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2012年4月25日水曜日

20120423 満田正さん「福島原子炉包囲網日誌」〜多摩エコセメント、焼却灰のセメント化、他


From: 満田正 
日付: 201242313:57

吉田さん、満田です。
頂いた資料、今読みました。
結構難しい問題が山積しています。
特に、2009/12/10 九州福岡アサヒビルBF1階での説明会「地域循環圏に関する九州会議(第2回)議事録要旨」は面白いですね。http://kyushu.env.go.jp/recycle/100301a.html
オーソドックスな紋切り型の議事内容が見れて懐かしいです。先ず、そこでの議論のいくつかコメントしてみます。
1)環境省にとって循環圏は永遠の課題ですが、その要素は物質収支、人的収支、そして資金収支です。そこで、何故か生ごみダンボールコンポストが話題になること自身が不思議です。とにかく、ダンボール消費、生ごみ処理、その堆肥利用どれをとっても中途半端です。とにかく、家庭での生ごみ循環は何%処理出来たかを議論しないで、マクロ数字を議論するやり方も可笑しい。ダンボールコンポストは青梅市でもやっているのですが、市民のガス抜きです。悪いことではないにしても、そこに隠された行政の怠慢が怖い。
2)生ごみ堆肥化について臭いの問題を解決できないのは時代遅れですが、何よりも分別が進まないと言うことは、殆んど物質収支に無関心であることです。分別収集は循環圏静脈産業での基本的立脚点、それが旨くいかないのでは話にならない。分別には手間暇コストがかかり、従って、品質が保証される。市場価格を生み出せる。こうした試作が必要です。
3)事業系と一般ごみでは分別に極端な差が生じる。事業ごみは分別無しに扱える場合が多く、分別対象さえはっきりすれば、需要は高い。一般家庭ごみは分別が難しく市民啓蒙指導が必要になる。循環圏での基本は、需給バランスなので、分別すればどこまで循環できるかのモデルが必要である。特に最終処分については、循環圏ではあってはならないことで、循環目標何%とは最終処分量何%でもある。このモデル無しにはスケールメリットは出てこない。物質収支も出さない中でのコスト比較も無意味である。
4)セメント工場での飛灰、主灰の扱いは参考になる。「主灰は工場乗り付けで25,000/t程度。飛灰は埼玉の工場では60,000/t。ばいじんは洗った後の水処理にランニングコストがかかるので高くなる。実際にはものによって違う。焼却施設側で異物を取り除いていただければ、その分が少し安くなるということも考えられる。」いわゆる、①焼却場でも、セメント工場でも異物抽出処理を行っているので、②その排水汚泥は異物が混入しているし、③それを埋立て処理すれば、その異物がまた環境に排出される。というような悪循環が繰り返されていることになる。要するにエコセメントよりもその製造工程における廃水処理、排ガス処理が問題となる。

5)太平洋セメントで、3つシステム(生ごみ焼却を伴うAKシステム、焼却灰を伴うエコセメント、通常の石灰灰による通常工場)の3つのセメント製造のあることは初めて知った。生ごみの焼却が二重に行われていることであり、要するに非循環のシンボルである。逆に生ごみ分別、堆肥処理が進めば、建設産業を縮小し農業畜産水産林業を成長させるというごみ循環には明るい未来がある。
6)ここまでの議論からすれば、広域処理が意味無いことが分りそうなものだが、ここでひょいと広域処理が話題となる。
7)静脈産業は古くて新しい問題なので、宇宙開発、原子力開発並の資金投下が必要である。例えばリユースは除菌処理であり、レアメタルは抽出処理である。これは現在最大の困難を来たしているセシュームなど放射性物質徐染処理に関係する問題である。余りに、静脈産業が蔑ろにされたので、現在の混乱がある。
立川市議大澤ゆたかさんの議会質問も参考になります。http://homepage2.nifty.com/osawa-yutaka/kankyou-genpatu-ekoseme-haisui1.html
1)千葉県市原市「市原エコセメント」の廃水処理はは大変です。しかしながら、何時ものことですが、廃水処理は何処でもやっていること、市原エコセメントを問題にすることで、他の廃水処理の免罪符になっているのではと思うのです。国が8000Bq/kg以内ならばよいというのは、8000Bq/kg以下に希釈しろというのに等しい。「市原エコセメント」はその知恵が無かっただけということです。
2)ところで、この希釈の論理が可笑しいことは誰でもわかると思うのだが、8000Bq/kgの排水を1kg流すのと800Bq/kgの排水を10kg流すのとでは環境負荷にとっては同じことである。これは排ガスでも言えることで、NGは0.01μSv/h以下だとしても、それは0.04マイクロSv/ 0.004μSv/以下の放射能物質の存在を否定できないのだから、家庭での焼却と違い、数万t焼却の施設ではそれなりの放射性物質が排出していることである。もちろん、家庭での排水、排ガスでも少なければ良いのではなくて、数万、数十万年での排水、排ガスは大変な環境負荷を強いているのであって、例えば、洗濯洗剤による汚染は、工場で生産される洗剤量が環境負荷となっている事実を知っておかねばならない。
3)大澤議員の質問に答えて、東京多摩広域資源循環組合が排水、排ガス観測を行っていないような発言は第1部衛生組合焼却炉、エコセメント工場、八王子下水処理場の監視役としてその資格喪失に値する発言である。もちろん、循環組合は多摩地域市役所から成立していますので、市役所もまた、その任務を放棄しているということです。
togetterの議論で気になることをコメントします。
1)福島原子炉での最悪シナリオは、原子炉暴発ですが、そ次に重要なシナリオは排水による海洋汚染です。海水へは現在もなお、放射性物質の垂れ流しであると推察するのですが、その量が把握できない。これは排水量が把握できないこと、放射線物質の排水濃度が把握できていないことによります。とにかく、原子炉暴発阻止、放射性物質の封じ込めは緊急課題です。
2)空気中の放射性物質の拡散は、原子炉の暴発による放射性物質の放出と、風による拡散によるものですが、もちろん、この拡散は今も続いているのですが、一旦飛散した放射性物質が、花粉や地面の埃として空気中に舞い上がり、延々と未だに拡散し続けていることは明らかです。このことは、自然現象としてどうしようもないことですが、被災地の瓦礫の広域処理は、人の力でそれを良しとよいしょするもので、しかもそれが焼却炉という限られた場所への拡散ですので、今後人災を上塗りするようなものです。
3)ところで、焼却炉、エコセメント工場での放射性物質の焼却処理は、廃水処理、排ガス処理の濃縮・拡散を繰り返すことになります。特に、濃縮された汚泥を埋立て処理することは論外です。コンクリートの耐用年数は長くて100年、ゴムなどそれ以下ですので、その閉じ込めは長期に見れば不可能です。豊島のように埋めたものを掘り返すという必要性は必ずやってくる。
4)その時期になって、掘り起こしも大変ですが、放射性物質に限らず、埋立て処理は有害物質の溶出がゼロではないのですから、有害物質は最初は微小ですが、段々とその量が増え、耐用年数が過ぎると100%溶出するということです。この原理から行くと、放射性物質も、埋立て処理は危険極まりないことです。焼却処理はただ、それを濃縮しているだけの作業に過ぎません。
5)従って、埋立てか焼却かの議論は不毛です。どちらもエネルギーの浪費でありかつ有害物質を拡散させます。要するに、資源の有効回収、有害物質の無害化が進んでいない中で、文明の進歩の名において自然資源を掘り出してきた結果です。この代償は大きいものです。遅くは無いので、全力を挙げて、未来の子供達のために、資源の有効利用、有害物質の無害化の主要な社会形成が必要です。
6)原子力、原発、有害物質も、結局そこから逃げていては傷を深めるばかりです。この敵に立ち向かう勇気も必要です。とにかく、福島原発暴発阻止のためには、その能力に関係なく、福島原子炉包囲は必要です。



----- Original Message -----

送信者 : ジェリコ
宛先 : tamakannet@googlegroups.com
送信日時 : 2012420 3:40
件名 : Re: [tamakannet:160] Re: [josensolar:0403] 木材チップの搬出による放射能の拡散

満田さん

興味深いメールありがとうございます。吉田です。

一点、東京都の下水汚泥はすべて焼却されています。各下水処理施設に専用の焼却炉がありそこで燃され、出た焼却灰は、東電福一爆発由来の放射能汚染が発覚する前は、
①23区の下水汚泥の焼却灰は、中防に埋め立てられていて、発覚後も埋め立て、
②三多摩のは、民間セメント会社に搬出、発覚後は引き取り断られ、フレコンバッグに入れて各下水道施設で保管されていました。昨年9月頃東京都が仲介、三多摩の焼却灰も中防に埋め立てられるようになりました。この埋め立てに関しては、中防の管轄区である大田区と江東区の同意を得た上で行われたとのこと。

以下、関係記事です。ご参考まで:
http://blog.goo.ne.jp/wa8823/e/76d49144a836a3b589488e8b49508f3f

また、三多摩の清掃工場から出る焼却灰はすべて日の出町のエコセメント工場に行きます。エコセメントは三多摩420万人の最終処分場の代わりです。3.11以後、ごみ焼却灰に放射能汚染が発覚してもエコセメント工場は止まりませんでした。東京都が去年の8月、8000ベクレル/kgまでの使用を認めたからです。エコセメントの焼却灰の使用比率は5560%と高く(一般のセメントの場合は3%)、製造工程や製品、製品の劣化などを通して、放射能汚染の拡散の恐れがあると感じます。但し、循環組合は、焼却灰に濃縮して入って来たセシウムは、セメント製造工程ですべて排水に出て、下水に流されるとの見解をとっています。すべて排水にでてることがほんとうかどうか確かめる術がありませんが、下水に流されたセシウムは下水処理施設に集められ、下水汚泥として焼却され、灰が中防の埋め立て地に行くことは確かなようです。

関係のまとめや記事、ご参考まで:

多摩地区の最終処分は埋立とセメント製品化 
http://togetter.com/li/267444
水源が危ない 多摩川は大丈夫か 【日の出 二ツ塚 エコセメント】
http://togetter.com/li/283472
太平洋セメントにおける焼却灰のリサイクルについて
http://kyushu.env.go.jp/recycle/100301a.html
日の出町のエコセメント化施設の操業停止を!(2011/11/03
http://homepage2.nifty.com/osawa-yutaka/kankyou-genpatu-ekoseme-haisui1.html

吉田紀子
ーーーーーーーーーーー
20124192:08 満田正 :
Mさん、満田です。
情報拡散ありがとうございます。
要するに、焼却時には、一般ごみとの混合を前提としているので、8000Bq/kg基準が意味を持っていないです。
それでも現地から、この種の情報が入り、このトラックが何処に到着するかを抑えることが出来れば、政府が大キャンペーンを張っている、広域処理の心理が見抜けるようになると思います。
この意味でも、がれき受け入れ広域処理の実態を掴むには、がれき排出、がれき受け入れの具体的なチェックが必要になります。
今日、電話で、東京都の下水汚泥が大田区で集中的に埋め立てられているとの情報を受けましたが、下水汚泥は相当高い線量を持っているはずです。昇給悪上での廃水処理が行われますが、その下水汚泥は東京とでは焼却していないようです。ですから、焼却でなくて埋立てだそうです。放射性ごみの埋立て反対は徐染ソーラプロジェクトの基本姿勢ですので、大田区の埋立て処分場に関係する人が居れば、営業は可能ですがどうですか。

----- Original Message ----- 送信者 
送信日時 : 2012418 21:17
件名 : [josensolar:0403] 木材チップの搬出による放射能の拡散


Mです

 福島からのメールを転送します
 木材の搬出という形で 放射能の拡散は進んでいます

転送
----- Original Message ----- Sent: Wednesday, April 18, 2012 8:16 PM
Subject: 木材チップの搬出


2012211日福島市のコラッセふくしまへ向かう途中、雪の飯舘村でのピンぼけ写真です。

南相馬市から、木材チップを運び出しています。

自宅のユズの実は、1月7日は1,293bq/kgでした。しかし、1,905bq/kg(4月3日計測)に対して、ユズの幹は、15,767bq/kg(328日計測)という、トンでもない数値が出ています。(LB2045測定結果)

一般ゴミ扱いできるの国の基準は、8,000bq/kgですので、この汚染レベルでは焼却もできません。

他の木材も押して知るべしというところです。加工建材のみならず、角材や板材の汚染度合いが心配です。放射能が日本中に撒き散らされているというこでしょう。


Mの返信
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バグフィルターのついた焼却炉で燃焼した場合
40%が空気中に飛散し、60%は灰に成るという実験結果がありました。
灰は100倍に濃度上がると言われていますので箱に入れて保管しなくてはなりません。


幹の放射能が高いのは多孔質で空気中のセシウムの微粒子を吸着するからだと思います


ゆず実は根から吸い上げたセシウムが主だと思います。

木材チップにするとき、皮を剥いでからチップにすると1ケタ下がると思います
加工建材はチップを原料にしているので 危険だと思います
角材は皮の部分はないので 相対的に低くなると思います

焼却灰は100倍にセシウムを濃縮すると言われていますので
東京でも灰は8000Bqを超えています。

箱に閉じ込めるしか、方法はありません
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