ごみ探偵団: 20110827 満田正さんの「福島原子炉包囲網日誌」8/23-2〜Yさんとのやりとり＋「福島第一原子力発電所におけるロボットオペレータの手記」紹介

From 　満田正

日付　2011年8月27日10:40

件名　Re: [tamakannet:79] 福島原子炉包囲網(8/23)日誌

Yさん

現在、津波が論議の的になって居ますが、そしてその想定論拠も明確になってきています。

あくまでも津波予測は統計確率（グンベル分布）によるもので、人為的な作業によるものです。

それを１０００年のターゲットによるとするかどうかは推測者（政治的都合）で判断するものです。

時代を遡れば、日本列島が現在の形になったのは、１万年少々だったわけで、大型地殻変動が無い保証は無いわけです。

たとえ、今回クリアーしたからといって、原子炉の安全を図る手立ては無いわけで、特に原子炉については、放射能という厄介なものを携行しているので、日本列島のような地震帯での建設は土台無理な話で、とにかく、その計画が、１００年程度の予測で処理しようとすること事態、無茶苦茶な話です。

しかも、原子炉は配管だらけの化け物、その耐用年数が４０年とかに限られているのに、それを２０年も延ばすほど、無神経もさることながら、福島原子炉については、とっくに当所の耐用年数が過ぎているのですから、たとえ、津波が予想できなくても、震度７程度の地震であれば、配管が破戒する。その限り、熱制御不能、温度上昇は避けられない。

現場の技術者はそれを百も承知で、生活のため、政府・東電の官僚的締め付けのために、にっちもさっちも行かず、悶々と日常的作業を続けていたのではないでしょうか。

そこには、日本人的な侍魂が無かったと言えば嘘でしょう。

そんな彼らが、今も頑張っています。

政府・東電、日立・東芝大企業群の居並ぶ中で、当てに出来るものは自分の技術だけだと頑張っています。

責めるべきは、政府・東電、日立・東芝大企業群、それを良しとしてきた、我々ではないでしょうか。

電力需要も彼らと我々のための電力需要です。

加害者は我々でもあるのです。

犯罪者を裁くことは何時でも出来ます。

勿論、そのためには、権力を奪取せねばなりません。

権力を奪取しなければ、犯罪者は、のうのうと我が世の春を画き続けます。

その奪取者が、加害者になってしまっているので、ここも難しい事態です。

一寸節電、一寸ボランティアでは済まされる問題ではないのです。

とにかく、犯罪行為で作られた原子炉、その暴発を防がねばならないのです。

原爆・水爆核爆弾は、他所の国のように、被害者意識で安穏と暮らしてきた我々は、今加害者である視点から、原子炉の暴発を防がねばならない。

今、原子炉施設で踏ん張っている若者達に取って代わるぐらいの勢いをつけねばならない。

残念ながら,コンピューター時代に育った若者達の技術を我々は持っていない。

我々は、彼らが、自由に原子炉制御に立ち向かえるように環境作りを仕掛けねばならない。

それは、福島原子炉包囲網であり、福島原発行動隊の考えでもある。

ここで、「たまかんねっと」で引用した２つのブログを紹介します。

★福島第一原子力発電所におけるロボットオペレータの手記

- PackBot編 -　2011.4.26～6.24

http://staff.aist.go.jp/h.arai/fukushima/packbot.htm

- Warrior編 -　2011.6.11～7.3

http://staff.aist.go.jp/h.arai/fukushima/warrior.htm

満田

蛇足ですが、神戸・淡路大震災を遡る１０年前ぐらいでしょうか、国土地理院の依頼で南関東大震災予測を行いました。電力、ガス、道路、家屋の被害を地質データーを元に震度７程度で予測すると、被害甚大、新聞発表すると、大パニックが起きるというので、被害を1/3～1/5に縮小しました。コンピューターシミュレーションでは普通の手法ですが、「歴史にはたらねばなし」との禁を破れば、この時に当所の計算どおりに被害予測を発表できていたら、関西・淡路震災被害を予測できたのではないかと悔やまれます。このときの犯罪者は、国土地理院の責任者だったわけです。こんな事例は山とあり、福島原子炉事故はその根っこを立つには、最大のチャンスであると思います。

----- Original Message -----

送信者 : 　Y

宛先 : 　　満田正

送信日時 : 2011年8月26日 23:12

件名 : 　　Re: [tamakannet:77] 福島原子炉包囲網(8/23)日誌