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2012年9月18日火曜日

20120917 満田正さん「福島原子炉包囲網日誌」~福島第1原発原子炉不安定と福島棄民政策


From:満田正
917 (1日前)

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最近、ここで示した、村田光平元スイス大使のように、外国からの福島第1原発原子炉不安定を危惧するコメントが多いです。
私たちの踏ん張り時のような気もします。

ドキュメンタリー『私たちは核兵器を作った』
http://www.youtube.com/watch?v=WZ0xTgdqVKU 
(管理人注:↑デッドリンクなので以下を、↓ http://www.pideo.net/video/pandora/7785e613edf5b6e2/

「米国政府は何をためらっているのか」 松村昭雄 http://akiomatsumura.com/wp-content/uploads/2012/06/%E7%B1%B3%E5%9B%BD%E6%94%BF%E5%BA%9C%E3%81%AF%E4%BD%95%E3%82%92%E3%81%9F%E3%82%81%E3%82%89%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%81%AE%E3%81%8B%E3%80%80%EF%BC%88%E4%B8%8B%E8%A8%B3%E3%80%80%E6%94%B9%E5%AE%9A%E7%89%88%EF%BC%891.pdf

以上に対する私のコメントです。
窓付きモナドさん、ウランさん、満田です。
貴重な情報をありがとうございます。
松村昭雄氏が「米国政府が何をためらっているのか」を問う時に、「私たちは核兵器を作った」を見たときに、その裏側に何があるのかと見聞しますと、ある事態を推測せざるを得ない事態があることに気がつきました。
私は、昔に書いたような気がするのですが、アメリカによる、廣島・長崎の核弾頭の投下は、早期戦争終結よりも、核弾頭による人類史殺傷能力の実験であった要素が強かったことです。
そして、それまでの放射能障害に対する動物実験では飽き足らず、アメリカの数千名の核兵器工場で働いていた人々が絶好の人体実験材料であったと明言していることです。
今福島第1原発事故で起きている事態は、政府上げての帰還政策ですが、これこそ、人類がかって経験したことのない、高濃度放射線下で人々を生活させるという人体実験に他ありません。児玉龍彦なる高名なる人物もこの事態に反対を遂げていません。
かって、第二次大戦下で、満州開拓団は厳しい自然環境の中での生活を強いられて、棄民とされましたが、日本政府は再度、福島の人々に棄民政策を行おうとしているのです。
確かに、福島第1原発原子炉の不安定は解消されず、手をこまねいている状態の中で、第2、第3のカタストロフィーの可能性は消えていません。だからこそ、福島県民が全員が福島から退去しなければならない事態でもあるのです。
にもかかわらず、避難よりも帰還が優先される政策は、どう見ても政府の棄民政策、福島住民の人体実験を実践しているとしか思えないです。
私たちは、自らが、この危険を人々に知らさねばならないのですが、知らされている放射線データーは余りに杜撰なものです。チェルノブイリでは、多くの人々が、この放射線の怖さを知らないで、放射線障害に泣いてきましたし、数10年経っても今も泣いています。ヒロシマ・ナガサキ、水俣病などでも、事態は同じでした。
私たちは、ノーヒロシマ・ナガサキ・水俣を今、福島住民のために訴えねばならないのです。
それは、脱原発、反原発、ノーニュークと同時に、ノーチェルノブイリ、ノー棄民政策であるはずです。
アメリカにべったりの政府が、放射能人体実験を繰り返したアメリカに、抵抗するとも思えない。日本政府ですら、満州棄民、水俣棄民政策を行ってきた張本人です。
日本人は、早く目覚める時期なのです。
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関係記事:



2012年9月16日日曜日

9月21日(金)10時〜 広域がれき反対!1日アクションと院内学習会 「三陸の海を放射能から守る岩手の会」講師:永田文夫さん


差出人: Sachiko Takase
日時: 2012916 14:55:07:JST
件名: 9月21日(金)「三陸の海を放射能から守る岩手の会」 講師:永田文夫さん(院内学習会)


吉田 様
高瀬です。ご無沙汰しています。
長文にて失礼します。

◆◇◆◇◆◇転送・拡散希望◆◇◆◇◆◇

9月21日(金)、広域がれき反対!1日アクションの取り組みでの中で、参議員会館にて学習会を行います。(10時〜経団連等一日行動行います。★16時〜17時30分は、環境省正門にて要請行動)
部分参加も可能です。多くの皆さんのご参加お待ちしています。

院内学習会について

・講師は、「三陸の海を放射能から守る岩手の会」 
      世話人  永田文夫さん
 *アスベスト関連の予定でしたが、放射能・かれき問題が中心となります。

・学習会は、午後2時〜3時30分
・参議院会館地下会議室
・参加費  300円予定 500円(資料代など)
・主催 ストップ!汚染がれき全国行動実行委員会
・連絡先 高瀬 080-3013-3618  山田 090-8980-2436

◎いち早く、昨年6月には汚染がれきの焼却実施しないことの要望書を環境省に提出。
永田さんは、多面にわたる活動をされています。当日は、映像を持参いただき報告されます。
8月末に一度交流させていただきましたが、難しい内容や今まで知らなかった事ををわかりやすく解説してくださり、大変勉強になりました。どうぞご期待下さい。永田さんは、翌日22日の全国交流会まで参加されます。

****以下、詳細です。*******

三陸の海を放射能から守る岩手の会
http://homepage3.nifty.com/gatayann/env.htm
◯ これ以上放射能汚染を広げてはいけない「福島原発事故で汚染された瓦礫の焼却は実施しないこと!」環境省災害廃棄物安全評価検討会 委員8名中7名へ8項目の疑問を掲げた要望書を6.17提出しました。6.19検討会が行われました。(2011.6.20)
六ヶ所村開始以来、再処理工場は放射性物質を上空および太平洋に排出し続けてきました。その一方で、ここ数年、再処理工場に隣接する尾駮沼(おぶちぬま)のプランクトンや藻類など生物のヨウ素129の濃度が以前よりはるかに高くなっていること(*1)や、太平洋沿岸の海水のトリチウムの濃度が三陸海岸にそって高くなっていたこと(*2)などががわかってきました。
2010年1月20日、再処理工場の凍結を求める署名が政府に提出されました(*3)。このたび、その時に再処理工場周辺の放射能汚染について国の担当者に対して放射能汚染の現状について説明を行った「三陸の海を放射能から守る岩手の会」

◆講師「三陸の海を放射能から守る岩手の会」世話人 永田文夫氏(略歴)
1964年から岩手県内の県立工業高校の工業化学科の教員として(沿岸の釜石市、大船渡市、内陸では盛岡市、北上市と4工業高校)勤務しました。各勤務校では化学クラブの生徒と一緒に河川、湖沼、海水などの水質調査や大気汚染の調査を行い理科研究発表会、学生科学賞等で結果を発表。
a.. 釜石工業高校:河川の水質・雨水・大気・ばいじん調査
b.. 盛岡工業高校:高松の池・八幡平の湖沼の水質とプランクトン調査
c.. 大船渡工業高校:古川沼の水質・プランクトンなどの調査
1992年から11年間は県立の心臓、腎臓、不登校などの生徒対象の病弱養護学校で化学・数学などを教え定年を迎えました。ここでは脳性麻痺の重度障害を持つ高等部の生徒の訪問指導。
1970年頃  新日鐵釜石の公害問題(住民運動の支援、煤塵、排ガス測定等)に取り組む。
1972年、岩手県高等学校教職員組合に「公害・環境調査委員会」を設置してもらい初年度と次年度は委員長として、以降は委員として定年まで活動しました。定年以降もOB委員として現役の人たちと活動しています。この間「岩手の環境読本」など5回冊子を発行しています。委員歴38年になります。(2010年1月現在)
定年後は不登校・引きこもり若者のNPO 岩手県青少年自立支援センター「ポランの広場」のボランティア相談員をしていました(現在は多忙につき行事参加やHPの書き換え程度)。
a.. いわてCS(化学物質過敏症)の会(副代表)
b.. CS(化学物質過敏症)を考える会(顧問)
c.. NPO青少年自立支援センター「ポランの広場」(理事)
放射性廃棄物や再処理工場の問題に関わっては仲間と共に
a.. 1980年 岩手県滝沢村に医療用放射性廃棄物処理工場(RMC)の計画
b.. 1981年 市民団体「放射能汚染から故郷の自然と子どもたちの命を守る会」
に参加し活動開始。
a.. 1987年6月 RMC操業
b.. 1988年5月 滝沢村RMC監視委員会が村で設置、学識経験者3名の内の1人として委員になる。(監視委員として活動)
c.. 2003年12月 RMC敷地内に研究用放射性廃棄物処理工場の建設計画市民団体「放射能汚染から故郷の自然と子どもたちの命を守る会」や市民団体とともに建設反対運動を展開 
d.. 2004年9月 研究用廃棄物新RMC計画 滝沢村長撤回
e.. 2005年2月 青森県六ヶ所村再処理計画に対して、市民団体「三陸の海を放射能から守る岩手の会」を仲間とともに結成し事務局、世話人として活動開始。
f.. 2005年10月 岩手県議会へ提出した「三陸の海を放射能汚染から守る請願」が議員全員一致で採択される。
g.. 2007年11月 国(経産省、環境省、農水省)へ全国署名「海に空に放射能を流さないで」を92387筆提出(追加1月提出計106314筆)
h.. 2008年10月 岩手県議会へ「岩手県を六ヶ所再処理工場の放射能汚染から守ることについての請願」を提出。中身は高レベル廃液が環境に漏れ出さないように安全管理の徹底を求めています。これは4:4の同数になり委員長裁決で不採択になりました。
i.. 2010年1月 総理大臣(内閣府)へ全国署名「海に空にこれ以上放射能汚染を広げないよう再処理工場の稼働凍結を求める署名」を提出(95492筆)
※ 2007年9月発行『いのちと放射能』柳澤桂子著(ちくま文庫 560円)の解説を書かれています。




****ここまでです。***********

関連情報:



2012/09/21 9・21原発なくそう!ワンデーアクションin東京
http://www.labornetjp.org/EventItem/1347324494195staff01
1日みんなで声をあげよう!大飯を止めて全原発廃炉へ!
主催 平和と民主主義をめざす全国交歓会(zenko

21のタイムテーブル 鹿島・奥村組へ参加可能な方は事前連絡下さい。
       ◇◆ 参加自由です。◆◇
10:0010:20(経団連、東京メトロ千代田線他「大手町」駅徒歩1分)
11:0012:00(鹿島・奥村組・東電に分かれての行動)
 鹿島建設本社(港区元赤坂1-3-1 東京メトロ銀座線他「赤坂見附」駅5分)
 奥村組東京本社(港区芝5-6-1 都営地下鉄「三田」駅徒歩約5分)
 東電本店(千代田区内幸町1-1-3 JR「新橋」銀座口前出口徒歩3分)
12:3013:30(参議院院内集会・議員にも要請中)
   千代田区永田町2-1-1 東京メトロ千代田線他「国会議事堂前」駅
14:0015:30 (参議院会館学習会・B1会議室)
     「三陸の海を放射能から守る岩手の会」講師:永田文夫さん 
     昨年6月に汚染がれきは拡散させないように環境省に要望書提出等幅広い活動を長年されています。

16:0017:30(環境省)環境省要請行動は、正門にて行います。雨でも行います。
千代田区霞ヶ関1-2-2 中央合同庁舎5号館 東京メトロ「霞ヶ関」駅 徒歩3
18:0020:00(首相官邸前抗議行動) 
22(土) 全国交流会   ~ 市民たちのパワーで止めよう!~
10:0012:00  会場:大田区民センター  第4教室
(大田区新蒲田1-18-23 $(O 03-3734-0761  JR「蒲田」西口徒歩約15分)
参加費 300円(資料代含む) お子さん連れでもOKです。お気軽にご参加下さい。

この思慮のない危険な政策をどのように止めていったらいいか、全国の皆さんと交流して、知恵を出し合いましょう!全国の仲間たちと力を結集しましょう。多くの皆さんのご参加をお待ちしています。
主催:ストップ!汚染がれき全国行動実行委員会
連絡先:高瀬 080-3013-3618 山田 090-8980-2436










  1. 2012.9.21 原発なくそうワンデイアクション

    s21.cocolog-nifty.com/ - キャッシュ
    2012年9月6日 – 2012.9.21 原発なくそうワンデイアクション. 9月21日に東京で、原発をなくすためのワンデイアクションをします。 案内などのブログだよ! ... 15時~16時 環境省/文部科学省 要請行動. 終了後、簡単な青空報告会をします。 18時~20時 経産 ...

2012年9月11日火曜日

20120909 満田正さん「福島原子炉包囲網日誌」~10月6(土),7(日),8(月)南相馬市押釜地区・放射線量モニタリングプロジェクトへの参加・登録お願い


From:満田正
99 (2日前)

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表題及び添付ファイルに示すように、 10月6(土),7(日),8(月)第1回南相馬市押釜地区・放射線量モニタリングプロジェクトへの参加・登録をお願いします。
南相馬市を始めとして、福島県では本格的な除染活動が始まっています。除染活動には、その効果を知る上でも、住民の日常生活の可能性を知る上でも、詳細な放射線データは欠かせません。
残念ながら、この詳細なデータを得るには、本格的な観測隊を編成するしかありません。本格的な観測隊は、一朝一夕に出来るものではなく、日常的な観測活動と、専門的な知識を持つことで初めて出来るものです。
すでに、南相馬市では、ひまわりプロジェクト南相馬(代表小澤洋一氏)、安心安全プロジェクト(代表吉田邦博氏)の元で、空間線量、土壌線量、植物(食物)線量の調査が行なわれてきましたが、まだまだ、人出、資金共に不足していることは申すまでもありません。
私(満田)は、東京の仲間とともに私達の出来ることとして、ひまわりプロジェクト種まき、除草のお手伝いもしながら、何とか、南相馬市での本格的な観測活動を立ち上げたいと、小澤洋一代表、吉田邦博代表とも相談申し上げてきたのですが、この度その実現に漕ぎ着けました。詳しい内容は添付ファイルの通りです。
「たまかんねっと」の発行も東京多摩広域資源循環組合の公開条令を制定署名運動からは、1年半、3.11福島原子炉カタストロフィーからも1年半を過ぎようとしています。
ここは、放射線汚染に苦しむ福島の人々との連携を図りたいと考えます。先ずは、地の利は悪いですが、南相馬市では除染活動が開始されたばかり、福島原子炉カタストロフィー以来、放射線量の測定を継続されてきたひまわりプロジェクト南相馬、安心安全プロジェクトの面々の協力を得て、協働して、南相馬市押釜地区の環境放射線量を測定することにしました。今回の押釜地区末永伊津男地区長の了解も得ております。
放射線測定の経験のある方は、もちろんこと、未経験の方も、男性も女性も、是非、この南相馬市押釜地区・放射線量モニタリングプロジェクトへの参加登録下さり、10月6,7,8の第一回モニタリング活動への参加をお願いします。このプロジェクトは、恒久的なものですので、今回は駄目でも、次回はという方もよろしく参加・登録のことお願いします。
参加登録された方には、改めて、モニタリング計画の詳細をお送りします。

以下、ひまわりプロジェクト南相馬代表小澤洋一さんの人なりを紹介しますと、次のような「たまかんねっと」への返事を頂いております。

小澤です
下記の満田さんの意見は、一字一句違わず、そのとおりだと賛同します。
一年以上も前の話だが、80を過ぎたお年寄りの気持ちは、
『戦時中より酷い。あの時でも、空襲が無いときには、農作業ができた。畑の土もいじれた、農作物も安心して食べれた。井戸水だって飲めた。家の前を流れる小川で、米を研いだし、茶碗などの洗いものもした。』
周りに流されて、『目の前に放射能がある』、いま、この気持ちが薄らいできている。『医者が言ってたけど、放射能よりハウスダストのほうが危険なんだって!』、身の毛がよだつような、何とも恐ろしい話である。
すべては『いまは有事である』という認識からスタートする必要がある。そこから、放射能と闘う意志と武器を持たねばならない。自分のスタンスを再度確認できた。
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関係記事:




2012年9月9日日曜日

20120908 満田正さん「福島原子炉包囲網日誌」~9/5 村田光平元スイス大使の野田首相宛書簡、コメント「放射能と闘うという意志と武器は...自分の中から、引き出すしかない」


満田正
98 (1日前)

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すでに、ご存知の方も多いと思うのですが、フェースブックでの飯田哲也さんからの拡散要請に協力します。
私から、コメントするとすれば、外国は日本が非常事態だと認識しているようですが、日本人は、まだまだ、自分の置かれている状態を「有事」とは認識していない。
むしろ、「有事」の意味が分っていないのではないか。すでに第二次大戦を経験した人々の殆んどは鬼籍に入っていられる。私も戦前生まれだが、その本当のことは分っていない。ましてや、日本の政治を司る殆んどの人々が、私よりも若く、戦争の恐ろしさというよりは、戦争状態とはどのようなものかを理解していない。
ただ、福島では、福島原子炉を中心とした、放射能が蔓延しており、放射性物質を排出し続ける原子炉そのものが、威圧的に、福島の人々を脅かし続けている。その延長上に、日本列島がすっぽりと収まる。
見えない、聞こえない、感じない、エイリアンのような存在の放射性という敵に対して、人々は怖がることも出来ず、闘うことも出来ず、ひたすらにその死を待つかのようにも見える。
これら人々に、放射能と闘うという意志と武器を持ってもらわねばならない。最も難しい選択を迫られているのが、日本人であり、戦争中に経験した、戦争に反対することの、あの困難と恐怖である。その経験者が去ってしまった今、我々は、どのように、放射能に立ち向かうのかの、新たな試練が待っている。
それは、政治の問題でも、社会の問題でもなく、自分自身の問題である。自分自身が、意志と武器を持つことである。誰も教えてくれない。ましてや、飯田哲也や村田光平が教えてくれるものではない。その意志と武器は、自分の中から、引き出すしかないのである。
どのようにしてかを問うことすらが、袋小路に入ったようなものである。先ずは、隣人と自らを比べれば良いではないか。どちらが、より意志と武器を所持しているかを。自らが劣れば隣人に学び、自らが優れていれば隣人に教える。それは、日常的なことではない。隣人と対峙するという非日常的なことである。
家の大きさ、贅沢な洋服を見比べる日常性ではなくて、新たに襲ってきた放射能との戦いへの意志と武器の突合せである。そのこと無しには、確実に自然死よりは早い放射能死が待っている。老人よりは若者が、若者よりは幼児が、幼児よりは胎児が、胎児よりは遺伝子が、将来にわたって、これら生命が脅かされる。この見えない、聞こえない、感じない、エイリアンのような存在の放射性という敵に対して、戦いを挑まねばならない。
その意志と武器は自らが引き出す。何でもよいのではなくて、より有効な意志と武器が試される。その強弱よりはその数である。日常的な生活の場というよりは、より敵陣近くに攻め込むことである。一歩でも近い方が良い。放射能は見えない、聞こえない、感じない、エイリアンのような存在であっても、原子炉に一歩近づけば、その正体を暴ける。正体を暴けなくても、その恐怖、威圧を感じる。そこには、恐怖に立ち向かうという人間の性が目覚める。
以下、拡散文------------------------------
村田光平元スイス大使が昨日(9/5)に野田首相に送った書簡です。ご本人の了解を得て、共有・拡散します。
____________

野田佳彦内閣総理大臣殿
平成24年9月5日
村田光平

拝啓
 時下益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。

 ご報告申し上げた通り、去る8月31日のアーニー・ガンダーセン氏の院内での講演会で、二つの重要な事実が判明いたしました。

 第一に世界が安全保障問題として注目するに至っている4号機問題につき、経産省及び東電の課長クラスの実務責任者が事故後1年半を経て全く理解しておらず、最悪の場合、燃料棒が大気中で燃焼する可能性を一切想定せず、対策も考えていなかったことです。議場が罵声と怒号で包まれたのは当然です。全国から反響に接しております。ご賢察の通り事故処理への対応は、このような実態をさらけ出した現体制では到底十分とは言えません。

 第二にアーニー・ガンダーセン氏は、4号機の未使用の202体の燃料棒集合体及びすでに放射線の低くなっている600体を合わせて1533体の3分の2は今からでも取り出せる旨、そしてその作業が終わる1年半ぐらい後には残りの取り出しが可能となると指摘しました。来年末まで待つことなく作業を始められるとの見解が示されたのです。現場で事故処理に携わる会社の責任者も予算を東電の担当者に半分に削られたりする現状を改め、国が全責任を担う体制にすればガンダーセン氏の提言に沿うことは困難が伴うことはあっても可能との見方をこのほど私に述べております。

 4号機について、フランスの有力誌「ル・ヌーヴェル・オプセルヴァトゥール」は先月掲載した記事の中で「最悪の事故はこれから起きる」とする記事を掲載しました。この記事では、北澤宏一元JST理事長など、同施設のデータを分析した専門家を取材、北半球全体が長期にわたって深刻な汚染にさらされ、現代日本は滅亡すると指摘する声を伝えております。 
 また同誌は、この事態の危険性を日本の政府やマスコミはいっさい伝えないが、欧米諸国では早くから危惧されてきており、米上院、エネルギー委員会の有力メンバーであるロン・ワイデン議員は昨年6月、ヒラリー・クリントン国務長官に深刻な状況を報告したと指摘しております。

 去る8月24日より3日間、広島で開催された核戦争防止国際医師会議[IPPNW]の世界大会に出席しスピーチをしてまいりましたが、海外からの4号機問題への関心は高まる一方です。世界を脅かすこの問題への対応を東電に委ねて国として最大限の対応をしていないこと、そして放射能汚染による加害国としての罪悪感に欠けることについて海外から厳しい目が向けられ出していることを同大会に出席して強く感じました。

 以上を踏まえ、次の諸点を要望させていただきます。

1.原発ゼロ政策の確立
2.事故収拾については国が全責任を負い4号機からの燃料棒集合体取り出しの作業を早急に開始すること
3.人類の叡智を動員するため中立評価委員会及び国際技術協力委員会を設置すること 
4.福島事故の教訓は原発事故は人類が受容できない惨禍であることを立証するものであり、そのような可能性は完全にゼロにする必要があることを世界に発信すること

 原発は倫理と責任の欠如に深く結びついたものであるとの認識が、急速に国際に広がりつつあります。福島事故以後も原発推進体制が改められることなく、原発輸出、再稼働などにより不道徳の烙印を押されたも同然の日本の名誉は大きく傷つけられております。

 貴総理がこの際、強力な指導力を発揮され、広島、長崎、そして福島を経験した日本として当然打ち出すべきものと世界から期待されている脱原発政策の確立を実現され、日本の名誉を挽回されるよう心からお願い申しあげます。

 貴総理のご健闘とご自愛をお祈り申し上げます。
敬具

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