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2010年3月11日木曜日

2010/3/6講演シンポジウムの報告 by 青木泰氏














2010/3/6「23区の廃プラ焼却と廃プラの今後」講演シンポジウムに関して、以下青木泰さんからの報告です。
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皆様へ


お世話様です。
「23区の廃プラ焼却と廃プラの今後」講演シンポジウムへの沢山の皆さんの参加有難うございました。85人の参加でした。
空調の調整が悪く、蒸し暑い中で、約3時間余も熱心に聴いていただき、その上1万3、930円ものカンパ有難うございました。

終了後の懇親会は、講師の皆さん4人が全員出席くださり、20人の参加で7時まで懇談し、所沢の渋木さんが作ってくださって、ケーキを皆に分けていただきました。
終わってみて改めて、講師の皆さんへのご質問や集会の持ち方などへのご意見ご質問がありましたら、ぜひお届けください。
講師の方々も皆さんからのお声が届けば、今後に生かす糧になると思います。
今回の集会は日程が重なっていたため、こられなかった方は、ぜひ添付や環境総合研究所のサイトやごみ探偵団のサイトをご覧ください。
宜しくお願いいたします。
青木
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23区の廃プラ焼却と廃プラの今後」講演シンポジウムの報告

講演シンポジウムは、会場の椅子を大幅に追加し、85名の方の参加を得て、1部の23区廃プラ焼却の専門家による検証、2部の今後の廃プラ、そして3部のシンポジウムを行ないました。参加者は、23区だけでなく三多摩、山梨、埼玉、神奈川、千葉から来ていただきました。
この集会は、23区廃プラ焼却検証市民実行委員会の呼びかけに7人の区議さんに答えて頂き、政務調査費を捻出して、環境総合研に調査依頼を出していただき、調査活動が出発しました。当日は、その内4(五十嵐みのる豊島区議、中村まさ子、前田かおる江東区議、寺沢文子千代田区議)が参加されました。

1) 1部―実証確認報告
まず環境総合研究所が、数百ページに上る実証確認データを精査し以下の点を報告されました。
      廃プラ焼却前と後とでどのような変化があったかを調べる調査計画を立てず、どのような変化があったかには触れていない。問題なしという結論在りありきの調査であった。
      膨大な調査データを採りながら、同一条件(同じ工場、同じ廃プラ混入率、収集範囲)での調査が、1回ずつしかないため、科学的データ足りえていない。
      環境中への直接的な影響について、本来連続的な調査を行わなければ、分からない排ガスや大気調査を、スポット調査しかしていない。これでは、「基準内」といわれても実態が分からない。
      その一方で、今回の調査からも、廃プラ焼却後は、飛灰、汚泥、溶融飛灰スラグなどの有毒物質(ダイオキシン、重金属)が明らかに増えていることが、確認できた。
      サーマルリサイクル等実証検討委員会は、我々のような第三者機関による調査データの科学的検証を受けて、結論を出すべきだ。
 また循環資源研究所の村田徳治氏からは、北清掃工場の実証報告や9つの清掃工場(全部で21清掃工場)の環境報告を入手し、その分析をした結果を以下のように報告(文書も含め)されました。
 ① 「基準内」といっているが、基準を越えた事例も報告されているが、ここには、原因は「ごみ質の急激な変化」とし、根拠なく「一時的」と書かれている。
   サーマルリサイクルと銘打って進めてきているが、そのリサイクル率について報告がない。(サーマル<=熱>は本来リサイクルできない。リカバリー<=熱回収>というべき)
   薬剤の購入量が増えている。これは、廃プラを焼却した時に塩ビなどの焼却量が増え、塩素ガスが発生し、これを中和するために苛性ソーダや消石灰を増やしたためと考えられる。杉並工場では、2007年度に比べ苛性ソーダの使用量が33%も増えている。
   各データを工場ごとに比較しようとしたが、データの単位の採り方が、用語は「受電電力」「買入電力」「購入電力」、単位は「KWh」「MWh」などのようにばらばらで、環境報告といいながら環境対策を立てた後が見られない。
 1部の司会の池田こみち氏が、廃プラ混合焼却の妥当性、正当性が問われるとまとめ2部の「廃プラの今後」の森口祐一氏の講演に移りました。

 2) 2部 今後の廃プラ
森口氏は、朝日新聞紙上でも「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」の著者、武田邦彦氏とリサイクルの是非について“闘論”した人として知られています。武田氏は、リサイクルはお金がかかるし、ダイオキシンは安全無害だという焼却論者で、森口氏は、「目の前にあるプラスチックをどうするかだけを考えるなら、サーマルリサイクルは合理的な選択である。しかしせっかくその先を考える機会を与えられているのである。それを放棄して安直な解を求めることは、『もったいない』のではないか」(循環社会から廃プラスチック問題を考える<廃棄物学会誌VOL,16.NO5>)という主張の持ち主です。
 講演では、国の法律では、リデュース、リユース、リサイクルそれができなければ燃やしてエネルギーリカバリー(回収)となっている事を示し、燃やす事が優先されている現状は、循環型社会作りの経過矛盾であると語りました。
 廃プラの焼却には、問題があるとしながら、埋め立てても、メタン発酵による温室効果問題があり、当面プラスチックの使用量を減らすことができない現状の中で、バランスをとるしかない。
 また廃プラのリサイクルとして、埋め立てを減らし熱回収するのが大きな流れになっているが、CO2削減効果から見た時、高効率のごみ発電ですらリサイクルに及ばないと述べました。
 廃プラのリサイクルについて、
ⅰ) 現状捨てられている1/4しかリサイクルにまわされないのは、容リ法だけでなく、(製品プラも含め)有効に集める必要がある。
ⅱ) 分別収集にお金がかかるという前に、焼却コストなども考え、実際にコストを正しく計算する必要がある。
ⅲ) 廃プラの処理方法として、高炉還元など容リ法のケミカルリサイクルについても考える
等現状の転換を進めれば、リサイクルを進めることが可能とし、
今後の課題として
   廃棄するしかないプラスチックを使用した時、負担が増える課税方式
   塩素系プラの削減策
   廃プラの分別が楽になるような仕組み(製品プラを含めての分別)
を示された。
森口講師のお話と住民・市民活動を行なってきた私たちとの考え方は、
   廃プラの焼却による環境への影響や生命・健康への考え方
   全国的には、埋め立て処分場が逼迫している中で、現状ごみ発電を優先して交付金が支給され、リサイクルは後回しになっている現状への考え方
 等について異なっていたものの、プラスチックの生産そして廃プラの処理をどうするかについては、かなり同じ方向である事が分かりました。
 容器包装プラスチックだけでなく、製品プラも含めて港区や志木市のようにリサイクルの対象にしてリサイクルすれば、家庭から出す時に面倒な分別は、必要なくなり、洗って出す事に集中できます。また後の処理が困難な塩ビ系のプラスチックの生産制限や禁止は、市民団体も前から提案してきた事です。

3) シンポジウム
 講演・報告者相互の互いの報告に対しての感想やご意見をお聞きし、討議をしてゆく予定でしたが、会場から沢山の質問を出していただき、丁寧にお答えいただいたため、会場からの質問に加え、3部の司会者青木が、幾つかの関連質問を行い、お答えいただいたところで議論が終わってしまいました。(詳細は、環境総合研究所のサイトに写真入で報告いただきました。)
 今後の課題として行きたいと思います。なお会場でのカンパの結果1万3,930円いただきました。有難うございました。

4) 報告書の作成
 なお今後環境総合研究所によって、報告書が以下のような内容で作成され、発注のあった区議さんに、報告集と電子データで届けられます。-319日頃―環境総合研究所監修
   環境総合研究所による今回の実証確認データについての検証・報告
   循環資源研究所による「実証確認データ」「環境報告書」「清掃一組の事故報告」「サーマルリサイクル開始に伴うボイラー設備、発電諸問題」を検討した報告書
   廃棄物資源循環学会会員の論文
以上ご期待ください。(報告・文責青木)

<お知らせ>
23区廃プラ焼却検証市民実行委員会の次回会合
日時:3月18日(木)18時30分~
場所:豊島区生活産業プラザ3F・グループ活動室
議題:*講演シンポジウムの感想
   *実行委員会の報告集

http://eforum.jp/waste/ikedatakatori-tokyo23ku-plasticincineration1011.htm 
またごみ探偵団のブログからも、資料の一部と一緒に、見ることができます。
http://gomitanteidan.blogspot.com/2010/03/201036-by-23.html

なお今回の講演シンポジウムは、以下のような内容で行なわれました。
1
報告:環境総合研究所 池田こみち副所長&鷹取敦調査部長
報告:循環資源研究所 村田徳治所長
2部 今後の廃プラ
 講師:国立環境研究所 森口祐一 循環型社会・廃棄物研究センター長
3部   シンポジウム

日時:36日(土) 1330開場 14001700
場所:豊島区生活産業プラザ(第1&第2会議室
<豊島区役所隣>豊島区東池袋1-20-15(03-5992-7011)池袋東口・旧三越裏
会費:500円  主催:23区廃プラ焼却検証市民実行委員
連絡先:03-5938-2720(T)2721(F

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