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2010年2月13日土曜日

ごみの焼却はなぜ危険なのか?

ごみの焼却はなぜ危険なのか? それについての友人のブログ記事を許可を得て以下に掲載します。


出典:ラブリー脳でハピーライフ http://blogs.yahoo.co.jp/delightful_mikan/56175714.html


2009/10/15

<ゴミ問題を考える 1 ゴミに対する誤解>

ゴミは、燃やせば消えてなくなる。燃やせないゴミは、埋めてしまえばいい。

多くの人がそう思っていると思います。でも、ゴミは、燃やしたら消えてなくなる訳でなく、灰と目に見えない細かい気体状の粒子に変化しているだけで、目に見える物質が減少しているだけです。

「質量保存の法則」って聞いたことがありますか?物理学の法則なんですけど、「物質や分子が関わるどんな現象においても、物質の総量は変わらないことを意味する」(『物理学者、ゴミと闘う』60頁より)ということなんです。

つまり、ゴミを燃やしても物質の状態が変化するだけで、物質の質量自体は変化せずに、ゴミという個体だったものが、灰や気体、液体になったりしているだけなんですね。


目の前から見えなくなれば、それでいいじゃないか。そういうご意見もあると思いますが、ごみ焼却場の煙突から吐き出されるガスや飛灰に、人間にとって有毒な物質が含まれているとしたらどうでしょうか?

目に見えない状態ですから、普通の人には確認できませんし、知らないうちに空気と一緒に吸い込んだり、身体に付着しているかもしれませんね。

それぐらいのことは、ゴミ処理関係者はわかっていて、有害物質が漏れないように、煙突にはフィルターをつけたりして、対処しているはずだと、思ってる人が多いと思います。

そうです。確かに高度な技術と温度管理、バグフィルターなどで、対処しています。しかし、焼却場周辺で健康異常が報告されているという話もありますし、完全に無害にできているかどうかは怪しい感じですね。

「ダイオキシン」が焼却で発生する有害物質では有名ですが、ゴミの質が予想できない焼却炉で、どんな物質がどういう化学変化を起こしているかは、すべての把握は難しく、ダイオキシン以外にも、有害物質が発生していると考えられています。管理する物質が把握できないのに、焼却で発生するすべての物質を人間の技術力で管理できるということは難しいと思うのですが。

『ごみを燃やす社会』(山本節子著 築地書館)の中に、わかりやすい一文がありました。

『ごみの焼却処理によってごみ量は投入量よりむしろ増大することを、科学的に検証した報告もあります。固形のごみを熱してガスや灰にするには大量のエネルギーが必要ですが、そこに投入されるガスや重油の量を考えれば、かえって廃棄物の総量が増すのは当たり前です。私たちがこの「当たり前のこと」に気づかないのは、焼却によってごみが元の形状を破壊され、気体や灰などごく微小な形に変わってしまうからです。煙突などから環境中に排出されるこれらの微小な物質 ーそれが「減量」されたと考えられているのですがー は、元の物質より濃度が濃くなるため、二度と集めることはできません(これをエントロピーといいます)ごみの焼却処理とは、こうして物質に高熱と酸化処理(焼却)をほどこし、それを極小化して周辺に広く拡散させるという手法です。しかし、いくら濃度が低くても、物質は「煙のように」消え去るわけではありません。焼却が続く限り、さまざまな有毒な酸化物や化合物が周辺に降り注ぎ、蓄積されてゆきます。「焼却によるごみの減量」というのは間違った思い込みです。』(11頁12頁)

ごみの燃焼による化学変化についてもっと知りたい場合は、理学博士の越村英雄著「廃棄物の燃焼と化学物質の挙動」(東京図書出版会 2001年)にとても詳しく書かれています。

さて、ゴミの焼却場からゴミを燃やして出た残灰は、集められて、そのまま土に埋めると、残灰に含まれる有害物質が土壌に深刻な影響を与えるので、防水のゴムシートなどで遮水処理をした管理型処分場あるいは、もっと厳重に管理する遮断型処分場に埋め立てられたり、溶融固化などの処理をされて、スラグ化して再利用されたりします。

気化したゴミは排ガスとなって、煙突から排出されます。でも、焼却場を作っている人たちは、この排ガスに有害成分が含まれていることを知っているので、煙突にバグフィルターをつけて排ガス処理をほどこし、飛灰も集塵機で集められます。集められた飛灰は、溶融固化や薬剤処理で安定化させて、スラグ化して再利用したり、最終処分場に埋めたり、非鉄製錬原料として再利用されているようです。

しかし、その処理が本当に完全で安全なのか、どうなのか?

『ごみ処理広域化計画—地方分権と行政の民営化』(山本節子 築地書館 2001年)
『ごみを燃やす社会—ごみ焼却はなぜ危険か(山本節子 築地書館 2004年)

この2冊の本には、ゴミ焼却がどれほど有害物質をばらまいて危険な方法であるかということと、ゴミ行政の知られざる官民癒着の実体など、ゴミ問題に関心がある人には必読のレポートがぎっしり詰まってます。

他にも、おすすめの2冊。

『物理学者、ゴミと闘う』(広瀬立成 講談社新書 2007年)

物理学者である著者が実際に、町田市のゴミ処分場問題に立ち向かったときの話。ゴミの問題に関して、科学的かつ本質的な説明が素人にもわかりやすく記述されています。

『プラスチックゴミを燃やしてよいのか』 (青木泰 リサイクル文化社 2008年)

ゴミ問題はもとより、あまり知られていない陶磁器のリサイクルに関しても詳しい記載があります。

ぜひ、ご一読を勧めます。




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