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2011年6月15日水曜日

20110615 満田正さんの「福島原子炉包囲網日誌」6/12

青梅の知人、満田正さんの「福島原子炉・二ツ塚処分場包囲網(6/12)」日誌が届きました。6月12日に4回目のいわき行き、いわきアクションママの会主催「広河隆一講演会」に参加、青梅ーいわき市間の要所要所をガイガーカウンターで細かく計りながらのレポート、以下掲載します。満田さんに感謝。
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From  満田正
日付  20116149:24
件名  福島原子炉・二ツ塚処分場包囲網(6/12)

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今日は4回目のいわき行きである。

生憎、相棒が見つからないので、私独り、ボランティアなしで、単に広河隆一の講演を聞くためだけに出かけたものである。でも大きな旅費を取り返すぐらいの成果があった。

その1は相変らずのガイガーカウンターによる線量測定であるが、青梅の線量が東京の他地域に比べて大きいことである。これは、多摩川気流、谷川特有の逆転層によるものと思われる。逆に中央線沿線(新宿-立川間)は東京の他地域に比べて線量が小さい。今日の帰りであるが、吉祥寺周辺で線量0.04μSv/hと今まで私の測定値の中での最低を記録した。線量は天候に影響を受ける。余程綿密にしかも時空的に連続して測定しないと間違った値が記憶される。

こんなことで、私は6時間もかけて常磐線いわき市内郷の駅に下りた。この6時間は充分細かく測定できたので、記載しておく。そして驚くことに内郷における線量の高いことである。声がするので良く見るとサイクリングロードで自転車乗りの練習をしている親子が居た。私が測定しているのを見て近づき「放射線を測っているのか」と遠慮気味に声を掛けてくれた。私は内郷に降り立って、放射線濃度の高いのに驚いていたので、率直に「ずい分高い値が出ている」と答えた。空気中でも0.3μSv/hであり、地表では0.5μSvにもなる。父親は「どうすることも出来ない」と諦め気味である。「子供は大丈夫ですかね」と言うので、「東京ですら子供を疎開させる人も居る」という、「ここの人が騒ぐのは分るが、東京でね。自分達はどうすることも出来ない」と諦め気味である。私が「地表、コンクリート、空気中で線量が異なる」と言うと、「子供は自転車で遊んでいるから大丈夫かな。それでも公園はどうなっているのか」と測定して欲しい雰囲気だ。それでも長話になったので、親子は私の傍から離れた。私はサイクリングロードを4箇所、川べりや橋げたを測り、公園で自分で作ってきた弁当を食べた。食事時とて公園には誰も居ない。やはり、線量はサイクリングロードと同じに高い値を示している。

この公園、相当の子供達が遊ぶようで遊具も多い。その遊具全部にガイガーカウンターを当てた。親子連れ父親が心配げであったように、線量は相変らず、大きい。ここにもどうすることも出来ない思いが走る。こんな思いの中で、いわき総合保健福祉センターで開かれたいわきアクションママの会主催「広河隆一講演会」に参加した。講演会の終了後の質疑の中で、若い女性が考え考え質問するのを聞いた。彼女は1歳と3歳の子持ちのようである。「自分も困るが他のお母さん達にどのように説明すればよいのだろう。引越しも出来ない自分達はどうすればよいのだろう」と。

流石に講演者も困ったようである。広河隆一はそこまでに話してきた、チェルノブイリの原発事故に伴う小児甲状腺がんに対する国際原子力機関(IAEA)の安全性神話がそれも日本人の手で行われることによって、小さな少女の命を断ったという事例を引き合いに出しながら、彼に出来ることはその報復であると語りかけた。質問した若いお母さんには難しかったかも知れないが、私には、広河隆一の気持ちが痛いほど分った。確かに私たちには、安全神話を振りかざし、地球規模に到る事故を引き起こした犯罪集団を許してはならない。ただ、残念ながら、この若いお母さんへの回答は「自分で自分の子供を守ってください」としてしか言いようが無いのである。

広河隆一については私が小菅村に呼び寄せ小菅村で交通事故で無くなった故三浦幸雄の同級生であったこと、写真家として広河隆一がパレスチナに渡るとき、同級生皆でカンパを募り、成功するまで帰ってくるなと送り出したことなどを知っていた。故三浦幸雄の遺稿集を編纂した時、是非に読んで欲しいと、荻窪のスナックのママに預けたこともあった。ただ、この日、彼から故三浦幸雄の名前を思い出させるには苦労した。

講演内容は、私を凄く勇気付けるものだった。チェルノブイリ事故と福島原子炉事故に対する政府の対応の比較にはリアリティがあった。ロシアでは、政府も軍隊も、市民と同じテーブルに着いた。日本では政府と東電が秘密会議である。事故の隠蔽はチェルノブイリも福島も同じである。それが事故を益々大きくする。

特に広河隆一が仲間4人と震災の日福島に飛んだ時に道路寸断、その日到着は出来ず、宿に泊まった。撮影は12日だった。それでも現地は右往左往、自由な取材が出来て、チェルノブイリでの経験を活かすことが出来た。その日は放射線量が特に大きく、3人が3人とも線量計を持ち込んだが、3つとも振り切れたことを報告してくれた。それは100Svを遥かに超す量である。原子炉周辺に向かう人を沢山Uターンさせた。ジャーナリズムが役所に代わって、避難指示を行ったのである。私は改めて、その気転、スピード、ジャーリズム魂に感心した。ただ、そこで測られた312日の放射線量、政府・東電とも未だに公表はしていない。チェルノブイリでも起きた、情報隠しは決してあってはならないとはその通りである。人々は誰を信用するのか。私が意図するたまかんねっとの重要性は今更である。

安全神話は何処でも崩れる。チェルノブイリで放射線を浴びた少女が600kmも離れた街に移り住んだ。そこではチェルノブイリは言葉にもならない。少女は甲状腺がんの発症を知らずに全身がんに犯されるまで医者からも注意を受けなかった。彼女は「白樺の木が傷ついて樹液を出そうとも、また緑の葉を付ける時が来る」と誌を詠んで死んでいった。沢山の子供のがん患者、それぞれに物語がある。広河隆一はそれぞれに言葉をかけてきた。

チェルノブイリの原子炉爆発は、世界中に灰をばら撒いた。灰の拡散を防ぐために人工降雨も行ったようだ。それを告げたロシアの役人は「そのことを誰にもしゃべらないでくれ」と去って行ったという。それが1000kmも離れたところに100Svもの線量を持つ地域を沢山作っているようだ。

福島原子炉事故とて同じである。爆発ではないが、メルトダウン、メルトスルーは原子炉からの放射能を長期に出し続ける。日本列島は風力発電が困難な風の舞う多様な地形である。原子炉の灰の拡散が予想も付かないことだろうと私は思う。しかもそれは長期に覚悟しなければならない。長期という目処さえ立たないのである。肌理細かな時空間的測量が必要である。それは食料に対しても、同じである。彼の提案は、食料検査所の日本中の整備である。

質疑では、別の若い奥さんが何を食べればよいのかと質問していた。どうしても食物検査所が必要である。保健所の職員が県が原子力安全性委員に山下某を採用したがどうですかと質問すると、彼こそIAEAの安全性神話を為したグループ、福島県はそうした人間を欲しがるが、安全でないところに安心は無い。そのような動きに騙されないことだと答えた。別の住民に脱原発の流れはどうかと聞かれて、何時、何処でもある、脱原発原子力推進派との闘いは水面下で起きている。我々はその動きを加速させることだと答えていた。海でのサーフィンが何時出来るようになるのかとの質問には、笑いながら、ドナウ川では今でもなまずなど低生の魚は食わない。浮かぶサーフィンならば良いが、決して潜らないことだと答えていた。しきい値1Sv20Svについて聞かれて、しきい値などあるはずが無いとは彼の主張である。

要するに広河隆一は情報の宝庫である。私が挨拶した時に、無愛想な広河隆一だったが、演壇での広河隆一は自由自在に情報が飛び交う知識の宝庫である。

私の第二の収穫以下青梅市からいわき市に到る測定値である。

AM450分  青梅総合高校G前神社 0.180.20μSv/
南北道路交差点 0.12μSv/h
東青梅駅 0.15μSv/
AM505 河辺駅 0.12μSv/
小作駅 0.08μSv/
羽村駅 0.10μSv/h
福生駅 0.08μSv/
牛浜駅 0.07μSv/
拝島駅 0.11μSv/
昭島、中神、東中味、西立川 0.070.08μSv/h
AM535 立川駅 0.05μSv/
国立駅 0.12μSv/
西国分寺駅 0.11μSv/
国分寺駅 0.08μSv/
武蔵小金井駅 0.07μSv/
東小金井駅 0.10μSv/
AM545 武蔵堺駅 0.08μSv/
三鷹駅           0.08μSv/
吉祥寺駅          0.08μSv/
西荻窪駅 0.10μSv/
荻窪駅           0.08μSv/
阿佐ヶ谷駅 0.07μSv/
高円寺駅 0.12μSv/
中野駅 0.13μSv/
       東中野駅 0.08μSv/
AM615 大久保駅 0.11μSv/
新宿駅 0.10μSv/
高田馬場駅         0.08μSv/
目白駅 0.07μSv/
池袋駅           0.07μSv/
大塚駅           0.04μSv/
巣鴨駅           0.10μSv/
駒込駅           0.12μSv/
AM635 田端駅 0.10μSv/
西日暮里駅 0.10μSv/
三河島駅 0.08μSv/
南千住駅 0.10μSv/
AM635 北千住駅 0.080.12μSv/
松戸駅 0.120.14μSv/
柏駅 0.110.12μSv/
AM730 我孫子駅 0.13μSv/
天王台駅 0.17μSv/
取手駅           0.11μSv/
       藤代駅           0.12μSv/
       佐原駅           0.17μSv/
                牛久駅           0.14μSv/
       常陸野駅          0.14μSv/
AM755分  土浦駅           0.130.14μSv/
       神立駅           0.11μSv/
                高浜駅           0.14μSv/
       石岡駅           0.10μSv/
       羽鳥駅           0.12μSv/
                岩間駅           0.10μSv/
       友部駅           0.13μSv/
       内原駅           0.08μSv/
AM835分  赤塚駅           0.11μSv/
AM845分  水戸駅           0.13から.15μSv/
AM910分  勝田駅           0.110.18μSv/
       佐和駅           0.13カら0.15μSv/
       東海駅           0.160.18μSv/
AM930分  大甕駅           0.160.18μSv/
       常陸多賀駅         0.14μSv/
       日立駅           0.140.18μSv/
AM950分  小木津駅          0.170.18μSv/
十王駅          0.140.15μSv/
       高萩駅           0.21μSv/
       南中郷駅          0.180.37μSv/
AM1010 磯原駅           0.15μSv/
       大津港駅          0.160.20μSv/
       勿来駅 0.170.18μSv/
                鮫川駅           0.170.18μSv/
       植田駅 0.15μSv/
       泉駅 0.160.19μSv/
AM1030 湯本駅           0.150.18μSv/
       内郷駅           0.170.28032μSv/
       内郷市街 0.170.18μSv/
自転車道路
①  地表 0.23,0.280.32μSv/
コンクリート 0.42μSv/
アスファルト 0.41μSv/
大気    0.30μSv/
コンクリート 0.48μSv/
アスファルト   0.31μSv/
水路鉄蓋格子 0.280.48μSv/
大気 0.30μSv/
コンクリート 0.310.39 μSv/
アスファルト 0.31μSv/
水路鉄蓋格子 0.51μSv/
新川川べり
自転車道路
大気   0.31μSv/
草むら 0.31μSv/
コンクリート椅子 0.310.35μSv/
大気 0.330.34μSv/
草むら 0.32μSv/
橋げた 0.32μSv/
水路鉄蓋格子 0.280.48μSv/
新川公園
ベンチ 0.27μSv/
コンクリート    0.47μSv/
地表(土)    0.18,0.0.280.38μSv/
地表(コンクリート 0.420.51μSv/
桜の木(土) 0.38.44μSv/
公園ベンチ鉄板 0.32μSv/
公園白コンクリート塀  0.30μSv/
鉄の輪トンネル   0.2μSv/
アヒル乗馬(プラスチック)0.29μSv/
シーソ(鉄)    0.30μSv/
ブランコ(プラスチック)0.33μSv/
ブランコ(下砂) 0.33μSv/
鉄棒 0.25μSv/
ベンチ(コンクリート)0.25μSv/
葛桂の木の下 0.310.33μSv/
砂遊び場(コンクリート枠)0.33μSv/
機関車(コンクリート) 0.28μSv/h
滑り台(ステンレス)0.29μSv/
ブロック塀(白コンクリート)0.280.40μSv/
小山(コンクリート) 0.280.30μSv/
ブランコ(赤い皮) 0.31μSv/
ブランコ(青い皮) 0.32μSv/
プールサイド(コンクリート)0.27μSv/
プール傍用水路鉄蓋 0.28μSv/
公衆トイレ 0.31μSv/
公園出入り口水道蛇口(コンクリート)0.31μSv/
オブジェ(コンクリート)0.28μSv/
公園前道路 0.200.27μSv/
PM1755 いわき駅(高速バス車内) 0.15μSv/
PM1755分 友部P 0.14μSv/
友部Pトイレ 0.19μSv/ 
友部P地表コンクリート 0.17μSv/
PM2105 JR 東京駅 0.12μSv/
        神田駅 0.10μSv/
        御茶ノ水駅 0.070.09μSv/
       四谷駅 0.10μSv/
       新宿駅 0.10μSv/
       中野駅 0.07.009μSv/
       荻窪駅 0.07μSv/
       吉祥寺駅 0.10μSv/
       三鷹駅 0.070.08μSv/
       武蔵堺駅、東小金井駅 0.040.08μSv/
PM2145 武蔵小金井駅        0.070.08μSv/
       国分寺駅 0.07μSv/
       立川駅 0.10μSv/
       西立川駅 0.11μSv/
       東中神駅 0.12μSv/
       中神駅 0.11μSv/
       昭島駅 0.08μSv/
       拝島駅 0.08μSv/
       牛浜駅 0.11μSv/
       福生駅 0.130.15μSv/
       羽村駅 0.12μSv/
       小作駅 0.08μSv/
       河辺駅 0.100.12μSv/
       東青梅駅 0.12μSv/
以上

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