨滴に溶けて地上に落下し、ホットスポットを作る。カリウム「K」と同様の性状を持っているため、植物は、必須栄養素である「K」と同様に吸収し、体内にセシウムを蓄えることになる。
枝木の葉っぱに付着するとともに、土の中から吸収して、体内に蓄えていたことも分かりました。
ごみの焼却場が2次汚染の発生源となっている怖れをこの調査を通して感じました。
ところがそこに信じられないようなニュースが入ってきました。
 環境省の有識者会議(4回目)が、再び秘密会で開かれ、放射能汚染がれきを通常処理(焼却したり、埋め立て)することを認めた第3回決定に続き、第3回ではバグフィルターを設置している焼却炉という限定をつけていたのを外し、埋め立てに当たっては、8000ベクレルとしていたものを、10万ベクレルに緩めるとの決定を行ったということです。
 住民の健康・命を守るという観点でなく、役所の当面の事態を処理したいと言う方針でしかありません。バグフィルターを条件にすれば、福島県内の清掃工場19箇所のうち12箇所しか使えないため、処理に5年から10年かかるということを少しでも縮めたかった。(電気集塵機を使用している清掃工場は7箇所、全体の処理量は16万5千トンで、全体53万5千トンの約3割です。したがって福島のすべての焼却施設を使っても、3年から7年はかかることになります。)
8000ベクレルではあちこちの自治体で処理できない汚泥があふれ手しまう。そのことを受けて現状追認で規制を緩めたのでしょう。
それを唯々諾々と許容した有識者検討会のメンバーは、放射能汚染を東日本中に広げることに手をかしつつあります。
 「安全神話」を吹聴し、今回のような深刻な原発事故を起こした後でも、誰も責任をとらない実態を見て、総無責任体制が築かれつつあるようです。
 がれき問題、環境省の方針は、第3回の通常処理(焼却・埋め立て)OKとした決定に多くの問題を含んでいます。その点について今回は環境省や経産省への取材を重ねることによって書きました。会議を非公開にしていたため、嫌になるほどの時間がかかりました。
ぜひ目を通し、ご助言をいただければ幸いです。
よろしくお願いします。
 青木泰
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20110724 追記:

 syukan_kinyobi 
環境省が放射性廃棄物焼却の方針(3/3) 
http://bit.ly/o38yU0(ねこ)


* 昨日Tweetされた記事は、金曜アンテナがが前に配信したのと同じ内容です。http://www.kinyobi.co.jp/backnum/antenna/antenna_kiji.php?no=2135



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