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2010年7月28日水曜日

水銀汚染ー清掃工場操業停止問題の裏側 by 環境ジャーナリスト 青木泰氏

たった今、青木泰さんから、「水銀による(23区)焼却炉停止事故とーその原因報道」に関して水銀問題追求レポート第1弾が入りましたので以下に掲載します:
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水銀問題隠された問題追求第1
水銀汚染ー清掃工場操業停止問題の裏側
20100728 
環境ジャーナリスト 青木泰

<水銀による焼却炉停止事故とーその原因報道>
23区廃プラ焼却検証市民実行委員会の会合(7月22日)に水銀問題が飛び込んできた。
その日の東京新聞の朝刊1面に「都内清掃工場水銀で5焼却炉停止ごみが9万トン未処理」と言う大見出しが踊る。「事業者が不正排出か」と言う小見出しもつけられていた。
概要は、
*23区の清掃工場で、今年6月11日から今月18日にかけて、排ガス中の水銀濃度が、自主基準値(1立方メートル当たり0.05mg)を越えて、焼却炉を停止せざるを得なかった。今も3清掃工場4焼却炉の稼動を停止している。
*この結果処理まちの量が、8万9千トンに上り、限界値の9万トンに近い。
*23区のごみを燃やしている東京二十三区清掃一部事務組合(清掃一組)は「これまでこれほど相次いだ事は無い。持ち込まれた水銀量は家庭ごみから排出されたと考えるには余りにも多い」と言う見解を発表し、事業者が不正に有害ごみを排出した可能性があり、不法投棄の疑いで警視庁に刑事告発することを検討すると意気込んでいる。
この件は、朝日新聞などは、21日にべた記事で報道し、東京新聞の1面トップの取り扱いのおかげで、大きく問題化しつつある。
この報道を受けて、環境総合研究所の鷹取敦主任研究員は、同研究所のホームページのコラムに見解を乗せ、まったく憶測で「事業者の不正排出」と言う見解を出した清掃一組とそれを疑うことなくそのまま報道した新聞社に疑問を呈した。









■東京23区清掃工場の水銀問題報道に隠された廃プラ焼却問題(その1)
鷹取敦 22 July 2010 独立系メディア「今日のコラム」


■東京23区清掃工場の水銀問題報道に隠された廃プラ焼却問題(その2)
鷹取敦 22 July 2010 独立系メディア「今日のコラム」






<事業者犯人説の根拠は?>
東京新聞の1面報道の翌日(723日)の「こちら特捜部」では、この問題を連続して取り上げ、なぜこのような事故が起きたのかを京都大学の酒井伸一教授や「止めよう!ダイオキシン汚染東日本ネットワーク」藤原寿和事務局長に取材している。2人とも環境省が焼却炉の煙突から排出される排ガス中の水銀規制や重金属規制が行われていない実情に規制を設ける必要性を訴えているが、今回の事態について酒井伸一教授は、「事業系のごみが疑われるのも無理が無い」としている。
しかし事業者犯人説の理屈は、風が吹けば桶屋が儲かる程度の理屈でしかない。
清掃一組は、自主規制値を超えるような事態は、1時間に200gもの水銀の投入があって、それを燃やした時に起きる。200gもの水銀は、蛍光灯で言えば、2万5千本になる。従って家庭からの排出は考えられないと言う。しかし水銀を200g入れても、途中のバグフィルターや活性炭フィルターなどで、ほとんど取りきれ、排ガスとして出てくる分は、0.05mg/1m3でしかないと言う清掃一組の説明根拠はどこにあるのか?このような物質収支を追いかけた実験をどこでやったのだろう。そのような事例は聞いた事が無い。
廃棄物に混入している重金属の割合をあらかじめ測定し、想定した混入量が、焼却過程のバグフィルターの飛灰(煤塵)、活性炭フィルターや焼却灰、汚水汚泥そして煙突に流れる排ガス中でどのように採取されたのかを追跡するのが、物質収支の実験である。
実験した事例として、京都市の溶融炉導入実験があるが、その時にはカドミウムや鉛でさえ、途中でほとんど捕捉されず、90%以上揮発し、排ガス中に放出されていた。
この事例を基に考えると煙突から排出されるとほぼ同一の量を、燃やすごみに混入するだけで、自主規制に引っかかる事になる。
とすると1時間当たり200gと言う高いハードルではなく、もっと少ない量でも、自主規制値に引っかかるとしたら、事業者犯人説は的外れとなり、今後も同様の事故を繰り返す事になる。
実際家庭で使用されていた旧式の水銀製の体温計で水銀混入量が1g。これらが、数本入るだけで、水銀濃度が異常値を示したと言う清掃現場の報告もある。ましてや水銀製の血圧計は50g以上ある。 今は製造していないものでも、廃棄物は製造しなくなってから10年、20年後に捨てられる事はある。

<最大の犯人は、廃プラ焼却によって、分別の仕組みを壊した事>
これまで不燃ごみにしていたものを分からなければ可燃ごみにしてくださいと可燃ごみとして捨てる事を進めてきた二十三区と廃プラ焼却を進めた清掃一組。
今回の何でももやせるごみにと言う指導によって、クリーニング用のビニールコートした針金のえもん架けが燃えるごみとして多量に投入され、それらが、直径20センチもの金属の束となって、蛇のようにとぐろを巻いて、焼却炉を停止させた事故や焼却炉の停止に伴う死亡事故も知られたところである。
何でも燃やすほうに誘導する行政指導の下で、これまで捨てかねていた血圧計や体温計が多量に捨てられ、今回の事故に繋がった可能性のほうが、大きいのではないかと考える。 
また清掃一組が実証確認試験を行ったデータを23区廃プラ焼却検証市民実行委員会で改めて検証し、環境総合研究所が整理したデータ(*1)を見ると、
http://eforum.jp/waste/ikedatakatori-tokyo23ku-plasticincineration1012.htm
(1)可燃ごみ中には、かなりの総水銀が含まれている。
数値的には、過半が0.1~1 mg/kgの間にある。
23区の焼却炉の1基当たりの処理量は、日量で150トン~600トンであるので、一基当たり、15g~600gの間で水銀の混入があり、時間当たりでも0.6~25gの混入が、普通だった事になる。
(2)廃プラ中に含まれる総水銀は、全体平均で0.2mg/kgあり、その他の可燃物の約3倍、紙類の6~7倍の含有量である。
(3)可燃ごみ中への廃プラの混入率は、廃プラ焼却実施後13~22%に増えている。(これまでは約6%)
(4)廃プラ焼却実施後総水銀の「焼却灰」中の濃度は、4箇所の工場で実施前に比べ大幅に増加している。
(5)廃プラ焼却実施後総水銀の「飛灰中」の濃度は、港区と墨田区の清掃工場を除き、実施前に比べ増加している。

以上まとめると廃プラには、水銀含有量が多く、廃プラ焼却によって、可燃ごみ中に含まれるプラスチックの量は、従来の3倍になり、焼却灰や飛灰に含まれる総水銀の濃度は、大幅に増加している。廃プラをすべてリサイクルした港区が、飛灰中の濃度を減らしているのは、象徴的である。(*2)
焼却灰や飛灰中の総水銀の量が、増えていることから、排ガス中の総水銀がそれ以上に増えているのは、容易に類推できる。その意味では、今回の水銀濃度が自主規制値をオーバーしたのは、事業系の違法な排出を持ち出すまでも無く、廃プラ焼却だけで理由が説明できる可能性がある。
これまで、全国で行われている廃プラ焼却で、同様の問題が指摘されていないのは、排ガス中の重金属の測定が,他では行われていないだけの話である。
廃プラ焼却の見直しは、必死であると考える。

*1「東京二十三区清掃一部事務組合が実施した『廃プラスチック混合可燃ごみの焼却実証確認』についての評価報告書」
*2 飛灰中に含まれる水銀量は、廃プラ焼却前と後では、少数の例外を除いて水銀量が増えているが、廃プラ全量リサイクルした港区が、その数値を約1/3に減らしているのは、特筆される。

追)
私のほうに藤原寿和氏から送っていただいたメールを添付します。

この件は、722日の東京新聞の朝刊1面で大きく報道されました。

ー下記環境総合研究所の鷹取氏の報告文書をご覧ください。

そして翌日723日に東京新聞で再び報道されました。それは、添付ファイルをご覧ください。

東京23区のごみの焼却を担っている清掃一部事務組合の見解では、
事業系のごみー事業者から不法に投棄されたごみのせいで、水銀濃度が自主規制値を越えたということですが、事実は、廃棄プララチック焼却後、頻繁に水銀濃度が高くなるというのは、起こっているようです。

私は、廃棄プラ焼却のため、
(1)分別のルールが壊れ、プラを含むものは何でも燃やしてよいことになった。
(2)そのため水銀を多量に含む体温計や血圧計も可燃ごみに混入することになった。
(3)プラ製品には、重金属が含まれるため、燃やされるプラの増大によって必然的に・・・排ガス中の水銀も増えた。
と考えています。 
なお環境省の規制では、ごみ焼却場では重金属の排ガス規制を行っていないため、ほかの自治体で、同様の環境汚染があっても東京のようにチェックされることはありません。

20100727
青木泰
 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

皆さま 藤原です。

水銀混入ゴミで焼却炉が停止いている問題について、東京新聞の本日付朝刊「こちら特報部」(27、28面)に詳細に取り上げられています。私と京都大学の酒井伸一教授のコメントが掲載されていますのでご覧ください。この件で、昨日佐藤さんに23区清掃工場における水銀等の測定結果の詳細を過去5年間にさかのぼって開示請求をしていただくようにお願いしました。
折しも来年1月には水銀排出抑制条約(いわゆる水俣条約)締約国会議(管理理事会)が日本政府の主宰で開催されるにあたり、化学物質問題市民研究会では海外の水銀ゼロ規制ネットワークなどの国際NGOを招請して今年12月5日か6日に日本で国際シンポジウムを開催することが正式に決定されました。これには原田正純医師を特別ゲストに招請をしてほしいとの海外NGOからの強い要請があり、目下原田医師に打診中です。
ちょうどいい機会ですの、今回の問題を契機に、上流側の水銀等重金属対策を求めていきたいと思います。

また、環境総合研究所の鷹取さんが以下の文章を書かれていますので併せてお読みください。

■東京23区清掃工場の水銀問題報道に隠された廃プラ焼却問題(その1)
鷹取敦 22 July 2010 独立系メディア「今日のコラム」
■東京23区清掃工場の水銀問題報道に隠された廃プラ焼却問題(その2)
鷹取敦 22 July 2010 独立系メディア「今日のコラム」

2010年7月23日付東京新聞(朝刊)「こちら特報部」.pdf
http://docs.google.com/fileview?id=0BzopYmjFsal1ZTA5MzBiZmUtZDQ2NC00MDdmLWE0OWQtODNmODA0MGNlMThk&hl=en
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水銀で停止した光が丘清掃工場を訪問した練馬区の区議池尻成二さんも「"犯人"は?」でこんなことを書いています。
http://ikejiri.exblog.jp/13631714/
池尻成二さんのブログその他水銀・清掃工場関連記事は、
http://ikejiri.exblog.jp/i5/ 



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関連記事


2010年7月26日月曜日

7/17鄭智允さん講演・学習会〜「韓国でなぜ生ごみ資源化100%が可能だったのか」参加報告 by 入江篤子氏

7月17日鄭智允さん講演・学習会に参加された入江篤子さんから貴重な報告が入りました。ご本人の許可を得て、以下に掲載させて頂きます。感謝。
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717日「韓国でなぜ生ごみ資源化100%が可能だったのか」学習会に参加して

by 入江篤子

韓国のごみ事情について大変興味深い報告だった。

1986年軍事独裁政権から民主化され、法律を作るにあたって住民の意見を入れなければならないというシステム法ができたので、住民運動が一緒に民主化を実現したという一体感をもって、長期展望のある環境政策を進めることが出来たとのこと。

韓国ではごみは殆ど埋め立て処理されているが、2005年に「生ごみの直接埋め立て禁止法」ができ、急速に生ごみの資源化が進んだ。現在ソウル市では100%資源化されている。環境市民団体と行政の協力、決まったことは従う国民性(軍事政権時より)、インターネットの普及、学校での環境教育、ごみの有料化、そして厳しい罰則があることが成功の秘訣であろう。

回収方法は、よく水気を切って専用の容器あるいは袋(5Lくらいの容量)に入れ、自宅前に出しておくと、環境美化員が週1~3回、回収する。分別が悪いものは赤い紙が貼られて残されるので恥ずかしい。生ごみ回収専用車が飼料工場や堆肥化工場に運ぶ。工場はソウル市内にはなく、郊外にある。

出来た飼料・堆肥は農場、農家が利用するが、一部の志の高い農家以外は使いたがらない(日本と同じようで)ので、多くは無償。ここに課題がある。

日本では都市部での生ごみ資源化は「くさい、きたない」と敬遠され、焼却した方がコストがかからないかのように思われている。しかし、焼却炉は作るだけでなく、その維持管理に金がかかり、30年すればまた建て替えが必要になる。地元の理解を得るのに時間がかかり、移転は困難というのが現状。長期展望すると、資源化するほうがコストがかからないことに気づいていないと言える。

日本では焼却されるごみの60%が生ごみでうち80%が水分である。資源化して活かせば生き物を育て、また食べ物になるものを、莫大な税金をかけて水蒸気にし、プラスチックと化学反応を起こさせ、汚染物質を拡散させる焼却行政は終わりにして欲しいと切に願う。
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その他関係記事:


また、鄭智允(ジョン・ジエン)さんは、2010/4/10「生ごみ100%資源化プロジェクト発足会」第1回講演会で、「韓国での生ごみ資源化の状況」について話をされています。その時の様子は、池田こみちさん・鷹取敦さんが以下参加記①にまとめられています。
生ごみで花いっぱいのまちづくり・生ごみ100%資源化プロジェクト発足会

2010年7月25日日曜日

8月23日(月)「第18回生ごみリサイクル交流会2010 生ごみは宝だ!」〜参加申込受付中

NPOたい肥化協会主催
8月23日(土)
「第18回生ごみリサイクル交流会2010~生ごみは宝だ!」
参加申込、受付中。

午前中のシンポジウムは、瀬戸昌之氏「生ごみは宝だ!日本農業再生への道を探る」、菅野芳秀氏(長井市レインボープラン)「台所と農業をつなぐ生ごみ堆肥・・・土はいのちのみなもと」 、吉田 義枝氏(戸田市環境クリーン室)「生ごみがお花になって還ってきた…農地のない都会の挑戦」、吉田俊道氏(NPO法人大地といのちの会 )「土の元気は野菜の元気、人の元気・・・生命はつながっている」の講演、午後は4つのテーマ別分科会があります。

プログラムの詳細、参加要項については、以下をクリックしてください。

「第18回生ごみリサイクル交流会2010~生ごみは宝だ!」

第18回生ごみリサイクル交流会2010~生ごみは宝だ!
日時:2010年8月23日(月) 
交流会:  9:50~16:30(930開場) 
懇親会: 17:00~19:00(希望者)
場 所: 早稲田大学国際会議場(東京都新宿区) 
参加費(含む資料代): 堆肥化協会 正会員・学生 3,000円 一般 3,500円 
  *懇親会費別途 


【主 】 
 第18回生ごみリサイクル交流会2010実行委員会
 特定非営利活動法人 有機農産物普及・堆肥化推進協会
 〒107-0051 東京都港区元赤坂1-5-1 ミヤナガビル201
電話  03(5410)3735  FAX 03(5410)5267
ホームページ http://www.taihika-kyokai.or.jp

2010年7月19日月曜日

7月22日(木)会合のお知らせ〜23区廃棄プラ焼却検証市民実行委員会関係

青木泰さんから、以下お知らせです。
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皆様へ

23区廃プラ焼却検証市民実行委員会からのお知らせ

<次回会合>

日時:7月22日〈木〉1830分~21
場所:池袋勤労福祉会館 3階 エッポック10 交流室
池袋駅 メトロポリタン側、芸術劇場通り 消防署の隣。

<23区廃プラ焼却の問題点が次々に明らかになっています。>

1)埋立て処分場延命は、15年ではなくたった5年弱だった。(日経エコロジー今年8月号)

2)東京都の環境確保条例では、非エネルギー起源であるごみ焼却によるCO2の直接の増加は、規制の対象外。しかしエネルギー起源の抑制策は、スラグ化を進める限り規制枠に収める見込みすら立っていない。

3)23区の廃プラ焼却によるCO2増大分は、19年と20年比較で40%増大。19年と21年の比較は、すでにでているが、情報開示でも出さない。

4)清掃工場の排水のダイオキシン調査データからダイオキシン値が大幅に増大していた事がわかる。

5)実証確認は、学者が参加しながら学者の見解は、情報隠し。市民検討委員会と区議の政務調査費を使った調査報告で、実証確認は実質破綻。

6)すでに一般廃棄物の基本計画で示されていた可燃ごみ量が約40万t増加すると言う予測は、大幅に下方修正しているのに、焼却炉建設計画は、ほとんどそのまま。

いよいよこうしたでたらめな廃プラ焼却を止めさせるための調査資料はそろいつつあります。本格的に止めさせるための算段を、相談して行きたいと考えます。




7/17鄭智允氏講演・学習会〜「韓国でなぜ生ごみ90%資源化が可能だったのか」報告記 by 青木泰氏

7月17日午後、「生ごみ100%資源化を目指すプロジェクト」主催第3回目講演・学習会があり、「韓国における生ごみ資源化の状況―韓国でなぜ生ごみ資源化90%が可能だったのか」について鄭智允さん(地方自治総合研究所)が話をされました。

講演内容について、青木泰さんから報告が届きましたので、以下掲載させて頂きます。鄭智允さん、青木さん、関係者みなさまに、感謝。
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皆様へ

ー生ごみ100%資源化を目指すプロジェクト主催 
「韓国における生ごみ資源化の状況―
韓国でなぜ生ごみ資源化90%が可能だったのか」
講演学習会報告

梅雨明けが宣言され、うだるような暑さの17日、地方自治総合研究所の鄭智允氏の講演学習会が行われました。暑さをものともせず駆けつけて下さった50余人の参加者の熱いまなざしに、鄭氏は、姿勢を崩すことなく、1時間15分の講演を水も飲まずに一気に行い、続いて参加者からの要点をつく質問に、一つ一つ丁寧に答え、講演会が終わった時には、韓国でなぜ90%資源化が行われたかの実態が、参加者に伝わると言う充実した講演会になりました。
講演会の詳細な報告は、別途行いますが、
当日鄭智允氏がお話された内容を要約すると、
1)韓国では、生ごみ92%再活用(資源化)が進み、ソウルでは2006年から3年連続100%再活用が進んでいる。
2)ソウルでの再活用は、2008年ベースで飼料化が約57%、堆肥化が42%となっている。
3)その他の家庭から出るごみも再活用率約6割である。
4) 再活用率が上がった大きな要因は、韓国では廃棄物の処理の8割以上を占めていた埋め立てを2005年に禁止した事(生ごみ埋立て禁止法)が上げられる。そしてその禁止法施行に当たって、1987年の時点から法施行の8年前に通知・準備を行っていた。
5)さらに遡って1995年に従量制(有料化)を実施し、各自治体で分別収集を行うと共に、罰則制度(条例通りに分別しない時に、課徴金。違反を繰り返すと罰則金が倍々に増える)も導入してきた。
6)民主化運動による政権交代が、環境問題への取り組みを強化し、環境団体が生まれたことや子供の教育でも例えば、中学校で週1回環境の科目があると言うように徹底している。
7)ソウルは東京都と人口が変わらず、1000万人を越す人口が在り、人口密度は東京より高い大都市でそこで生ごみ資源化ができていると言うのは、注目に値す
る。

なお今後の流れとして以下の日程を紹介いたしました。
今後の予定:
1)生ごみ100%資源化をめざすプロジェクト 主催見学会
見学先: 戸田市フラワーセンター&久喜・宮代衛生組合生ごみ堆肥化
HDMシステム 10月~11月予定
2)学習会 食品リサイクル法 農水省担当者他
9月~10月予定                 
文責 青木泰
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