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2011年6月20日月曜日

20110620 満田正さんの「福島原子炉包囲網日誌」6/19 放射線被害について

日付  20116199:20
件名  福島原子炉包囲網(6/19)日誌

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今日はいわき市に行き、いわき市を中心とした、放射線濃度を専門的に調査している、木村修三氏の講演会「いわき地区放射能調査報告会」を聞く予定であった。彼は、福島原子炉事故以来、放射医学研究所をリタイアして、福島原子炉周辺の放射量測定を一途に追っかけている人である。今までに福島県3000kmもの距離を走破して測定を続けている人である。私はそのような御仁に是非お会いしたいと思っていた。

欲張りではあるが、それだけでは、実にもったいないので、当然及ばずながら、ガイガーカウンターを用いて、道中測定しながら、講演会参加予定であったが、そのガイガーカウンターを借りる手続きを怠り、結局借りれないことになったので、迷いつつ、今日は家に留まることにした。これも実にもったいない話であるが、これが私のいきあたりばったり、周囲の人々に迷惑を掛けてきた、本来の性癖である。

ということで、課題としていた、放射線被害についての第1次の纏めを行う。行うというよりも、とにかく今まで調べたもの一部発表である。

放射線汚染による、人体への影響について、今後人類が直面する問題として、それぞれに細心の注意が必要である。ただその時に、広島・長崎での原爆投下、クリスマス島核実験、チェルノブイリ原子炉、スリーマイル原子炉、今回の福島原子炉と地球規模での犯罪的原子力利用(5大犯罪)に対して、積極的な糾弾の持続性を失ってはならない。特に日本人は4度目の原子力巨大被害を受けているのであり、世界に対して、最も糾弾する立場にある。特に福島原子炉を取り巻く全ての住民は地球的な規模での糾弾行動を再開すべきであり、それこそ(福島原子炉包囲網)が原子力利用の犯罪性を阻止する橋頭堡であると考える。

風評被害の根本は、その人体への影響について必要以上の警戒、またはその影響を無視する意見をそのまま、マスメディアを含む広報機関が不特定多数へ一方的に宣伝しまくることである。私もまた、この種の風評に戸惑いつつ、如何して良いかを判断しかねるものであるが、まず一段階としてどうしても知っておきたいことを列挙する。

以下は、マスメディア(インターネット関連)から拾った数値である。出所の明確なものもあるが、だからどうだということになる。現状はそのような理屈を捏ねる時期ではないと考えて居る。

必要なことは、現れた数字を全部拾い出しながら、自分の経験する範囲、信頼できる仲間の経験の範囲で、精査することである。精査の方法は簡単である。

①自分の周囲の放射線濃度を知ること、その数値が以下に示された数値とどのように関係するかを知ることである。

②次に、自分の体調を知ることである。体調は自己記述の範囲だが、日常的に自己記述しない人は風評被害に遭いやすい。子供を持つ人は特に子供の体調を観察しておくことは重要である。これは生物としての親の基本的な役割。

③その上で、自分の周囲の人々の観察(特に子供)を怠ることのないようにすべきである。他の人々の観察もまた、普段していないとこれも風評被害に遭いやすい。これは社会共同体としての基本的な役割。

④福島原子炉周辺の人々のような異常な数値に見舞われる場合がある。ここでは、悠長なことは言ってられない。自らの動物的な感性で行動すべきです。本来、自己記述の確かな人はこうした感性は持ち合わせているものである。

⑤出来れば、勇気を持って福島原子炉包囲網に参加して欲しい。私の判断は原子炉爆発は遠のいたものの、むしろそれ故に放射汚染は巨大な広さを覚悟しなければならず、それを防ぐための原子炉封鎖のための技能、知恵、勇気を福島原子炉に結集しなければならない。ひとの社会性とは、こうしたリーダーシップのことを言う。こうして、何度も人類は絶滅を免れている。

1)自然界の放射線量
宇宙からやってくる宇宙線の量は日頃我々が受けている放射線量の最低値であり(トンネルや屋内ではこの放射線は一部さえぎられる)、その量は

年間約2400μSv=約0.27μSv/h(マイクロシーベルト/時間と呼ぶ)
で、これをmSv(ミリシーベルト/時間と呼ぶ)の単位で表すと、
2.4Sv/年間=約0.2Sv/月=約0.0066Sv/日=約0.00027Sv/
である。

地域によってはこれが4倍にもなるところ、逆にこの半分を自然界の放射線量とする場合もある。

この自然界の放射線の影響がどのようなものであるかは定かではないが、私が青梅から福島いわき市に向かう道路での放射線量は大方この値で、福島原子炉に近づくに従い、放射線量はこの数値を遥かに超えるようになる。これらの数値が人々にどのような影響を与えるかは、今後人々の健康管理が徹底して判明することであるが、まずは過去の経験値(5大犯罪)がどのようであったかも精査して見る必要がある。

不充分ながら以下は、公表されたものから拾ってきた数字です。

2)致死量の放射線量
放射線の怖さは被曝すると死に到るという恐怖である。私も60年もの前の中学生の頃、原子力エネルギーの本を読んで、その怖さに慄いた。何故か、放射線ばかりは見えずとも印刷物でも恐怖が伝わる。

放射線量が、
瞬間約7Sv以上=約7000Sv以上=7000000μSv以上だと即死である。

即死でなくても、
3Sv以上では骨髄死、腸死となり、短期間で死に至る。

ちなみに、
Svでは5%
Svでは50%、
Svでは100
致死するとの報告もある。

原子力保安委員会が福島原子炉事故後の放射線量の速報値が発表しているが、第1原子炉では
250Sv/h=4Sv/
もの放射線量が測定されているわけで、瞬間値としての、250Sv,4Svとしても考えられるわけで、原子炉周辺は死の危険一杯です。

こうした死を覚悟しての作業を強いられる人々のことを思うと、私は居ても立っても居られないのが実情である。

としても私になす術がない。

勿論、原子力保安委員会がどの程度正確な数字を公表しているかについては、定かではないが、現在はこの数値しかない。

3)がんと放射線量
放射線によるがん発症率については、様々な医療機関が発表している。どれを信用するかは、これもまた、それ以外の数値が発表されていないので、信用するしかないが、我々が検討する目安にはなる。

①がんの確率が1万人で1名(0.01%)増える:1Sv1000μSv
②がんの確率が1万人で25名(0.25%)増える:25Sv25000μSv
③がんの確率が1万人で50名(0.50%)増える:50Sv50000μSv
④がんの確率が1万人で100名(1.00%)増える:100Sv100000μSv
⑤また、200Sv以上ではがんの発生率は放射線量に比例すると言われています。
白血病もがんの一種?と見なされる。
400Svでは慢性疾患(白血病)、
500Svでは血液中のリンパ球が減少する。

ここでは、被爆時間が明記されていないが、瞬時にでもこうした放射線を被爆すると、こうした統計結果になると思われる。いわゆる、原子炉周辺での作業がいかに大変な作業であるかということである。

その他、医療機関でも詳しい被爆データが公表されているが、逐次分析はしていきたいと思っている。

例えば、0.4μSv/hは福島県内で比較的多く観測されているが、もしもこのレベルで、1年間放射能を浴びると、
0.4×24×365日=3.5mSv
の放射能を浴びることになり、1万人に数名のがん患者が発生することになると推測される。いわき市は人口34万人ですので年間100名前後のがん患者が追加発生することになる。

4)不妊と放射線
若い人は子供が作れなくなるので放射線を避けた方が良いと言うのは当然で、その可能性を表示したのをみると以下のようである。

①男子の精子数が減少する:150Sv
②男子の精子作成不能となる:3500Sv
③女性の不妊の可能性がる:3000Sv
④男性の不妊しきい値:100Sv

これとて症例を表示したもので、統計的には、こうした数値以下でも不妊の症例は起きる。ただ、こうした臨床例は人体実験のようなもので、結果を得ることが極めて難しい。

例えば、150mSvと言うのは、今のいわき市で0.4μSv/hから考えると、これを1年間浴びると3.5mSv、43年か浴びるとこの数値になる。従って、男子がいわき市に43年間住むと確実に精子減少が起きる。地表の濃度は約10倍ですので、土いじりをする人は4年一寸で精子が減少することが推測される。

5)脱毛と放射線
広島・長崎被爆の例でも、がん治療で放射線治療を受けると目立つのは抜け毛である。その発症例は以下のようである。

0.03%発症:40Sv
0.15%発症:400Sv
1.5%発症:1000Sv
5.7%発症:1500Sv

しきい値(閾値)が④として示されている。放射線治療は相当辛いことは経験者ならば、良く知っている。結構症例数が多いと思われる。

閾値については、それを安全基準とする考え方が、横行しているが間違いである。特に行政は閾値を使って安全宣言をする。人々は、法律で決められたような、この行政側の強制に抵抗するすべを持っていない。

これは放射線に限らず。環境問題における安全基準について総て当てはまる。今回の巨大犯罪はそれだけでも重要な問題を世界中の人々に投げかけて居る。


以上、系統的な事例を挙げることを試みたが、あくまでも目安であって、典型例である。でもこうした、典型例から類推しつつ、被害精度を上げていかざるを得ない。4巨大犯罪の犠牲となった日本人には、こうした経験値が蓄積されているはずであるが、どうしてもデータが公表されない。公表されない限り、症例を列挙できない。治療方針も成立しない。そのことでも、福島原子炉は4巨大犯罪によって得られたデータの公開・整理というあらたな問題を提起しつつあるのである。


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