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2012年4月19日木曜日

20120419 池田こみちさんからのメール「岩手県・宮城県における災害廃棄物の焼却処理の全貌」

差出人:  Komichi IKEDA
日時:    2012年4月19日 16:52:42:JST
件名:    岩手県・宮城県における災害廃棄物の焼却処理の全貌

みなさま
各地の報告会でお話ししているように、岩手県・宮城県ではすでに仮設焼却炉の建設が進んでいます。その全貌を以下にまとめましたのでご覧下さい。
このデータについては、大田区議の奈須りえさんが、現地担当者に直接問い合わせて確認して下さっています。今後、コストなども調べていく予定です。
これらの仮設焼却炉については、一応、お粗末な環境影響評価を行っていますが、大気汚染については、通り一遍の項目であり、もちろん、周辺の地形なども考慮されていません。
がれきの焼却は広域でも現地でもリスクは同じです。たしかに若干の地域の雇用は創出されるとは思いますが、プラントメーカーやゼネコンなどの利益は極めて大きく、また、今後、処理終了後の廃炉の際の手間とコストを考えると、どうしてここまで「焼却処理」に固執するのか、ほんとうにわかりません。

池田こみち:岩手県・宮城県における災害廃棄物の焼却処理の全貌
 http://www.eritokyo.jp/independent/ikeda-col1215...html


細野大臣は、北九州市の小倉駅前街頭演説で、北九州市に300万トン×5基を建設中なので1000万トン以上の処理が可能などと、まったく不正確な発言をしていました。
確認したところ、それは石巻市で進めている300t/×5基の仮設焼却炉のことであることが判明しました。単位も一桁間違っているし、場所すら混乱しています。
仕事をしながら裏で演説や質疑応答の内容を聞いてましたら、全く感情的なあいまいな物言いに終始していました。以下はほんの一例です。
市民が「がれきを引き受けるより、避難者を受け入れるべき」と声をだすと、細野は「避難できずに現地で頑張っている人がいるのに、じゃ、石巻はどうすればいいんですか。そのことをもう少し理解していただきたい。」と泣き落とし。
また、「北九州市はPCB処理施設も引き受けてるし、これ以上の北九州市を汚染しないでほしい。」という市民に対しては、「北九州市だけよければいいというのはちょっと考え直して欲しい」などと上から目線。
すべて感情に訴えるだけでなんら説得力のある説明はしていませんでした。ここでも子どもががれきでつくったオブジェのタワーを振りかざし、これのどこが汚染されているのか、とまるで新興宗教まがい。
「現地の薪をストーブで焚いたら高濃度の灰がのこったという話がある」と食い下がる市民に対しては、「安全な瓦礫をもってくるので全く問題ありません」の一点張りで非科学的きわまりなし。
もう、血迷っているとしか言いようがありません。熊本市で行われた環境省の南川政務次官の「お話」の後、質疑応答の中で、被災地から避難している方が、「地元ではがれきのことなんか全く気にしていないと言っている」と発言されるなど、環境省は現場の状況を掴んでいないことが明らかにされています。
なお、沿岸地域各自治体ごとの処理進捗状況は以下のリストを見ると
わかります。
沿岸市町村の災害廃棄物処理の進捗状況 2012416日現在
http://www.env.go.jp/jishin/shori120416.pdf

進捗率は 岩手県全体で10.4
宮城県全体で8.1%
福島県全体で7.5%
3県全体で  7.6%

というお粗末さ。これで焦っているのかもしれませんが、今のようなやり方
を続ければ続けるほど、広域処理は進まないと思います。

池田

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 池田 こみち  Komichi Ikeda
  環境総合研究所   Environmental Research Institute (ERI)
    142-0064 東京都品川区旗の台6-1-4-201
    03-5942-6832 tel  03-5751-7464 fax
    E-mail: ikeda@eritokyo.jp
    WWW : http://eritokyo.jp/

再掲:がれき広域処理でとりわけ問題なのは「日本のゴミ焼却主義」である!

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