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2011年8月14日日曜日

20110813 満田正さんの「福島原子炉包囲網日誌」8/10〜「フクシマの真実」週刊朝日記事に関して

From満田正 
日付2011年8月10日13:49
件名福島原子炉包囲網(8/10)日誌



たまかんねっとの皆様

たまかんねっと外の皆様には、BCCでお送りしています。
なお、このメール配信、私の判断で、勝手に送らせて頂いています。
不要の場合、遠慮なく申し出願います。
H殿

「週間朝日談」の情報はまあまあと言う感じです。管首相ではないですが、現場が大変な時期にこれだけの「談」を実施する、記者の根性と言うか最高幹部の姿勢というか、私の中に違和感が生じます。この2人には管首相を云々する資格は無いようです。それでも内容は予想されたとおりで、満足の行くものです。
福島第一原発の最高幹部がついに語った【フクシマの真実:前編】独占スクープ!!週刊朝日2011年7月22日号配信
http://www.wa-dan.com/article/2011/07/post-135.php(*リンク切れになっています)
福島第一原発の最高幹部が語る「フクシマの真実」 後編新工程表はデタラメ週刊朝日2011年7月29日号配信
 http://www.wa-dan.com/article/2011/07/post-138.php(*リンク切れになっています)
以上、週刊朝日に乗せられた情報は、人々がどのように受け止めるか予想できないが、重大な事実を含んでいるし、当然、予想されたことだし、と言って肝心なことは隠されているのではないかと思います。人は後からだと何でも言えるもので、今必要なことは明日をどうするかである。

1)ニュースでは、近々にも人々を福島原子炉周辺に帰還させると言う報道が為されている。福島原子炉安定の目安が立たないどころか政府・東電が出してきた工程表が「デタラメ」だと分っていてもなおである。その意図は何処にあるのか。
2)最近では、福島原子炉安定の山場を越えたと福島原子炉シニア行動隊長までも発言している。実は、事故後の原子炉内部のことは何も分かっていないのだから、分かっていないから、如何して人々の英知を結集せよと言いきれないのか。
3)私が思う最大の疑問は、福島外しである。確かに何処そこの原発も危うい。今、現実に起きている福島原子炉を処理できないで、如何して他の原子炉に対処できるのか。100歩譲って、福島原子炉を中心とした、安定化行動を何故提起できないのか。
4)私は「福島原子炉包囲網」を提起して久しい。理解者は増えるものの、周辺行動は増すものの、現在、福島外しは大きな勢いである。その原因は何処にあるのか。
1)2)3)4)の問題は、自ら行動する範囲を遥かに超えた問題である。情報の洪水もあるので、身の置き場が無いことも事実である。でも、情報も1つの実体験であるとすれば、耳を塞いでいるわけにも行かない。洪水の中に身を置く1人の人間として、それが大木なのか、わが命に関わるほどの重大なものかの判断は必要である。そうでないと、私の存在すらが危ない。
1)ニュースでは、近々にも人々を福島原子炉周辺に帰還させると言う報道が為されている。福島原子炉安定の目安が立たないどころか政府・東電が出してきた工程表が「デタラメ」だと分っていてもなおである。その意図は何処にあるのか。

私の見解はメルトダウン、メルトスルーは災いのように見えて実は福島原子炉安定のために与えられたタイムラグのようなものだ。チェルノブイリのような爆発・一挙拡散、10万人軍人の決死隊を注ぎ込める状況には無い日本では、偶然、天が味方したようなものだ。だから、このチャンスをどのように生かすのかが問われる。現場ですら、安定には1.5年とも言う。それを安全サイドで予測すれば15年こことだ。プラント設計の常識でもある。私も東電、東芝との仕事をしたことがある。彼らは、技術的・現場的よりは政治的・経済的スケジュールを優先する。労働者や技術者を人と見ていないからだ。牛馬のように幾らでも搾り出せると思っている。実は、原子力技術者には限りがることに余りに無知であるのだ。勿論、この原子力技術者の現場からの逃避、原子力技術者の絶対的不足も彼らが作り出してきたことだが。現実は、更に厳しい。原発燃料棒の状態すら分かっていない。如何して処理するのだろう。その調査のためのルートさえ見つかっていない。冷却は必要最低限の作業であり、それすら死を覚悟しての作業である。作業員を増やしたと言っても現場は高々千人である。規模的には小さいと言われるチェルノブイリですら、10万の決死隊が必要であった。福島原子炉には100万人の決死隊が必要ではないのか。当面は、福島原子炉周辺からの避難・撤退が必要である。その数は200万人とも言われる。権力が恐れるのは、この人々の大移動・大流動を恐れるのである。
2)最近では、福島原子炉安定の山場を越えたと福島原子炉シニア行動隊長までも発言している。実は、事故後の原子炉内部のことは何も分かっていないのだから、如何して分かっていないから、国民の英知を結集せよと言いきれないのか。
私の見解は、今までにマスメディアが伝えるような「人々がパニックに」なると言われているような生やさしい考えではない。確かに少人数のマスメディア関係者がパニックになって、人々に風評被害を拡散させっる(原文ママ)。実際には、それに踊らされる人々は1千万人とは居ない。チェルノブイリ原発事件で、ソビエトは情報管制を徹底したが、それでもソビエトは崩壊し、現在の小さな国家ロシアとなった。権力が恐れているのは、人々の決起・カオス化である。マスメディアはそれに協力しているに過ぎない。でも、チェルノブイリ事故のように一挙の爆発でなくても、じくじくと迫ってくる爆発の恐怖は人々の忍耐を疲れさせる。運良く、地下汚染、海水汚染、放射線障害で人々が右往左往して、この忍耐を蓄積できないならば、事態は権力の安定を迎える。所謂、彼らが清掃に明け暮れる時間的余裕(タイムラグ)が与えられることだ。現在、人々には忍耐が必要である。福島原子炉を直視することが必要である。そこから、値を搾り出すのである。
3)私が思う最大の疑問は、福島外しである。確かに何処そこの原発も危うい。今、現実に起きている福島原子炉を処理できないで、如何して他の原子炉に対処できるのか。100歩譲って、福島原子炉を中心とした、安定化行動を何故提起できないのか。

私の見解では、福島原子炉の実際を無視して、あちこちに不良原発を探し出し、その影響の隅々を細かく浮き彫りにしていくのは、マスメディアの手法とは言え、人々の目を福島から外させる以外の何者でもない。福島原子炉の状況をを見ている、原子炉立地の住民は己の危険を感じる。それは、事故以前の福島原子炉周辺の人々にとっても同じことであった。アメリカのスリーマイル原子炉事故、ソビエトのチェルノブイリ事故とて同じように感じていたに違いない。それでも、人々はその程度ならばと感じたに違いない。もしかしたら、福島原子炉事故もそのように感じることもあるだろう。しかし、福島原子炉事故は、現在進行形である。スリーマイルやチェルノブイリと違い、勿論広島・長崎とも違う。人々は、今起きていることを日本列島、地球上の人々と共有しているのである。過去でも他人事でもないのである。可能性としては、この事故を地球上の人々のあらゆる事象へのアナロジーとして対処できるのである。私は、この問題を青梅市が直面する二ツ塚処分場のアナロジーとして捉えたし、福島原子炉の対応することなく、二ツ塚処分場問題は有り得ないと考えている。これは、青梅市からいわき市に向かう安定化のための道でもある。
4)私は「福島原子炉包囲網」を提起して久しい。理解者は増えるものの、周辺行動は増すものの、現在、福島外しは大きな勢いである。その原因は何処にあるのか。

私の見解では、私もそうだが、人々は福島原子炉についてはまだまだ危険性が身近にはないと思っている。放射線障害もそうだが、実際には身に起こってみないとその危険性は分らない。あくまでもその危険性は統計上の問題であって、1万人に1人とかは、交通事故でもたばこ障害でも起こりえることである。勿論、これが100人に1人かなると人々は騒ぎ出す。そのときに、原子炉から遠ざかろうとするのか、でも原子炉に向かおうとするのかが、大いなる選択であると、こればかりは経験しないと分らない。従って、戦争時、軍隊では後ろから銃を仕掛けるしかないのである。その時には、自由も自立も、個人の意思もあったものではない。私とて、そのときに自分の選択肢については保証できない。私は、福島原子炉包囲網という念仏で、いざと言う時の選択肢を自ら狭めている。それは他人に強要できるものではない。よく言われる仲間性と同志性、同志性とは戦時下・危険下での協働性を示す。そして、私はそうした状況下、そうした同志性をほとんど経験していないのである。「福島原子炉包囲網」はまだ、現場で活動する人々との連帯の域にすら居ない。それは、政府・東電の福島原子炉監視網に甘えている姿でもある。
満田

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